紅魔郷:銀の月、辺りを見回す
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 銀月達が館の中に入ると、中は豪華絢爛な造りのホールになっていた。

 天井からはいくつものシャンデリアが吊るされており、周囲を照らし出していた。

 全体的に紅いそのフロアには、見るからに高価な絵画や彫刻などが飾られている。

 そんなホールを見て、二人は違和感を感じた。

 

「……何だかやけに広いわね」

「それによく見ると窓が無いね、この館」

 

 二人はそう言いながら辺りを見回す。

 二人が感じた違和感は、外からの見た目と中身の空間の広さがあっていないと言うものであった。

 また、窓が無いにもかかわらず中の空気は悪いものではなく、むしろ清々しさを覚えるほど新鮮な空気であった。

 そんな館の中を見て、銀月はふっと一息ついた。

 

「快適だけど、窓が無いんじゃ昼でも蝋燭に火をつけないと真っ暗だな。蝋燭代が幾らになるのやら……」

「ここに住んでる奴はよっぽど太陽が嫌いなのかしら?」

「案外、ここに住んでるのは吸血鬼だったりして」

 

 軽口を叩きながら館内を歩いて回る。

 館内は異常なほど静かで人気がまるで無い。

 そんな様子に、銀月は首をかしげた。

 

「……どうしたのよ、首を傾げたりして?」

「う〜ん、やっぱり誰も居ないな。この規模の館で門番や使用人が居ないって言うのは考えづらいし……と言うことはやっぱり先に誰か入り込んだのかな?」

「どうでもいいわ、そんなこと。それよりもさっさとはた迷惑なことしてくれた奴をとっちめに行きましょう」

「そうだな。父さんについても話を聞かないといけないしね」

 

 二人はそう言い合うと、無人の館内を歩いていった。

 

 

 

 

 一方その頃、館の地下ではモノトーンの服を着た魔法使いがうろついていた。

 周囲には見上げるような高さの本棚がずらりと並んでいて、その一つ一つにぎっしりと本が詰まっていた。

 

「なんか凄い数の本が並んでるな……図書館か?」

 

 魔理沙は辺りを見回しながら先に進んでいく。

 その行く手にはメイド服を着た妖精が立ちふさがり、激しい攻撃を仕掛けてくる。

 

「甘いぜ! そんなものじゃ私は落ちないぜ!」

 

 魔理沙はそれをすいすいと避けながら、レーザーで相手を次々と撃ち落していく。

 すると、目の前にいきなり魔法陣が現れて弾幕を放った。

 不意打ち気味のその攻撃を、魔理沙は間一髪で躱す。

 

「おっと、魔法陣か。てことはここの持ち主は魔法が得意なのか?」

 

 魔理沙はメイド妖精や魔法陣の攻撃を落ち着いて躱していく。

 しばらく進んでいくと、妖精とは違う少女が目の前に現れた。

 少女は紅く長い髪をしていて、背中と頭からこうもりのような翼が生えていた。

 魔理沙はその姿から、ここで働いている小悪魔だろうと言う予測をつけた。

 

「え、あなた誰ですか!?」

「通りすがりの魔法使いだぜ」

 

 自分の姿を見て驚く小悪魔に、魔理沙はそう言って答えを返す。

 すると小悪魔は慌てた様子で魔理沙に食って掛かる。

 

「その通りすがりの魔法使いさんが何でこんなところに居るんですかぁ!?」

「ん〜何となく面白そうだから?」

「ダメですよぉ! 出て行ってください!」

「おっと、そいつは聞けないな。私の行動を決められるのは私だけだぜ!」

 

 腕をバタバタと振り回しながら抗議してくる小悪魔。

 それを魔理沙は聞く耳を持とうとしない。

 そんな魔理沙を見て、小悪魔は涙眼で頬を膨らませた。

 

「言うことを聞いてくれないと、痛いですよぉ!」

 

 無理矢理居座ろうとする魔理沙に、小悪魔は弾幕を放つ。

 青白く大きな弾幕を放射状に放ちながら、青く小さな弾丸をランダムに放ってくる。

 

「それくらいじゃ私は止められないぜ!」

 

 魔理沙はその弾幕を余裕の表情で避けていく。

 そしてその余裕で持って小悪魔をレーザーで撃ち落した。

 

「こあぁぁ!?」

「ふん、出直してきな!」

「あう〜……ごめんなさい、パチュリー様ぁ……」

 

 小悪魔はそう言うと、よろよろと飛び去っていった。

 魔理沙はそれを見届けると、再びメイド妖精や魔法陣の攻撃を躱しながら先へ進んでいく。

 しばらく行くと出尽くしたのか相手の攻撃が止み、再び静かになった。

 

「それにしても、ギル遅いなぁ……ギルならあんな奴すぐに片付けられそうなのにな」

 

 魔理沙は退屈そうにあくびをしながらそういう。

 何かないか辺りを見回すと、ずらっと並んだ本が眼に入った。

 

「まあいいや、ギルが来るまでここの本でも読んで待ってよう」

 

 魔理沙はそう言うと、近くにあった本を眺める。

 しばらく眺めているうちに、魔理沙の表情がつまらなさそうなものから段々と明るいものに変わっていった。

 

「うわ、凄いな……よく見てみりゃこいつらみんな魔道書じゃないか……しかも見たことが無い奴ばかり……」

 

 魔理沙は一冊の本を手にとって中を見る。

 その中身は今まで見たことがないような内容で、魔理沙の知的好奇心を刺激するものであった。

 魔理沙は本を閉じると、キョロキョロと辺りを見回した。

 

「……ちょっとぐらい持ってってもばれないよな?」

「持ってかないでー」

 

 魔理沙が本を持っていこうとすると、どこからともなく少女の声が聞こえてきた。

 その声に、魔理沙は顔を上げる。

 

「ん? 誰だ?」

 

 魔理沙の前に現れたのは紫色の髪にリボンを付け、手に本を持っている少女だった。

 その少女ことパチュリーは魔理沙の前に通路を塞ぐように立つと、抗議の視線を送った。

 

「ここの本を勝手に持っていかれたら困るわ」

「あ、そうか? んじゃ、こいつら借りてくぜ!」

「持ち出しを許可した覚えはないわよ」

「いいじゃないか、盗むわけじゃないんだし」

 

 魔理沙はそう言いながら笑って手を振る。

 それを見て、パチュリーは魔理沙にジト眼を送る。

 

「良くないわよ。そもそも貴女が本を返す保証が無いわ」

「ちゃんと返すって。期限は……そうだな、私が死んだらってことでどうだ?」

 

 魔理沙は少し考えるそぶりを見せてからそう言った。

 それを聞いて、パチュリーは頭を抱えてため息をついた。

 

「……話にならないわ。つまりあなたは泥棒ネズミと変わらないのね」

「だから泥棒じゃないって」

「ええっと……泥棒ネズミをやっつける方法は……」

 

 パチュリーはそう言いながら手にした本をめくる。

 

「遅いぜ!」

 

 そんなパチュリーに先手を打つべく、魔理沙はスペルカードを発動させた。

 

 

 

 魔符「スターダストレヴァリエ」

 

 

 

 魔理沙は星屑を撒き散らしながら相手に突っ込んでいく。

 一方のパチュリーは風に乗って宙を舞い、魔理沙と星屑を躱していく。

 魔理沙は何度も突っ込んでくるが、パチュリーは冷静にそれを捌いていく。

 

「いっくぞー!」

「……あ」

 

 しかし何度目かの魔理沙の攻撃になると、パチュリーは苦い表情を浮かべた。

 パチュリーの真後ろにあったのは本棚。

 このまま魔理沙が突っ込んでくれば、並んでいる本はただでは済まないであろう。

 

「いやっほう!」

「くっ!」

 

 パチュリーは突っ込んでくる魔理沙に対して手を突き出し、白く輝く障壁を作り出した。

 そこに、魔理沙が凄まじい勢いで突っ込んできた。

 ぶつかり合った瞬間、二人の間に激しく火花が散る。

 

「はっ、こんなもので私を止められると思うなよ!」

「やれるものなら、やってみなさい……!」

 

 押し返そうとするパチュリーの障壁に対して、それを突き破ろうとする魔理沙。

 やがて、障壁に沈み込むようにゆっくりと魔理沙が前進を始めた。

 少しずつ近づいていく二人の距離。

 

「うわっ!?」

 

 しかし、あと少しで届くと言うところで魔理沙は後ろに弾き飛ばされた。

 それを確認すると、パチュリーは大きくため息をついた。

 

「ふぅ……危ないわね、ぶつかったら大変じゃない」

 

 パチュリーはホッとした様子で魔理沙に話しかける。

 それを聞いて、態勢を立て直してから魔理沙は答えた。

 

「スペルカードルールなら大怪我はしないぜ?」

「誰も貴女の心配なんてしていないわ。本棚に当たったら崩れてくるじゃない。直接ぶつかった時のための術式は組んでないんだから」

 

 魔理沙の言葉に、パチュリーはそう言って返す。

 それを聞いて、魔理沙は納得したように頷いた。

 

「ああ、後片付けの心配か」

「まあ、片付けるのは小悪魔だけど」

「人任せなのかよ……」

 

 パチュリーの一言で、魔理沙の肩からガクッと力が抜ける。

 その一方で、パチュリーはポケットからスペルカードを取り出した。

 

「でも、貴女を捕まえるほうが手っ取り早いわね」

 

 パチュリーはそう言うと、スペルカードを発動させた。

 

 

 

 木符「グリーンストーム」

 

 

 

 そのスペルが発動した瞬間、魔理沙の周囲に大量の緑色の弾丸が現れた。

 弾丸は木の葉が舞うように飛び、魔理沙に襲い掛かっていく。

 

「よっ、はっ、ほっと!」

 

 魔理沙はそれを難なく避け、反撃を加えていく。

 パチュリーはその反撃を避けながら、眉をひそめた。

 

「むっ、当たらないわね……」

「こんな温い弾幕に当たるか! ギルの弾幕の方がきついぜ!」

 

 そう言いながら魔理沙は的確にパチュリーに狙いを定めて攻撃を仕掛けていく。

 しばらくすると、スペルカードの効果が切れて緑の嵐は収まった。

 それと同時に、パチュリーは小さくため息をついた。

 

「ギルって言うのが誰か知らないけど、私の魔法だってこれで終わりと言うわけじゃないわ」

 

 パチュリーはそう言うと、二枚目のスペルカードを掲げて発動させた。

 

 

 

 金&水符「マーキュリポイズン」

 

 

 

 今度は青と黄色の弾幕が円を描くように回転しながら迫ってくる。

 その二色の弾丸は交差するように魔理沙に飛んでいき、行動を制限する。

 

「っとと、連続でスペルカード使うのかよ……」

 

 魔理沙は連続でスペルカードを使われて一瞬焦ったが、素早く体勢を立て直して躱していく。

 かなり避けづらい位置に弾が飛んでくるため、魔理沙は集中してそれを避ける。

 

「むきゅん、むきゅん……くっ、こんな時に……」

 

 その一方で、パチュリーは急に咳き込み始めた。

 その体調の変化に、パチュリーは歯噛みする。

 

「はっはぁ! まだまだぁ!」

 

 そんな中、魔理沙はパチュリーのスペルを突破した。

 それを見て、パチュリーは必死で咳を抑えて相手を見返した。

 

「むきゅ……ちょこまかと、うっとおしいわね。それなら力押し、で行かせてもらうわ、むきゅん」

 

 パチュリーは苦しそうに胸を押さえながらそう言うと、少し焦るように三枚目のスペルカードを発動させた。

 

 

 

 火&土符「ラーヴァクロムレク」

 

 

 

 次の瞬間、大量の炎の玉が放射状にばら撒かれた。

 炎の弾丸はかなりの大きさがあり、その間隔は狭い。

 さらにその隙間を埋めるように黄色い弾丸が飛んでくる。

 パチュリーの言うとおり、まさに力押しといえるスペルであった。

 

「うわっと!? ふう、一瞬ヒヤッとしたぜ……」

 

 その弾幕を魔理沙はギリギリの位置で避けていく。

 炎がすぐ近くを通り抜け、箒の先端を焦がしていく。

 魔理沙の額には玉のような汗が浮かび、顎の先から滴り落ちていた。

 

「ひゅー……ひゅー……こ、これなら、どうかしら?」

 

 パチュリーは必死に息を整えながら魔理沙に話しかける。

 呼吸が上手く出来ず、大きな呼吸音が聞こえている。

 それに気付かず、魔理沙は笑みを浮かべた。

 

「……ちっちっちっ、これで力押しなんて片腹痛いぜ。力押しって言うのはな、こうやるんだよ!」

 

 魔理沙はそう言うと、スペルカードと何やら道具を取り出した。

 

 

 

 恋符「マスタースパーク」

 

 

 

 スペルを宣言すると、魔理沙は手にした道具をパチュリーに向けた。

 その道具は小さな八角形の道具であり、強い魔力が感じられる道具「ミニ八卦炉」であった。

 魔理沙の魔力がそのミニ八卦炉に集められ、強い光を発し始める。

 

「いっけえー!」

 

 次の瞬間、極太のレーザーがパチュリーに向けて発射された。

 レーザーは炎を巻き込み、弾丸を掻き消していく。

 

「むきゅん、むきゅん、しまった、身動きが……」

 

 パチュリーは咳き込み、身動きが取れない。

 そんな彼女を、レーザーは容赦無く飲み込んでいった。

 

「きゃっ……」

 

 パチュリーは吹き飛ばされ、地面に転がった。

 スペルカードルールなので外傷は無いが、それでもかなりの衝撃を受けてその場に倒れている。

 そんな彼女に魔理沙は近づいていく。

 

「なかなかに良かったけど、私の敵じゃなかった……?」

「むきゅん、むきゅん、むきゅん……」

 

 パチュリーは激しく咳き込み、その場で悶え苦しむ。

 ここに来て、魔理沙は初めてパチュリーの容態に気がついた。

 魔理沙の顔から一気に血の気が引き、慌ててパチュリーに駆け寄った。

 

「お、おい、大丈夫か!? おい、誰か居ないのか!?」

 

 魔理沙は救援を求めて大声で叫んだ。

 すると、先程の小悪魔がふらふらと飛んできた。

 

「あう……どうしたんで……あ、パチュリー様! こあぁ、大変、急いでお薬持ってこないと!!」

 

 小悪魔はパチュリーを見るなり大急ぎで薬を取りに行こうとする。

 そんな彼女に、魔理沙は声をかけた。

 

「なあ、こいつは何の病気なんだ!?」

「パチュリー様は喘息持ちなんです!」

「喘息か! じゃあ、まずは頭に紙袋をかぶせて……」

 

 魔理沙はそう言うと、大きく「罪」と書かれた紙袋をパチュリーの頭に被せた。

 その様子を見て、小悪魔は派手にずっこけた。

 

「それは過呼吸の応急処置ですよぅ! まずは椅子に座らせて背中をさすってあげてください!」

「あ、ああ!」

 

 魔理沙はパチュリーを抱きかかえると、椅子に座らせて背中をさすった。

 すると少し落ち着いたのか段々と咳は収まっていき、代わりに苦しそうな呼吸音が聞こえてきた。

 

「ひゅー……ひゅー……ひゅー……むきゅん、ひゅー……」

「だ、大丈夫か?」

「ひゅー……ひゅー……」

 

 魔理沙の問いに、パチュリーは力なく頷いた。

 それを見て、魔理沙は少し安心して笑みを浮かべた。

 

「そうか、答えられるだけの余裕はあるんだな。ちょっと待ってろ!」

 

 魔理沙はそう言うと一目散に飛び出していった。

 向かう先は先程薬を取りに行った小悪魔のところだった。

 

「ない、ない、どこにしまったんだっけ〜!?」

 

 小悪魔は必死に喘息の薬を探している様で、辺りを引っ掻き回している。

 そんな彼女に、魔理沙は声をかけた。

 

「おい、喘息について書かれた本はどこにあるか知らないか!?」

「え、えっと確か……あの辺りにあったと思います!」

「分かった!」

 

 小悪魔が指を指した方向に向かって、魔理沙は全力で飛んでいく。

 しばらくすると、喘息について書かれた本があると思われる一角にたどり着いた。

 その一角は医術について書かれた本がならんでいた。

 魔理沙はその中から、目的の本を探し出すことにした。

 

「これじゃない、これでもない……これか?」

 

 魔理沙は沢山の本の中から、呼吸器系統の疾患について書かれた本を抜き出して目次を見た。

 そこには、喘息についての知識もしっかりと載っていた。

 

「っと……喘息の発作を止めるには……あった! って、治喘(じぜん)と咳喘点(かくぜんてん)ってつぼを強くつねって暖めるのか……よし!」

 

 魔理沙は本に栞代わりの自分のスペルカードを挟んで閉じると、それを持ってパチュリーの元へと急いだ。

 

「おーい、今よく効くつぼを見つけたからやってやるぜ!」

「……もう治ってるわよ。薬を使ったから」

 

 魔理沙がパチュリーの元につくと、そこには症状が完全に治まったパチュリーが居た。

 その前には吸入器がついたフラスコがおいてあり、中には気化性の薬品が入っていた。

 

「ありゃ、ちょっと遅かったか」

「全く、普段からすぐに取り出せる場所に補充しておきなさいと言ってたのに……時間掛かりすぎよ」

「こあぁ……ごめんなさい〜」

 

 ジト眼を向けるパチュリーに、小悪魔はしゅんとうなだれる。

 そんなパチュリーに魔理沙は話しかけた。

 

「にしても、調子が悪いんなら最初から言ってくれよ。そうすれば手加減できたのにさ」

「言う必要もないと思っていたのよ。まあ、どうやら私が見くびっていたようだけど」

「余裕と慢心は違うって奴か。銀月の言うとおりだったな」

 

 憮然とした表情で話すパチュリーに、魔理沙は銀月の言葉を思い出した。

 すると、突如としてパチュリーは魔理沙に礼をした。

 

「……一応礼を言っておくわ。ありがとう」

「礼なら要らないぜ。その代わり、本は借りていくぜ」

「それとこれとは話は別よ」

 

 笑顔で答えを返す魔理沙に、パチュリーは白い眼を向ける。

 それを見て、魔理沙は苦笑いを浮かべた。

 

「ああそうかい。……それにしても、ギル遅いなぁ……何やってんだ?」

「……侵入者は貴女だけじゃないのね。それで、連れが来ない貴女はどうするつもり?」

「そうだな……しばらくここで本でも読みながら待たせてもらうぜ」

「帰るって言う選択肢はないのね」

「ああ、ないな」

 

 パチュリーの質問に魔理沙はきっぱりと答える。

 するとパチュリーは大きくため息をついた。

 

「はあ……勝手にしなさい。この中で読むのなら構わないわ」

「サンキュ! さてと、どの本にしようかな?」

 

 魔理沙は笑顔でそう返すと、友人を待つ間に読む本を探し始めた。

 

 ……その友人が敵と寄り添うようにして門の外で眠りこけているとは、魔理沙には知る由もなかった。

説明
玄関より堂々と潜入するも、がらんとした館内に辺りを見回す銀の月。その地下では、魔法使いが派手に暴れまわっていた。
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