狂世界
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「大丈夫だよ」って

そっと口付けした

大丈夫じゃないこと

僕も彼女も知っているけど

 

遠のいていく意識の中で

彼女の声が響いていた

 

紅い雨が降るほど

この世界は狂っていて

そんな世界から逃れる術を

僕たちは探していた

 

まだ見つかっていないのに

このままじゃ 僕は

彼女を一人にしてしまう

 

嗚呼どうか 彼女だけでも

この狂った世界から

逃げ出して―――

説明
必死に僕の名前を呼ぶ彼女が、「君は馬鹿だ」と呟いた。
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