真・恋姫無双〜孫呉空
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序章 7話 別れ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楚へ進攻している呉軍は着実に勝ち進んでいき、次の戦でついに楚の首都である郢へ攻め込むところまで来ていた

 

そして、今は次の進攻のために休息と兵の再編成を行っていた

 

光「紅、兵達の様子はどうだ?」

 

紅「ええ、皆連戦連勝のおかげもあって士気が高いわ。このままなら安心して次の戦に向かえるわ。ただ・・・・・・・・」

 

光「?何か気になることがあるのか?」

 

兵の調子も、敵国が何か策を用いるほどの余裕も感じられない事から紅が何を気になっているのか不思議に感じ、疑問の言葉を投げかけたのだが

 

紅「解らない・・・・・ただ、何か嫌なことが起きそうな・・・」

 

光「それも、その首飾りからの知らせかい?」

 

紅「え?」

 

紅は無意識に首にかけていた首飾りを触っていた事に、言われて気づいたのだった

 

紅は何か嫌な予感がすると、いつの間にか首飾りを触る癖が付いていた

 

それは少しでも父である一刀を近くに感じて勇気を分けて貰おうとする意図が含まれていた

 

紅「うん・・・・・何とは解らないけど・・・・私達にとってとっても嫌な・・・ううん、危険なことが起きそうな気がするの」

 

光「それは次の楚の首都進攻への危惧?」

 

紅「多分違うと思う・・・・もっと大きな・・・そう、大きな危険」

 

光「大きな・・・」

 

光は紅が言うこの勘はそう簡単に無視して良い物では無い物だとこれまでの経験から知っている

 

それを考慮して一体何が起きるのか、これから自分たちの身に何が起きるのかと考え出した時だった

 

兵「し、失礼します!!」

 

兵が慌てて天幕の中に駆けこんできたのであった

 

光「如何した?今は軍議中だぞ!」

 

兵「そ、それが!!あの・・・・!!」

 

兵は気が動転しているのか上手く報告が出来ずにいた

 

紅「落ち着きなさい。一回深呼吸をして何が起きたのか一つ一つで良いので報告しなさい」

 

兵「は、はい。・・・スーハースーハー・・・・すみません。それが、突然空から・・・その・・・・人間らしき生き物が二人現れたのです」

 

光「人間らしき生き物?それは一体どういうことだ?」

 

兵「それが・・・・その生き物の姿がどうも面妖と言うか何というか・・・・気持ち悪いのです!!」

 

光「??良く解らんが、その様な不審者なら直ちに斬り伏せればいいだろ」

 

兵「私共も最初はそうしたのですが・・・その者達に全く攻撃が届かないのです。そして、その者達が闔閭様と孫武様に話があると・・・」

 

紅「私達に?一体何を?」

 

光「解らん・・・が、行かないとその者達が何者かわからんだろう」

 

紅「そうね」

 

二人は突然現れた人物達を確かめに兵に案内させて向かった

 

 

 

 

二人が目撃したのは言葉で言い表せないほどの生き物だった。と言うより、同じ人間と認めたくなかった

 

その生き物たちん格好は二人とも筋肉がはち切れんがかりに発達していた。そして片方の特徴はピンクのビキニをはいて髪型は髪を剃っているのか生えておらず、ただ、両脇におさげを結った漢と褌?をはいて此方は白髪を生やし両脇で結んでいる、これまた漢だった

 

光、紅「「・・・・・・・・・・」」

 

貂蝉「あらん、来たみたいね。卑弥呼」

 

貂蝉は兵の顔と尻を眺めている卑弥呼に声をかけた

 

卑弥呼「おお、すまん。ついつい良い男が居らぬか探してしまった」

 

貂蝉「あら、ずるいわん。私も良い男を探したいのよん」

 

貂蝉は卑弥呼だけずるいと思ったのだろう一緒に好みの男を探し出したのだった

 

それを見ていた光と紅は

 

光「・・・・・・・・」キュ

 

無意識に尻の穴を閉め両手で尻を覆ったのであった

 

紅「・・・・・ハッ、あなた今貂蝉って言いましたか!?」

 

卑弥呼「ん?そうじゃが。こっちに居るこやつは貂蝉と言う名じゃ」

 

紅「そ、そうですか・・・・・(この人がお父さんの御師匠?)それであなた達は此処に何をしに?」

 

貂蝉「あっ、そうだったわ。孫武ちゃんに闔閭ちゃん、ここに左慈・・・・今は伍子胥だったかしら?まあいいわ、伍子胥は居ないかしら?」

 

光「伍子胥がどうかしたか?」

 

卑弥呼「お主達には関係のない事じゃ。それで、伍子胥は居るのか?」

 

光「伍子胥は我々の仲間、お前たちの様に訳の解らない者達に教えることは出来ない」

 

紅「まって、光。少なくともこの貂蝉と言われている生き物は私が知っている人物かもしれないわ」

 

光「!紅、それは本当か?この様な生き物を知っているのか?」

 

紅「わ、私も実物を見るのは初めてだけど・・・・・話だけは聞いているわ。その・・・・私のお父さんの御師匠?だったらしいの」

 

光「!!孫空様の!?」

 

紅「多分だけど・・・・」

 

貂蝉「あらん、御主人様、私の事娘に教えてくれていたのねん?貂蝉嬉しん?」

 

貂蝉は体をクネクネさせて身もだえ始めたが、それを見た光と紅、それに周りの兵達は余りの気持ち悪さから吐き気をもよおしたり、実際に吐いている者達が居たのだった

 

卑弥呼「如何やら、儂らのことを知っている者が居るようじゃな。それで、伍子胥はここに居るのか?」

 

紅「・・・・・あなた達が本当に私が知っている方達と仮定してもそれを教えることは出来ません。それは私達の軍の内情を教える事でもありますから」

 

卑弥呼「うむ。いかにもそうじゃろう。だが、もしその伍子胥が主たちの敵なら話が変わるのではないのか?」

 

紅「それはどういう事ですか?」

 

貂蝉「ん〜〜〜教えてあげてもいいけど、それをするとあなた達は絶対に死んでしまうから教えられないわん。あなた達はまだ此処では死ぬ定めじゃないから」

 

光「?一体どういうことだ?俺たちが死ぬだと?」

 

貂蝉「ええ。それに、まだあなたにはやりたいことがあるのでしょう?それなら私達に伍子胥の居場所を教えてくれるだけでいいわ。そしたら少なくともあなた達がこの後すぐに死ぬことは無くなるわん」

 

紅「解りました。伍子胥の事をお教えしましょう」

 

貂蝉「ありがとぅ〜」

 

紅「正し、あなた達が知っている事を全て話した後にです。私達は死ぬことは恐れません。なので、あなた達の話を聞いてからその後の行動を決めます」

 

光「紅・・・・」

 

光は紅がさっき話していた何かの予感の事と重ね合わせているのではないかと考え紅を呼びかけたんだった

 

紅「ごめんなさい光、勝手に決めて」

 

光「かまわないさ、紅は俺の軍師で奥さんだろ?」

 

紅「はい!」

 

卑弥呼「む〜〜、如何する貂蝉?」

 

貂蝉「意志は固い様ね。なら、私達が何故伍子胥を探しているか教えてあげるわん」

 

そう言って貂蝉は事のあらましを語り出した

 

伍子胥と言う人物が何者なのか

 

伍子胥が美猴王の封印を解くための鍵を盗み出してしまっていた事

 

等を二人に教えた

 

光「伍子胥が牛魔王?一体何を言っているんだ?アイツの事は昔から知っているが、体はそんなに強くないせいで武がからっきしで・・・・だから智を付けるため日々努力をしていたぞ!それに、アイツは俺の友だ!そんな馬鹿なことがあってたまるか!」

 

光は貂蝉の話を聞いてそんな話はありえないと頭ごなしにそれを否定し激怒したのであった

 

貂蝉「信じて貰えないならそれでいいわ。それで、伍子胥の居場所を教えてくれないかしらん?」

 

紅「・・・・・それ「紅!!こんな奴等に伍子胥の事は教えなくていい!!」光!?」

 

光「さっさと消えてしまえ!!俺たちはこの後楚の首都である郢を攻め滅ぼさなければならいからな!!」

 

そう言って光は踵を返しそのまま天幕に帰って行った

 

紅「光!待って!!」

 

紅は光を追ってその場から去ってしまった

 

残された二匹の生物は

 

貂蝉「ん〜〜〜、これからどうする卑弥呼?」

 

卑弥呼「うむ・・・・・今の騒ぎ用で現れなかったことから此処には居ないようだじゃし・・・・」

 

貂蝉「そうね・・・・・ここに来る前に簡単に呉を見て回った上に、探知もしてみたけど居なかったからね〜〜〜一度御主人様や白沢ちゃんの元に行ってみない?白沢ちゃんは探知系の術得意だったでしょ?」

 

卑弥呼「そうじゃな。では、行くぞハァ!!!!!」

 

ズドーーーーン

 

卑弥呼「ちょっと待ってよ〜〜」

 

ズドーーーーン

 

二人が居た場所にはでかいクレーターが二つできて居なくなっていた

 

 

 

 

 

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そして呉、正確には呉の国境では

 

越王「左慈と言う奴の言ったようにここまで進軍してみたが本当に楽に落とせるのか?」

 

軍師「解りません。しかし、今呉は楚に攻め込んでいるので本隊は居ないはずです。攻め込むなら今ではないかと」

 

越王「そうか・・・・ん?!!」

 

越王が進軍の指示を出そうとした時、突然目の前に左慈と名乗った人物が現れたのだった

 

越王「ひっ!!だ、誰か!!」

 

軍師「越王!!」

 

軍師は王を守ろうと前にでて腰の剣を引き抜いて構えを取った

 

左慈「いちいち騒ぐな。俺の顔を忘れたか?」

 

越王「・・・・!お前は」

 

左慈「解ったならいい。それよりこのまま進め。目の前の関にはそれほど人を配置していない。この軍勢だったら容易く落とせるだろう」

 

軍師「・・・・それは本当か?お前は一体何を考えている?」

 

左慈「お前らには関係ない。それより速く進軍しなくていいのか?早くしないと呉軍の本軍が帰ってきてしまうぞ?」

 

越王「それはどういう事じゃ?」

 

左慈「そんなのは簡単だ。俺がさっき伝令を送ったからだ」

 

軍師「!!やはりこれは罠だったか」

 

左慈「は?何言ってるんだお前?今送ったと言っただろう?ここから楚までの距離を考えてみろ。お前らが呉を滅ぼすのと、奴らが帰ってくるなはどちらが早いと思っている」

 

軍師「う・・・・・」

 

左慈「わかったならさっさと進軍しろ。・・・・・ああ、そうだった、首都では少しぐらい反撃があるから気を付けろよ。まあ、ある程度したらすぐ退くから気にする事じゃないだろうがな」

 

越王「そ、そうかわかった。それで、呉を滅ぼしたら・・・・・」

 

左慈「俺は土地など欲しくないから好きにしろ。そこにある宝も勝手に持って行け」

 

越王「本当か!」

 

越王は目の上のたんこぶとも言える呉が消える上にその土地が手に入ると聞いて満面の笑みを浮かべた

 

軍師「・・左慈殿・・・それなら、噂に聞く孫武が書いたと言われる兵法書も・・・」

 

左慈「好きにしろ」

 

軍師「そ、それは真か!!」

 

左慈「ああ。それじゃあ俺は行く」

 

左慈はそう言ってその場から現れたと同じように突然消えて行った

 

軍師「王、もしあの者が言った兵法書が手に入るなら、これからの我らが軍にとってかなり有効なものになるでしょう」

 

越王「そうか、なら全軍に通達しろ!!これよりわが軍は呉に攻め込む!!!」

 

 

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少したち呉の城では

 

 

テクテクテク

 

夫差「お母しゃん・・・・・ウウウ」

 

夫差は親のいない寂しさを紛らわそうと母の部屋に向かっていた

 

キーーー

 

夫差「お母しゃんの匂い・・・・・・」

 

紅の匂いに包まれた部屋に入り寝台に寝転がって寂しさを補っていると

 

夫差「ん?あれは?」

 

夫差が目にしたのはいつも母が何かを書いていた書物であった

 

夫差「何て書いてあるんだろ?・・・でもお母しゃんの匂いがする」

 

夫差が書物を1ページ1ページ開きながら匂いを嗅いでいると

 

ドーーーーン

 

ウオオオオオオオオオオオオオオオ

 

城下から何か喧騒めいた叫び声と破壊音が聞こえだしたのだった

 

夫差「ヒッ!!・・・・・う・・・うえぇぇぇえええええええええん!!!お母さ〜〜〜〜〜ん、恐いよ〜〜〜〜〜〜〜」

 

部屋の近くから

 

侍女「夫差様!!夫差様何処ですか!!」

 

侍女が夫差を探す声が聞こえて来て、夫差の泣き声を聞きつけて

 

侍女「夫差様!!ここに居られたのですね」

 

夫差「うえ〜〜〜〜〜〜ん!!うえ〜〜〜〜〜〜ん!!」

 

侍女「夫差様、速く逃げましょう!!今越軍がこの呉に攻め入ってきてもうすぐ此処も危険になります!!」

 

夫差「うえ〜〜〜〜ん!!おと〜〜〜〜さん、おか〜〜〜〜さん!!怖いよ〜〜〜〜〜」

 

侍女「夫差様失礼します」

 

侍女はそう言って夫差を抱えて今軍を指揮している伍子胥の元に走って行った

 

 

 

 

 

 

侍女「伍子胥様!!夫差様をお連れしました」

 

伍子胥「そうか、なら護衛を付けるからすぐさまここから避難しろ」

 

侍女「で、ですか何方に?」

 

伍子胥「少し前に闔閭の元に伝令を送った。だから楚の方面に逃げれば合流できるはずだ!」

 

侍女「解りました。しかし、伍子胥様は?」

 

伍子胥「私は此処でもう少し指揮をする。まだ非難しきれていない民達が居るからな。それが終わり次第俺もお前たちを追う!!」

 

侍女「そうですか、ではお先に行かせてもらいます。御武運を!」

 

それを言い残して侍女は護衛とともに避難していった

 

伍子胥「・・・・さて、俺もボチボチ動き出すか」

 

それからすぐに呉は越王率いる越軍によって蹂躙されていった

 

呉に残るのは瓦解した城や焼き焦げた木々やってもの、惨殺された兵や領民たちの死体だけになっていた

 

越王「フハハハハハ、これでこの土地は我がものだ!!」

 

軍師「王、まだ気を抜くわけにはいきません。あの左慈が言った通りなら数日中には呉軍の本隊がやってきます」

 

越王「そうか・・・・ならどうするか・・・」

 

左慈「それなら俺に考えがある」

 

ガシャン

 

左慈は何かが入った袋を下ろしながらそう言葉を投げかけた

 

軍師「あなたは・・・・まだ居られたのですね」

 

左慈「ふん、それよりどうする?俺の策を聞くか?」

 

越王「・・・・・ああ、我らではいい策が浮かばない。聞かせてくれ」

 

左慈「なら、お前たちの兵を百程貸せ。そしてそいつ等にこの袋に入っている武具を着させろ」

 

そう言ってさっき下ろした袋を軍師に投げた

 

軍師「これは・・・・呉の・・」

 

左慈「そうだ、そしてそいつ等は俺と一緒に付いて来てもらう」

 

軍師「・・・・・成る程。本体と合流して、内からと言う訳ですか」

 

左慈「ああ、お前たちの兵はそうだろうな」

 

越王「我たちの?お主は違うのか?」

 

左慈「俺はそれからが本番だ」

 

越王「??」

 

左慈「知らなくていい事よ。人間は人間同士争っていればいい・・・・・それでどうする?」

 

軍師「王よ、この策乗ったほうが良いと私は思いますが」

 

越王「わかった。ならその策で行こう」

 

左慈「なら急げ」

 

 

 

 

 

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所変わって花果山

 

 

 

 

ドーーーンドーーーーーン

 

ある二つの物体が落ちてきたのであった

 

狐「何々!?一体何が落ちてきたの?・・・・って、キャーーーーーーーーーー」

 

鷹「一体どうした狐?変な声をあえて」

 

狐「白沢!!へ、変なのが降ってきたの!!!何あの生き物!!」

 

鷹「ん?・・・・・・・ああ、あいつ等か。お前は片方は見たことがあるだろう?」

 

狐「え?・・・・・・あ!!あの時かずくんと一緒に住んでた化け物!!」

 

貂蝉「な〜〜〜〜〜〜〜んですって〜〜〜〜〜〜何処が身の毛もよだつ程気持ち悪い妖怪達磨ですって〜〜〜〜〜!!!!!」

 

鷹「誰もそんな事は言ってないぞ。それでどうしたんだ貂蝉?」

 

貂蝉「それが少し問題が起きたのよん」

 

鷹「問題?」

 

卑弥呼「そうじゃ。それと美猴王殿も居るか?」

 

一刀「俺に関係する事か?」

 

一刀は二人に遅れながら堂の中から現れた

 

貂蝉「あらん、見ない間に一段と男らしくなってるわん」

 

一刀「相変わらず気持ち悪いなお前・・・・・それで、一体どうした?」

 

卑弥呼「うむ、それがな・・・・何と言ったらよいか、お主の封印を解くための鍵を如何やら盗まれたようなのじゃ」

 

鷹「鍵?・・・・・あれはお前たちが厳重に保管していたんじゃないのか?」

 

貂蝉「それを言われるとちょっと言いにくいんだけど・・・・・・その、華佗ちゃんの報告を聞いてから、使う事も無いだろうって管理をお粗末にしていたのが仇となったのよん」

 

鷹「何か?つまりはお前たちの管理不十分と言う訳か?」

 

卑弥呼「うむ!!」

 

狐「うえ〜〜〜〜そんなに漢らしく頷かれても気持ち悪いだけだよ〜〜〜〜」

 

卑弥呼「何を言う、本当の事を言ったまでじゃ。それの何処が気持ち悪」

 

狐「え!?見たまんまジャン!!」

 

狐は卑弥呼に指をさしながら答えた

 

卑弥呼「む〜〜〜この麗しい身体を理解する時代はいつ来るのか・・・・」

 

話が脱線していき皆が皆騒いでいると

 

ズドン!!

 

一刀「・・・・・喧しい」

 

ビクン!!!

 

一刀以外のそこに居た皆が体を震わせ黙り込んだのだった

 

一刀「それで・・・・・・お前たちはのこのこと此処に何をしに来た?ただ騒ぎに来たのではないのだろ?」

 

一刀は低く通る声を貂蝉と卑弥呼に投げかけた

 

卑弥呼「う、うむ・・・・・・」

 

貂蝉「・・・・す、すごい威圧ねん」

 

鷹「す、すまなかった一刀」

 

狐「あ〜〜〜〜〜〜このゾクゾク感たまらないわ〜〜〜〜」

 

一部の動物だけ反応が違ったのだった

 

一刀「・・・・狐は中で掃除でもしていろ。それで、二人答えろ」

 

貂蝉「その・・・ねん。華佗ちゃんの索敵能力を使って・・・・」

 

卑弥呼「うむ・・・・盗み出したであろう左慈を探そうと・・・・・」

 

鷹「俺が?」

 

卑弥呼「そうじゃ。頼めんか?」

 

鷹「難しいと思うぞ。俺のこの術は相手を知らない限り探すことは出来ない」

 

貂蝉「それは大丈夫よん。情報はあるから」

 

鷹「そうか・・・なら、試してみよう。その情報を渡してくれ」

 

鷹はそう言って情報を貰おうとした時

 

一刀「!!」

 

卑弥呼「どうかしたのか?」

 

一刀「これは・・・・・クソッ」

 

一刀はいきなりその場から飛び上がり雲に乗って何処かに飛んでいった

 

鷹「何か起きたのか?まあいい、貂蝉術をするから見せてくれ」

 

貂蝉「わかったわん」

 

残された鷹達は術をするべく儀式に取り掛かった

 

 

 

 

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そして飛び出した一刀が向かった場所は

 

光「ハァ、ハァ、ハァ、夫差怪我はないか?」

 

夫差「お父さん・・・・夫差よりお父さんが・・・・」

 

光は夫差を抱えながら闇雲に走っていた

 

光「お父さんの事は気にするな。それよりお母さんから貰った首飾りはちゃんと持っているか?」

 

夫差「うん。でもこれがどうしたの?それにお母さんは無事なの?」

 

光「ハァ・・・・・一度休憩を取ろう」

 

そう言って光は夫差を下ろして木の影に座り語り出した

 

光「きっとお母さんは無事さ。それとその首飾りは願ったら神様が助けに来てくれる。お父さんとお母さんはそう言われたんだ」

 

夫差「神様?」

 

光「そう、夫差もお母さんに教わっただろう?お母さんにとってのお父さん、つまり夫差のお爺さんに当たる人だけど、その人は神様って言われているんだ」

 

夫差「夫差のお爺さん?でも、夫差はお爺さんまだ見た事無いよ」

 

光「そうだな。夫差はまだあったこと無いな。でも、お爺さんはすごく強い人だ」

 

夫差「お母さんより?」

 

光「勿論だ」

 

夫差「本当に!!凄いんだね」

 

光「ああ、だから夫差、紅の血を引いているお前なら必ずその願いがお爺さんに伝わるはずだ」

 

夫差「夫差の願いが?」

 

光「そうだ。だから『ガサガサ』ち、もう追っ手が」ドス

 

光の体が少し揺れた

 

夫差「如何したのお父さん・・!!お父さん、背中に矢が!」

 

光「気にするな。それより逃げるぞ夫差」

 

夫差「うん」

 

そう言ってまた夫差を抱きかかえて走り出そうとした時

 

ポト

 

夫差「待ってお父さん!お母さんの本が!」

 

夫差の荷物入れから逃げる時、持ち出した孫子一冊を落としたのだった

 

光「本?」

 

そう言って光は夫差が落したのだろう本を確認しようとした時

 

グサグサグサ

 

光「グハッ!!」

 

ビシャ

 

光は口から血を吐き倒れてしまったのだった

 

夫差「いや・・・いや!!!お父さん?お父さん?起きてよ!!うえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!」

 

ガサガサ

 

兵1「お、居た居た。お〜〜〜〜い、こっちに居たぞ」

 

兵2「ちっ、お前が先に見つけてしまったか」

 

兵1「へへ、これで俺も一般兵から繰上げだ」

 

兵3「それで、この子供はどうする?」

 

兵4「いるのは男の首だけだ。子供は捨てておいていいさ」

 

兵2「なら、俺が貰うか。かなり幼いが、役にはなるだろう」

 

兵1「へへ、お前も好き者だな」

 

兵2「言ってろ。それよりあっち行ってろ。今から楽しむんだからな」

 

ガシ

 

そう言って兵は夫差を捕まえて自分の物を口に入れ出した

 

夫差「うううう・・・うお・・うおおおおおおおおお、ごほっ、ごほ」

 

兵2「おら、確り銜えろ。そうしないと殺しちゃうぞ」

 

兵はそう言いながら空いた手の方で剣を突き付けた

 

夫差「うううう・・・・ヒク(助けて・・・・誰か・・・・神様・・・居るなら助けてよ、御爺ちゃん!!)」

 

ドス

 

ドスドスドス

 

それは突然だった

 

夫差の目の前に居た兵が倒れ、それと同時に周りに居た兵達も一緒に倒れていったのであった

 

夫差「え?」

 

??「少し遅かったか・・・・娘無事か?」

 

夫差「・・・・・うん」

 

夫差は突然現れたこの人物が誰なのかわからずただ呆然としているしかできなかった

 

??「しかし、首飾りをただって来たが紅は居ないみたいだが・・・・」

 

突然現れた人物は辺りを見回し誰かを探しているそぶりを見せたが探している人物が居なく頭を捻っていると

 

??「お前は・・・・・ダメか。事切れている」

 

夫差「小父さん・・・・お父さんを知っているの?」

 

夫差はまだ事の理解に追いつけなく、疑問に思ったことを投げかけた

 

??「ん?こいつは俺の娘を誑かした男だ」

 

夫差「誑かした?」

 

??「ああ、俺の大事な一人娘を嫁にくれと言いやがった男だ」

 

夫差「それって・・・・お母さんの事?」

 

??「母だと?・・・・・!!つまりお前は!」

 

夫差「小父さんはいったい誰?小父さんがもしかしてお父さんが言っていた神様?」

 

??「神?よく解らんが・・・俺はお前の祖父だ」

 

夫差「御爺ちゃん?・・・・・・!!」

 

夫差はやっと現れた人物が誰なのか理解して抱き付いて泣き出した

 

一刀「おおお・・・・・すまなかったな。俺が来るのが遅かったせいで怖い思いをさせて」

 

夫差「ううん・・・・グシュ。それよりお父さんが・・・・」

 

一刀「ああ、取りあえず一度御爺ちゃんの家に行こう。何があったか話してくれ」

 

夫差「うん・・・・・」

 

夫差はそう返事をした後気を失ったように静かに眠った

 

一刀「さて、一度戻るか・・・・ん?あの本は・・・紅の・・・紅、無事で居ろよ」

 

一刀は落ちている本を取り、夫差を起こさない様に大事に抱えながら花果山に戻って行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左慈「動き出したな。おい、付いて来い」

 

??「コク」

 

左慈ともう一人の人物はそう言って動き出した

 

 

 

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そして花果山

 

 

 

一刀「帰ったぞ」

 

狐「あ!かずくんお帰り〜〜〜〜〜ただいまのキスしよ!!」

 

狐は一刀が帰ってくるなり飛び込んできて唇を奪おうとしたが

 

ドス

 

一刀「邪魔だ。それに子供が起きるだろうが」

 

狐「あいたたた・・・・ん?子供?」

 

一刀「ああ、俺の大事な孫だ」

 

狐「え〜〜〜〜かずくん、何時の間に孫なんて作ったの〜〜〜〜!!狐まだ子供出来てないよ」

 

一刀「ああ、うるさい。それより鷹は如何した?」

 

狐「ぶ〜〜〜、白沢ならあの変人と一緒に何か儀式を始めたよ」

 

一刀「そうか・・・・なら狐布団の用意をしてくれ」

 

狐「え?・・・・・やっと、やっと、かずくん狐を・・・・ま、待っててね。すぐ準備するから!!」

 

狐はそう言ってすぐさま寝所に向かって走り出した

 

一刀「あいつ変なことしてなければいいが」

 

そう言いながら一刀は腕に抱いている夫差を大事そうに抱えながらゆっくりと寝所に向かった

 

寝所に付き中に入ると

 

目の前には服を脱いで男を誘うランジェリーだけを身にまとい、部屋は閉め切られ光はろうそくの明かり、そしてよく解らない香を焚いていた

 

狐「優しくしてね・・・・狐これでも初めてだから。ポ//////////」

 

ブチ

 

グシャーーーーーン

 

一刀は如意棒を取り出し目に見えるものを思いっきり薙ぎ払い外に叩き出した

 

狐「も〜〜〜〜〜〜!!せっかく勝負下着をつけて待ってたのに〜〜〜」

 

狐もその被害にもれず言葉にドップラー効果をさせながら飛ばされていった

 

一刀「クソ、あいつのせいで部屋が散らかった。布団は・・・・・あったあった」

 

一刀は押入れから予備の布団を出して夫差を寝かせた

 

 

 

 

 

ある程度時間が経つと

 

夫差「んん・・・・・・・ここは?」

 

一刀「目覚めたか」

 

夫差「小父さ・・・・・・・御爺ちゃん?」

 

一刀「ああ、そうだ。お前の御爺ちゃんだぞ。それで、お前の名は?」

 

夫差「夫差だよ。姓が孫、名が夫差。字と真名はまだ無いの」

 

一刀「そうか・・・・そうだ、御爺ちゃんの名を教えておこう。御爺ちゃんの名は孫空。字は夫差と同じで・・・・・いや、そうだな、字は守だ。真名を一刀と言う。よろしくな夫差」

 

夫差「一刀御爺ちゃん?」

 

一刀「そうだ、一刀御爺ちゃんだ。それで夫差、一体何が起きたんだ?」

 

夫差「・・・・・・グス」

 

夫差は今まで起きた事を思い出したのだろう、目には涙を浮かべ今にも泣きだしそうになった

 

一刀「ゆっくりでいい。御爺ちゃんに教えてくれ」

 

一刀はそんな夫差を見て頭を撫でながら優しくそう言った

 

夫差「うん・・・・グス。えっとね・・・・・・」

 

 

 

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夫差は一刀が助けに来るまでに起きた事を自分が知る全てを話だした

 

 

城から抜け出した夫差と侍女そして少しの兵は真直ぐ楚の方向を目指した

 

そしてある程度進むと、紅と光そして僅かの兵を連れてこちらに向かっているのを見つけた

 

紅達は兵の殆どを置いて全速力で呉に向かって駆けて来ていたのだった

 

紅達は夫差と合流すると一度安堵して後から来ているはずの兵を待つことにした

 

そうしていると

 

伍子胥「孫武、闔閭!!」

 

光「伍子胥、お前も無事だったか!!」

 

伍子胥「ああ。しかし、すまなかった・・・・・俺が不甲斐ないせいで呉が・・・」

 

光「お前と、夫差が無事なら今のところまだ良い。それに、兵はまだ居る。取られたなら取り返せばいいだけの事だ」

 

伍子胥「そうか・・・・それで、その兵は?ほとんどいないように見えるが」

 

紅「それなら後から来ますよ。先に私達だけ急いできましたから」

 

そう言って夫差を抱えた紅が話に加わってきた

 

伍子胥「そうか、兵はまだ居ないのか・・・・・・・」

 

紅「すみません。悔しいのは解りますがもう少し待ってください」

 

紅はこの時伍子胥の顔を見て悔しさで落ち込んでいると思った

 

だから夫差を下ろして伍子胥に近づいて励ましの声をかけようとした時

 

ドス

 

紅「え?」

 

紅は腹の部分に違和感を思いそこを見るとそこには剣が貫かれていた

 

伍子胥「フフフフ、それならなお都合がいい。おい!!」

 

ズバ

 

伍子胥は紅を貫いた剣を抜き、自分が連れてきた兵に呼びかけた

 

兵「は!!」

 

そうして、兵達は強行軍で疲れている呉の兵士たちを一人、また一人と殺していった

 

光「伍子胥、一体何を・・・・」

 

伍子胥「ん、そうかお前も居たな。ん・・・どうするか。オット」

 

伍子胥が光をどうするか考えていると先ほど剣で貫いた紅が伍子胥に向かって斬りかかっていた

 

紅「伍子胥、これはどういう事ですか!!」

 

伍子胥「ほう、その傷でまだ生きているか」

 

紅「私の質問に答えなさい!!

 

伍子胥「なに、単なる前座さ。俺とアイツと戦いのな」

 

紅「前座?何を解らない事を!!ハァーーーーーーーーーー!!!!」

 

ズバン

 

紅の一撃は伍子胥に当たる事は無かったが後ろに居た伍子胥が連れてきた兵の二人を一刀両断した

 

伍子胥「おお、恐い恐い」

 

紅「ちっ・・・・あなた、武が無いと思っていましたが・・・私達を欺いていただけですか」

 

紅は伍子胥の体捌きを見て明らかに武を身につけていると判断してそう言った

 

伍子胥「ああ、お前たちを欺くのには骨がいったぞ。何せお前の観察眼は群を抜いていたからな」

 

伍子胥は笑いながらそう言い、剣を構えた

 

紅「・・・・・・光、夫差と供にこの首飾りを持って逃げてください。私が殿で時間を稼ぎます」

 

光「紅!!」

 

紅「行ってください!!!」

 

そう言って紅は首飾りを光に投げ渡して伍子胥に向かって斬りかかった

 

光「グ・・・・・・・すまない!!!」

 

夫差「え、お父さん?・・・・・お母さん!!!」

 

叫ぶ夫差を抱えて光はその場から走り出していった

 

伍子胥「逃げていったか」

 

紅「貴方をここから動かすわけにはいきません」

 

伍子胥「そうか、ならお前からにするか」

 

 

 

 

 

-8ページ-

 

 

 

 

 

 

一刀「そうか・・・・・・辛い思いをしたな夫差」

 

夫差「グシュ、グシュ御爺ちゃん・・・・うえ〜〜〜〜〜〜〜ん」

 

一刀「よしよし、もう大丈夫だからな。御爺ちゃんが居るからもう大丈夫だからな」

 

夫差を優しく泣き止むまで頭を撫でていると外から

 

鷹「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!見つけたぞーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

 

鷹の叫び声が聞こえたのだった

 

一刀「あいつらいったい何をやっているんだ?」

 

一刀は夫差を抱えて鷹の所に向かうと

 

卑弥呼「それで華佗殿、左慈は一体どこに?」

 

鷹「・・・・・少し待て・・・ここは!!!」

 

貂蝉「如何したのん?」

 

鷹「このすぐそばに居る。ただ・・・・」

 

卑弥呼「ただどうしたのじゃ?」

 

鷹「その・・・・なんだ・・・・・何故か狐がそいつの上にのしかかって二人とも気絶している」

 

卑弥呼、貂蝉「「は?」」

 

鷹「ん、動き出した・・・・狐をこっちに向かって投げ返した」

 

ヒューーーーーーン

 

ドスン

 

鷹が言う言葉と供に空から狐が飛んできたのだった

 

狐「う〜〜〜〜〜ん」

 

狐が飛んできた方向を見ると一人の男が空を飛びながらやってきた

 

左慈「お前ら、奇襲とはやってくれるじゃないか」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

左慈の姿は見てわかるように怒りの形相で拳を握っていた

 

貂蝉、卑弥呼「「・・・・・誰(じゃ)?」」

 

左慈「ん?・・・・・・そうか、お前たちにこの姿を見せたのは初めてだったな。左慈だよ」

 

貂蝉「何ですって〜〜〜〜〜あなたがあのヒョロヒョロでチビの左慈?」

 

ビキビキ

 

卑弥呼「そうじゃ。あの童顔でお尻が締まってる儂好みの左慈なのか?」

 

ブチ

 

左慈「貴様ら、俺をそんな目で見ていたのか・・・・・・なら覚悟しろよ。今までの俺と表掛かってくると痛い思いをするぞ」

 

左慈はそのまま化け物二匹に飛び掛かろうとしたら

 

一刀「待て・・・・・・・何故お前から紅の匂いがする?」

 

一刀の殺気のこもった言葉が左慈に向かって発せられ左慈は動きを止めたのだった

 

左慈「・・・・・美猴王か。何故孫武の匂いがだと?そんなの簡単だ。俺が孫武を殺したからだ」

 

一刀「そうか。・・・・狐」

 

バッ

 

一刀の呼びかけで今まで気絶していた狐は飛び起きて一刀の元に駆けよった

 

狐「何々かずくん?」

 

一刀「夫差の事を頼む」

 

そう言って夫差を渡すと一刀はその場から消えたように居なくなり左慈を殴っていた

 

ゴス!!!

 

左慈「グ・・・・相変わらずの力だ・・・・この体になって強くなったと思ったが・・・ゴス!!」

 

一刀「黙っていろ・・・・」

 

一刀は黙々と左慈を殴り続けたが

 

左慈「いつまでそいつを殴っているんだ?」

 

一刀「あ??」

 

一刀は手を止めて今殴っている人物を見るとそこには卑弥呼の顔があった

 

いつの間にか左慈は卑弥呼と入れ替わっていたのだった

 

左慈「フフ、俺の憂さ晴らしに付き合ってくれて礼を言うぞ」

 

一刀「クソッ・・・・・次は逃がさん」

 

そう言ってさっきまで掴んでいた卑弥呼を投げ捨てもう一度左慈に向かって攻撃を仕掛けたが

 

突然目の前に誰かが割って入ってきたのだった

 

一刀「!!!!」

 

左慈「遅かったな。あれは見つかったか?」

 

??「コク」

 

??は探していた物を左慈に私、一刀に向かって持っていた武器、南海覇王を構えたのだった

 

一刀「く、紅・・・・・なぜお前が・・・・」

 

左慈「クククク・・・フハハハハハハハハハハ。その顔だ、その顔を俺は見たかったのだ!!良いぞその顔!!いちいち此奴の死体を操った価値があると言う物だ!!!」

 

そう、今一刀の目の前に立ちはだかっているのは紅の死体だったのである

 

一刀「貴様!!!!!」

 

ブオン!!

 

一刀は如意棒で左慈を殴りかかるが紅はそれを良しとはせずそれを止めにかかった

 

一刀「!!」

 

左慈「如何した?流石の美猴王も自分の娘は殴れぬか?」

 

一刀「クソ!!」

 

一刀は何とかして左慈に攻撃を加えようとするが全て紅に邪魔をされ届かずにいた

 

その間左慈は紅と連携をして攻撃を加えダメージを与え続けた

 

鷹「クソ、何とか紅を止めることは出来ないのか・・・・・」

 

三人の戦闘をただ傍観しかできてない左慈たちは何とかできないかと考えていると

 

狐「ねえ白沢」

 

鷹「何だ!?」

 

狐「その、今言うのなんだけど・・・私が持っているこれって何だろう?」

 

そう言って狐がみせたのは金色の龍が彫ってある彫刻だった

 

貂蝉「それは!!」

 

狐「ヒッ!!急に近づかないでよ。びっくりするじゃない」

 

貂蝉「そんな事より、貴女それどうしたの?」

 

狐「解んない。気づいたら私の胸の間に入ってた」

 

貂蝉「そ、そう。それよりそれは「ねえ」ん?如何したのお嬢ちゃん?」

 

夫差「えっとね、お母さんの様子が何だか変だよ」

 

鷹「何?」

 

夫差「お母さん、時々動きが止まるの。それに何だか苦しそう」

 

鷹「言われてみれば・・・・・ハッ!」

 

鷹は仙力を目に集め紅を観察すると

 

鷹「!!これは!!」

 

貂蝉「どうかしたのん?」

 

鷹「紅のあの体に、僅かだが紅の意思がまだ残っている」

 

狐「それなら、何とか止められるんじゃないの?」

 

鷹「ああ、しかし・・・」

 

貂蝉「迷っている暇わないわん。このままだと御主人様が攻めあぐねて、私達に被害が及ぶわん」

 

鷹「わかった。なら貂蝉手伝ってくれ。紅の動きを止めてくれ」

 

貂蝉「わかったわん」

 

そう言って二人は一刀達の戦闘の中に入って行った

 

 

 

-9ページ-

 

 

一刀「クソ・・・・紅、止まれ!!俺が解らないか!!」

 

紅「・・・・」

 

一刀「紅!!」

 

左慈「お前は馬鹿か?死体に何を言っても答えるはずがないだろ?はーーーーーー!!」

 

ドゴーーーーーン

 

一刀「チッ・・・・・お前の攻撃は痛くもないが攻撃を返せないのがクソ!!」

 

昔の一刀なら分身を使い攻撃することが出来るたが、ここ花果山ではそれを出来ないでいた

 

それはこの花果山が一刀の力の抑制になっているからであった

 

鷹「一刀!!」

 

一刀「何だ鷹!!今手が離せない!!」

 

鷹「そのままでいいから聞け!紅は俺達が如何にか抑え込む。だからお前は左慈に集中しろ」

 

一刀「・・・・わかった」

 

そう言って一刀は左慈に向かったがすぐさま紅が立ちはだかった

 

鷹「紅、お前の相手は俺たちだ。貂蝉!!」

 

貂蝉「わかったわん」

 

ガシ

 

貂蝉は紅を羽交い絞めにして抑えたが

 

貂蝉「え?何この子?すごい力よん」

 

鷹「解っている。だが、踏ん張ってくれ!!ウオオオオオオオオオオオオオオゴットスティンガーーーーーーーーーー!!!!」

 

ドシューーーーーーーーン

 

鷹の針が刺された紅は動きを止め力が無くなったように崩れ落ちた

 

鷹「フウ・・・・・ん?」

 

鷹は倒れた紅を見ていると少し体が動いたのに気が付いた

 

紅「ん・・・・小父さん」

 

鷹「紅か!?」

 

紅「うん。でも時間が無いから、ごめんね。夫差に・・・・・元気で生きてって。それとこの剣を。貴女の力に必ずなるからって・・・・・・それと、貴女の・・・・・」

 

紅はまだ何か伝えたそうだったが最後にある言葉を発してそれ以上は出てこず事切れたのだった

 

鷹「くそ!!!紅いいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!」

 

貂蝉「華佗ちゃん・・・・・」

 

狐「二人とも、速くこっちに来て!!」

 

二人は狐の言葉に我に返りその場から避難したすぐに

 

ドゴーーーーーーーーーーン

 

左慈が一刀の一撃をくらい振ってきたのだった

 

一刀「貴様は絶対に生かして帰さん」

 

一刀は完全にキレていた

 

その姿は正に鬼と言えるほど禍々しくどす黒く見えた

 

牛魔王「フフ、ハハハハハハハ。そうだ、流石美猴王だ!!この力だ、この力に俺は負けた。だから言っただろう左慈よ。こやつには変な小細工は効かんと。逆に怒らせて勝ち目が無くなるだけとな」

 

一刀「一体何を言っている?」

 

牛魔王「おお、これはすまない、美猴王。俺はもう一人の自分に語りかけていたのだ」

 

一刀「もう一人の自分だと?」

 

牛魔王「そうだ。この体の中には俺事牛魔王と左慈の魂が入っている。ほとんど融合して別れる事は無いのだが、今はお前の攻撃のせいで均衡が崩れ俺の方が濃ゆく出ている」

 

一刀「牛魔王だと?」

 

牛魔王「そうだ、はるか昔お前に敗れた牛魔王だ!!しかし、この体はかなり頑丈のつもりだったが、これほどボロボロになるとわな」

 

一刀「ふん、すぐにボロボロじゃなく無にしてやる」

 

牛魔王「おお、恐い。そうなる前に奥の手を使うか」

 

牛魔王はオチャラケながらそう言ったが確実に体にはダメージが蓄積されており、その上一刀の仙術と妖術が合わさった力のおかげで回復もうまくできないでいた

 

一刀「奥の手だと?」

 

牛魔王「ああ、こいつだ」

 

そう言って牛魔王が懐から出したのは封印石だった

 

一刀「貴様!!」

 

牛魔王「この勝負、次回に預けるぞ」

 

それを言ってすぐに牛魔王は封印石を地面に叩きつけ姿を消した

 

叩きつけられた封印石は割れ

 

地面が脈動し始めた

 

一刀「クソ!!鷹!!すぐにお前たちは此処を離れろ!!」

 

鷹「解っている!!貂蝉、すぐに扉を開け!!」

 

貂蝉「わかったわ。卑弥呼!!」

 

卑弥呼「解っておる。しかし、その娘を連れていくならばうまく通れるか解らぬぞ」

 

鷹「かまわない。それよりこの封印に巻き込まれたら一刀以外は確実に死んでしまう」

 

卑弥呼「わかった。なら開くぞ!!ハアア!!」

 

貂蝉「ドゥフン!!」

 

ブオン

 

二人の掛け声とともに二人の間に時の扉が開かれたのだった

 

鷹「狐!!夫差を連れて先に飛び込め!!」

 

狐「わかった。行くよ夫差ちゃん」

 

夫差「御爺ちゃんも一緒じゃないといや!!」

 

狐「それは私も一緒よ!!でも我がまま言わないの!!」

 

夫差「いやーーーーーーーー!!!!」

 

暴れる夫差を何とか抱きかかえ狐は扉に飛び込んだのだがその時、扉の中であの封印を解くカギを落としてしまったのだった

 

鷹「俺たちも続くぞ!!一刀!!すまないが待っていてくれ、必ず封印を解く」

 

一刀「わかった。それより紅をそっちで埋葬してやってくれ」

 

そう言って一刀は紅の死体を鷹に投げ渡した

 

鷹「わかった・・・」

 

鷹は紅を抱きかかえ消えて行った

 

一刀「さて、この封印はどの位長くされるのか・・・・・願わくば・・・」ガバーーーーーーー

 

一刀は言葉を発しながら流動する地面に飲み込まれていき、やがてそこから消えて行った

 

そして残ったのは頂上に『花果山  美猴王』と言う言葉だけが印された山だけが残ったのだった

 

 

 

 

 

-10ページ-

 

 

 

 

 

姿を消した牛魔王は

 

 

牛魔王「してやられたな左慈よ」

 

左慈「ふん、また次がある。それより鍵は持っているか?」

 

牛魔王「鍵?そんなもの何処にもないぞ」

 

左慈「ならまずは鍵を探すことからだ」

 

牛魔王「いや、まずはこの体を癒す事だ。どうも治りが遅すぎる。治るのに何百年か必要だろう」

 

左慈「クソ!!・・・・・・わかった。なら体を癒すことを先にしよう。それとある程度治したら・・・」

 

牛魔王「ああ、わかっている。義兄弟を生み出して我らの代わりに動かそう」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして扉を抜けた鷹達は

 

鷹「此処は?」

 

貂蝉「多分だけど後漢の何処かの時代よん」

 

鷹「何!?何故それほど時間を飛んだ?」

 

卑弥呼「だから言ったであろう。その娘が居るから扉が安定せぬと」

 

鷹「・・・・・そうか。解った取りあえず辺りを散策するか」

 

狐「この子どうするの?」

 

鷹「・・・・・俺たちが育てるしかないだろうな。それに、この子の名を変えないとな」

 

狐「何で?」

 

鷹「俺たちはそのまま夫差と呼んでいいが、この時代ではその名がどう影響を持つかわからない。だから名を変える」

 

狐「そうなんだ。それで、この子の名前何にするの?」

 

鷹「そうだな・・・・・孫・・・・孫堅。字を文台」

 

狐「堅に文台か。堅い心と文、つまり智を持った娘と言う意味かしら?」

 

鷹「さあな」

 

貂蝉「それで、真名はどうするの?」

 

鷹「それは決まっている。紅がちゃんとこの娘のために残してくれた」

 

鷹は自分の手の中で眠っている紅を見つめながらそう言った

 

狐「それで何ていうの?」

 

鷹「炎蓮。その娘の真名は炎蓮だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき??

 

 

すみません、最後の方かなり走って何を書いているのか解らなくなっていました

 

取りあえず呉空編の序章?はこれで終わりです

 

次回から項羽伝を頑張って書きたいと思います

 

ただ項羽伝、終章と居ながら分量若しかしたら二つの章ぐらいの物になるかもと思っています

 

と言うか後半あれだし・・・・

 

取りあえずお楽しみください

 

では待て次回

 

説明
長いです

後半走ってよく解らないかもしれません。すみません
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コメント
物語的にどう繋がるかと思ったら孫堅に名を変え後漢の時代を生き抜くのか。今回は越との友情は芽生えなく復讐の対象として討伐される運命か。左慈達が生み出す義兄弟は誰でしょうね。そして覇王と偽徳王の今回の役回りは次回も楽しみにしてます(覇王)
次に目覚ましたときの時の怒りはどれほどだろうかww(スネーク)
ここで、英雄譚の孫堅につながるかw(とんぷー)
次に目が覚めるのはあの話の時かな?(未奈兎)
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