GF 〜The Galaxy Century〜 第三章 〜機神、顕現す〜 Chapter1
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え〜〜っと、今回はですね。 私、遠月 春があらすじすることになりました〜〜〜。

 

とはいっても、前回の内容が全く覚えていないというか、なんというかちょっとド忘れしちゃったようで、何気に思い出せないんですよね〜〜〜。 

 

今、言えることといえば・・・・・・試練をさっくり突破して宴で楽しみました〜〜〜。 でしかわかりませんよね〜〜〜。

 

ん? 仮面の男? 何ですかそれ? あっ!! もしかして、そっちのほうですか!!

 

だったら、任せてください!! 世の中のBLといえば、1990年代中頃から用いられ始めていましてですね。 元々は雑誌のJUNE(ジュネ)という単語を使っていましたけど、後に複数の雑誌がそのジャンルに参入してからはボーイズラブという単語を使うようになったんですよね〜〜〜。

 

更にですね〜〜。 その内容といったら、そりゃ〜〜〜も・・・ぶへっ!!

 

直「それ以上言うなこの腐女子っ!! 後、あらすじの内容が根本的にずれているわ!!」

 

逢魔「それと、変なもん連想させるな!! キモすぎて吐くだろうが!!」

 

春「何ですかそれ〜〜〜!! 後、宇宙人でも不思議ちゃんじゃないからそんな連行の仕方しないで〜〜〜〜!!」

 

アルティ「コホンッ。 それじゃあ、GF始まります。」

 

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ザ・・・。 ザザッ・・・・・・。 ザーーーーーーー。

 

なんだこれ・・・・・・? 目の前がノイズで何も見えねえ・・・・・・。 どうなってんだ・・・・・・?

 

???「・・・・・・よう。 ・・・・・・。 お・・・・・・・・・あ・・・・・・だな。」

 

???「い・・・・・・。 そ・・・・・・こ・・・・・・だ? ・・・・・・・・・・・・だろうな?」

 

???「も・・・・・・・・・リ!! ・・・・・・・・・ひゃ・・・・・・よ!!」

 

?? なんだこれ? 何言っているのかよくわからねえ・・・・・・?

 

???「お・・・・・・・・・い!! ・・・・・・・・・ろ!!」

 

???「・・・・・・けて!!」

 

???「・・・・・・? う・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ!!」

 

???「「・・・・・・・!!」」

 

ブツンッ!!

 

直「???」

 

・・・・・・・・・さっぱり、わからん。 目の前のノイズは消えたけど、誰かが危険な目にあっているのか、それとも助けを求めていたのかの内容だったような・・・・・・。

 

直「どう考えても、わかるわけな・・・い?」

 

???「・・・・・・・・・・・・。」

 

なんだ・・・・・・これ? 巨大・・・ロボット・・・? にしては、何だか”生き物のような感じがするのは気のせいか?”

 

???「・・・・・・求めよ。」

 

直「え?」

 

???「我を求めよ。 さすれば、道は開かれん・・・・・・。」

 

直「ちょっと、何言って・・・・・・。」

 

???「我を求めよ!!」

 

って、おい!! その馬鹿でかい手を俺の方に向け・・・・・・。

 

直「うああああああああああああああああああ!!!!」

 

・・・・・・・・・・・・って、あれ? 夢・・・・・・にしては、やたら繊細だったような・・・・・・。

 

直「とにかく、寝汗びっしょりでたまらんから風呂に行こ・・・・・・う?」

 

そこで俺はフリーズした。 なぜなら、そこに・・・・・・。

 

春「・・・・・・・・・。」

 

俺の幼馴染である遠月 春がそこでなぜか着替えていたからだ。 というかむしろ、ナ・ン・デ・オ・レ・ノ・ヘ・ヤ・デ・キ・ガ・エ・テ・イ・ル・ン・ダ?

 

直「・・・・・・・・・。」

 

そう考えたら考えたらでやることは一つ・・・・・・。

 

直「よし、寝よう。」

 

俺的には、ベストな選択であり何も間違ってはいないはず・・・・・・というのに。

 

春「って、え〜〜〜〜〜〜!! そこで、寝るんですか〜〜〜〜〜〜〜!!」

 

おお、神よ・・・・・・。 なぜ俺にこんなKYすぎる幼馴染を寄越しやがったんすか? せっかく空気読んで何も見なかったことにしようというのに、この阿呆は・・・・・・。

 

春「ていうか、それ以前に私の裸を見て何も思わなかったんですか!!」

 

怒るのはそっちかよ・・・。 というかそれ以前にって・・・・・・どちらかというとそれ痴女が言うセリフのような気がするんだけど・・・・・・・・・。

 

直「俺はむしろ、何が悲しくて朝起きて早々幼馴染の裸見なきゃあかんねん・・・・・・。 早く風呂に行きたいんで、さっさと着替えて出てくれん?」

 

こいつの裸は魅力的なところはあるものの、あの残念すぎる性格のせいか何も感じないし、何も思わない。 というかむしろ、13歳まで三人一緒に入ってきた俺に言われてもな・・・・・・。

 

春「それっ!! 何気に酷いですねっ!! っていうか、残念は余計です!!」

 

なにせ、人の心を読みやがるくらいの奴だからな・・・・・・。 ・・・ってか、人の心

を読むくらいの余裕があるのなら、さっさと着替えてくれ・・・・・・。 寝汗びっしょりでまともにいけないじゃねえか・・・・・・。

 

春「むき〜〜〜〜〜!! あなたって人はホントに・・・・・・。」

 

逢魔「よう、直。 あまりにも遅いんで迎えに来た・・・・・・ぜ?」

 

このタイミングが良いのか悪いのかわからないが、逢魔がやってきた瞬間にまた状況がフリーズと化した・・・・・・。

 

逢魔「・・・・・・・・・。」

 

春「・・・・・・・・・。」

 

直「・・・・・・・・・。」

 

・・・・・・しばらく、考えた後。

 

逢魔「よし、何も見なかったことにしよう。」

 

俺と同じ考えなのか、逢魔は空気読んで扉を閉めたというのに・・・・・・。

 

春「って!! あんたも直と同じやり方なんですか〜〜〜〜〜〜!!」

 

このKYめ・・・・・・。 余計に事態をややこしくしやがって・・・・・・というか、”なぜ、俺の部屋に入っているんだ? 確か、部屋にロックをしているはずなんだが?”

 

逢魔「はあっ? 何が悲しくて人の幼馴染のYシャツを見なきゃあかんねん? 俺、そういうの枠に入っていないんでさっさと着替えてくれん? 早く、朝食を済ませないといけねえのに・・・。」

 

それは同感だ・・・・・・。 だから、早く着替えろや・・・・・・。

 

春「もうっ〜!! みんな冷たいですよ〜〜〜〜!!!!」

 

この後、春の愚痴はしばらく止むことはなかった・・・・・・。

 

それと同時に春がエルミナに俺の部屋のロックを解除したのを知り、少々お仕置きをした。 ・・・・・・ったく、無断で入った挙句に着替えるんじゃねえよ。

 

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???「それで、例の件は済ませたのか?」

 

デモンス「ああ、おかげさまで色々とわかった。」

 

どこなのかすら見目着かないが、おそらくなにかの会議のような場所であり、”不気味な巨像のようなもの”を中心にあちこちに独特な椅子が並べられている。

 

デモンス「奴らは生きていたが、それと同時に少々例の記述とは異なる傾向に進んでしまっているようだ・・・・・・。」

 

???「ナント・・・・・・。 デハ、アノイブツドモガソレヲクルワセテイルトデモ?」

 

デモンス「それは断定だが、あのシステムが起動しないのが解せぬところである。」

 

???「おいおい、それじゃああれが正規通りに進んじまっているってことか? ったく、冗談じゃないぜ・・・・・・。」

 

???「我も同感也・・・。 このまま生きて還すものか・・・・・・。」

 

???「貴様らっ!! 聖域である”三千会議”を乱す気かっ!!」

 

三千会議・・・通称”スヴァルト・ルーティング”とも呼ばれ、由来は数え切れない程の椅子が無限にあるため、三千会議という会議が存在している・・・・・・。

 

デモンス「・・・・・・貴様ら、少しは黙らぬか・・・・・・。」

 

あの独特な仮面と大鎧を覆う程の黒マントを羽織っている男ことデモンスが恫喝して周囲の者共を黙らせる・・・・・・。

 

ちなみに、三千会議は相当の実力者でないと出席できず、そこにいる者達のことを”三千委員会(スヴァルトマン)”とも呼ばれている。

 

デモンス「あと・・・グロウス。 貴様は誰と説明しているんだ?」

 

グロウス「いやあ、ごめんごめん。 皆があまり騒がしくするからさ・・・。」

 

???「それ以前に止めろよお前・・・・・・。」

 

いやあ、見事に注意されたけど、こう見えても俺、結構強いんだぜ。 なんせ”十二眷将”の位を持っているか・・・。

 

グロウス「あだっ!!」

 

???「少しは黙れ・・・・・・。」

 

グロウス「そりゃあ、ないですよ天田の旦那〜〜〜。」

 

・・・・・・さっき、俺をしばいたのが”((天田 一郎|あまだ いちろう))”という人物で、俺の元上司である。 今は、同じ十二眷将の”ギオネグス・アーバード”の部下になっているんだけど・・・十二眷将というのは、三千会議でも特級でもある三大将軍の直属の将兵であることからそう呼ばれている。

 

要は、親衛隊ってこと。 それを表すかのように三人?といってもわからないけど、その大将軍ごとに4人ずつ配属されている。 ・・・まあ、うちはデモンス直属の将兵だけどね。

 

天田「・・・・・・また、デモンズ様に呼び捨てをしたな”グロウス・リドルヴァー”。」

 

グロウス「声も出してもいないのに不公平で理不尽ですよほんと・・・・・・。」

 

しかも、俺のフルネームまで言っちゃって・・・・・・。 まあ、いいですけどね。

 

とまあ、えらく紹介が遅れていたというより正直忘れていたけど、俺の名はグロウス・リドルヴァー。 三大将軍の十二眷将の一人で主に、出番が来るまでしばらく実況をしている者っす。 ちなみに、三千会議では最上位の下くらいっす。

 

・・・・・・これ以上言うのもあれだけど、この三千会議にはそれぞれ階級制度が存在し、三大将軍のような途轍もない椅子があれば、俺ら十二眷将のような無駄にでかい椅子もある。 このように、先程言ったような独特なもとい個性を表すような椅子がそれぞれ腐るほどあるわけで、階級の小さい者程小さい椅子になり、その逆だとさっき言ったとおりのでかい椅子になるということである。

 

???「では、今回の議題であるが・・・・・・。」

 

っと、もう説明は終わりだな。 時間はそう待っちゃくれないようで・・・・・・。 ちなみに、さっき言った人物?は、三千会議の中心に立つ存在者というかもとい不気味すぎる巨像は、三大将軍の一人”ゴットレギオン”・・・様である。 敬語を使うのもどうかと思うのだが、なぜかあの巨像を通じて会話をしている的な感じ・・・・・・かな?

 

ゴッドレギオン「先日、機神の反応があった。 それも三体同時にだ・・・・・・。」

 

機神・・・つまり”アルテルトメア”のことを指すけど。 詳しい説明は・・・・・・誰かに聞いてくれ。 ・・・俺、そういう専門知識持っていないから・・・・・・。

 

ゴッドレギオン「場所は、”惑星ブリオード”。 砂漠主体の星だが、さて誰が赴くのだ? 名乗りを挙げよ。」

 

???「それは、俺にお任せをゴットレギオン殿。」

 

???「いや、それは我ら”悪夢の猟犬(ナイトメア・ハウンド)”にお任せを!!」

 

まあ、俺にとってこれはいつも通りのパターンでもあるが、一応同時に名乗りを挙げたのは、俺と同じ十二眷将でデモンス・・・様側の”ネイル・シュタイナー”と、悪夢の猟犬の長、”チェール・グース”である。

 

ネイルの方は一見餓鬼だが、それとは裏腹のエゲツねえものを扱う。 悪夢の猟犬の方は、対機神戦では多くの武功を挙げてきたアルテルトメア主体の特殊部隊・・・。 まあ、悪くねえとは思うが・・・・・・。

 

ネイル「・・・なんだよ、おっさん。 お得意の機神狩りで舞い上がちゃったわけ? 生憎、人数足りているんで引っ込んでろよ・・・塵屑めが。」

 

チェール「ふんっ!! お前こそ、どこぞの餓鬼二人の尻尾を追い掛け回していたと思ったら、今度は我らの十八番である機神狩りの邪魔をするというのか!! さては、それを知って名乗り挙げたな!!」

 

ネイル「おいおい、頭おかしいのかおっさん? この僕が先に名乗りを挙げたんだぜ?」

 

チェール「なんだと、貴様っ!! それは我らに対する侮辱だと知ってのことか!!」

 

・・・・・・この通り、無茶苦茶すぎるというか遺伝的に噛み合わない仲の悪さである。 別にこれが初めてというわけでもなく、昔っからそうであるからな・・・・・・。

 

ラグナ「うるせえぞっ!! てめえら、死にたいのか? ああん?」

 

全身大鎧づくしのラグナの旦那が、ネイルとチェールを恫喝させる。 ・・・大方、次の標的を相手にイメージトレーニングでもしていただろうに・・・・・・。

 

ゴッドレギオン「全員、静粛に・・・・・・。 そこで、揉めるくらいなら先に武功を挙げればよかろう・・・・・・。」

 

ネイル「んじゃ、遠慮なくそうさせてもらいま〜〜す。」

 

チェール「あ、待て貴様っ!! 話はまだ終わってな・・・・・・。」

 

ゴッドレギオン「それと敵は銀河連邦の護衛隊やブリオードにいる警備隊がモビルメアを率いて相手をするだろうが、その他に例の奴らが来るという情報もあった・・・・・・。」

 

ネイル「!!」

 

チェール「なんとっ!! それは真であるのですか!!」

 

・・・・・・ほんと、そういうのだけは反応するんだよね・・・・・・。 ネイルはあの”緑と黄色のチビガキに執着しているし”、チェールの方はロボット絡みの異界で幾度もなくあいつらに負けているけどね・・・・・・。 勿論、それは言うまでもなく・・・・・・。

 

チェール「あのGFなのですかっ!! あの忌々しい組織っ!!」

 

???「マア、タシカニワレワレハイクドモアノGFニジャマサレテイルカラナ・・・・・・。」

 

???「いやいや、それ楽観的に言えるセリフか・・・?」

 

ネイル「ってか、あんたらはあいつらに負けているだろうが、ゴドルスにダグネス君?」

 

今現在、出席している三千委員会のほとんどはGFやそれと同等の組織によって幾多の敗北を繰り返している・・・・・・。 勿論、それまでは全く負けていなかったけどね・・・・・・。

 

ダグネス「まあ、それは確かに否定しねえけど、人のこと言えないだろ?」

 

この巨漢でサイボークじみた奴は”ダグネス・グガンバルス”といって、俺と同じデモンス側の十二眷将で俺様一番的な性格をしているが、それと裏腹に軍神並みの実力と頭脳を持っているっすね。

 

ゴドルス「トイウカ、イヤミノツモリデイッタノダロウガ、マッタクイミモナイトオモウノゾ?」

 

・・・・・・さて、この得体の知れない全身包帯を巻き、それを全身レザーコートで覆っているこの人は”ゴドルス・リドルヴァー”であるけど、・・・・・・実は俺の兄貴でわけあってあんな姿になっている・・・・・・っす。

 

それはそうと、よくネイルをあしらっていやすね・・・・・・。

 

ネイル「・・・・・・ああ、もう!! こいつらに言った僕が馬鹿だった!! というわけでお先に失礼します!!」

 

チェール「あっ、こら!! 貴様っ!! 抜け駆けは許さんぞ!!」

 

ぎゃあぎゃあと騒ぎながら、三千会議から出てしまったネイルと悪夢の猟犬御一行達・・・・・・。

 

グロウス「・・・・・・・・・いいんすか? あれで?」

 

天田「ほっとけ。」

 

この後も、三千会議は続いてはいたけど・・・・・・。

 

???「・・・・・・・・・・・・。」

 

ただ一人・・・いや正確には数人ほど除いては・・・・・・。

 

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スティア「さて、これまで習ったことをおさらいしておこうと思うのだが、・・・・・・お前ら大丈夫か?」

 

場所はブリーフィングルームであるが、先の出来事のせいか俺以外というか馬鹿二人はそうでもないようで・・・・・・。

 

春「ううっ、痛いですよ・・・・・・。 これって、あんまりじゃないですか・・・・・・。」

 

直「それは自業自得だ。」

 

春の方はいうまでもなく先程の件でお仕置き済みなため、そうなっているのは仕方がないが・・・・・・。

 

逢魔「あいたたた・・・・・・。 俺もそうなのか・・・・・・?」

 

直「それも以下同文。」

 

逢魔の方は・・・・・・まあ、なぜそうなったのか春共々、今から2時間程前に巻き戻る・・・・・・。

 

〜2時間程前〜

 

春「もう〜〜〜!! なんで皆してそう言うんのですか〜〜〜!!」

 

朝食を済ました後、訓練を終えた今でも未だに文句を言い続けていた。

 

逢魔「まだ朝の件で怒っているのかよ・・・。 そんなにひきずっていると前に進めないぜ?」

 

直「ってか、そうさせたのは俺等だけどな・・・・・・。」

 

春をからかいすぎたせいか、すっかりご機嫌斜め状態であるが・・・・・・。

 

直「・・・・・・・・・・・・。」

 

何も言うことねえな特に・・・・・・。

 

春「そこっ!! なんか言えーーーーーーーーい!!!」

 

と言われてもネタが思いつかんな・・・それよりも今日の講義はおさらいだったな〜。

 

春「それですか!! 考えるところそこですか!!」

 

直「おう。」

 

春「肯定しないで〜〜〜〜〜!!」

 

逢魔「相変わらずの自滅っぷりだなおい。」

 

直「それは同感。 16年間の幼馴染としてやっているけど、これだけは相変わらずだね。」

 

というか、子犬ようにあちこちいっては転げ落ちるのがまたも興であるけどな。

 

春「ふふっふふっふふふふふふ。」

 

逢魔「おい、どうした? 壊れたのか?」

 

ああ、キレたなこれ・・・・・・。

 

逢魔「・・・そこ、心の中で言う?」

 

そう言っているうちに、春は何やら挙動不審な構えをし・・・・・・。

 

春「私の!!」

 

直「お、危な。」

 

逢魔「ちょっ、げふっ!!」

 

俺と逢魔に向けてダブルラリアットを繰り出したが、俺だけ下に避けて間一髪免れたものの・・・・・・。

 

春「尊厳は!!」

 

逢魔が怯んだ隙に、がっしりと背後を取ってクラッチ!! そして・・・・・・。

 

春「子犬並みですかーーーーーーーーーーー!!!!!」

 

逢魔「どばっぶ〜〜〜〜〜〜〜!!!」

 

見事に、バックドロップを決めたのであった・・・・・・。 う〜ん、数百年続いている超絶古い技であるけど、いつ見ても斬新だな・・・これ。

 

ちなみに、忘れている奴もいるけど俺等2652年の地球にいました。

 

春「がるるるるるるるる〜〜〜〜!!!」

 

なんてこと言っているうちに、今度はこっちに牙を向いてきやがった!! ・・・・・・まあ、当然といえば当然だが・・・・・・。

 

直「春ちゃ〜ん。 そういえば、なんで俺の部屋に入ってこれたの?」

 

こっちには弱みを握っているので、これで回避。

 

春「ぎくっ!!」

 

あら、図星。 俺の秘策が聞いたようで何よりっと・・・・・・。

 

春「そっそそそれはともかく!! 逢魔に直!! 私のどこに女の子らしい魅力がないのですか!!」

 

案の定、話題を逸らしやがったな・・・後で問い詰めるか・・・・・・。

 

直「う〜ん。」

 

そう言われてもな・・・・・・。 春のスタイル自体は悪くないんだけど、長く共にいたせいか異性という以前的に見ていないって感じだけどな・・・・・・。

 

春「それ、心の中で言います?」

 

直「というか、人の心の中読んでいる時点でプライバシーっての考えろよ・・・・・・。」

 

全く、それも相変わらずだなおい。

 

直「んで? お前はどうなんだ逢魔?」

 

逢魔「どうって答えは一つしかないだろ?」

 

そう言うと、逢魔はたまたま通りかかったラゼインさん一行の所に行き・・・。

 

ラゼイン「ん? どうした?」

 

当然、ラゼインさんはそっちに向かってくる逢魔に問いかけるが、逢魔はそのままリルティさんのところに行き・・・ってか、やること一つってまさか・・・・・・。

 

逢魔「このっ!!」

 

予想通りに逢魔はリルティさんのライダースーツについている首下のファスナーを掴み・・・・・・。

 

逢魔「野郎として、最大限に魅力が入った御方に決まっているんだろうがーーーーー!!!」

 

そう言うと同時に一気にファスナーを一気に下ろしたその時に、豊満というか胸の谷間を曝け出しながら、へそまで見える程度のところまで露出したのだった・・・・・・。

 

直「・・・・・・・・・。」

 

思わず、その状況に見とれてしまう俺でもあるが・・・・・・。

 

春「ガ〜〜ン。 それなんですね・・・・・・。」

 

春の方は、何を納得したのか知らんけど唖然しながらぺたりと床に着いていた。

 

リルティ「や〜ん。 エッチですわね〜。」

 

逢魔の行動にしばらく硬直していたが、何かとワザとらしいというか恥ずかしがるような仕草で露出した所を隠しながらファスナーを上げているが、平然というか割と動じない方なのか?

 

ゼルファ「あらあら〜。 いつもながらに大きくなっていますね〜。」

 

リルティ「大丈夫よ〜。 大きくなっても”CS(コマンダースーツ)”ですぐに調整できるわよ〜。」

 

直「・・・・・・。」

 

何気にエロく聞こえるな・・・・・・。

 

ちなみにCSとは、コマンダースーツの略称であり能力者でしか使用できなかった特殊服装のことである。

 

え? なんで過去形みたいな言い方になっているかって? まず最初にCS誕生の説明から・・・。

 

CSは森羅万象大転変の日(インフィニティス・フラクション)から数ヵ月後、ほとんどの住人がプレイルとして目覚めており異能や魔法などの存在を現実として認識しているころ、コマンダーがCSを着用しているところを周囲の人物に目撃されたことにより、あっという間に広まっていったのが起源とされているが、正確には”もっと前から誕生していたそうだ。”

 

なんでも、そのコマンダーの情報だとその日の数百年前に最初の異能者となったその人は”とある計画”に巻き込まれ、異空間を舞台に異能者同士戦わされたそうだが、その当時の記憶はそれだけでありその計画が終わったのにも関わらず、異能を持ったまま不老永久の時を過ごしたそうだ。

 

それと同時に、異空間を舞台に戦ってきた異能の補助兵装みたいなものがついたのがこのCSというわけだ。

 

んで、ここからCSの性能の説明に入るが、CSはさっきいったとおりの補助兵装であり、使い方はなんでも念じればどんな服装でもなることが可能であり、気に入った服装は自身の脳にある固有スペースみたいな部分に挿入するだけで、後は必殺技みたいに叫んだり、呼んだりすることでその服装が具現することができるといった機能であるけど、実際は重装甲並みの堅牢さを持っており、本人の技量もとい力量によって普通に見える服装であっても当時最強といわれていたオリハルコンやアダマンタイトにも匹敵する硬さを持つことができる。(リーダー曰く、現在は”アルテマイト”と呼ばれる究極無比の鉱石があるそうで、その硬さを持つ者がいるって言ってたなあ。)

 

更に、例えCSがどんなに破れていたり、破損していたとしても、”リバース(修復)”すれば元の服装に戻るし、どんなに過酷な環境でも順応できる保護機能がある優れ物であるため、その性能が非常に好評であり、冒険家やコマンダー達にとってはCSなしでは日常不可欠と言われているほど。

 

とはいえ、あくまでも服装だけの話であり、CSを纏ったからといって露出しているところは守られていないうえにダメージはそのまま・・・つまり、服装以外の部分はCSの加護の範囲に入っていないということである。

 

故に、ほとんどの軍や賊は全身フルアーマーじみた服装で纏うそうだ。

 

ちなみに、CSを使用する前に服を着ていようが関係なくできるものの、着ていない方は解除した瞬間にマッパということになるので注意・・・・・・後、この情報の提供者は古き者の異をこめて、”エインシェントコマンダー(古代異能者)”と呼ばれている。

 

そのうち、その枠に入るのがあの六大英雄の一人こと、”フェリア・イネルクス”であることに驚愕したのだ。 

 

そんなわけで、CSの説明は終わるのだけれども・・・・・・。

 

ラゼイン「『風迅拳!!』」

 

ラゼインさんの腕から風を纏い、その状態から勢いよく、ほぼ一瞬で逢魔の顔面にクリティカルヒットを繰り出した。

 

逢魔「ぶほぉ!!」

 

直撃を喰らった逢魔は壁に激突し、見事にめり込んだが、そのまま崩れ落ちた。

 

・・・・・・まあ、あっちはぶちゃっけわかってはいたけど。 この先はわかるよね・・・・・・。

 

ラゼイン「おい。 何勝手にリルティに手を掛けていやがるんだ? ・・・・・・覚悟はできているよな? ええっ?」

 

逢魔「いや、ちょっと・・・。 訳を話せばわかるから・・・・・・。」

 

手をポキポキと鳴らしているラゼインさんは、そのまま逢魔の所に近づいていき、それに慌てた逢魔は弁解しようとするが・・・・・・。

 

ラゼイン「ほう? つまり、リルティの服を脱がすほどのあるくらいの事なんだよな〜〜?」

 

逢魔「あの〜〜ラゼインの旦那? その得物はどういった意味で・・・・・・?」

 

既に時遅くといった感じで、ラゼインさんは神剣レイヴァントを展開している模様・・・。

 

それを見た逢魔はこの後を察しているのか青ざめた顔で肩震わせている。

 

逢魔「ってか、そこで実況してねえで助けろよ〜〜〜〜!!」

 

と、そう言った瞬間に・・・・・・。

 

@助ける A助けない Bまあ、お前の好きにしろ。

 

・・・・・・いかにも、どこぞのアニメで見たような脳内選択がぱっと出やがった。

 

(ふふふっ。 さあ、どれを選ぶ?)

 

ご丁寧に、自称謎の声から頂戴したものらしい・・・。 ていうか、Bのそれって適当すぎないか? @とAはわかるけど・・・・・・。

 

(まあまあ、思ったとおりに選べばいいからさ。 どうせ、この後似たようなものが出るからさ。 ・・・さすがに、脳内選択のようなものは出ないと思うけど。)

 

そりゃそうだろ。 とはいえ、さっさとこの回想にケリ付けたいので・・・・・・。

 

Aを躊躇なく選ぶ。

 

直「自業自得だ諦めろ。 それにガチギレのラゼインさんを止める気はない。」

 

ラゼイン「だ、そうだが?」

 

逢魔「この薄情ものののののののののののののうううううううううううううううううううううう!!!!」

 

と、いう訳でラゼインさんに散々ぼこられた哀れな逢魔であった・・・・・・南無。

 

〜現在〜

 

逢魔「って、あまりにもひでぇ回想だなおいっ!!」

 

春「私なんて、あの黒歴史手帳で脅迫されて酷い目に遭ったんですよ!!」

 

直&逢魔「「それはどうでもいい。」」

 

春「何気にひどいっ!!」

 

ちなみに、黒歴史手帳というのは、元々俺が趣味で書いたいわゆる観察日記というやつだ。 勿論、今現在でもしっかりとメモっているので言おうと思えば言えるのだが・・・。 例えば? そうだな、例えるなら・・・・・。

 

逢魔「待て、待て、待て、待ていっ!! そんなことをこの場で聞かされたら明日どんな顔をすればいいのかわかんねえだろうが!!!」

 

春「私なんて、あまりの恥ずかしさに一生寝込んでしまいたいくらいですよ〜〜〜〜!!!」

 

・・・・・・と、こんな風に簡単に身悶えてしまう逢魔や赤面のあまり泣き出してしまっている春がその例でもある。 ちなみに、この二人だけではなく他の面子にもしっかりメモっている。

 

スティア「・・・・・・なんか知らんが、あまり窮地に追い込むなよ五十嵐 直。」

 

直「まだ、何も言ってはいないけど。 一応、はい。」

 

(心の中では随分と話していたけどね〜〜〜。)

 

やかましいっ!! と、心の中で突っ込んだ。

 

スティア「・・・・・・コホン。 さっそくおさらいを始めるが、最初はこの世界の現状についてだ。」

 

そういうと、スティアはいつの間にか持っていたリモコンのボタンを押すと、液晶画面に大きな映像が映し出された。

 

その映像は現在のスピリエンスワールド全体といってもわからないだろうが、軽くいうのなら惑星の中での全体ではなく、”銀河全域そのものがスピリエンスワールドの全体”であるが、未開領域が多く、現時点で発見したその範囲でしか表してはいない。

 

スティア「色の識別でもわかるようにバディレスが現れる前はそれほど世界規模な事件もなく穏やかに過ごしていたが、現れた後はこの通り、通常のアークエネミーとは異なり同時多発に出現したせいで、各組織でも対応が遅れ、その結果、世界を半分以上分かたれるくらいの状況になった。」

 

この説明じゃ、ピンとこないなら一応説明しておくけど、最初は小規模の組織でも対応できるような平和な生活を謳歌しており、そいつらの領域での色をあらわすのなら≪青色≫が彼等の勢力であり、全体が青一色で染まっていた。

 

勿論、彼等の対となるアークエネミーの領域色は≪赤色≫であるが、元々アークエネミーは一体ずつ数世紀(といってもバラつきはある)ごとに現れては惑星を喰らったりや破壊したり、世界災害を起こすほどの被害を出しており、最初は一部であるが段々とスピリエンスワールド全体に被害を及ぼしかねないため、六大英雄や英雄候補者達によって、アークエネミーを倒しては平和を勝ち進んでいたけど。

 

スティア「その時に、これまでのアークエネミーとバディレスがどうやって出現したか、またその違いについて誰かわかるか?」

 

直「はい。 これまでのアークエネミーは出現こそはバラバラでしたが、いずれも”次元の狭間”から出現しています。」

 

逢魔「おっと、俺も喋らしてくれ。 バディレスは最初、今までのアークエネミーと同じく出現したのだけど、それと同時に”ダークピラー”と呼ばれる次元の狭間とは似て異なるもので、それをスピリエンスワールド全域に複数同時に出現したせいで銀河連邦を含む≪青色≫の全勢力達が対応に遅れ、今のような状況になったってことだよな。」

 

スティア「ああ、そうだ。」

 

まあ、それが正解なのは予習で散々知っているからな。

 

後、説明の続きなんだが、ダークピラーと呼ばれるものは一見どこからどうみても闇の柱にしか見えないが、その中から大量のバディレスが一斉に出現した。それがスピリエンスワールド全域あちこちに同時多発したものだから、いつも通りの対応をしていた政府や組織達はその常識をあっさりと覆されてしまい、その結果として青一色だったものから≪赤色≫があちこち浮き上がっては拡大してしまった為、六大英雄がいるところまで追い詰められたが、その六大英雄やGFのような抵抗組織の活躍でなんとか半分近くまで押し上げたものの、今現在バディレスやそれに魅入られた傘下や同盟連中等によって未だに抵抗している模様である。

 

春「というか、私の分まで残してくださいよ〜〜!!」

 

逢魔「悪いが、これは早い者勝ちだ。」

 

直「それは同感。」

 

春「ええ〜〜あんまりですよっ!!」

 

スティア「・・・・・・皆積極的で何よりだ。」

 

確かに、この二名は学校の授業じゃ結構度がつく程のサボりをしていた癖に、こういう授業だけはやたらと積極的なんだよなホント・・・。

 

スティア「・・・話を戻すが、今俺達が向かっているのはその≪青色≫と≪赤色≫の狭間といってもまだ≪青色≫の領域なんだが、ブリオードとよばれる砂漠主体の惑星に行く。 あそこは機械の部品やらその素材となるかもしれないものが多く揃っている為、まずはその惑星でこの時空艦アルシオンを整備していき、それと同時にお前等ヴェイグレントズは再び実戦での経験を積んで置くこと。」

 

春「また、あの時みたいな奇妙な試練をやるのですか?」

 

奇妙な試練って、まあ確かに奇妙といえば奇妙だが。

 

スティア「いや、今回はギルドとアリスの二人に同行してもらい、アルシオンが着陸したその場所から隣町の所にいって鉱物を購入することだ。」

 

直「つまり、隣町に行く間、経験を積みながら目的のものを取って来いっていうのか?」

 

スティア「そうだ。 前回はアクシデントがあったが、あの距離なら十分に対応はできるはずだからな。 それを踏まえてお前等の先輩方に戦い方を教えて貰いながらこの時空艦に必要な資材パーツの素材を取ってくる。 まさに一石二鳥という奴だ。」

 

その方法なら、別に俺達でも問題はないだろうな・・・。

 

逢魔「ん? 資材パーツって鉱物じゃないのか?」

 

スティア「さっきもいったが、あの惑星にはその時空艦の整備に必要な素材があるからな。 それを利用して強化したり資材パーツを作成しておくことで、後で修理するときに便利だからな。 つまりはそれらを貯蔵するってことだ。」

 

春「ということは、これから激戦区に行くことになるということですよね。」

 

スティア「そうなるな。 最終的には、バディレスが唯一次元の狭間から出現した場所にいくが、その前に寄るところが増えたからな。」

 

直「増えたって、俺達の特訓メニューですか?」

 

スティア「それもそうだが、六大英雄直々の依頼でちょうどこの≪青色≫と≪赤色≫の狭間にあるこのVの隊列になっている”惑星ブイヴェルト”に行くことになった。」

 

スティアがその場所から拡大し、Vのような隊列になっている五つの惑星を指した。

 

この構図なら、バディレスの勢力を食い止めている状況になっているわな。

 

逢魔「というか、その六大英雄直々の依頼って具体的には何をするん?」

 

スティア「簡単な話、そこに行って防衛するということだ。」

 

直「は? それってつまり、その最前線に行って全力で防衛してこいということなのか?」

 

スティア「そうだが? だから、こうやって寄り道しながらお前達の実力を伸ばしているという事なんだよ。」

 

成る程な・・・・・・どおりで一気に座標移動もといハイパースペース的なことをしていないと思ったらそういうことになっていたというわけか・・・・・・。

 

まあ考えたら、今現在で俺達が足引っ張ってしまう立場だよな。

 

スティア「ちなみに、その座標移動もとい”シンギュラーゾーン”はバディレスの妨害によりちょうどブリオード辺りから出来ないようになっている。」

 

あ、そっちの方ね・・・・・・。 よく考えたら、確かにジャミングされてもおかしくないわな。

 

スティア「思い切り顔に出てたから、わざわざ説明したから感謝しろよ五十嵐 直。」

 

あ、そんなに出ていたのか俺? ・・・って、なんでお前等二人がニヤニヤしてんだよ・・・なんかムカツクなあ。

 

逢魔&春「「〜〜〜♪」」

 

・・・・・・後で、しばこうとするか。

 

スティア「そんなわけで、ブリオードから最寄りの惑星の順でお前等の実力を高めつつ、その成果を出すために、ブイヴェルトで防衛はしていくということがお前等のとっての現時点での最終目標となる。」

 

逢魔「それはいいけどさ、そのブイヴェルトに行く途中であの仮面の男やバディレスが来るって可能性はあるのか?」

 

スティア「あるぞ。」

 

直「即答だな・・・おい。」

 

と、即座に突っ込みを入れる俺。

 

スティア「いっておくが、お前等の救助に行くときにバディレスの連中等に妨害されたからな。」

 

そういや、この前そんな話をしていたな・・・。

 

直「というか、なんで俺達を襲ったんだ? あいつらに恨まれるような事はしていないはずだが?」

 

春「そうですよ。 ”まるで私達を脅威とみなしているかのように・・・・・・。”」

 

スティア「実際、そうだから言っている訳なんだが?」

 

逢魔「これも即答だな・・・・・・というか、理由は?」

 

スティア「理由も何も”最初からお前等を始末する気満々でやってきた”からに決まっているんだろう。 そうでなきゃ、救助に行くときに”三大将軍”やその配下である”十二眷将”らに妨害されるわけないだろうが・・・・・・。」

 

直「なんだそれ? そんなにすごいのか?」

 

というか、どんなやつらなのかはっきりとしないけど・・・・・・。

 

スティア「すごいもなにも、スピリエンスワールド全域の半分以上を占領した前線部隊の将軍達だぞ? それもかなりの大物で銀河連邦でも絶対の脅威とされているほどだからな。」

 

春「・・・・・・嘘。」

 

スティア「マジだ。」

 

直「これも即答とは・・・・・・さすがこの世界はスケールが違う・・・・・・。」

 

逢魔「というか、そんな相手をよくしてられるなこの組織・・・・・・。」

 

全くもって逢魔に同意だ。 今のいままでよく生き残っていられたな・・・。

 

???「まあ、この世界ではそういう遥か格上の連中と戦う事になるがな。」

 

直「!!!」

 

不意に聞こえた声とともに、時間が止まったかのような世界もとい零秒世界が発生したと同時にあの黄金の眼をした長身の男性が現れた。

 

???「残念だが、あれは毎度使っていると面倒くさいから世界の法則を利用した特殊空間を編み出しただけだ。 どうだ? 思いつきで生み出したが、イケテルだろ?」

 

思いつきって・・・。 よくそんなことでやってられるなあんた・・・・・・。

 

ラゼル「まあまあ、そういえば随分と遅くなったが俺の名はラゼル・エルドラシングだ。 これでも黄金神皇やら第一の黄金種と呼ばれている。 一言でいうのなら、”超越者(オーバーエクストラ)”という強さの領域にいる者だ。」

 

直「成る程・・・つまりは神やら魔王に近い奴ってわけか。」

 

こいつの言っていることが本当ならそういう存在になる。 要するにチートっていう最強にして究極的な反則存在の部類だろうが・・・・・・。

 

ラゼル「まあ、お前がそういう風に思っているのなら別に否定せんが、一つ訂正するのならオーバーエクストラはただの超越者ではない。 強いていうのなら、神やら魔王は現在でも実在はしているが、そんな低次元の奴等と一緒にされては困るがな。」

 

直「つまり、それ以上超えた存在であると?」

 

ラゼル「まあ、そうなるな。 つまるところ世界は広いってことだ。」

 

さすが、スピリエンスワールド。 俺が普段最強だと思ってた神や魔王、そしてそれに匹敵する奴等を低次元だとか・・・スケールが違いすぎて訳がわからん。

 

ってか、実在していたのか正直そういうのは偶像だけの存在にしか認知していなかったんだが・・・・・・。

 

直「そういえば、俺に何のようだ? わざわざこんな空間にしたのはよほどのことなんだろうな?」

 

ラゼル「ああ、それね。 今回、お前が戦うことになるであろう敵の勢力についての説明をしようと思ってなあ。」

 

直「・・・・・・随分と暇人だなあんた・・・あだっ!!」

 

ラゼル「やかましい。」

 

こいつ、チョップをいれやがった!! おもっくそ痛えだろうが!!

 

ラゼル「ま、そんなわけだから軽く説明しておく。 まずバディレスだが、あいつらは一億番目のアークエネミーなんだけど、これまでの奴等とは次元が違う。」

 

直「・・・へえ、あんたでも危険視するほどの奴等だってことか?」

 

ラゼル「いや? そもそもあれはこの世界を生み出した”創始者”達によって生み出された遺物達だからあんなレベルのやつらオーバーエクストラでもすんなりと倒せるぞ。 最も、あれは”元々世界を維持させる目的で生み出された”んだが?」

 

直「・・・・・・嘘だろ?」

 

ラゼル「マジだ。」

 

このやりとり何回になるかと思うが、それよりもさっきの痛みを忘れるくらい手のひらを返しやがった・・・・・・。

 

直「その世界を維持する為に生み出されたアークエネミーって、まさかとは思うが人間・・・いや、プレイル達の悪意によって暴走したとかそういうことか?」

 

プレイル・・・今じゃ、この世界での住人での総称だが、そういう人達によって暴走させられたアークエネミーはつまるところ世界を維持させる為にプレイル達を滅ぼそうとしていることになる。

 

ラゼル「ああん? おかしなことをいうなお前。 言っておくが、暴走はしとらん。 あれで、正常に動いているし、何よりも世界全ての者達と戦う為に生み出されているから問題ねえよ。」

 

直「なにっ!?」

 

マジか、マジなのか!? というか、また手のひらを返しやがった!! こいつの常識って、飛び抜けすぎて訳がわからん・・・・・・。

 

ラゼル「一応言うが、その当時の創始者やその知り合いから情報貰っているから全部事実だぞ。」

 

直「・・・・・・・・・・・・。」

 

・・・・・・あかん。 スケールが違いすぎて全然理解ができん・・・・・・。 あれか? ラゼルみたいなオーバーエクストラの連中等は皆そうなのか?

 

ラゼル「やれやれ、”お前もその一人だったくせに今じゃ偉い違いだな・・・あいつらが苦労する訳だ・・・・・・。”」

 

直「は? 今、なんて?」

 

ラゼル「おっと、今の言葉は忘れてくれ。 一応念押しするが、”あくまで別人の話だぞ?”」

 

そんなこと忘れられるわけが・・・・・・。

 

ラゼル「『メモリアルリメイク』」

 

直「っ!?」

 

なんだ!? なにをされたんだ!?

 

ラゼル「動揺しているところ悪いが、世界の都合を利用した業で一部改竄してやったぜ。 どうだ? ”さっきのこと思い出せないだろ?”」

 

直「???」

 

そういわれても、あれ? 俺、何を言おうとしていてたんだっけ?

 

ラゼル「まったく、つい口を滑ってしまったが、時間もないし簡潔に終わらせておこう。」

 

さっきから何かを思い出せないまま、ラゼルは次のことを語り始めた。

 

なんでも、バディレスは取り込んだものを全て自分のものにしたり耐性を得ることができるうえ、それをベースに増殖する特性を持っているそうだ。 っていうか、それだけでも厄介なのに取り込んだものをベースに増殖をするとかこの世界の連中等は反則といえるくらいの能力を持っているのが普通なのか?

 

その次に、三大将軍はバディレス自らが見込んだ最強精鋭の大将軍で、その実力は”絶対禁忌種”にしているほどであり、あの六大英雄に匹敵するそうだ。 ・・・もし、あのままスティアがデモンスと戦ってくれなきゃ、今頃どうなっていたんだろうな・・・・・。

 

最後に、十二眷将と呼ばれる連中で三大将軍それぞれに4人ずつ配属している親衛隊ではあるが、全員が将軍以上の器を秘めている連中等である。 けど、そいつらと同等の強さを持った奴等が十二眷将の配下になっているか、もしくはバディレスの傘下になっている連中等が存在しているらしい・・・・・・っていうか、そういうやつらがたくさんいるのかよ。 なんか、ハードルが高くなってきたなあ・・・・・・。

 

ラゼル「そりゃ、そうだろ。 お前はあの馬鹿二人とセットで遥か未来の世界に来てしまったんだからなあ。」

 

直「まあ、確かに否定しないけどさ、ってかなんで知っているんだ?」

 

俺達が未来に来たことに?

 

ラゼル「お前・・・。 知らないとでも思っていたのか? 言っておくが、アークエネミーは勿論、オーバーエクストラだって既に知っているぞ。」

 

大体、そういう”次元漂流者”は珍しくないし・・・。 と、付け加えるラゼルの言葉に俺は・・・・・・。

 

(そうなのか? 何度も言っているような気がするけど、やっぱスケールがすげぇ・・・・・・。)

 

と内心そう呟いた・・・・・・・・・俺、こればっか・・・。

 

ラゼル「おっと、気がついたらそろそろ時間か・・・。 ま、途中で説明しているあいつらを”都合よく聞いていた”ことにしておくよ。」

 

ん? 都合よく聞いていた? というか、途中でって・・・まさか。

 

ラゼル「おう。 システムの都合でこの説明は現実でしていたってことに調整しておいたから。」

 

直「おい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

 

なんだよ、それ!! なんでもありというか思い切り職権乱用しまくりじゃねえか!!

 

ラゼル「まあまあ、細かいことは気にしないということで5秒後にこの空間解除するからあとはよろしく。」

 

直「ちょっ、まっ。」

 

そういったのと同時に空間がパリーン!! というガラスの割れた音と共に世界が元の時間に戻っていた。

 

スティア「ということで、バディレス側の現有勢力の説明はこのくらいにしておくが、何度も言ったようにあいつらはあくまで前線部隊の勢力だから本隊はおそらく最初に出現した場所であると確信している。」

 

ってか、マジであいつが説明した内容の終わりの所で調整されてやがら・・・ある意味、神や魔王以上よりも性質が悪くねえか・・・ホント。

 

スティア「さて、説明が長くなっているがあと一つで終わるからもうちょっと聞いてくれ。」

 

逢魔「その説明って何なんだ? 早く教えてくれよ〜〜。」

 

春「そうです!! さっさと終わらせて、ユナさんとの魔法授業したいです!!」

 

直「お前等、本音が出ているぞ・・・・・・。」

 

まあ、気持ちはわからくもないが・・・・・・。

 

スティア「そう急かすな。 最後は”モビルメア”とその他の機体についての説明だ。」

 

モビルメア? そういえば・・・・・・。

 

直「もしかして、アルティに案内したときに格納庫にあったあの機体のことか?」

 

スティア「ん? ああ、ゲンストのことか。 それもそうだが、その機体の機種等についての説明をするということだ。」

 

逢魔「その機体の機種ってことはどんな機体があるってんだ?」

 

スティア「そうだな。 これから説明するのは”モビルメア”、”オートスメア”、”ギガルトメア”、”アルテルトメア”の四種類の機体だ。 この説明が終わったら今回の講義を終了するからちゃんと聞いておけよ?」

 

逢魔&春「「は〜〜〜い。」」

 

直「子供かよ・・・・・・。」

 

ということで、その機体の種類について説明が行われた。

 

まず、モビルメアと呼ばれる機体は大体想像はつくがいわゆるMS並みの大きさを持つ有人機型だそうで、その代表ともいえるのが”ジクス”や”ゲンスト”、”バルター”である。

 

中でも、ジクスは銀河中にその名を轟かせた稀代の科学者ことカノン・セインチャートといわれる人物が製作されたものであり、量産型にしてはあまりにも扱いやすい操縦性と割と高水準のスペックが特徴でもあるが、驚くべきことにコストが他のモビルメアよりも破格的に安いのだ。 それがどのくらい安いかというとゲームで出てくる最弱の機体並みのコストと同程度なくらい(実際の実物の機体がどれくらいなのかはわからないが)安いのである。 さらにカノンが製作したプログラムこと通称”C.S理論”がそのジクスに組み込まれたことによって前述のような規格外の性能を発揮することができているのが最もな理由でもある。 そのC.S理論によってモビルメアだけではなく、様々な科学にて大きく貢献されているのが現状である。

 

次に、オートスメアであるが、モビルメアのような有人機と違い無人機型の機体である。 勿論、これもC.S理論で組み込まれているが基本的には自律機動型と遠隔操作型などが一般的でもあるが、代表的な機体が”ジルキス”や”カルパー”、”グラッグ”である。

 

その次の機体がギガルトメアであるが、これもC.S理論で組み込まれているものの、他のモビルメアのような機体と違ってやたらと馬鹿でかいのと大火力な武装が特徴であり、代表な機体は”デスグラップラー”や”フォーレイズ”、”サイレンス”である。 ちなみに”ラ・ガール級”やら”エルガス級”などといったでかさの階級が存在しており、中でも戦艦以上にでかい機体がいれば惑星並にでかい機体が存在しているとか・・・・・・科学の進歩ってどこまでのでかさを追い求めるのやら・・・・・・。

 

最後に、アルテルトメアでもあるけれども・・・・・・これは機体ではなく”機神”と呼ばれる存在であり、そいつを扱うには”因子適合者(ファクター)”と呼ばれる存在にならなくてはいけないらしく、しかもそのアルテルトメアと契約したらそのアルテルトメアだけでしか扱えない仕組みになっている。 要するに、スティアの場合はゴットフェザーと契約している為、そのゴットフェザーでしか扱えないという専用機神になっているということだ。

 

アルテルトメアの特徴は以下の通り

@アルテルトメアは幼年期と呼ばれるところから始まり、次第に成長期、成熟期、完全体、究極体へと進化していくが、中でも幼年期は最も凶暴であり、自分自身の理想の形になるために手当たり次第に何かを取り込みまくって形を決めるのだとか、その実力はバディレスでも手が付けられないほどである。 また、最も契約に適しているのといえばまともな自我と知性を持った成長期以降であるが、そいつらは自分自身で主を探す傾向がある上に非常に姿を現さない為、自力で探すのは完全に不可能である。 また、完全体以降のアルテルトメアを所有しているのは現時点で誰もいないのが現状である。

Aファクターと契約したアルテルトメアは、そのファクターの能力やその特性、RWまでもが使用できるらしく、アルテルトメアがちょうど扱えるくらいの大きさになることが可能。

Bアルテルトメアは普通の機体と違い再生(修復)能力が備わっており、ファクターの気力や精神によって回復することが可能であるが、普段アルテルトメアはファクターの中で自動再生をしている。 勿論、呼び出せばそのアルテルトメアに搭乗することが可能だが、ある特定の条件がある場合や重傷状態の時には呼び出すことができないので注意。

Cアルテルトメアは、進化することができるがファクターがある特定の条件をクリアしないと進化できないのである。

Dアルテルトメアと契約したファクターは例外なく他のアルテルトメアに乗ることができず、契約したアルテルトメアを破壊されるような状態でも時間がたてばファクターの体内で復活するものの、ファクターが死んだ場合、ファクターと共に死ぬか離脱してまた主を探すかのどちらかを必然的に選ぶ。

Eアルテルトメアに搭乗したファクターは基本、特殊な球体みたいな空間の中で身体を動かすことで、その行動が連動して操作することになるが、中にはその操作性が苦手ということでモビルメアと同じような操作を切り替えることが可能である。

 

スティア「以上で、この講義を終了するが何か質問は?」

 

逢魔「はいっと、そのアルテルトメアの特徴って、どうみてもアルテルトメアのほうが主導権を握っているんじゃねえか?」

 

スティア「確かにそうだ。 だが、現時点で判明されている内容であり、ファクターの命運を握っているのは必然的にアルテルトメアになる。」

 

春「じゃあ、その機神さんとの契約って破棄できるのですか?」

 

スティア「いや、無理だ。 それを試して成功した者達は一人も存在しない。 どうしてもってならば、自ら命を落とせばアルテルトメアがそれを見切って破棄してくれるだろうが、それでも現状では保障もできない。」

 

直「その内容から要するに、機神自ら自身の主もといファクターとなりえるような存在を探して見つけたらそいつを見初めるってわけか?」

 

スティア「その通りだ・・・といってもパターンは様々だからどんな形で出てくるのかは現状ではわからない。 例えば、”誰かの夢の中から侵入したり”とか”次元の狭間などからで見つけた相手の下に行ったり”等そんな感じにしかわからない。」

 

なにせ、あいつらは唐突にかつ遠慮なしに現れてくるからな・・・・・・。 と付け加えるスティアの言葉に俺は・・・・・・。

 

(じゃあ、”俺の夢の中に現れたあいつはそうだっていうのか?”)

 

と、今日の夢の出来事で現れたあの機神だということを何故か確信している最中・・・・・・。

 

スティア「他に質問はないか? ないなら、今回の講義を終了する。 ということで以上解散!!」

 

俺が気がついたときには、既にブリーフィングに俺一人だけという状況になってしまった・・・。

 

-5ページ-

 

ラゼイン「んで? もう怪我の方はいいってのか?」

 

ロゼット「あ、はい。 おかげさまでなんとか生き延びていますよラゼインさん。」

 

メリア「こっちも大した怪我ではありませんので心配はいりません。 むしろ、風穴状態になっているロゼットのお腹が個人的に心配ですが・・・・・・。」

 

十織「それは心配ない。 ちゃんと再生治療を施しているから安心しろ。」

 

葉尾里「大丈夫です。 先生の治療はいつでもどこでも完璧ですから!! 長年見てきた私が保障します!!」

 

と、ここ医療室にて、バディレスの襲撃によって負傷したロゼットとメリアの見舞いというか様子に見てきたが、まあ元気があるようでなによりと若干安心するものの・・・・・・。

 

ロゼット「ね? だから、こんな状態にしなくても大丈夫って言っているからそろそろ開放してくれないかな・・・・・・。」

 

メリア「いえ、やはりまだ安静にしたほうがベストであると私は絶対最優先事項で判断します。」

 

ラゼイン「・・・・・・・・・・・・。」

 

と、ご覧の通り・・・といってもわからんだろうが、ロゼットは今現在なんていうか麻薬中毒者を抑え付けるような拘束具を何重にも縛った状態で首だけでしか動けない状況になっている。 ちなみに、プレイルは麻薬など効果はないが麻酔は効く・・・関係ないけど。

 

十織「・・・・・・ところでラゼイン。 ゼルファとリルティはどうした? いつもお前の傍にいるはずだが?」

 

ラゼイン「ああ、あいつらならラナ達のところに行ったよ。 本来なら一緒に行動しているが、ただの見舞いというか様子見するだけで大勢押しかけるのはどうかと思ってたし・・・。」

 

十織「まあ、医療室はなるべく静かにっていうのがマナーだけど、患者を励ますってなら多少騒がしくても問題ないよ。 なにせ、そっちの方が体調が優れるからね。」

 

確かにそうだと思う。 そのほうが、鬱屈な気分になっている患者をポジティブにした方がなによりも回復に繋がると思っている。

 

ラゼイン「けどな、ロゼット。 あいつらに”あのこと”を話すのか?」

 

ロゼット「・・・・・・・・・。」

 

葉尾里「? あのことってなんですか?」

 

メリア「・・・・・・あのことといえば”私達の素性”のことですね。」

 

ラゼイン「ああ、その通りだ。」

 

それを言ったと途端、場の空気が重くなるものの・・・・・・。

 

ロゼット「それをいうのならラゼインさんも同じではありませんか”あなたが記憶喪失者”であると・・・・・・。」

 

ラゼイン「まあ、そうだな。 自身の素性や武器などは辛うじて覚えてはいるがな。」

 

メリア「今の関係もそうではありませんか?」

 

葉尾里「ゼルファさんとリルティさんですよね〜。」

 

ラゼイン「それをいうのなら、あいつもそうだろうが・・・・・・。」

 

ま、こうなるわな・・・・・・と初めからわかっていたことだが・・・・・・。

 

ロゼット「心配しなくても、時がくればいずれ話しますよ。 ですからその必要はないと思います。」

 

ラゼイン「その言葉を聞いただけで安心した。」

 

全く、GF結成当初はあんなに居場所がないような感じやら若干警戒していた癖に今じゃ、そういう風に言えるとは・・・やっぱり”スピリエンスワールドにあった外界の世界”を旅して経験したということだよな。

 

・・・最も二人を大きく変えたのは外界の住人達による生き方なんだろうけど・・・・・・。

 

だが、こっちはいくら外界を旅しまくっても全く記憶が戻ることはなかったが代わりに掛け替えのない思い出は増えたけどな・・・・・・やっぱり、記憶が戻るきっかけはこのスピリエンスワールドにあると見て間違いないと俺はそう確信している。

 

メリア「それはそうと、ロゼット。 そろそろ、トイレの時間ではないのですか?」

 

ロゼット「まあ、言われてみれば確かにだけど・・・開放してくれないかな?」

 

メリア「そういうと思って、こんなこともあろうと”これ”をご用意してきました。」

 

そう言ってメリアがテッテレッテ〜!! という効果音とともに現れたのはガラスのジョウロみたいないわゆるそういう形状した特殊な瓶が出てきた・・・・・・。

 

ラゼイン「よし、そろそろゼルファとリルティの所に行かないとな〜。 あいつらも大分待たせているだろうし・・・。」

 

十織「相変わらず大変だなその二股人生。 まあ、ちょうどお腹がすいたから葉尾里・・・お前も来い一緒に飯を食うぞ。」

 

葉尾里「はい、喜んで。 というわけで、メリアさんここの留守をよろしくお願いします。」

 

メリア「合点承知!! 任された!!」

 

ロゼット「ちょっと待って〜〜〜!!! 任されないで〜〜〜〜!!! っていうかメリアさん何をしているの〜〜〜!?」

 

メリア「何って、衣服を脱がさないと”これ”の処理ができないじゃない。」

 

ラゼイン「・・・・・・さっさと行くぞ。」

 

十織&葉尾里「「・・・了解。」」

 

こうして、俺達三人はすかさず医務室を後にして食堂に向かうのであった・・・・・・。

 

その途中で・・・・・・。

 

ロゼット「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

と、ロゼットの悲鳴が響き渡ったのに対し・・・俺達は心の中で合掌をしたのであった・・・。

 

-6ページ-

 

その頃、同時刻・・・。

 

そこは見渡す限りの大自然であり、人類が発展したような科学の痕跡は一切存在していない。 最初に思うことは人の手が及んでもいない所か? 否、違うここは人が住んでいるわけではない代わりに生物があっちこっちに住んでいる。 ならここは未開惑星かと言われたらそれも違う・・・なぜならここは惑星ではないのだ。

 

・・・では、ここはどこなのか? ・・・・・・わざわざ、俺が答えるのもあれだがここは”俺が生み出した固有世界”だからだ・・・その世界に俺やその仲間達はこの世界にて住んでいるのである。

 

???「ねえ? 聞こえている?」

 

そこに俺はあることを考えている最中に聞きなれた少女の声は聞こえてくるがあえて無視はしておく。 なぜなら、考えごとに集中しておきたいからだ。

 

???「ちょっと〜〜、ちゃんと聞いているの〜〜〜?」

 

今現在、俺は座禅をしながら無心の状態になってはいるが、その最中で数多の戦闘を脳内でいくつか再現しては新しい技を編み出している最中でもある。 傍から見ればその座禅は邪道ともいうが、俺は仏教に属しているわけではないからこういう独自のイメージトレーニングは別に問題ないとは思っている。

 

???「むう、反応してくれない・・・さては寝ているな〜〜〜。」

 

因みに、俺がいる場所は無限に広がる大自然の真上にある浮き島の崖辺りであるが、そこにいくつか特殊な豪邸や施設がいくつか存在しており、そこで生活をしている。

 

???「駄目ね・・・・・・。 これも起きないってどういう神経しているのよ〜〜〜〜。」

 

では、俺は何者なのかここはどこなのかを教える前に・・・・・・。

 

???「こうなったら、愛のキスで目覚めさせ・・・きゃん!!」

 

???「さっきから、何をしているんだお前は?((時崎 奈々|ときざき なな))」

 

さっきから、意味のわからない事をしてくるあいつにチョップを入れる。 ・・・・・・案の定、痛がっているようだが自業自得だ。 

 

多少紹介が遅れたが俺の名前は((零宮 悠|れいみや ゆう))。 この世界の主にして俺が設立した少数精鋭型組織”Fin Ele(フィン・エレ)”の長である。

 

んで、未だに俺のチョップを受けて痛そうにしているのが((時崎 奈々|ときざき なな))である。 黒髪のロングストレートと蒼色の眼、アイドル風の黒いゴスロリドレスと頭にミニハットを付けているのが特徴である。 なんといっても性格の方は・・・・・・。

 

奈々「ちょっと〜〜〜〜!! 少しは手加減してくれてもいいじゃない〜〜〜〜!!」

 

と、こんな感じの女性でもあり、うちの同僚からは破天荒女だとかクールアクティブとまで呼ばれる始末である。

 

奈々「って、思い切りスルーするなあああああああああ!!」

 

悠「おっと。」

 

奈々がすかさずチョップで繰り出してくるが、俺は問題もなくそれを受け止めた。

 

悠「悪いが、これを見ている連中等に対して説明しているのに邪魔をされても困るがな・・・・・・。」

 

奈々「見ている人達って誰のことよ?」

 

悠「さあ? 俺には知る由もないがな。」

 

奈々「ええ〜〜〜、自分で言ってといて?」

 

まあ、確かに・・・ここで読み手のことを言っても奈々にはわからないだろうし・・・・・・。

 

悠「そんなことよりも、俺に何の用だ? また、ライブの話か?」

 

奈々「う〜ん、それは前にしたから今日はその用事じゃないの。」

 

悠「では、何の用事・・・・・・もしかして。」

 

奈々「そう、お買い物にいくわよ悠!!」

 

おいおい、俺を起こすほどのなんの用事かと思えば・・・・・・。

 

悠「またか、それ今週で何回行ったと思っているんだ?」

 

奈々「えと、軽く8回よ。」

 

悠「その最中、迷子にならんかったか? しかも単独で・・・・・・。」

 

いい忘れていたが、奈々はうちの専属アイドル兼歌手であり、スピリエンスワールドや外界でライブをしたりなどの活動をしている。 その歌唱力はほとんどの世界で軽くトップクラスになれるほどの実力を持っており、彼女が一度歌えば人だかりが完全に出来てしまうほどの持ち主である。(といっても練習は例外らしいが・・・・・・。)

 

とはいえ、そんな彼女の趣味といえば基本、料理や歌、ある女性や俺に甘えることでもあるが、なんといっても買い物だけは絶対に欲しい物があれば手に入れるまでどこまでも世界各地で行き来するほどであり、その結果、無事に帰ってこれるのもあれば稀に迷子となって俺等に救助を依頼する破目になっているのだ。

 

奈々「あ、あの時は仕方ないじゃない!! 大体、元はといえばあの牛さんのせいで・・・・・・。」

 

悠「はいはい、落ち着きなさい。 んで、今回はどこに行くんだ?」

 

奈々「あっ、そうだった!! 悠、次はこの惑星でこの鉱物や特産品を買うのはどう?」

 

と、奈々が何やらチラシで俺に見せてくる。 その内容を見た俺は・・・・・・。

 

悠「ふうん。 今度は惑星ブリオードに行くのか・・・確か、あいつらがここに行くはずだったな・・・・・・。」

 

奈々「あいつらってなに?」

 

悠「いや、別の話。 そんなことよりも二人でいくのか?」

 

奈々「私だけじゃダメ? これでも、悠に尽くす覚悟はあるんだけどな・・・・・・。」

 

さらりと、その上目遣いで恥ずかしい事を言うなよ・・・。 いくら俺が”ーーーー”でも照れるぞそれは・・・・・・。

 

悠「とはいっても、これまで色んな場所でお前とデートはしてきた方だけど、惑星ブリオードは砂漠主体だから若干は不安があるな・・・。」

 

奈々「デ、デデッ、デート!?」

 

悠「何、顔赤くなっているんだデートくらいで?」

 

奈々「だ・・・だ、だって〜〜〜〜。」

 

やれやれ、最近の女子ってのは恋のお年頃ってわけか・・・俺にはある事情でそういう感性はわからないが、少なくとも皆を大事にするという感覚くらいはある。

 

悠「まあ、それよりも不安だから一応三人くらいは連れて行くぞ。 何せ、この時期は”あいつらが来るんだから。”」

 

奈々「あいつらって、ここにやってくる人がいるというの?」

 

悠「いや、それはないな。 普段の面子の実力を考えたら問題はないが俺が言いたいのはそこじゃない惑星ブリオードのことだよ。」

 

奈々「えっ、じゃあそこにやってくるわけなの?」

 

悠「そうだ。 しかも、”あいつらの置き土産”で奴等バディレスがそこに襲撃してくるだろうな・・・というわけで、さっさと人数を揃えて出発するぞ。」

 

奈々「りょうか〜い!!」

 

そういって奈々は準備をする為に豪邸にへと行った最中・・・・・・。

 

ラゼル「やれやれ、まさかとは思うが”あの物語に不用意に干渉してくるんじゃないだろうな?”」

 

悠「いんや、そんなことはしないよ”ラスト・アーク”いやラゼル、我が”ーーーー”よ。」

 

やはり、ラゼルが現れたかどうせ予想はつくがな。

 

ラゼル「そうか、案外してきそうな感じはするがな”アーク・ゼロ”いや我が”ーーーー”よ。」

 

エネリナ「ふふっ。 相変わらず賑やかですねここは。」

 

と、そこにエネリナがヴェールに乗ったまま、ふよふよという感じで現れた・・・・・・。

 

悠「ってか、お前等それぞれの固有世界に戻れよ。」

 

ラゼル「いや、まあ暇なもので・・・。」

 

エネリナ「ええ、同感です・・・・・・。」

 

おいおい・・・・・・ここは遊び場じゃないんだぞ・・・・・・。

 

悠「よく思えば、お前・・・あいつにちょっかい掛けただろ?」

 

ラゼル「あちゃ〜〜やっぱバレてたか・・・。」

 

エネリナ「まあ、お見通しですからね〜ふふっ。」

 

悠「というか、よく平然としてられるな。 ”創始者達や俺と同じ零宮の名を持つの連中等”が黙っていないぞ。」

 

あいつらに敵を回したら最後、スピリエンスワールドや外界、その世界に潜んでいる不正者達でさえもただじゃすまない。 最も、”今の俺達でも勝てるかどうかわからない状態でもある。”

 

ラゼル「なら、お前の半身でもある”あいつ”でも頼んだらどうだ? お前と同じ零宮の名を持つ奴だぞ?」

 

悠「だからといって、ここで雌雄を決するわけじゃないから幾らなんでも大げさすぎるだろうが・・・・・・。」

 

エネリナ「ええ、確かに”この時間軸で争う理由が全く見つかりませんね。”」

 

ああ、全く争う理由が見つからん・・・・・・。

 

ラゼル「まあ、忠告しておくが一応あの物語は俺の管轄内だ不用意にすれば俺や”他の黄金種”並びに”白銀種”が黙っておらんぞ。」

 

悠「心配しなくても、余計な干渉はせんがいずれ俺達と会うだろうとそう直感する。」

 

ラゼル「”あの出来事でも・・・?”」

 

その言葉と同時に一触即発的な空気を生み出すが・・・・・・。

 

エネリナ「あら、そろそろ帰った方がいいかもしれませんね。」

 

ラゼル「・・・・・・そうみたいだな。」

 

まあ、そろそろそのくらいだと思っていたよ。 何せ、奈々とその仲間達がこっちに向かってくるのだから・・・・・・。

 

エネリナ「では、失礼しますね。」

 

ラゼル「次は、ゆっくりと語えるといいがな。」

 

悠「ああ、いつかな。」

 

そう言ったと同時にあの二人は時空のどこかへと消えていったといっても、どうせあの場所であろうがな。

 

奈々「ちょっと、どうしたの? なにかあったの?」

 

悠「いや、軽い定期報告だ。 それよりも準備はできたのか?」

 

奈々「うん。 ほら、皆も待ちくたびれているから早く行こう!!」

 

悠「おいおい、引っ張るなよ。」

 

そんなわけで、俺と奈々一行は惑星ブリオードで土産を買いに行くその途中で・・・・・・。

 

(待っていろよ。 必ず俺達の手で助けてやるからな((神原 啓|かみはら けい))。)

 

と、そう胸の中に誓うのであった・・・・・・。

 

Chapter1 END

説明
第七弾の作品です。 しばらく、見ないうちに100を超えているところをどうもありがとうございます。 今後もどうなるかはわかりませんがよろしくお願いします。
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