寂しがりやな覇王と御使いの兄57話
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華琳SIDE

 

凪「華琳様!秋蘭様!桂花様!ご無事ですか!」

 

桂花「えぇ、私達は大丈夫よ」

 

秋蘭「凪も落石からよく兵を守ってくれた、流石だ」

 

凪「秋蘭様・・・雰囲気が変わりましたか?もしや記憶が!」

 

秋蘭「やはりわかるか。久しぶりだな、凪」

 

凪「はい!お久しぶりです!記憶が戻られたのは秋蘭様だけですか?」

 

秋蘭「いや、華琳様もお戻りになられた」

 

凪「華琳様も・・・これで隊長も喜ばれます!・・・ところで、隊長と霞様はどこに居るのですか?」

 

桂花「それが・・・」

 

 

 

凪は警備隊の時から一刀の事を慕っている

もしかしたら、私達の中で一番彼を慕っているのは凪かもしれないわね。

そんな凪が相手だからかしら?流石の桂花も伝え難いようね

 

 

 

 

華琳「一刀と霞なら戻って来れないわ、岩が完全に一刀と私達を遮断してしまったもの」

 

凪「な!?すぐ助けに行きます!」

 

華琳「待ちなさい!いま単独で動く事は許さないわよ!」

 

凪「ですが!」

 

華琳「助けに行かないとは言ってないの。焦れば余計に状況が悪くなるのよ、少し落ち着きなさい」

 

凪「わかりました・・・」

 

しぶしぶでも引き下がってくれてよかったわ

やっぱり頭ではわかっていても、感情を抑えることが難しいみたいね

将である私達がここ慌てると、兵達も余計に動揺してしまう・・・それだけは避けないと

 

 

華琳「張任!この道以外に、一刀達が戦ってる場所に通じる道はあるかしら」

 

張任「ここより険しくなりますが、劉焉軍の裏側に通じる獣道がございます。しかし、その道は地元の人も通らないような道になりますが・・・」

 

華琳「獣が通れて私達が通れない理由は無いわね、危険だろうとその道を進むわ。桂花!」

 

桂花「ここに」

 

華琳「すぐに動ける兵を再編成なさい、それと春蘭を呼んできてちょうだい」

 

桂花「御意」

 

華琳「秋蘭は護衛隊を編成し、負傷兵を華陀の下に行かせるよう手配なさい」

 

秋蘭「御意」

 

華琳「それと・・・凪」

 

凪「・・・はい」

 

返事はしたけどまだむくれてるわね

そんな態度してると苛めたくなるじゃない

ちょっと苛めてみようかしら

 

 

華琳「あなたはここで敵の奇襲に備え待機なさい」

 

凪「華琳様!なぜですか!」

 

 

秋蘭「華琳様・・・それはどうかと思います」

 

 

華琳「あら、秋蘭は反対なの?」

 

 

一刀が居なくなって一番暴れてたのも凪だったから、行かせてあげたいのね

 

 

秋蘭「恐れながら、現状での我ら最強の凪を待機させるのは得策ではないかと」

 

華琳「逆に最強だからこそ守備に回し敵を牽制する。なにか問題があるかしら」

 

凪「ですが!」

 

華琳「黙りなさい凪、今の指揮権は私にあるのよ」

 

凪「いいえ黙りません!隊長が危機の時に待機は納得出来ません!命令を無視しでも行かせていただきます!」

 

華琳「命令無視は処刑されても文句言えないわよ・・・それでもいいのね」

 

凪「それで隊長をお救い出来るのでしたら・・・構いません」

 

桂花「凪・・・」

 

 

桂花まで心配で戻って来たようね

流石に脅しが効きすぎたかしら?

でも凪を脅すなんて新鮮でゾクゾクするわね

凪が暴れたら止められないし、この辺で辞めておこうかしら

 

 

 

華琳「ならば楽文謙!張任と5千の兵を連れて急行なさい!私が着くまで・・・一刀を守り抜きなさい」

 

凪「華琳様・・・はい!」

 

華琳「張任は凪の道案内を!道中に目印を付ける事を忘れるな!」

 

張任「御意!」

 

 

 

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華琳「ふぅ・・・ひとまずこんなものかしら」

 

秋蘭「素直じゃありませんね、華琳様」

 

華琳「あら、なんのことかしら」

 

桂花「最初から凪に行かせるつもりだったじゃないですか」

 

華琳「良く解ったわね」

 

桂花「当たり前です!どれだけ華琳様と一緒に居たと思ってるんですか!」

 

華琳「流石ね桂花、後でご褒美をあげないとね」

 

桂花「あぁ〜〜華琳様〜〜」

 

私がそう言うと、頬を赤らめ体をくねらせて喜びを表現していた

記憶がまだ無い時桂花が最初に、この喜び方した時はは気持ち悪いと思ったわね

 

 

 

 

秋蘭「それにしても、なぜあのような発言を?」

 

 

だって・・・私だってすぐに一刀を助けに行きたいのに、行かせてあげるんですもん。少しぐらい意地悪したくなるのよ

なんて言えないけどね

 

 

華琳「あの状況でそうした方がいいと思っての発言よ、別に他意は無いわよ」

 

 

秋蘭「ふふふ・・・そういう事にしておきます」

 

秋蘭はわかってますと言いたげな顔で私を見てるわね...なんかムカツク

 

華琳「五月蝿いわね、今更直らないわよ」

 

秋蘭「そうですか?思い出す前は素直に甘えていたじゃないですか」

 

華琳「忘れて頂戴・・・一刀が言ってた黒歴史ってやつよ」

 

秋蘭「華琳様が忘れろと仰るのでしたら。ですが、今の君主は一刀です、華琳様は”覇王”としての道を歩まずに、一人の”少女”として歩む事が出来ます。それを忘れないでください」

 

 

そうね・・・今は肩肘張る必要もないのだし・・・

記憶ない時みたいには出来ないけど、少しぐらいなら

 

 

華琳「・・・覚えておくわ」

 

秋蘭「それがよろしいです」

 

 

 

 

春蘭「華琳さまああああああ!窮地と聞いて飛んで参りましたーーー!ご無事ですかーーーーー!」

 

 

華琳「私は無事だから少し静かにしなさい」

 

春蘭「ご無事でよかったですーーーー!そういえば、北郷はどこにいるのですか!」

 

華琳「春蘭・・・いま北郷って」

 

秋蘭「姉者、記憶が戻ったのか?」

 

春蘭「記憶?あぁ、戻ったぞ?」

 

華琳「あの場にいなかったのになぜ」

 

秋蘭「なぜ記憶が戻ったのだ?姉者」

 

春蘭「華陀の手伝いをしてる時にだな、華陀の行動が遅いから私も手伝おう思ったのだ!」

 

華琳「・・・・それで」

 

春蘭「そうしたら華陀を押してしまって、華陀の針が私に刺さったのだ!そうしたらなぜか思い出したんだ」

 

華琳・秋蘭「春蘭『姉者』・・・」

 

春蘭「私が悪いんじゃないぞ!?華陀が押されて倒れる軟弱なのが悪いんだ!」

 

桂花「馬鹿力のあんたに押されて倒れない奴なんて少数よ、そんな事も解らないの?この猪女!」

 

春蘭「桂花〜〜貴様〜〜〜〜!誰〜が熊でも一撃で押したおせる怪力筋肉質女だと!」

 

桂花「誰もそこまで言ってないわよ!」

 

 

もぉ、本当に春蘭はバカ可愛いわね

まさか華陀の針で記憶戻るなんて予想も出来ないわよ

 

桂花と春蘭のやり取りも・・・ふふ、なんだかんだ仲良い二人ね

二人に言ったら一緒にするな!って言いそうだけど

 

 

 

 

華琳「静かにしなさい二人共。全く、記憶が戻った途端これなのね」

 

桂花「華琳様!それは春蘭が」

 

華琳「言い訳しないの。それよりも桂花は終わったのかしら」

 

桂花「もちろんです!2万の兵、いつでも出立できます!」

 

華琳「2万ね、それだけあれば充分。よくやったわ桂花」

 

桂花「ありがたきお言葉です!」

 

秋蘭「華琳様、号令を」

 

 

兵達全員、将の命があるまでは私情を殺し、今にも飛び出したいのを堪えてる表情ね

 

罠に陥り後退したと言うのに士気が下がる所か上がって来ている・・・一刀に鍛えられた精鋭は凄いわね

 

 

 

華琳「諸君!私達の主君、曹仁子孝は敵の罠に嵌り現在も戦っている!これを見逃す事が出来るか!」

 

 

曹仁兵「「「「「「出来るわけがありません!!」」」」」」

 

華琳「兄さんはいつでも私達の事を大切にし、守ってくれていた。今度は私達が兄さんを助ける番よ!」

 

 

曹仁兵「「「「「「曹仁様は我々がお救いいたします!」」」」」

 

 

華琳「既に楽進と張任が援軍に向かっている!戦っているのは兄さんだけじゃないわ!もう一度聞く!貴方達は役目はなんだ!」

 

 

曹仁兵「「「「「曹仁様を含め、戦っているすべての仲間を助け出すこと!!」」」」」

 

 

華琳「その意気や良し!夏侯惇・夏侯淵両名を先頭に魚鱗の陣を敷きなさい!一気呵成に攻め立て、敵軍を粉砕するのだ!」

 

曹仁兵「「「「「うぉおおおおおおお!!」」」」」

 

華琳「春蘭!秋蘭!反曹操連合の時に味わった苦痛を、奴らにも苦しみを味わわせてやるのだ!」

 

春蘭・秋蘭「「御意!」」

 

華琳「桂花も一緒に来なさい、私の補佐をしてもらうわよ」

 

桂花「御意」

 

 

 

久しぶりの指揮だったけど、違和感はなかったかしら?

詳しい事は一刀に聞かないとわからないから、助け出して問い詰めないとね

一刀のくせに私を庇おうなんて、生意気なのよ

そして・・・今度こそ・・・今度こそ貴方を失わせる訳にはいかない!

 

 

華琳「全軍出撃!我らの力で敵を粉砕するのだ!」

 

もう少し頑張りなさい、今は行くわよ!一刀!

 

 

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一刀SIDE

 

劉焉の号令と共に2万の兵が殺到し、一刀と霞の殿の戦闘は熾烈をきわめていた

 

 

一刀「甘い甘い!」

 

霞「その程度の腕で討ち取れると思ってるんかい!」

 

 

一刀の振るう黄龍偃月刀、霞の振るう飛龍偃月刀

二振りの偃月刀の前に死者が増えていく劉焉軍。しかし2万対2人の差を覆すには至らない

 

 

劉焉兵「せい!」

 

 

複数の劉焉兵を捌いている為、不意討ちを避けきれずに頬を少し斬られてしまった

 

 

一刀「っち」

 

劉焉兵「グホ・・・」

 

斬りつけられた兵に向け素早く斬撃を浴びせ、追い討ちを受けずに済んだ

 

 

霞「一刀!大丈夫か!」

 

一刀「少し掠っただけだ。問題ない」

 

 

おかしい。いくら数の暴力に合おうと、一刀ならこの程度の人数で傷つくわけが無い・・・

 

 

劉焉兵「余所見とは余裕だな!張遼!」

 

霞「うっさい!黙っとき!」

 

 

霞の言葉と共に、霞に斬りかかってきた兵と一刀の周りにいる兵を切り捨てた

 

 

劉焉兵「グハ...」

 

霞「次はどいつや!」

 

今の斬撃で敵兵が怯んだな、今のうちに一刀の状態確認せんと

 

霞「一刀、どこか怪我してるんか」

 

一刀「いや、どこも怪我してない」

 

霞「嘘付くんやない、いつもの一刀なら雑魚達に傷なんて負わないはずや。正直に言い、どこか怪我しとるやろ」

 

一刀「・・・霞の目は誤魔化せないか。これだよ」

 

霞「一刀・・・これって!」

 

一刀「さっきの落石の時だな。華琳達を逃がす時に砕いた岩が当たっていたみたいでな、砕くのに集中しすぎて逃げるのが遅れたみたいだ」

 

そう言ってみせて来た一刀の腕からは、落石の時に出来た傷から出血が続いていた

 

 

霞「・・・その状態で今まで戦ってたんか」

 

一刀「華陀から五斗米道を教わっていたからな、少しはそれを応用して気で抑えていたんだが、この状況じゃ応急措置にもならなかったな」

 

 

そう言った一刀は苦笑いをしながら、負傷している腕を問題ないと言いたげに振り回していた

 

 

霞「一刀・・・もう一刀は戦わんでいい。後はうちに任せい」

 

一刀「俺なら大丈夫だ。霞一人に戦わせたりしない」

 

霞「利き腕やられといて何言っとんねん!」

 

 

 

 

 

黄権「曹仁と張遼の勢いが落ちてるぞ!攻め続けろ!」

 

劉焉兵「「「「オーーーーーーー」」」」

 

 

 

黄権の指示で一刀に攻めかかる劉焉兵

 

 

劉焉兵「しねえええええい!」

 

 

霞「させるかー!」

 

 

負傷した一刀を庇うように前に立ち、殺到する兵を薙ぎ倒し、一刀に近寄らせない様に獅子奮迅の働きを見せる霞

 

波状攻撃を仕掛けていた劉焉兵も、霞の圧倒的な武を見て次第に攻めるのを躊躇し始めた

 

 

黄権「一人でこの数を相手に圧倒するとは・・・化物め。今曹仁共々処分しなければ、後々我々の災いになろう」

 

 

純粋にうちより強いのは一刀と恋だけやと思うけど・・・

”一刀絡み”になるとあの5人はうちでも相手にしたくないもん

 

 

霞「うちが化物なら、あの5人は鬼かいな。それと・・・後々の事は考える必要ないで、うちがここで全員討ち取るからな!」

 

 

 

 

そう言うと劉焉軍に向かって吶喊を始める霞

 

 

霞が愛した唯一の男・北郷一刀を守るため

 

 

返り血をいくら浴びようが飛龍偃月刀を振るい続ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、どんなに強くても人には限界はある

霞は疲労と切り傷による満身創痍で動けなくなってしまった

 

 

霞「はぁ・・・はぁ・・・」

 

 

黄権「やっと止まったか、奴ら二人で5千も減るとはな。末恐ろしい奴らだ」

 

 

うちもそろそろ限界やな・・・

なんとか突破口を開いて一刀だけでも華琳の下に逃がさんと

 

 

黄権「弓兵隊!奴らはもう動けん!仕留めるのだ!」

 

 

遠距離を先に潰してたのにまだこんなにおったのか

・・・来るなら全部撃ち落としたる!

 

霞「この張文遠!最後まで一刀を護る盾や!」

 

 

黄権「放て!!」

 

 

黄権の号令と共に無数の矢が放たれる

霞は気力を振り絞り1本、また1本と向かってくる矢を正確に払いのけていた

 

 

黄権「まだ動けるのか!弓兵隊!第二射準備!」

 

 

霞「何度きても同じ・・・!」

 

 

黄権「とうとう足も限界か!いまだ放て!」

 

 

動け!うちが倒れたら一刀が!

 

霞「っく・・・」ガク

 

 

偃月刀を杖に、必死に立とうとするが、地面に倒れこんでしまった

 

 

黄権「死ねええ!張遼!」

 

 

パシ

 

パシ

 

ザク

 

パシ

 

 

目を閉じた霞の前から払いのける音と何かが刺さる音が響いた

 

 

霞「うちはまだ生きて・・・一刀!」

 

 

目を開けた霞の前には

負傷した手などに矢を浴びながらも、黄龍偃月刀で矢の雨を払いのける一刀の姿があった

 

霞「一刀!なんでじっとしてなかったんや!」

 

 

一刀「好きな女の子を殺させはしない・・・みんなを護り抜く為に・・・俺は・・・すべてを捨てて戻ったきたんだ!」

 

 

 

黄権「吼えたところで、貴様らは既に虫の息よ!第三射放てー!」

 

 

 

懸命に第三の矢の雨を防ぐ一刀だが、霞同様満身創痍。長くは持たなかった

 

 

黄権「今度こそ終りだー!」

 

 

 

一刀(腕が動かない・・・ここまでか・・・せめて霞だけでも)

 

 

 

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???「やああああああ!」

 

 

???「どりゃああああ!」

 

 

一刀が霞に覆いかぶさろうとした時だった

特徴のある武器を持つ二つの影が・・・一刀達の前に現れすべての矢を払いのけていた

 

 

 

 

 

???「兄ちゃん大丈夫!?」

 

???「柄にもなく死にそうじゃないか、張遼よ。それと、お前も危なそうだな曹仁」

 

 

 

 

黄権「何者だ!」

 

 

猛将且つ良将と呼ばれながらも、勝気な性格で損する事が多かった金剛爆斧の持ち主

 

 

華雄「私は元董卓軍、現袁術軍将軍の華雄だ!主君を傷つけた報いをさせてもらうぞ!」

 

 

もう一人は流琉と共に曹魏最強の親衛隊隊長を務め、一刀を兄として慕っていた岩打武反魔の持ち主

 

 

季衣「ボクの名前は許?だ!ボク達の兄ちゃんを傷つけた事後悔させてやる!」

 

 

霞「季衣!記憶が戻ったんか!?それとなんで華雄もおるねん!」

 

 

華雄「詳しい話は後だ、今はこの状況を切り開く。いけるか許?」

 

季衣「当然!兄ちゃんと霞ちゃんはボクが護るんだ!」

 

 

 

黄権「敵の援軍はたったの二人だ!揉み潰せ!」

 

 

 

華雄「貴様ら如き雑兵が私に敵うと思っているのか!」

 

季衣「ボクは今怒ってるんだ!本気で行くよー!」

 

 

 

華雄の振るう金剛爆斧、季衣が投擲する岩打武反魔

敵が近づけば華雄が、敵が遠のけば季衣が仕留める

 

かつて共に戦った事があるかのように、息の合った連携攻撃を披露する華雄と季衣

 

 

 

黄権「曹仁の将はどうなっているのだ・・・びくともしないではないか」

 

 

 

華雄「貴様の名は知らんが認知不足だな、主の陣営には私達を越す将がまだまだいるのだ」

 

 

黄権「それがどうした、貴様らが二人だけなのは変わらないぞ」

 

 

華雄「私達が二人だけだと思っているのか?ほら来たぞ・・・私達を越す将の一角が」

 

 

ジャーンジャーンジャーン

 

 

黄権「なんの音だ!」

 

劉焉兵「敵の新手です!数はわかりませんが、3千は超えています!」

 

黄権「騎馬隊は敵を向かえ討て!歩兵隊・弓兵隊はこのまま華雄達に攻撃を続けるのだ!」

 

 

 

 

 

 

 

凪「劉焉軍を捕捉!・・・隊長!霞様!」

 

 

張任「軍の指揮はわしが勤めよう!楽進殿は曹仁様の下へ行きなさい」

 

凪「お願いします」

 

張任「楽進殿が救出に向かった!だが曹仁様の窮地は今も続いている!我らの力で曹仁様を救出するぞ!」

 

オオオオオオオオオ!

 

 

 

劉焉兵A「曹仁の下には行かせん!」

 

 

凪「私の邪魔をするな!どけええええ!猛虎蹴撃!」

 

凪の怒りのこもった猛虎蹴撃が放たれ、周囲に居た兵達を吹き飛ばした

 

 

 

凪「隊長!霞様!大丈夫です・・・か・・・」

 

一刀「なぎ・・・きてくれたか・・・」

 

霞「大丈夫と言い難いけど・・・生きとるで」

 

 

凪が一刀達の側に寄った周囲には、一刀と霞から流れた血で赤く染まっていた

 

 

凪「二人共じっとしててください!応急措置をします!」

 

 

凪は敵を皆殺しにしたい衝動を堪え、一刀と霞の体に手を当てて気を送り込んだ

 

 

一刀「暖かいな、凪の手」

 

 

凪「気で痛みの緩和と止血をしておきました。応急措置なので、動かないでくださいね」

 

 

一刀「ありがと・・・少し霞と一緒に休ませもらうよ」

 

 

凪・華雄・季衣が来て安心したのか、一刀と霞は緊張の糸が切れて眠ってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

季衣「凪ちゃん、兄ちゃんは・・・」

 

凪「応急措置はしましたので、華陀さんが来るまでは大丈夫です。季衣様記憶が」

 

季衣「うん戻ったよ、みんなにはいっぱい迷惑かけちゃった」

 

凪「華琳様も気にしないと仰ってくれますよ。今は・・・奴らを討ちます」

 

季衣「ボクも本気で行くよー!」

 

 

華雄「話は済んだか?行くぞ小娘共!」

 

凪・季衣「「はい!」」

 

 

華雄の一声と同時に乱戦に飛び込んでいった

片や戦いに戦いを重ねた一騎当千の猛将達、片や益州に閉じこもり経験の浅い一般兵

凪と張任が連れてきた5千の兵達の出現により将VS軍から軍VS軍と構図が変わってしまっては、黄権率いる劉焉軍に勝ち目はなかった

 

 

 

 

劉焉兵「黄権様!味方の兵達がどんどん減っていきます!このままでは全滅してしまいます!」

 

 

黄権「2万の兵がこうも容易くやられてしまうか・・・撤退だ!?城まで退くぞ!」

 

 

 

 

華琳「あら、逃げるつもりかしら?悪いのだけど逃がさないわよ!春蘭!秋蘭!魏武の力を見せ付けなさい!」

 

春蘭・秋蘭「御意!」

 

李厳「わしらも続くのだ!曹仁殿をお助けするのだ!」

 

 

 

劉焉兵「新手だ!敵の新手(本隊)が来たぞーー!李厳様が敵に寝返り攻めてくるぞー!」

 

 

 

まだかろうじて戦っていた劉焉兵達も、この報告を聞いたとたん戦意喪失し、次々討たれていった

 

 

 

黄権「猛将達に押し切られ敵の本隊が到着し、李厳まで曹仁に付いた・・・もはやこれまでか。敵に捕らえられるぐらいなら・・・」ジャキ

 

ドス

 

 

黄権は自害して果てた。寝返る将が多いなか、最後まで劉焉に忠誠を貫いた

 

 

 

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黄権が自害した事により、戦が終結して一刀達の下に集まった

しかし、生きているとはいえ、予想以上にひどい怪我で一同言葉を失ってしまっていた

 

 

 

春蘭「一刀・・・霞・・・奴ら許せん・・・!」

 

秋蘭「あぁ・・・これは許せることではない」

 

 

一刀と暇さえあればじゃれ付いていた(春蘭の一方的な追い回し)春蘭は怒りをあらわにし

秋蘭は春蘭に同調しながら、静かに闘志を燃やしていた

 

桂花「華琳様、今すぐ?城に進軍しましょう」

 

彼女、男嫌いで一刀をずっと罵声してきた桂花が一番怒りに満ちていた

 

 

華琳「一刀・・・こんなになるまで戦うなんて・・・護ってくれてありがと。今はゆっくり休んでね」

 

 

桂花「華琳様・・・行きましょう」

 

 

華琳「えぇ、華雄と言ったかしら。一刀と霞を・・・見ていてもらないかしら」

 

 

華雄「劉焉を討ちに行くのか」

 

華琳「私達の心の支えをここまで痛めつけたんですもん、報いを与えてやるわ」

 

華雄「私が曹操の立場でも同じ行動を取るだろうな・・・いいだろう、私に任せろ。私一人で護ってやる」

 

 

華琳「一人でいいの?誰か残して行こうかと思ったのだけど」

 

 

華雄「お前たちと曹仁が不思議な絆で結ばれているのは見ていてわかった。ならば全員行かせるのが当然の判断だ」

 

 

華琳「その判断感謝するわ・・・一刀達をお願い」

 

華雄「その願い....私の命に代えても」

 

張任「私も一緒に残ります、道案内は李厳に任せてあります」

 

 

華琳「張任・李厳、頼むわね」

 

張任・李厳「「御意」」

 

 

季衣「あの・・・華琳様」

 

華琳「季衣も記憶が戻ったのね」

 

季衣「はい、虎牢関では華琳様を攻めてごめんなさい!」

 

 

優しい子だからきっと思い出してからずっと悩んでたのね

 

華琳「私は気にしてないわよ。それよりまた会えてよかった・・・季衣」

 

季衣「華琳さまあああ」

 

華琳「泣かないの、泣くのは全部終ってから・・・ね」

 

季衣「ぐす・・・はい」

 

本当・・・私はいい子達に恵まれたわね

 

 

華琳「全軍!?城に向け進軍開始!」

 

 

 

 

 

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劉焉兵「劉焉様!李厳様が兵を率いて戻られました!」

 

劉焉「そうか!とうとうあの小僧を討ち取ったか!李厳はどこにいる!」

 

劉焉兵「東門にて開門許可を待っております!」

 

劉焉兵「わかった、すぐに行こう」

 

 

 

劉焉「おぉ!李厳よ、よく曹仁を討ち取った!褒めてつかわす」

 

李厳「ありがたきお言葉、曹仁の首は後軍の黄権殿が運んでおります」

 

劉焉「これで儂に刃向かう者は厳顔のみよ!開門せい、李厳を入れてやるのだ」

 

劉焉兵「っはは!」

 

 

 

ギィィィィィィィ

 

劉焉兵「李厳様、どうぞお入りください」

 

 

李厳「ご苦労。お前はここで死ぬがよい」

 

劉焉兵「な、なにを」

 

グシャ

 

劉焉兵「ぐほ」

 

 

李厳「曹操様に合図を送れ!」

 

 

 

 

 

凪「華琳様!合図です!」

 

華琳「李厳が上手く門を開けたようね。凪・春蘭は私と共に城内の敵を一掃しなさい!」

 

凪・春蘭「っは!」

 

華琳「秋蘭・季衣・桂花は劉焉を逃さない様に、城を完全に包囲なさい」

 

秋蘭・桂花・季衣「御意(はい!)」

 

 

 

 

 

李厳「曹操様が動いたな、我らは劉焉の捕縛に向かう!遅れるな!」

 

 

 

 

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くそくそくそ!あと一歩というところで邪魔が入る!

どいつもこいつも!儂への恩を忘れたのか!

 

 

劉焉兵「曹仁軍が完全に城を包囲しております!城内にも敵が侵入、すぐにこちらに来ると思われます!」

 

劉焉「儂は逃げる、お前たちはここで食い止めていろ」

 

 

 

凪「逃がしません、あなたはここまでです」

 

劉焉「何者だ!」

 

 

こいつが劉焉・・・駄目、華琳様の言うとおりに拘束しないと

 

 

凪「曹仁軍が将・楽進文謙、あなたを拘束させていただきます」

 

 

劉焉「ほざけ小娘が!ここは儂の城だ!誰にも渡さん!」

 

隊長・華琳様と比べると・・・いや、比べるのも失礼か

 

凪「あなたなんかに隊長が・・・隊長が!」

 

 

ミシミシ

 

劉焉「うごおおおおお」

 

 

劉焉が何か呻いているが無視だ、こいつは私が!

 

 

華琳「待ちなさい凪!いまここでそいつを殺すわけにはいかないわ!」

 

凪「!」ッパ

 

 

ドサ

 

 

華琳「見に来て正解だったわね」

 

凪「華琳様、どうしてここに」

 

華琳「凪が暴走してないかを確かめにね、私が見に来たのよ。そしたら案の定暴走してたわね」

 

凪「すみません・・・」

 

華琳「いいのよ、私だって殺したいのは一緒だからね。でも捌くのは一刀の役目よ。さぁ、一刀が心配だから戻るわよ」

 

凪「そうでした!お先に行きます!」

 

 

はや!ワンコ隊はどうなってるのかしら?

私も頑張ればワンコ隊に・・・

 

 

春蘭「華琳様?顔が赤いですが何かありましたか?」

 

華琳「なんでもないわよ!私がそんな事思ったらダメなの!?」

 

春蘭「華琳様!?」

 

 

華琳「取り乱したわね・・・一刀の場所に戻るわよ」

 

春蘭「は、はぁ・・・」

 

 

見られた・・・でも春蘭バカだから大丈夫よね?

大丈夫だと思いたい。。。あれ、これってもしかして黒歴史が増えた?

 

 

 

 

 

 

 

 

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落鳳坡の陣

 

華雄「楽進と曹操か、もう?城を落としたのか」

 

 

華琳「えぇ、味方だと思っていた李厳が城門を開けてくれたから、すぐに制圧できたわ。一刀はどこに」

 

華雄「曹仁ならこちらだ、医者の華陀と言う者が治療してくれた。命に別状はないそうだ」

 

凪「っほ」

 

凪も一安心って表情ね。医術か、私も万が一に備えて教えてもらおうかしら

 

 

華雄「華雄だ、曹操達が戻ってきた。曹仁は起きてるか」

 

 

華陀「いまちょうど起きたところだ、張遼はまだ寝ているから静かに入ってくれ」

 

 

華琳「一刀・・・」

 

凪「隊長・・・」

 

私達が見たのは全身に包帯を巻かれ、右腕は動かないように完全に固定している姿だった

 

 

一刀「華琳と凪か。?城を制圧したんだって?やっぱり華琳達は凄いな」

 

凪「隊長は・・・」

 

一刀「ん?」

 

凪「隊長はもっとご自身を大切にしてください!もう隊長は警備隊ではないのですよ!隊長が死んだら私達は・・・崩壊してしまいます」

 

 

一刀が居なくなったらきっと・・・あの時より凄いことが起きるわね

今はワンコ隊や劉備・孫策達も親しくしている。なにが起きるか想像出来ないわ

 

 

華琳「そうよ一刀、あなたは自分の価値を正しく知りなさい。あなたが居なくなればまた大陸は混迷と化す、それを忘れないで」

 

 

一刀「あぁ、今後なるべく無理をしないようにするよ」

 

なるべくじゃなくて絶対がいいんだけどね。一刀に何かあったら風達を止められる気がしないもの。私も暴れるかもしれないから人の事言えないけど

 

 

一刀「華琳」

 

華琳「なに?一刀」

 

一刀「おかえり・・・また会えたね」

 

 

 

華琳「えぇ、今度は天に帰ろうとしても逃がさないんだからね!それと・・・また会えてよかった」

 

 

そう言う二人の周りには戻って来た春蘭・秋蘭・凪・季衣が微笑みながらうっすら涙を浮かべていた

 

 

 

 

 

 

 

 

-9ページ-

 

 

 

 

 

一刀VS劉焉の決着でした

地の文が少なすぎると他サイトで指摘来たので、今更ながら頑張って増やしたんですけど・・・どうかな。

過去のも編集すると遅くなるので、完結したら少しずつ直していこうとおもいます

 

 

行方不明になっていた華雄をようやく出せた!

ここで出そうとずっと出番待ちでしたw

季衣もここからようやく絡んでいけますb

 

 

58話で一刀達の戦後の談話(華雄・季衣・李厳加入の話しを含め)と劉表VS孫呉編をお送りします

 

予定では@4話の61話で完結予定です!

もう少しなので自己満にお付き合いお願いします

 

 

 

 

 

説明
一刀と霞が重症!?

一刀VS劉焉 決着
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コメント
showtaさん>再び読んでいただけて嬉しいです!書き始めて間もない頃なので、表現がおかしい所が多々あるのでご指摘感謝です!時間がある時に1話から手直ししているのだが、まだまだ追いついていないので、またおかしい所がありましたらご指摘お願いします><(おぜぜ)
前にも一度読んだことがあるのですがハーメルンの方で読んでまた読みたくなって最初から見てます。一つ気になったのが→黄権「やっと止まったか、奴ら二人で5千も減るとはな。末恐ろしい奴らだ」とありますが末恐ろしいとは将来怖い存在という意味なのでここで倒そうとしている相手に対して不適切かな?と思いました。恐ろしいだけで多分大丈夫かと、、、(showt)
mayoineko1192さん>華琳・凪・恋・明命・愛紗・流琉のワンコ隊 加入候補月  凄い事になりそうw(おぜぜ)
kiraさん>ちゃっかりワンコ隊志望ですねwあ、箇所書くの忘れてましたね。一応頭のつもりですが、左目の方がいいかな?(おぜぜ)
naoさん>華琳が兄好きを素直に受け入れるか ですね。長年妹として生きてきた姿勢は簡単には消えないと思います!(おぜぜ)
ナギサミナトさん>華雄は確かに・・・暴走がなければ。。。貂蝉とも戦えてますし・・・漢√(おぜぜ)
アストラナガンXDさん>そう思っていても、覇王だった時の意地が邪魔してって感じですかねw(おぜぜ)
氷屋さん>兄さん好きーで十数年生きてますからねw無意識で発動するレベルですw(おぜぜ)
たっつーさん>私の武こそ最強だ!おらあああ! がデフォですもんねw(おぜぜ)
未奈兎さん>覇王としての華琳でいつつも、兄好きだった素直な華琳がひょっこりとw(おぜぜ)
夜桜さん>あ、本当だ。直しておきましたー!(おぜぜ)
睦月さん>2話からずっと兄さん♪な華琳をやってましたからねー違和感はそのせいかなw(おぜぜ)
華琳がワンコ隊に入ったらエライことになりそうだなwww(mayoineko1192)
華琳もワンコ隊に入りたいのかw。あと、華陀の針は春蘭のどこに刺さり記憶が戻ったのだろうか?(kira)
華琳が覇王と妹としての記憶がうまいことまざってくれるといいが、妹としての思いがなくなるのも切ないね〜(nao)
華雄さんは、ほら、さの暴走癖がなければ優秀だから…(震え声(ナギサミナト)
覇王としての記憶を取り戻しても最早覇王で在る必要も無いのだから思う存分にデレても良いのですよ?華琳様。(アストラナガンXD)
まぁあれだ・・・覇王としての記憶を取り戻して言動が戻ってきても一刀が絡むと以前のポンコツっぷりがでまくるんだろうなw(氷屋)
兄好きと覇王が競り合ってやがるw(未奈兎)
最後の方の凪が隊長と言うところが隊長が隊長と言っていますよ?(夜桜)
他の人も記憶が、戻ったか…それにしても、元の華琳に戻ったけど違和感感じるのは、何故だぁぁぁぁ!!(睦月)
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季衣 華雄 華琳   北郷一刀 恋姫†無双 

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