恋姫英雄譚 Neptune Spear
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Mission01:Welcome To Three Kingdom's

 

 

 

後漢末期………400年も続いた漢王室の権威は最早風前の灯だった。各地で広がる盗賊や天変地異、更には守るべき存在を逆に襲う漢軍による民への搾取。

僅かな財産も地方の汚職に手を染めた悪党により奪われ、生きていくだけで精一杯の金や食料も全て賊に奪われる。

 

生きる糧がない民はそのまま死を選ぶか、はては自分達も同じように民から奪って生計を立てるしか残されていない。

 

そんな負の連鎖に包まれた漢に一つの噂が流れる。

 

自称‘‘大陸一の占い師”とされる星読みの管路が全土に‘‘ある予言”を与えたのだ。

 

‘‘大陸に暗雲が広がる時、定めに抗う為に天より舞い降りし英雄が現れる。天界の弓を手にし、天界の武具を身に纏い、天界の知勇で乱世を終わらせん。其の者は金色の獅子の証を示し、定めを変えし君臨せん。その者は天界の精兵……天界の戦士なり”

 

誰もが与太話だと思って気にも掛けなかった。だがしかし彼等はそれを後に考えを改めることとなる。

 

それが‘‘真実”だということを……………。

 

 

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漢の北西部に位置する西涼。その長安と蘭州の中間に位置する街‘‘天水”郊外。

ここに数人の人達が夕暮れの道を歩いていた。

 

 

「ごめんね・・こんなに遅くなっちゃって………」

 

「ううん。大丈夫だよ・・・・・。それに仕方ないよ………お仕事忙しかったもんね?」

 

「全くあのボケ領主……小娘だと思って足元見てくれちゃって………ただでさえ賊が出没するっていうのに・・をこんな道に歩かせるなんて危ないじゃない??」

 

「心配するな・・よ。我々がいるのだから・・様には指一本………髪一本だって触れさせはせん」

 

「せやせや」

 

「ふふっ………いつも有り難うございます・・さん。・・・さん」

 

 

銀髪で慈母のような微笑みで礼をいう少女。紫の髪をした関西弁の女性は‘‘にゃはは”といいながら照れて、銀髪の女性は顔を少し赤くしながら頭を下げる。

 

このやりとりで4人は何か特別な絆で結ばれているとすぐに分かる。すると銀髪の少女が何かを思い出したかのように緑色の髪で眼鏡を掛けた少女に話しかける。

 

 

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「ねぇ・・ちゃん。こんなの知ってる?」

 

「?」

 

「‘‘大陸に暗雲が広がる時、定めに抗う為に天より舞い降りし英雄が現れる。天界の弓を手にし、天界の武具を身に纏い、天界の知勇で乱世を終わらせん。其の者は金色の獅子の証を示し、定めを変えし君臨せん。その者は天界の精兵……天界の戦士なり”」

 

「何かと思えば、管路のインチキ占いじゃない。そんなの真に受けちゃ駄目よ・・」

 

「ふ?ん……せやけどなんやオモロイ話やなぁ♪もしそれがホンモンやったら仕合してみたいで♪」

 

「無論だ。しかし私の斧に勝てるものなどありはせぬ??」

 

「あんた前にもそんなこと言って・・にボロ負けしてたじゃない」

 

「うっ……」

 

「へぅ……駄目だよ・・ちゃん。・・・さんを苛めちゃ……」

 

「なっ??ぼ……ボクは苛めてなんかないわよ??」

 

「ふふっ………じゃあ早く帰ろ?………へぅ?」

 

「なんや?どーかしたんか・・?」

 

銀髪の少女が何かを見つけて全員が一斉に見上げるとそこには眩いばかりの流星が一筋流れていた。

 

「なんやごっつい流星やな」

 

「なぁ、流星とは…あんなに長くとどまるものなのか?」

「へぅ……」

 

「………ねぇ……私って疲れてるのかな……なんだか大きくなって来てるように見えるんだけど………買い換えた眼鏡が失敗したのかな?」

 

「な……なぁ……多分気のせいやないと……思うんやけど………こっち来てへん?」

 

 

その流星は徐々に大きくなり、なんだか音も聞こえて来ていた。

 

 

「ちょっ??本当にこっち来てるわ??」

 

そう叫ぶと辺り一面が光に包まれて、暫くしてからようやく光が収まって来た。

 

 

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「へ…へぅぅうううっ??」

 

「ちょっ??な……なんなのよ一体??」

 

「なんだったのだ??・・・・様??お怪我はありませんか??」

 

「へぅ……大丈夫です……」

 

「かぁ???まだ目ぇがチカチカしよんで??………んっ?」

 

「・・さん、どうしましたか?」

 

「あそこ………誰か倒れとるで??」

 

 

紫の髪の女性が指差した先には1人の男性が倒れていた。すぐに駆け寄ると4人はその男性の出で立ちに驚いた。

 

 

「な……なんや?えらいけったいなカッコした兄ちゃんやで……」

 

「この服の模様はシミ?………違うようだ」

 

「ちょっと、こっちに何か転がってるわ」

 

 

そういうと緑色の髪をした少女は地面に落ちていた一部が男性の来ている服の柄と同じになった黒色のゴタゴタした筒のようなものを手にする。

 

 

「なぁ……只の旅人かと思ったけど違うみたいやで。よ?見たら小刀が何本か付いとる」

 

「……どっちにしてもかなり怪しいことには違いないわ。状況から見てもさっきの流星に関係があるとしか言いようがないし………ひとまずは城で手当てさせましょ。・・もいいわよね?」

 

「うん。私はいいよ・・ちゃん」

 

「じゃあ・・はこいつを馬に乗せて。・・・は辺りの荷物をお願いするわ」

 

 

緑色の髪の少女がそういうと2人は指示通りに実行する。

流星と共に現れた謎の男………これが後の運命の歯車が回り出した瞬間だということはまだ誰にも分からなかった……………。

説明
西涼の天水。そこに暮らす英傑4人の少女達の前に新たな英傑が君臨する。
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