【真・恋姫†無双if】〜死を与えることなかれ〜28話
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『雪蓮、冥琳!!………っつ!!』

 

『…ごめんなさいね。もっと長く対話させたかったけど、

 管理者の権利を行使して話せるのはここまで』

 

『いえ、むしろこの様な機会を与えて頂き、その上、二人と対話出来ただけ、

 それだけで私は幸せでした。ありがとうございます。…泣いている場合じゃありませんね』

 

『そうね。男の涙は美しく絵になるけど、あの二人の為、今は涙を拭ったほうが良いかもねん』

 

『…はい。もう一度言います。ありがとうございます、貂蝉。

 これからは、愛する妻と娘達に時間を費やします。

 我が儘を押し通していた分、思いっきりの愛情と共に』

 

『それが良いわね。貴方の事だから蔑ろにはしていないだろうけど、

 それでも、今までの分だけ両手を広げ優しく包んであげなさい』

 

『はい』

 

『それじゃあ、私ももう行くわ。それと向こうの様子が分かるように

 リンクしといてあげる。じゃあ、また会いましょう。ご主人様』

 

『………』

 

 

 

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「これが奇跡の全貌、他外史の北郷一刀が介入し、記憶を共有した事によって、

 貴女達、二人の運命を変えたのよ」

 

 

…胸が張り裂けそうな位、痛い。私達二人の為に二十年の歳月を費やし、

 

そして、二人の一刀に救われた。けれど、それは自分を犠牲にして

 

運命の鎖を断ち切るという行為、駄目、上手く考えが纏まらない。

 

嬉しいのか、悲しいのか、その感情でさえ混濁して、頭が真っ白になりつつある。

 

 

「北郷」

 

「一刀」

 

「一刀様」

 

 

皆も一刀の名を呟き、その後が何も言えず、俯いて思いに耽るだけ。

 

 

「…雪蓮。貂蝉から外史という言葉を聞いて、違和感というか心に引っ掛からなかったか?

 私は、強烈にその感覚を抱いた」

 

「……私も感じたわ」

 

 

静寂の場に冥琳の声が主張する。確かに、あの時心に引っ掛かった。

 

冥琳が言う通り外史という言葉に…

 

 

「あちらの余波だと思うわ。貴女達二人の体の奥底に刻まれた外史、と言う言葉に

 自ずと反応していたみたいねん」

 

「何故、その様な事が」

 

「恐らく、向こうの貴女達二人が忘れたくなかった。切っ掛けはご主人様が扉を開いたのだけれど

 それに呼応する様に、二人に感応した。けれど、天の御使いと同じ様に交信が出来なかった為、

 心に想いを刷り込んだんだと思うわ」

 

「扉を開いたのは、お前ではないのか?」

 

「私は、あくまで補助しただけに過ぎないわん」

 

「………」

 

 

…とりあえず、今は落ち着こう。こんな状態じゃ、正常な判断がつかないものね

 

私は、胸に思いっきり空気を溜め込め、息を吐いた。

 

すると、私と冥琳以外の皆の声が聴こえてくる。

 

 

「向こうの策殿も冥琳も心から北郷に愛されていたのじゃな」

 

「…そうですね〜。でなければ二十年の歳月をかけて御二人を救う

 切っ掛けを作るなんて出来ませんよ」

 

「世界は決められている物語。正直、信じられないのです」

 

「…気にする必要はないと思うな。全ては決められているとしても、その時々に感じてた

 自らの意思で、未来を築いていく。重要なのは自分自身で選択し道を歩いて行く事だから」

 

「けど、その選択した思考さえ操られていたら…」

 

「自身を持つのよ、明命。私達が生命を宿している限り選択した意思は、清く正しい尊いもの。

 その思考は決して操れない。それに、向こうの一刀も言ってたでしょ。

 だから、大丈夫」

 

「さっすが、お姉ちゃん!!説得力あるね!!」

 

「…御強いのですね、蓮華様は。外史の秘密を知っても」

 

「そうね、確かに驚いたけど、世界の認識は今まで通り変わらないわ。

 外史が世界を創造した神だとしても、私は歩みを止めない。

 幼少時からの夢を叶えるまで。それと、一刀に、また教授して貰ったわ。

 決められた運命を変えられる。その強さを人は誰しも持っているって」

 

「内に秘めた力」

 

「決して諦めない意思が生んだ可能性の力ね」

 

「………!?」

 

「…貂蝉?」

 

 

蓮華らの会話に耳を傾けていた貂蝉は、一瞬、驚嘆な顔付きに変貌したが直ぐ様、

 

元の飄々とした掴み所がない様相に戻ってしまった。

 

見間違いかと思う位、一瞬の出来事、貂蝉は何に驚いていたのかしら。

 

 

「後は、一刀様の無事だけですね」

 

「…そうなのです」

 

「心配しなくても大丈夫よ。明命、亞莎、一刀はまた奇跡を起こしてくれるわ。

 運命なんかに屈したりしないわ」

 

「…はい」

 

 

…蓮華は本当に強くなったわね。私も信じないと。強靭な意思で。

 

 

「………貴女達、肉体的にも精神的にも疲れが極限に達しているでしょ。

 もう、話す事はないから、休んだほうが良いわ」

 

「冗談、こんな状況で休める訳ないでしょ…!!」

 

 

私を始め皆が同調し貂蝉の意見に反対する。

 

 

「まぁ、そう言うと思っていたわ。だから、私も奥の手を使うわねん」

 

「…え?」

 

 

貂蝉がそう言い終えると、甘い匂いが充満し、広間内を包む様に、

 

白い煙が立ち込めていった。

 

 

「貂蝉。これ、は……」

 

「春眠香と言って、強制的に眠りに付かせるお香。目を覚ますのは、翌朝ね」

 

「そんな、どうして…」

 

「…夜更かしは美容の天敵よん♪」

 

「かず、と…」

 

 

薄れいく意識の中、私はその名を呟き、意向とは逆に静に眠りに付いていった。

 

 

「………さてと、皆を寝室に運んで、華佗ちゃんの所に行くとしますかねん」

 

 

 

 

 

説明
こちらは真・恋姫†無双の二次創作でございます。
後、五話以内で終るかなと思う今日頃々。
もう少し、後、もう少しだ…!!
稚拙な文章、展開、口調がおかしい所があるかもしれません。
それでも、暇な時間に読んで頂けたら嬉しいです。
よろしくお願いします。
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コメント
心は永遠の中学二年生さん>蓮華の成長も孫呉にとって欠かせないものですからね!!コメントありがとうございます〜(南無さん)
無印のころから比べると、蓮華は随分成長しているな(心は永遠の中学二年生)
tadanominatoさん>今こそ男をみせる時ですね!!コメントありがとうございます〜(南無さん)
naoさん>蓮華の成長を見る為にも、一刀に復活して欲しいですね〜。コメントありがとうございます〜(南無さん)
ここまで慕われて復活しないのは男じゃないぜ!(未奈兎)
蓮華は心が強くなったなぁ〜ここまで皆に信じてもらってるんだ、一刀必ず復活しろ!(nao)
げんぶさん>こんな所で終る一刀ではないと皆信じていますよ〜。コメントありがとうございます〜(南無さん)
本郷 刃さん>一刀のお蔭で皆強くもなり、弱点にもなったそんな感じですね〜。コメントありがとうございます〜(南無さん)
睦月さん>蓮華の成長は雪蓮にとって、嬉しい誤算ですね〜。コメントありがとうございます〜(南無さん)
蓮華の心の強さの成長は一刀が居たからこそですよね、まぁ他の恋姫達もですが・・・(本郷 刃)
蓮華成長したなぁ〜(睦月)
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真・恋姫†無双 恋姫†無双 北郷一刀 雪蓮 冥琳 蓮華 貂蝉 

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