グオングオン

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

バキンバキンバキン

ドサ

恋「ん、二人とも・・・・・そろそろ休憩しよう」

恋は倒れた二人に休憩の合図を送った

雅「ううう・・・・・さ、流石にきついな」

香風「・・・・死ぬかと思った」

恋「（フルフル）まだ、二人に合わせているから・・・・そんなに力出してない」

恋は頭を振りながらそう言うと

雅「やはり、まだ力の差は埋まってないか」

恋「そんな事無い。天水に居た頃の華雄だったらとっくに死・・・・倒れてる」

雅「今死んでると言おうとしただろ・・・・・」ジトーーー

雅はジト目で恋を見つめていると

恋「・・・・・・・そう言えば香風「話を逸らすなよ！」・・・・確かその大斧「無視かよ！」・・・」

香風「華雄うるさい」

雅「私が悪いのか！？」

香風「それでどうしたの？」

恋「ん、香風は確かその大斧で空を飛ぶのが夢だった？」

香風「うん。・・・・こう、ブンブン回して飛ぶの夢なんだ〜〜」

ブン、ブン、ブン

香風はそう言いながら大斧を体の上で回してみせた

恋「？飛べないの？」

香風「うん、だから夢なの」

恋「華雄は飛べる？」

今まで無視されて体育座りしていた雅は不貞腐れた顔をしながら

雅「ふん、そんなの出来るわけないだろう。そう言うお前は出来るのか恋？」

恋「ん・・・・・多分できる」

そう言った恋は方天画戟を回し始めた

ブン・・・ブン・・ブン・ブンブンブンブンブン

始めの方はただ回っている時の風切り音だったが次第に

フォンフォンフォンフォンフォン

と、甲高い音がし始めて

香風「あ！！」

香風は恋の足元に目をやってみると、そこには次第に浮き出し始めた恋の足が有ったのだった

香風「すごいよ華雄、見て見て！！」

雅「ありえん・・・・人がしかも武器で浮くだと・・・」

恋は涼しい顔をしながら回していき五十センチぐらい浮いたぐらいに戟を回すのを止めて地面に降りた

恋「すごい？」

二人「コクコクコク」

恋「親衛隊はこれぐらいできないと厳しい。だから二人とも頑張る」

恋は二人に激励を送ったのだった

後にこの話を聞いた凪と思春は飛べないと親衛隊をくびになると思い空を飛ぶ練習を始めたらしい。その後空を飛べたかは二人しか知らない

華侖「絶対おかしいっす！！なんであれで人が浮くんっすか！！」

春蘭「うむ、流石にあれは・・・・む〜〜〜しかし、恋が言うぐらいだからな・・・ムムムム」

柳琳「ムムムじゃないですよ！流石にあれは絶対に無理です！！」

二人は春蘭に詰め寄ったのだが

春蘭「でぇええええええい！！！うるさい、うるさい！！そんな事如何でもいい！！取りあえずアレだけ出来ないといけないと解ればいいのだ！！それじゃあ鍛錬を再開するとりゃぁぁぁぁぁあああああああああ！！！！！！」

ズバーーーーーーーーーーン

二人「「ぎゃーーーーーーーーーー」」

春蘭の渾身の一撃が二人を襲うのだった

それを見ていた

季衣「ね、ねえ、流琉？春蘭様の鍛錬・・・・」

流琉「如何したの季衣？ワッ！！」

ビュン

流琉の右頬スレスレに秋蘭が放った矢が通り過ぎていた

秋蘭「よそ見している余裕が有ったとわな・・・・・少々力を抜き過ぎていたようだな（ニヤ）」

秋蘭は五本の矢を番えて弓を引き絞り二人に狙いを定めた

流琉「うう〜〜〜季衣のせいで秋蘭様を怒らせちゃったじゃない！！」

季衣「だって〜〜〜〜（シュンシュンシュン）ひ〜〜〜〜〜！！！」

流琉「シュ、秋蘭様〜〜〜！！！この攻撃はまだ私達じゃ受け切れませんーーーーー！！！」

秋蘭「フフ、よそ見する余裕があるのだろう？この位すぐに避けれるさ」

秋蘭はにこやかな笑みと供に矢を射こみ続けるのだった

街では今日城では宴があると言う事もあり、城からの料理の差し入れなどが有りちょっとした祭りの様な雰囲気が流れている

「うお〜〜〜〜、やっぱりカレーうめーーーー！！！」

「いやいや、コロッケの方が上手いぞ！」

「はっはっは、お前たち馬鹿だな。両方とも美味いだろうが。それになこのカレーの上にコロッケを載せて食べると・・・・パク」パーーーーーー−

満面の笑みをこぼしたのである。それを見ていた言い争っていた二人も味が気になりやってみると

「「うめーーーーーーー！！！何これ！！お前神だな！！」」

この様なことが彼方此方と聞こえ民達からは笑い声や楽しく語り合う声が聞こえる中、鷹つまり華佗の診療所もまた違う賑わいを見せていた

猪々子「美羽様〜〜〜速く行かないと遅れますよ〜〜〜〜！！」

美羽「すぐに行くのじゃ！」

斗詩「あ、美羽様。お弁当忘れてますよ」

美羽「おお、そうじゃったそうじゃった。それじゃ、行ってくるのじゃ〜〜〜〜〜〜」

ダダダダダダ

白蓮「うわっ！」

バタン

麗羽「ちょ〜〜〜〜〜〜と白蓮さん！！何をしていますの！！いきなり戻ってきたと思えば鷹さんを押し倒して、何て破廉恥な！！鷹さんには七乃さんと言う立派な奥さんが居られるのですよ！！」

白蓮「ち、違うんだ！こ、これは急に袁術が飛び出してきてよろけてしまっただけだ」

麗羽「ま！言うに事欠いて、美羽さんのせいにするなんて！どう言うつもりですの！！」

白蓮「だ〜〜〜か〜〜ら〜〜〜誤解なんだって！！それに今はそんな事言うより他のやつに言うことが有るだろう」

麗羽「ソレとコレとは別ですわ！」

二人が言い争っていると白蓮の下から

鷹「すまないが公孫賛、その・・・速く退いてもらえないか？さすがにその・・・・」

白蓮「え？・・・・・う、うわわわわ（バッ）わ、悪い華佗」

鷹「いや、別にかまわないさ。それより七乃の所に行きたいのだが」

道を塞いでいた麗羽に伝えると

麗羽「ああ、これはすみませんでしたわ。ささ、どうぞ七乃さんの元に。それと改めてお祝いの言葉を言わせてもらいますわ。鷹さん、おめでとうございます」

鷹「はは、ありがとう袁紹。いや、真名も預かったから麗羽だったな」

麗羽「いえいえ、七乃さんは私や美羽さんにとっても大事な家族ですわ。その七乃さんの夫である鷹さんもまた家族。これ位の事当たり前ですわ」

鷹「そう言えばそうだったな。俺も家族が増えてうれしいぞ」

と、話していると

真桜「すんまへ〜〜〜〜ん、李典て言う者ですけど頼まれた事しに来ましたよ〜〜」

真桜が入り口から入ってきた

白蓮「ん？お前は確か曹操の所にいた・・・・・」

真桜「ん？あんたは確か・・・・えっと・・・・誰やったっけ？」

白蓮「公孫賛だ！！それより頼まれごとって？」

鷹「ああ、李典は俺が呼んだ。すまない李典、七乃は奥に寝ているからそっちに頼む」

麗羽「七乃さんに？」

鷹「ああ、麗羽は知ってると思うが七乃は義足をつけてるだろう？」

麗羽「ええ・・・あの時の戦いで・・・・」

麗羽は顔を俯かせて呟く

鷹「そこまで深く考えないでくれ。あの事はもう終わったことだ。それより、李典に来てもらった事だが、七乃の義足や車椅子の改良を頼んだんだ。これからお腹の子が大きくなるにつれ七乃の体にも負担がかかるからな」

麗羽「そうでしたの。ですがそれでしたら普通の工房の人に頼んでもよいのでわ？」

鷹「いや、そうでもない。七乃の義足は特別に夏候惇に作ってもらったんだが、流石に夏候惇が作っただけあってかなり精密に作ってあって並みの職人じゃ手が加えられないらしい」

麗羽「それなら本人にやってもらってもよかったのでは？」

鷹「始めはそうしようと思ったんだけどな、アッチはアッチで忙しそうだったからな。それで良い職人を紹介してもらったら李典だったと言う訳だ」

麗羽「成る程ですわ」

真桜「なあ、それで中に入ってもいいんか？」

鷹「ああ、すまない。李典、俺について来てくれ。七乃の所に案内する」

真桜「了解や」

鷹と真桜は家の奥に向かっていった

麗羽「斗詩さん、私もお弁当を下さいまし。私もそろそろ出なくては行けませんの」

斗詩「あ、はいどうぞ。麗羽様お気をつけて行ってくださいね」

麗羽「ええ、では行ってきますわ。白蓮さん行きますわよ」

白蓮「え！？私もか？」

麗羽「あら、伝わってませんでしたか？今日は司馬懿さんと私に白蓮さんの三人でお話することになっていますわよ」

白蓮「そんなの聞いてないぞ！」

麗羽「では今お聞きになったでしょう？では行きますわよ」

そう言って麗羽は白蓮の首を掴んで引きずっていった

そして家の中では

カチャカチャカチャ

真桜「フムフム・・・・なるほどなるほど・・・・此処がこなって・・・ああなって・・・うん、理解したで」

鷹「それでどうだ？」

真桜「うん、改良出来るで。ただ、少し時間がかかるで」

鷹「如何する七乃？」

七乃「そうですね〜〜、まだ車椅子があるから動けますけど狭いとこを通るときやご飯を作る時などが大変そうですけど・・・・・・うん、頼んでみようと思います」

鷹「よし、なら李典お願いできるか？」

真桜「よしわかったで。ほんなら悪いけどこれ持ち帰らさせてもらいますわ」

ゴソゴソ

真桜は持ってきた道具入れから袋を取り出し義足にまいて鞄に入れた

真桜「よし、ほんなら帰らせて・・・・」フラ

七乃「！李典さん！」

鷹「オット！」

真桜は立ち上がった瞬間に立ちくらみを起こし倒れそうになったのだった

鷹「おい李典大丈夫か？」

真桜「ああ、大丈夫や。すぐに次の仕事があるからすみませんが出て行かせてもらいますわ」

鷹「いや待て。李典・・・・・お前この頃ちゃんと休んでいるか？」

真桜「・・・・」

鷹「そうか・・・・・・なら休んでいけ」

真桜「そう言うわけにはいかん。うちは今休んでいる暇はないんや・・・・それに、うち達の動き一つで名が落ちるやつが居るんや・・・・・だから・・・」

鷹「それでもだ。俺は医者だ。今目の前で倒れそうになった奴を放っておくわけにはいかない。それに、お前には俺の妻の体の一部とも言える義足を頼むんだ、最善の体制で取り組んでほしい」

真桜「うぅ・・・・でも・・・」

七乃「鷹さん、此処は無理やりにも寝かしつけた方がいいと思いますよ」

鷹「そうだな」

スチャ

真桜「な、何をするつもりや？うち急いでんねん、放してや」

鷹が針を構えたのを見て真桜は焦りながらそう言うと

プス

真桜「うぅ・・・」

鷹が否応なしに針を刺して真桜を寝かしつけた

鷹「ふ〜〜かなり疲労が溜まっていたみたいだな。ついでに疲労回復のツボも刺しておくか・・・・・（プス）よし、これでいい。寝台に寝かせに行くか」

七乃「あ、鷹さん私も手伝います」

鷹「いや、いいよ。それに今七乃は義足が無いから上手く動けないだろ？」

七乃「あ、そうでした」

七乃は今の状態を思い出し手伝うのを諦めると調度入口の方から

斗詩「鷹さん、七乃さんすみませ〜〜〜ん。項羽様がお越しになられてますよ〜〜〜」

七乃「あ、私が出てきますね」

鷹「ああ、よろしく頼む。後ついでに李典の事を伝えてくれないか」

七乃「わかりました」

そう言って七乃は片足で器用に車椅子を進めて入り口に向かっていった

一刀「おお来た来た。七乃妊娠おめでとう」

七乃「これは一刀さんありがとうございます」

七乃は一刀からお祝いの言葉と花束を渡されてお礼を言った

一刀「それともう一つお前に贈り物があるぞ」

七乃「贈り物ですか？」

七乃は贈り物と言われたが他に一刀が何も持っていなかったので疑問を浮かべると

一刀「ああ、ただこれは七乃の意見が居るものだから今すぐには持ってこれるものじゃないな」

七乃「私の意見ですか？」

一刀「そうだぞ。妊娠した時お腹が出るだろう？」

七乃「はい」

一刀「その時の服を何着かお前に送ろうと思ってな。それで服の委託をするために七乃の意見がいるんだ」

七乃「成る程。本当に色々ありがとうございます一刀さん」

一刀「なに、友の初めての子供だからな。祝ってやるのは当たり前だろう」

一刀は笑いながらそう言った

七乃「それでもですよ。一刀さんの方はもう何人もの方が妊娠や出産をされているのに此方は余りお祝いの物が送れていませんですし・・・・」

一刀「そんなに気にするなよ。俺の所は人数が人数だからな。それに鷹には子供を取り上げる時いつも世話になっているからな。この前の風の出産の時もそうだったからな。それに、少し前にも月や梨晏が同時に出産した時は七乃にも色々と迷惑をかけてしまっていたからな」

七乃「いえ、それ程の事はしていませんよ。あっそうでした。一刀さんに伝えないといけない事があったんでした」

一刀「伝える事？」

七乃「はい。えっと、李典さんでしたでしょうか？この李典さんかなり疲れが溜まっていたようで先ほど立ちくらみを起こされて今は奥の寝台で鷹さんが寝かしつけてます」

一刀「そうか。この頃かなり無理をして仕事をしていると聞いていたが・・・・わかった、李典の仕事の事は俺が言っておこう。しかし、李典がこれだと于禁の方も・・・・凪」

シュタ

思春「すみません、一刀様。凪はもう・・・」

凪は七乃の真桜が倒れた事を聞いてすぐさま沙和の方に駆けて行っていた

凪は沙和も真桜と同じことが起きているのではないかと心配になったからである

一刀「そうか。言うまでも無かったな。七乃すまないが李典の事よろしく頼む」

七乃「解りました」

一刀「ああ、それと今日城で宴をするからもしよかったら参加してくれ」

一刀はそう言うと城に戻っていった