ゼロの使い魔 AOS 第13話 めざせ経済大(町)国 B
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「サイト、起きなさい」

 

覚醒する意識の中で才人は誰かの声を耳にする。

 

「お仕事に遅れちゃうでしょ、そろそろ起きなさい」

 

(眠い・・・だけど起きなきゃ、遅刻しちゃうしな・・・でも眠い)

 

「い〜い加減に起きなさ〜〜〜〜〜〜い!!!!」

 

 

 

才人が目覚めたのは見覚えのない部屋だった、そして起こしてくれたのは親方の娘のアナちゃん。

 

一瞬は戸惑った才人だったが、昨日の夜は遅くなったので親方に泊まっていくように言われたのを思い出して平静を取り戻す。

 

「おはよう、アナ」

 

「お・・・おはよう、サイト」

 

「昨日はアナの部屋を借りちゃったんだけど、俺、うるさくなかったか」

 

「別に・・・ずっと、静かに眠っていたみたいだけど」

 

「そっか、じゃあ朝ごはん食べに行こうか・・・あっ起こしてくれてありがとな」

 

「べっ別にサイトのために起こした訳じゃないから、お仕事に遅れたらお父さんが大変だと思って・・・その・・・そうゆう事だからね!」

 

そう言ってアナは才人を置いて食卓に走っていった、非常に素晴しいものを持ってはいるのだがそこは才人の守備範囲外、効果はほぼ無いもよう。

 

親方の家でみんなで食べる朝ごはん、才人は元の世界で過ごした家族との食卓を思い出し、少しさびしい気持ちとくすぐったい気持ちになった。

 

 

 

今日の才人はかなり早いペースで仕事を進めていた。

 

金槌(かなづち)が小気味よいリズムで釘を打ち付ける、テンポの良い摩擦音をバックにノコギリが木材の上を走って行く。

 

まるで伝説の戦士が剣を自由自在に扱うかのごとく彼の右手は作業を次々と片付けていく、伝説の大工と呼ばれる日もそう遠くないかもしれない。

 

「絶好調だなサイト、この調子だと今日の予定工程が午前中に終わっちまいそうだぞ」

 

「いや〜終わらせるつもりでやってるんすよ、昨日の話を今日から実行するつもりなんで・・・ねっ!」

 

最後の言葉にあわせて木材が真っ二つに切れる、曲芸の様なその鮮やかな仕事ぶりにこの道三十年の親方も思わず関心する。

 

才人のペースに引きずられて全体的にペースアップ、本当に本日の工程を午前中で終わらせてしまったのであった。

 

 

 

平賀才人はトリステイン魔法学院の正門の前にいた、この学院を訪れるのは一日ぶり・・・早い話がは連日の訪問となった。

 

現在は元の世界の基準で午後五時ごろである、学院までは馬車で4〜5時間と言ったところか、生徒たちが外を歩いている、急いで仕事を終わらせた甲斐があったようだ。

 

いままではビクビクしながらこの学院を訪れていた才人でだったが、今回は開き直って堂々と正門の前まで歩いてきた。

 

前回の様に学院に入らずにお目当ての人物を呼び出して貰えば出入り禁止の約束には抵触しない、そう思って正門の前まで歩いてきたのである。

 

堂々としている理由は他にもあるのだが、とりあえず近くの生徒に話しかける事にした。

 

「あの〜すいません、そこを行きます貴族のお嬢様〜」

 

才人は思いっきり下手に出る、ワザとらしいほどの下手であるが昨日のメロンちゃんの様にいきなり警戒されるよりは見下して貰ったほうが話がしやすいと思ったからだ。

 

「あなた、今日も来てたの?なんでそんなに気持ち悪いしゃべり方しているのかしら」

 

「・・・・・・あれっ、昨日のメロンちゃん!?」

 

褐色の肌と燃えるような髪・・・そして、あまりにも暴力的なおっぱい!!

 

才人も二日連続で同じ人物と出会う事になるとはさすがに思ってはいなかった。

 

 

 

「ふ〜ん、ヴァリエール家の用事でね〜」

 

「そう、急ぎの用事でさ、早めにルイズと連絡が取りたいんだけどここまで呼び出して貰えないかな」

 

才人はルイズ呼び出すために用意しておいた言い訳を目の前のメロンちゃんに話した。

 

ヴァリエール家がこの国でかなり力がある名家だという事は才人もなんとなくだが理解していた、要するに家柄の威光を借りて呼び出してもらうつもりだったのだが。

 

「あ〜〜悪いんだけど、無理ね」

 

メロンちゃんに即答で断られた。

 

「ええっ!?・・・そんな頼むよ、ヴァリエール家の一大事なんだ!どうしてもルイズを呼んで貰わないと困るんだよ、お願いします」

 

「私には関係ないわよ、そもそもルイズは昨日からずっと部屋に閉じこもりっぱなしで外に出てこないんだもの」

 

昨日と同じく頭を下げてお願いする作戦に出た才人だったが、ルイズが昨日から部屋に閉じこもって外に出てこない事を聞かされる。

 

(閉じこもっている原因ってやっぱり一昨日の市場での事だよな・・・怒っているのかと思ったんだけど落ち込んでいるのか?)

 

正解である、ルイズは一昨日の市場での横暴な振る舞いを・・・才人に放った一言を気にして何も手付かずの状態なのだ。

 

(落ち込むぐらいならもう少し考えて行動しろよ!!ああ〜ルイズ、意外と打たれ弱いのかな?ルイズ、ルイズ、ルイズ、ルイズ、ルイズ・・・)

 

才人もあんな事があった後にルイズと会えなくて心配と寂しさが膨らんでいた、現在の才人は重度のルイズ禁断症状(後に才人が命名)になっていた。

 

急に黙り込む才人、そして目の前のメロンちゃんはと言うと・・・。

 

(これは予想以上に面白そうね)

 

そんな事を思いながら、この後どうするかを考えている。

 

 

 

....第13話 めざせ経済大(町)国 B 終

 

 

 

....第14話 よみがえるツンデレ!!

 

 

 

執筆.小岩井トマト

 

 

 

説明
前夜の話し合いで今後の計画を決めた才人たち。
今日も見事な道具さばきで仕事をこなす才人であるがやる事もいっぱい。
そして才人は三度あの場所に訪れる事になります、はたして目的は何なのか?
あの娘を書きたい欲求もそろそろ限界ギリギリな13話をお楽しみください
トマト「ル○ズたん〜ハァハァ、ペロペロ・・・」
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ゼロの使い魔 ゼロ魔 ルイズ 歴史改変 平賀 才人 異世界 おっぱい 

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