恋姫英雄譚 Neptune Spear
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Mission21:6th Independent Hybrid Division

 

 

韓遂率いる叛乱軍討伐で討伐軍は敵と対峙していた。今までで相手をしていたのは何の策も連携も持たなかった農民崩れの賊であったが、今回は歴戦の猛者が多い西涼の正規軍。

実際、功に焦った正規軍部隊が先走って突撃をしていったが厚みがあり陣形に向かっていってたので返り討ち。指揮官は討ち取られたようだ。

 

俺達や曹操軍、馬騰軍、皇甫嵩軍の4つを除いて士気は低下してしまい、逆に敵軍は士気がこれでもかという位に高まってしまった。

 

これを打開するべく曹操が陣形変更を示し、左翼にいた俺達が最前線にと押したのだ。

あからさまに俺を試そうとしているのが見えているし、何よりも自分の覇道が正しいものだと見せつけたい。

そんな思惑がしてならない。

 

だが功績を挙げるのならばかえって好都合だし、俺達が開発した新兵器や陣形の実験が行なえる。

そう感じながら俺は右手でHK416を脇で抱えつつ、左手で双眼鏡を覗き込んでいた。

 

 

「正面にいるのは韓遂の軍勢だな?」

 

「はい、リアン様と同じく騎馬民族を付き従えさせており、高い武勇を持っているとされてます」

 

「しっかり連携も取れているし、前哨戦では向こうの勝ちだったからな……朝廷には呆れてものもいえないな」

 

「まぁええ、儂もあんな連中が使えるなんざこれっぽっちも思っとらんかったしな」

 

 

隣で同じく戦況を伺う燕達。

 

なお、本来は親衛隊に所属している燕がここにいるのは今回の戦では試験運用される兵器が配備されている。

それを使った戦術の検証と彼女自身の勉強の為にということめある。本当だったら鷹も連れて来たかったが天水の守備にも人員を回さなければならない上に今回は渓谷での戦いになる。

騎馬戦術を最も得意とする2人にとって戦いにくい場所となる。

 

 

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だから今回は迅と雷の両名共に天水の守備を任せてある。

 

 

「しかし曹操軍は何故私達をいきなり中央の最前線に配備替えを進言したのでしょうか?」

 

「曹操………あぁ、あの食わせんちっこい嬢ちゃんのことかいな….…噂には聞いとったけどホンマに食えん奴やで」

 

「曹操はかなりの自信家でもあるからな。数が少ない俺達を最前線に配備させ、劣勢を味あわせるつもりだろうな」

 

「何故なのでしょうか?」

 

「まず俺に覇道を認めさせること。次に自身の軍勢の損害を最小限に抑えること。この2つで劣勢状態の最前線を右翼に展開している曹操軍が颯爽と側面から奇襲を仕掛け、俺に借りを作らせることだろうな」

 

「なんやリアン、なんでんなことが分かるんや?」

 

「もし俺が曹操ならそうするからだ」

 

 

そう推測しながら伺っていると敵前衛に動きがあった。

 

 

「おっ?あいつら動き出しよったみたいやな?」

 

「そうなるな………よし。予定通りに行動する。第1、第2中隊は配置に付け」

 

 

敵に呼応するかのように周りにいた部下達も動き出す。第1中隊が所有している盾のようなものが横一列に並べられ、そのすぐ後ろに弓を持った弓兵が陣取る。

いきなり盾を構え出したことで後ろからは野次が飛び交うが、気にせず俺もHK416を構えて攻撃態勢を整える。

 

 

「まだだ、充分に引きつけろ……まだだ……まだだ………よし??今だ??」

 

 

敵が射程範囲に飛び込んだら俺は攻撃指示を下した。盾を構えた兵士の後ろから弓兵が弓矢を放つ。弓矢は突撃してくる敵兵に対しては効果的であるが、それは地形や人数がこちらに有利の話だ。

 

数では向こうが有利な筈なのに、次々と放たれた矢により敵兵が次々と倒されていった。

 

しかもよく見ると放たれた弓矢にも特徴があった。弓兵が放つ弓矢は至って在り来たりなもので曲線を描くように敵に襲い掛かるが、よく見ると水平で飛来していく短いものもあるが、それは弓兵が放つものではなかった。

 

 

「順調のようだな?」

 

「はい、予想以上の精度を誇っています。堅守弓は………」

 

 

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堅守弓………董卓軍にて試作開発されていたものを俺が手を加えた新型弩のことだ。外からみれば盾にしか見えないが裏には折り畳み式に改良した連弩にカートリッジ方式の弓矢を取り付けた守城兵器だ。

 

1回引き金を弾けば専用の矢3本が25度の範囲で放たれる。重量が増して携行には向かないが重心が盾に集まるので高い命中率と広範囲を誇るものだ。

 

ある程度の数を減らされた敵兵は食らったこともない攻撃により戸惑って足を止めてしまっていた。だが俺はそれを見逃す筈もなく、次の段階に移行する。

 

 

「燕??第2段階だ??俺も行くぞ??」

 

「はい??」

 

 

そういいながらHK416を発砲しつつ、集結している部隊に向かった。俺を確認した堅守弓兵達は攻撃を停止させ、部隊が前に出た。

 

 

「行くぞ??刃弩隊??敵に食らいつくぞ??」

 

「うらぁあああああああっ????」

 

 

HK416を発砲しながら突撃する俺に続く部下達。彼等が持つ武器の名前は刃弩。

書いた通り歩兵携行の連弩をベースとされかの諸葛亮が開発した‘‘元戎”を俺なりに工夫して上部装着型のアローマガジンを採用。

突撃の際には脇溜めにより走りながらの射撃に加えて銃剣の役割を成す小刀を取り付けている現代でいうところのアサルトライフルだ。

 

刃弩隊と共に敵前衛に突撃していき、HK416やMk25、忍者、コンバットナイフを切り替えつつ反撃を仕掛けてくる敵兵を次々と倒す。

 

そして中央に深く斬り込んで道を切り拓くように前進していき、中央から中衛に突撃出来る態勢になった。後は彼女達の役割だ。

 

突入路確保を確認した霰と燕はそれぞれ少数の騎馬隊を率いて突入を開始した。それに連動して敵兵も槍兵を整列させて迎撃態勢を瞬く間に整えるが、相手が悪かった。

俺達歩兵に新兵器があるように騎馬隊にも新兵器が採用されていたからだ。

 

 

「うっしゃ??よーやく儂等の出番や??ど真ん中からいてかましたれや??」

 

「はい??毒蛇発射準備よし??発射??」

 

 

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燕の合図で他の騎兵も鞍に設けてあった紐を一気に引っ張る。すると鞍に取り付けてあった仕掛けから左右2本の弓矢が放たれ、槍兵に突き刺さった。

 

これは戦闘機のサイドワインダーをモデルとした騎馬専用の補助兵器で名前は‘‘毒蛇”。

 

小型化された弩を取り付けただけのものだが

揺れる軍馬で命中率はかなり低く、加えて小型なので威力は小さくなるが騎馬そのものが発射の際の第1弾を担っている。

 

迎撃には全く向かないが騎馬隊による突撃にて待ち構える迎撃部隊の態勢を崩すには有効だ。

予想すらしていなかった攻撃を食らって隊列に穴が開いた箇所から霰達が次々と突撃していき、容易に突破を許した敵部隊は蹂躙されて指揮系統はボロボロだ。

もちろん混乱を最小限に押さえた部隊長は霰達だけでも包囲殲滅するべく入口を閉じようとするが俺は左手で構えた忍者で一刺しにして仕留めた。

 

 

「このまま一気に中央に切り込め??戦果を叩き出す絶好の機会だ??他の陣営に持っていかれたくなかったら奮起して叛乱軍を駆逐しろ??」

 

『応っ??』

 

 

HK416で発砲しながら本隊が到着する前に可能な限り敵部隊の数を減らしていく。敵は俺達の予想を遥かに上回る攻撃により完全に壊滅状態だ。

 

その圧倒的な攻撃能力を目の当たりにしていた各陣営は驚きを隠しきれなかった……………。

 

説明
第6独立混成師団、次世代の武器と戦術を持って叛乱軍に挑む。
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