GF 〜The Galaxy Century〜 第三章 〜機神、顕現す〜 Chapter2
[全7ページ]
-1ページ-

直「・・・・・・・・・・・・。」

 

しばらくしてから、俺は何をなにをしていたかというと・・・・・・。

 

逢魔「ぎゃああああああああああ!!!」

 

・・・・・・なんていうか、ご覧の通りというか”食べ物に捕食”されて身動きが取れない逢魔の姿がそこにあった・・・っていっても最早下半身しか見えねえ以前的に俺は何を言っているのかさっぱりわからねえのが現状であった。

 

一応、状況把握をするためにまず、スティアとの講義を終えたその後の話から入ろう。

 

確か・・・・・・、訓練を一通りこなした俺達は食堂で食事していたところに・・・。

 

アリス「あ、ちょうどいいところに皆でこれを食べよう♪」

 

と、アリスのお手製であろうと思われるマグカップケーキを俺、春、逢魔にクロハ、アサキに鬼舞羅、そしてアリスを含めた7人(といっても一部人外だが・・・。)と一緒に食べていたその時・・・・・・。

 

ガチッ!

 

逢魔「ん? なんだこれ?」

 

と、不意に逢魔のマグカップケーキの中から”なにやら丸い眼が二つとギザギザな口みたいなもの”が逢魔をじ〜〜っと見ていた。

 

直「おい、どうした逢・・・。」

 

それを知らない俺はなにか変なものでもあったんかと思ってたずねようとした瞬間・・・・・・。

 

バクンッ!!

 

逢魔「ぎゃあああああああああああああ!!!」

 

と、こんな感じで今の現状にいたる訳だが、・・・・・・間違ってないよな・・・・・・だってありえねえだろ、食べ物を食べるはずのものが逆に喰われるなんてアニメか、アニメのオチなのかこれは・・・・・・?

 

春「・・・・・・・・・・・・。」

 

アサキ「・・・・・・・・・・・・。」

 

鬼舞羅「・・・・・・・・・・・・。」

 

ちなみに、アリスとクロハ以外は全員呆気に取られている様子。

 

春「あのぅ・・・、アリスちゃん。 あれ、なに?」

 

そんな中でいち早く我に返った春はアリスにたずねた。

 

アリス「ん? ああ、あれね。 あれは”無法惑星コリューン”にあるクレイジーランドから仕入れた”ワームフィッシャー”っていう深海に棲む巨怪虫の幼生体だけど、見ての通り何かに身を潜めては自分のテリトリーにきた得物を丸呑みにしちゃうんだって、その習性を利用してマグカップケーキのような小さい場所とか地雷代わりに設置されているよ〜。」

 

マジで? じゃあ、もしかして・・・・・・。

 

直「俺達もか・・・・・・?」

 

アリス「イエス、その通りなんだよ〜。」

 

その言葉に、春や硬直していた二人もやや青ざめた表情になる・・・さすがの俺でもアリスの行動に恐怖を覚えるぞ・・・・・・。

 

アサキ「オォ・・・まさにクレイジーデスネ・・・・・・。」

 

鬼舞羅「しかも、余まで巻き込むとは・・・相変わらず洒落にならんことをするのぅ・・・。」

 

全くその通りだよ・・・・・・。

 

逢魔「ふんなほといっでねえでだずげろ〜〜〜〜!!」

 

一方、何を言っているのかわからんが助けろということはわかる・・・・・・だが、丸呑みに近いような状態でどうやって助けろっていうのだろうか・・・・・・。

 

クロハ「そんなに心配せんでもよいぞ。 それを使った料理は喰うか喰われるかで、一部のグルメマニアは好評だぞ。 なんでもスリルをそそるようだとかそう言っていたぞ。」

 

その感覚をする奴、絶対頭おかしいよね・・・・・・。

 

アリス「でも、ワームフィッシャーの幼生体はそのままじゃ食べれないし、かといって調理した程度でも硬くて食えないんだよね〜。」

 

直「それじゃ、なんでグルメマニア共がそれを食することができているんだ?」

 

アリス「それは〜。」

 

と、アリスはなにやら”何もないところに糸を弾くようなそぶり”をした瞬間・・・・・・。

 

ピィン・・・、ガシュ!!

 

逢魔「んぼぼぼぼぼぼぼぼぼ!!?」

 

アリス「こうやって、胴体を千切って〜。」

 

ワームフィッシャーの幼生体が瞬く間に何かによって千切れ、そのまま丸呑みしかけた逢魔と共に床に倒される。

 

逢魔「あいだっ!!」

 

春「ちょっと、大丈夫ですかって・・・なんか涎臭い・・・・・・。」

 

逢魔「そりゃ、こいつのせいだよ!!」

 

丸呑みから解放された逢魔はなんか独特の臭いがする涎にまみれながら千切られた方の幼生体を指差していたが・・・・・・。

 

(ん? あれって、もしかして・・・・・・。)

 

よく見ると、”やたら長い金色の髪の毛が絡まっている”のを見て納得した。

 

(ああ、成る程。 だから、あんなあっさりに実行出来たのか。)

 

どうやら、アリスお得意の髪の毛を用いて”予め逢魔の体に仕込んでいた”ようで、しかも俺を含めて全員にも髪の毛を仕込んでいた・・・こういうところは抜け目ないよなホント。

 

アリス「そして、千切った幼生体の下半身の所を取り出せば・・・なんとこの”金色のコクみたいなもの”が唯一ワームフィッシャーの幼生体の食べられる部分なのです!!」

 

と、満面の笑みと共にスプーンでマグカップの中から取り出したのは金色に光り輝く液体というか、ゼリーみたいなものがその幼生体の唯一食べることができる部分だそうだが、どんな構造しているんだあの幼生体?

 

直「ちなみに、どんな味がするんだ?」

 

アリス「そりゃ、絶品とも言えるくらいにおいしいんですよ。 味はスイーツでコクのある旨み成分がドバドバと入っているんですね〜。」

 

それ、漏れ出ているから・・・後、訂正するなら凝縮でしょそこは・・・。

 

アサキ「オォ〜〜〜!! それ程のスイ〜〜ツデスカ!? ではでは、逢魔サン?」

 

逢魔「はい?」

 

アサキ「絶品スイ〜〜ツを堪能するために、身代わり御免デ〜ス!!」

 

逢魔「へっ? ちょっ、ま、ぎゃあああああああああ!!」

 

この人、躊躇いもなく逢魔を贄に使いやがった〜〜〜〜!!

 

アサキ「ヘイ、『鬼舞羅、カモン!!』」

 

鬼舞羅「やれやれ、ここぞという時に人使いが荒いのう・・・・・・。」

 

と、ここで鬼舞羅は妖刀モードに変化し、その妖刀がアサキの手に渡ってすぐに幼生体の胴体を真っ二つにした。

 

逢魔「ぐおおおおおおおおい!! ぬがっ!?」

 

ああああああああああああああっと、絶叫を叫びながら斬られてすぐさま次のマグカップケーキに突入・・・もといその中にいる幼生体に丸呑みされては、同じように幼生体の胴体をアサキが真っ二つにしていく・・・喰うか喰われるかのスリル感を味わうものがいつの間にか第三者による漁夫の利を得る感じですんなりといっていますね・・・。

 

クロハ「次、我だぞアサキ〜。」

 

春「ああ、ずるいです私も〜〜。」

 

・・・・・・面倒臭いので、以下同文的に省略するが女のスイーツに対する執念は凄まじいくて次々と逢魔を使い回しされながら攻略されているよ・・・幼生体が・・・。

 

ちなみに俺の方は・・・・・・。

 

ワームフィッシャーの幼生体「ふがっ!!」

 

魔方陣が描かれたシールドを何重にも重ねてワームフィッシャーの口を封じ、すかさず切り落としてから金色のコクを堪能した瞬間・・・。

 

直「うおっ!! 旨いなこれ!!」

 

巨怪虫の幼生体とは思えない素晴らしいスイーツの味がする。 グルメリポーターのような表現や感想を表すことはできないが、一言言えば、そう深海のスイーツだ!!

 

春「そうですね〜。 まさに深海のスイーツです〜〜。」

 

アサキ「ワタシ、この世界に生まれて良かったと思っているデスネ〜〜〜。」

 

鬼舞羅「ふむ、この味ならアリスやクロハが仕入れたのも納得がいくのぅ〜。」

 

クロハ「じゃろじゃろ〜〜。 ま、これを見つけたのは我であるがな〜〜〜。」

 

アリス「でも、仕入れたのあたしだってこと忘れないでよね〜〜。」

 

金色のコクを食する女性陣達が満面の笑みで堪能しながら和んでいった。

 

逢魔「ちょっと、まて・・・・・まだ、俺のが残っているだろうが・・・・・・。」

 

と、幼生体に丸呑みされ続けたせいかさっきよりも涎まみれになった逢魔はベトベトのまま、まだ残っているマグカップケーキの方を指す。

 

直「ってか、食う前に風呂入れよ臭いぞお前の体・・・。」

 

逢魔「やかましい!! ・・・って、元はといえばお前等が俺をたらい回し=身代わりしたせいだろうが!!!」

 

確かに、その通りでもあるが俺はやっていないぞ。

 

逢魔「そうだとしても、見過ごしたのは間違いないから同罪じゃあ〜〜!!!」

 

おいおい、そんな濡れ衣着せられても困るんだけど・・・・・・。

 

逢魔「この人でなしが〜〜!! いや、それよりも俺のスイーツは!?」

 

と、言った瞬間に・・・・・・。

 

アルティ「さっきから、うるさいわね。 なんなのこの騒ぎは?」

 

ルミ「まあまあ、食堂が賑やかで・・・・・・。」

 

タイミングが良いのか悪いのかアルティとルミの二人がちょうど食堂に入った瞬間、すぐに硬直した。

 

アルティ「・・・・・・なにこれ? あなたたち、これをどうやったらこうなるの?」

 

ルミ「なんか、すごい口をした生物の首だけ散らばっていますね・・・・・・。」

 

まあ、そうだろうな・・・、この異常すぎる光景を見たら誰だって疑いたくなるわな・・・・・・。

 

アリス「いやあ、口で説明してもあれですから、実際これを食った方がわかりやすいかと思います〜。」

 

と、”逢魔の分(元はアリスの)だったマグカップケーキ”をアルティに差し出した。

 

逢魔「あ、俺のスイー・・・ごっ!!」

 

春「しばらく、眠ってください♪」

 

・・・・・・杖で殴って気絶させやがった・・・けれども、ここはあえて黙認しておこう。

 

アルティ「はぁ? このケーキとあの怪物のどこに関係が・・・ん?」

 

ガキンっ!! と、あの音と共に覗き込んだアルティだが、その瞬間に・・・・・・。

 

ワームフィッシャーの幼生体「しゃあっ!!」

 

言うまでもなくケーキの中から出てきた幼生体はその勢いのままアルティを襲いかかるものの・・・・・・。

 

アルティ「遅い。」

 

と、微動だにしないまま、黒い刀身に赤い刃がついた魔剣”マーヴェル”で瞬時に幼生体の胴体を切り払った。

 

直「すげぇ・・・・・・。」

 

思わず、言葉に出るほどの精練した動作だったが、何事もなかったかのようにケーキの中身を見て・・・・・・。

 

アルティ「へえ・・・。 これがあなたたちがこうまでしてまで食べたかった事?」

 

アリス「イエス!! そして、この金色のコクを食べるととてもスイーツなんですよ〜!!」

 

アルティ「ふぅん・・・。 あら、旨いわねこれ・・・ルミも食べてみる?」

 

ルミ「あ、遠慮なく・・・本当に旨いですね。」

 

アリス「でしょでしょ。 いやあ、苦労して獲ってきた甲斐がありましたよ〜。」

 

・・・・・・確か、深海っていってたよな・・・、どんな手段で獲ってきたんだ?

 

アルティ「それで、”これはどう始末をつけるわけ?” 私も人の事言えた義理じゃないけど。」

 

と、アルティは周りに散らばっている幼生体の首と体液を指すとアリスは・・・・・・。

 

アリス「いやあ、それはですね・・・・・・。」

 

直「・・・・・・とりあえず、掃除でもしておくか全員で・・・。」

 

それもそうですね。 と全員が同意して散らばったものを片付けながら掃除をした。

 

ちなみに逢魔のほうはというと、アリスが迷惑料として金色のコクが入った饅頭を置いていき、目覚めた逢魔はその饅頭を食べたとき涙ながらに・・・。

 

逢魔「地獄を抜けた後の幸せっていいものだな・・・・・・。」

 

そういって歓喜したという・・・・・・。

 

-2ページ-

 

いくつかの日常が過ぎていき、こういう生活も悪くないなと若干思っていたところ・・・。

 

エルミナ『・・・ええっと、失礼します。 まもなく惑星ブリゲート、ブリゲートに到着しますので、その惑星に用件のある方及び実戦訓練をされる方は速やかに十分な準備をした上で降りるように推奨いたします。 ・・・繰り返します。』

 

エルミナによるアルシオン内での館内放送を聴き・・・。

 

直「・・・・・・そろそろ準備をしないといけないな。」

 

といっても、降りた先でも準備はあるだろうけどと、思った先で言葉を止める。

 

スティア『だからといって、準備を怠けたままいくと後で必ず痛い目に遭うぞ。 冒険者等の旅や遠征を主にする連中らにとっては必須事項だぞ。』

 

例え、降りたとしてもそこが安全な場所だとは限らないからな。 というスティアもといリーダーが言った言葉を思い出す。

 

直「・・・・・・まあ、俺のような一般市民にとってはそれが危険という認識を持てないからな。」

 

事実、どちらかといえば第三者の視点で互いに争いあうもの、強者による弱者を虐げるところ等を何もすることなく傍観するというもの。 そのせいか、その行為自体が当たり前で日常になっているため、何もしなければ自らのところに火の粉が降りかかることはないだろうと、妄信といえるレベルに近いほどの無意識的な行為によって危険という認識を放棄している。

 

実際、それを当たり前にしている連中らにとっては、なにをいっているんだこいつ? 頭おかしいんじゃね? とそいつらは安全な領域から変な目で見下す。

 

そりゃそうだ。 そいつらにとっては、非常識だとか、漫画やら架空だとかといって現実逃避もとい自己保身に近い形でその知識(話題)から遠ざけるように逃げたり、関わらないように行動することだって当たり前に思ってしまうのが現状だろう。

 

一部の例外もいるのだろうが、それならば、避難訓練や危険予知訓練でも実施したらどうだ? 学生だけではなく社会人も当たり前にやっているのだからそれに非常識的な現象に対することでも付け加えたらどうだと、冗談交じり且つからかうように言ってくる奴はいるだろうと思うが、もしかしたら誰もいないかもしれない。

 

だが、現実にそれをしようとする連中らは誰もいない上に、そいつらの頭の中ではせいぜい労災や自然災害などといったある程度の自分達の常識内での事しか思い浮かばないだろう。

 

・・・・・・まあ、回りくどい説明だが、何を言いたいかっていうと、そいつらは”全員常識内での行動しかしない”せいで非常識な事自体、危険という認識が判断しないということにある。

 

だから故に、肝心なところで判断が送れ、状況による臨機応変ができなくなるという結果に陥り、それが例え一つの些細な事でも甚大な被害を出すことも少なくはない。

 

ぶっちゃけ、自らが安全だと思い上がるからそうなるんだよという結果論にしかすぎないが・・・・・・。

 

俺は、そういう奴等を腐るほど見ているし、実際に痛い目に遭った連中だっている。

 

”−−−−ら曰く、”そういう馬鹿な奴等ほど、その常識を引っ繰り返されて無様に騒いで恐怖と絶望に陥るのを楽しくて堪らないんだよね。 と、そういってたのを記憶にある・・・・・・・・・・・・?

 

直「・・・・・・??」

 

というか、そもそも誰の事を言って語りだしているのだろうか? 気付けば、知らないうちに脱線していたようだ・・・・・・多分だと思う。

 

直「いっけね。 そろそろ準備しねえと・・・。」

 

そういって、俺はブラックラクターに保存している荷物の確認や武具の状態を確認しながらこの場を去っていた。

 

???「やれやれ、先が思いやられるな・・・・・・。」

 

その場所から去った直後に金眼の黒い女性に見送られているのを気付かなかった。

 

-3ページ-

 

ギルド「というわけで、ここが惑星ブリゲートだ。 見たところ砂漠や荒野などが主体だが、そこから採れる鉱物や資源などは非常に高価で知られているため、銀河連邦の補給基地として有名である。」

 

アリス「だから、私たちが降りた町は、軍人の警備で固められているけど、リーダーの交渉で隣の町まで行くことができるようになっているけど、その許可証がくるまでしばらく町の散策はしておくように♪」

 

ギルド「但し、軍人のいるところで問題起こすなよ。 特に鉱山などといった重要な場所はな・・・。」

 

直「つまるところ、余計なことはするなよってことか。」

 

アリス「そうだよ。 直達が浮き足たって景色もといモビルメアに向けているのは黙認するけど、だからといってゲーム感覚でふざけてないでね〜♪」

 

では解散〜。 とそうにやにやしながら、二人は町の広場にへと消えていき・・・、当然の如く、この場に残っているのは俺と、春と逢魔であった。

 

直「・・・・・・。」

 

俺は、先程の言葉でとばっちりを受けたであろうその元凶ズ達のほうに振り返ると・・・・・・。

 

逢魔「おおっ!! こいつはすげぇぞ!! 巨大ロボがリアルで動いているし、飛んでいるぞ!!」

 

春「そうですね!! すごいですね!! あっ、あそこの戦艦なんてかっこよくないですか!!」

 

逢魔「マジで!! よく見たら空母級の戦艦があるぞ!! しかも、その上にいかにもエース級的なかっちょいい翼付きの機体があるぞ!!」

 

春「え? どこどこ・・・・・おおっ!! そこですか!! いかにもすごくてかっちょいいですね!!」

 

俺はそれを見て軽いため息をついた。 そりゃ、喜びたくなる気持ちはわからなくないけどね・・・。

 

ちなみに、あちこち動いているのが銀河連邦のモビルメア、ジグスである。 7億年も受け継がれてきた技術や性能は今も最新鋭のモビルメアにも引けをとっていない。 色の方は、迷彩でもしているのだろうか砂漠の色に馴染めるほどの色合いはある。 ジクス以外のモビルメアも同じ色合いはしているが、古臭そうな印象がある為、ジクスより古くはないが、この惑星特有のモビルメアだと確信する。

 

そして、茶色の色合いをしている戦艦は”サルビィス”と呼ばれているらしく、銀河連邦の量産型の戦艦であるが、環境特化で状況によって色を変えている為、”迷彩戦艦”の異名を持つ。 次にこの惑星にとっては非常に目立つ色をした黄色と黒色のツートンカラーの空母が”ガラジム”と呼ばれており、サルビィスと違って、一回りに大きく、しかも全体の形がHの形で構成されている。 本来は紫の色をしているのだが、スティア曰く、将軍級なら旗艦の色を自由に変更できるし、専用の機体や部隊を所持することも可能になっている。 とのことで、実質上、そこに将軍やその私兵団がいることは間違いないだろう。

 

直「あれは、確か”ガリオンウイング”か。」

 

空母であるガラジムの上もとい、Hの形の中心辺りだろうかここからみてもわかるほどの赤いメタリックカラーの機体をしたモビルメア、ガリオンウイングの姿があった。

 

本来は白色ではあるし、全長はジクスとほぼ変わらないが、可変型のモビルメアで二つのウイングブースターで高速機動を用いた超立体戦闘することが可能であり、かなりの実力者でなければ扱いきれない性能を誇るいわば、ジクスの現最上位互換の存在である。 勿論、現時点での最上位互換扱いなため、それよりも強い存在ができるであろうと踏まえての意味である。

 

そのガリオンウイングがいるということだけ、かなりの実力者もといエース級のパイロットがいるという証がある上に、それがメタリックカラーとなれば将軍以上に匹敵するであろうという実力者がいるという事になる。 その証明はモビルメアじゃ対抗できないであろうというアルテルトメアと対等に渡り合うだけの実力を持つということになる。

 

更に、かなりの実力を持っても通常兵装しか持たないガリオンウイングをカラー変更できるということはある程度の特殊兵装を持つことが可能になっている。 例えば、高速機動の役割しかもっていないウイングブ-スターを攻撃できるように換装した場合、それが、一種のブレードになって敵を切り刻んだり、主砲となって敵を打ち抜く。 腕ならば、掌にビームが出せたり、暗器を所持することも可能となり、脚部なら、グレネードやミサイルなどといった追加武装があるように・・・・・・。

 

つまるところ、自由にカスタマイズが可能な実力者がいるということであり、その実力者が多くいれば、それほどの大物集団が存在すると言う事になる。 ・・・・・・もっとも、カスタマイズした分だけの費用は計り知れないが・・・・・・。

 

???「へえ、ガリオンウイングを知っているということはおたくらあの時空艦の構成員か?」

 

不意に声をかけられて振り向いた瞬間、全身紅いパイロットスーツに包まれ、ヘルメットは取り出されているが、その顔は若干白人であり、茶色で髪全体を後ろに下げたいるためか後ろの髪はツンツンしている。 その上に、複数のピアスなどといった装飾品がちらほら見るその姿は直が良く戦ったチンピラやヤクザのような感覚を沸騰させる。

 

直「まあ、見ての通りのそうだけど、あんたの名前は?」

 

サムド「俺か? 俺の名前はサムド・ウィッツっていうんだ。 階級は大尉で、ハルド将軍率いる精鋭部隊”クリムゾンホーク”の隊長をやっている。」

 

直「ということは、あのメタリックカラーのガリオンウイングはあんたのってことか?」

 

サムド「そういうことになるな。 あれの他にもメタリックじゃないが、色付きのガリオンウイングはあの空母の中に収納されているけどな。 ・・・・・・数は確か12機くらいだったけなあ?」

 

直「俺に聞くなよ・・・・・・。 後、そういうのしゃべっていいのか?」

 

サムド「ん? ああ、お前なら別に情報漏らしたっても問題無いからな。」

 

直「ふうん。 つまるところ、たやすく撃退できるぞっていうことか?」

 

サムド「そうなるね。 なんなら、試してみるかい?」

 

よほどの自信家だな。 と、率直な感想をするものの、正直、今の俺達にはモビルメアは愚かアルテルトメアすらも持っていないが、スティア達の場合はある程度のアルテルトメアを所持しているし、勝てないことはないだろうが、あのメタリックのパイロットの実力から考えるとそれを覆すだけの自信はあるだろうと俺はそう思う。

 

逢魔「ん? おおっ!! 目を離した隙に直が何やら軍人とお喋りをしているぞ!!  さてはあれか!! あれなのか!!」

 

春「きっと、悪いことしたに違いないです!! そうに違いありません!!」

 

ビキィ!!

 

直「あ、ごめんちょっとあの馬鹿二人を吹っ飛ばしてくるわ・・・・・・。」

 

サムド「お、おう・・・・・・。」

 

・・・・・・だと言うのにその空気をぶち壊すてめえらという奴は・・・・・・。

 

直「少しは空気を読め!! この阿呆〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

 

怒号と共にみっちりと馬鹿二人にお仕置きをしたのだった。

 

それから数分後・・・・・・。

 

春「痛いです・・・。 何も殴ることはないじゃないですか〜〜〜〜。」

 

逢魔「そうだ、そうだ。 暴力反対だぞ〜〜〜〜。」

 

直「うるせえよ。 この馬鹿どもが・・・。」

 

お仕置きを済ませた後、改めてサムドに問いかける。

 

直「んで? 何の話だっけ?」

 

サムド「一応は、うちの部隊とやりやってみるかということだけど・・・・・・おたく、苦労しているなあ。」

 

直「まあ、いろんな意味でな・・・・・・ところで、なんでそういう話になっているんだ?  言っておくが、俺はあんたらのような機体は持っていないぞ?」

 

サムド「え? そうなのか? てっきり、GFというチームはバディレスと互角以上に渡り合える程の機体と実力を持つ超凄腕の少数組織だと思ったばかりに・・・・・・。」

 

直「残念だが、俺達三人はその組織に入ったばかりだからまだ持ってねえが、スティア達に頼んだら、あんた等の部隊と相手くらいやりあえるけどどうする?」

 

サムド「それはさすがに無理だ・・・相手が悪すぎる。 スティアといえば”双雷心”の異名で有名だし、となればアルティとルミナスについては”双刻の戦乙女”、ギルドは”時の死神”、アリスは”時の堕天使”、エイガーは”闇の処刑人”、ユリスは”無限の魔導師”、ラゼインは”暴嵐の天魔神”、ゼルファは”神速の麗人”、リルティは”機戒奏者”、言葉では表せないが、そんな伝説以上の相手に勝てる気がしねえよ・・・・・・。」

 

・・・・・・どんだけ、すごいのかわからないがなんとなくすごい異名で付けられているのはわかった。

 

サムド「それに俺はその者達と模擬戦で戦ったことがあるが、聞いて驚け、俺のクリムゾンホークが瞬く間に全滅したんだぞ。 それもジクスたった一機でな・・・。」

 

直「・・・・・・マジで?」

 

例えで言うのなら、最弱の機体で最強の機体の部隊に立ち向かったということ・・・・・・。 基本的に無理ゲーともいえる難易度であり、そんなんでやるくらいなら自分も最強の機体でやった方がいいというくらいのそれを神業の如くそれをなしたという驚愕ともいえるほどの驚きである。

 

サムド「嘘なわけないだろ。 その時に操縦したのは誰でもないスティア本人だぜ? 最初、それをしたときには俺達を馬鹿にしているだろうと思って手加減なしで仕留めにかけたけど。 思い切り回避しやがるし、その上あり得ない機動戦術で俺の部隊が一気に大半撃破されたんだぞ? 俺達が貸した軍機だってにも関わらずにあの性能、どっからどうみても絶対発揮できないはずなんだけどなあ。」

 

今思えば、奇天烈なくらいに信じられねえよ。 と頭を抱えるサムドだが、俺は見たわけでもないし、そう言われてもピンとこないというのが正直なところである。

 

だが、GFに入ったばかりである俺達にとってはスティア達のことを全く知らなさ過ぎるというかどれだけすごいのかわからない状況でもあるが今は置いておくとして。

 

直「それで? スティア達が駄目ならばなんで俺達を選んだわけ? そこが納得しねえんだが?」

 

サムド「ん? あ〜、いや俺ら、あのスティア達にリベンジしようにもあの実力差じゃどうしようもないからな。 そこで、GFという組織を相手にどの程度まで通用するのかわからないから、手当たり次第に声をかけていたところだからよお・・・。」

 

直「成る程。 要するに、このまま連敗じゃあ納得いかないからまだ対戦していない機神持ちもしくはモビルメアを操縦できるメンバーを探しだして勝利を得ようというわけか。」

 

サムド「我ながら、情けない話だがそういうことになるわな・・・・・・。」

 

あはははは・・・。 と苦笑気味になるサムド・・・・・・そのエース級にも圧倒しているこのGFという組織はどういう強さをしているんだと思うのだが、もしかしたらラゼルのようなオーバーエクストラに近い実力を持っているのではないかと・・・・・・。

 

(残念だが、彼らは”俺達ほどの実力を持っていない。” せいぜい、”表ランク”の最高位に立っているだけの実力に過ぎん。)

 

不意にあいつの声が脳内に響いたが、何やら気になるワードが二つ出てきたな・・・・・・。

 

スティア「というわけだが、どうだハルト将軍?」

 

ハルト「その内容については、十分に許容できる範囲ですが、それ以上しますと前線で踏ん張っている同胞達への補給に影響がでますね。 少なくとも20から30%程にいくら金があっても資源が足りないんじゃどうしようもありませんからね。」

 

と、そこに我等のリーダーことスティアと、なにやら高級そうで派手な色をした軍服を纏った屈強な虎の獣人がこっちに向かって歩いていく・・・。

 

サムド「ん? おおっ、ハルトの旦那じゃありませんかなぜこんなところに? 雑務で忙しいんじゃなかったんですか?」

 

ハルト「なんだ、サムドか。 確かに雑務で忙しいが、スティア君がその手伝いしてくれるというから、息抜きも含めてアルシオンの食堂で話をしようと思っていてな。 ・・・・・・ああ、早く肉がたらふく食いたいねえ〜。」

 

サムド「ハルトの旦那〜。 その最後の部分のセリフだけはやめてくださいよ・・・。 そのセリフだけで、どんだけ艦内の連中らが震え上っていると思っているんですか?」

 

ハルト「がはははははは!! いいではないか!! 我輩の威光が上がるものよ!!」

 

サムド「いやいや、それ威圧の間違いですから・・・・・・。」

 

スティア「あれ? お前等、この町の散策もとい観光を言い渡したはずだが?」

 

直「ええっと、あの虎の人はどちらさまで?」

 

スティア「・・・ああ、言ってなかったな。 こちらが、惑星ブリゲードに駐留する防衛軍の統率者兼銀河連邦軍、第678部隊を率いるハルト・ドゥ・グラバニス殿だ。 階級は中将で、”不倒の暴虎”の異名を持っている。」

 

ハルト「おいおい、スティア君。 我輩のセリフを取らないでくれたまえ。 ・・・コホン、我輩がハルト・ドゥ・グラバニスだ。 気軽にハルト将軍でも呼びたまえ。」

 

がははははははは。 と豪快に笑うハルト将軍。 ・・・・・・というか。

 

逢魔「おおっ!! 今度はリアル獣人を見つけたぞ!!」

 

春「ホントですね!! なんかリアル筋肉むきむきですね!!」

 

直「お前ら、少し黙れ・・・・・・。」

 

やたら突っ掛かってこないと思ったら、まだ堪能中だったのか・・・・・・。

 

ハルト「がはははははは!! 相変わらず、スティア君の仲間達は賑やかでいいねえ〜。」

 

サムド「その口調、若干爺さん臭いですよハルトの旦那・・・。」

 

ハルト「がはははは!! やかましいね〜〜サムド君?」

 

サムド「なんで、疑問系言いながら頭グリグリっていうか痛い!! 痛いですって、ハルトの旦那〜〜〜!!」

 

逢魔「コントだ・・・。」

 

春「コントですね・・・。」

 

直「・・・・・・・・・・・・。」

 

最早、何も言えねえ・・・・・・。

 

スティア「まあ、そうした方がある意味楽だと思うが、サムドはまた例の如く、うちのメンバーと対戦希望でもしているのか? 言っておくが、その三人はまだ新人で機体の扱いすらできてねえからな。」

 

サムド「いやあ〜、まあ。 さっき、それを知ったばかりでどうしようかと思っていたところなんですよね〜〜。」

 

スティア「全く、向上心があるのはいいが、だからといって新人にまで向けるのはある意味関心しないぞ?」

 

サムド「だって〜〜〜。 GFといえば、バディレスを相手に互角以上に渡り合える実力者の集まりだって、周囲からの専らの評判なんだぞ〜〜〜。 しかも、かの有名な六大英雄のお墨付きで・・・。」

 

スティア「・・・・・・フェリアめ、なんて余計なことをしやがるんだ。」

 

直「・・・・・・フェリア?」

 

その瞬間、若干ノイズらしきものが掛かるが、その疑問はすぐに払拭される。

 

スティア「ああ、六大英雄の一人でフェリア・リネルクスという名前でな、銀河連邦軍全ての統括者で階級は元帥。 少女の姿をしているが、かなりの切れ者でな。 あれでも最初のアークエネミーである”リオルゲウス”を討伐し、それ以降のアークエネミーの脅威から退ける為に、数多くの政策や技術などを編み出し続けた結果、最小限の被害を抑えた状態で7億年間の安泰を維持し続けた実在している人物だ。」

 

逢魔「あ、その知識なら俺も知っているぜ。 他にも、なんか騎士とか仮面とかいたろ?」

 

春「あと、獣耳のついた女の子に無限の魔道書を持った人、後、やたらとイケメンな人もいましたね。」

 

まあ、確かに外見的にはそうだけどな・・・・・・。

 

スティア「一応、口頭でいうが、”神算鬼謀の賢雄”フェリア・リネルクスはさっきも言ったがかなりの切れ者で銀河連邦軍を統括している蒼髪の少女、”無限万魔館の主”リゼイン・アルマノートは億又は兆越えの魔道書を所持しており銀河連邦軍とは違う”次元連邦軍”を統括している魔術師、”覇獣神魔の女帝”エムンクルス・フォーテイスは覇獣神魔の血筋を持つ獣人と人間のハーフであり、”覇獣連合軍”を統括している少女、”漆黒剣帝の騎士王”オルマーズ・リカイディナは全身黒で統一されたフルメイルで覆っている老人で”銀河騎士同盟”を統括している。 ”歪曲調律の奏者”セイクリッド・レイムは仮面に似たフルフェイスで被っており、”神聖調停団”を統括している女性、最後に”閃皇武迅の鬼帝”エクラス・ネルセントは尋常じゃない速さと制圧力を持ち”夢幻旅団”を統括している男性、以上が六大英雄の人物達だ。」

 

簡潔に言えば・・・。

 

フェリア・リネルクスは神算鬼謀の賢雄の異名で銀河連邦軍を統括している。

 

リゼイン・アルマノートは無限万魔館の主の異名で次元連邦軍を統括している。

 

エムンクルス・フォーテイスは覇獣神魔の女帝の異名で覇獣連合軍を統括している。

 

オルマーズ・リカイディナは漆黒剣帝の騎士王の異名で銀河騎士同盟を統括している。

 

セイクリッド・レイムは歪曲調律の奏者の異名で神聖調停団を統括している。

 

エクラス・ネルセントは閃皇武迅の鬼帝の異名で夢幻旅団を統括している。

 

と、こんな感じである。

 

直「というか、よく知っているな。」

 

スティア「少なくとも、六大英雄が統括している組織やその領地の住人、それに敵対する組織等、スピリエンスワールド中もとい銀河中に知れ渡っているからこれくらいの知識は知って当前だと思うぞ。 まあ、お前のような奴や未だに未開領域にいる住人といったような連中等はあんまり知らないだろうがな。」

 

直「それ、嫌味に聞こえるぞ。」

 

スティア「仕方ないだろ。 お前を含む馬鹿二人はこの世界についての常識をあまりにも知らなさ過ぎるのだからな。」

 

直「へいへい、どうせ俺は地球に住んでいた田舎者ですよ。」

 

実際は都会育ちだが、スティア達からみれば銀河どころか宇宙文明すらも触れていない辺境者もしくは田舎者にしか見えないわな。

 

ハルト「がはははははは!! まあ、スティア君もそのくらいにしときたまえ、そろそろ肉が食いたくてたまらないよ。」

 

サムド「って、ちょ!! 俺ごと食うつもりじゃないですよねハルトの旦那〜〜〜!!」

 

スティア「さて、これで失礼するが、許可証についてはもうしばらくかかるからその間にこの町を見て回ってこい。 あと、サムドは模擬戦の相手について議論しようじゃないかなんならリベンジマッチしてもいいんだぞ?」

 

サムド「いや〜〜〜〜〜!! 俺どっちみち逃げられねえ〜〜〜〜〜〜!! っていうか、おたくらお助け〜〜〜〜〜〜!!」

 

未だに、ハルト将軍にがっちりとネックホールドされたままずるずると引きずられていく。 それに続いてスティアは同行しているが、傍から見ると連行しているように見えてしまう。 いうなればそう、弱肉強食のように・・・・・・。

 

直「ってか、自業自得だろ・・・・・・。」

 

それはどうでもいいとして・・・・・・。

 

春「おおっ!! なんですかあれ!! サボテンがこっち見て遠ざけていますよ!!」

 

逢魔「確かあれは、ニゲテンダーって言ってたっけ? 遭遇することがあまりない珍しい生物だったような気がするが・・・。」

 

春「あんなヘンテコな生き物がレアモノってどんな素材が取れるでしょうね・・・・・・。」

 

奇怪というかヘンテコというかジグザクという形が似合っているニゲテンダー(よくわからんが)はその形のままありえない速度で脱兎の如く逃げている。

 

・・・・・・それはともかく。

 

直「さっさといくか。」

 

収まることの無い馬鹿二人を放置しておき、俺はここ豊富な鉱山があることで有名なこの町こと”グリュダル鉱山町”に足を踏み入れるのであった。

 

-4ページ-

 

しばらく歩いていくと、そこに見慣れた女子グループがそこにいた。

 

アリス「さあ、ここで新生にして第三回のネオ・ガールズトークをここでしたいと思いま〜〜〜〜す!!」

 

アルティ「それはいいけど、なんでネオでこの場所なの?」

 

アリス「一つは我がGFに新人女子が加入したことで改名したことと、そしてもう一つは普段自分達の部屋やブリーフィングルームだけじゃつまんないと思って景色替えしました!!」

 

アルティ「なるほど、納得したけどなにもこの店じゃなくてもいいんじゃ・・・・・・。」

 

ルミ「えっと、確かこの店って珍妙な品を出すことで有名なところですよね?」

 

ユナ「しかも、味の方も当たりがあればはずれもあるっていう専らの評判って聞いています・・・・・・。」

 

ゼルファ「私達が選べば大抵当たりが来ると思いますから心配しなくてもいいですよね〜リルティ?」

 

リルティ「そうですね〜。 最も今まではずれの品はきたことがありませんけど〜。」

 

アルティ「あんた達がいうと、説得力がありすぎて逆に恐いわ・・・若干。」

 

ルミ「ですね・・・多分。」

 

ユナ「あははははは・・・・・・。」

 

アリス「というわけで、そこで見ている直君も含めて異色の女子会と洒落込んでみようか〜〜〜〜!!」

 

直「気付かれていた!!」

 

思わず、声を出したくなるほどの驚愕である。 ってか、よく考えたら当然か・・・・・・。

 

アルティ「まったく、女の子の会話を盗み聞きもとい覗き見るなんて品がないわよ。」

 

ルミ「あははは・・・・・・。 ちなみに前の女子会でそれをしていた人達がいましたけどね。」

 

直「それは初耳だな。 んでどうなったんだそいつら? だいたいの連中とその結末は想像できるが?」

 

ユナ「いえ、ここにいる私達は何もしていませんけど・・・。」

 

ゼルファ「代わりにイゼルトさんが密かに仕込んでいたですよね〜〜。」

 

リルティ「その時に違和感は感じませんでしたか〜〜?」

 

直「いや? 全然そんなの感じなかったけど?」

 

少なくとも俺の身になにか起きたわけじゃなさそうだが・・・・・・。

 

アルティ「そりゃ、あんたは第一回と第二回についての内容を知らないから受けてないのよ。」

 

直「その内容ってなんだ? あの馬鹿連中等に聞かれたくないようなもんなのか?」

 

アルティ「えっと、聞いた話だと第一回が春を中心とした紹介で第二回が周囲の評判についての内容だったわね。」

 

直「なんだ、案外普通じゃねえか。 どこに聞かれてはいけないもんがあるんだ?」

 

正直、これで盗み聞きしている連中等に対する仕打ちとは思えな・・・・・・ん?

 

直「聞いた話って、アルティは参加していないのか?」

 

アリス「そ〜だよ!! アルティってば酷いんだよ!! 第一回や第二回にも絶対参加ってメールとか電話とかそういう電子的な方法で連絡していたのに全然来てくれなかったんだよ〜〜!!」

 

アルティ「しょうがないでしょ!! ・・・っていうか、二つとも用事があるから参加できないってメールしといたはずなんだけど・・・・・・もしかして、見ていないでしょうね・・・・・・。」

 

ジト目で見るアルティに対し、アリスの方は視線を泳ぎながら・・・。

 

アリス「いや〜〜、なんか迷惑メール的な感覚で既読せずに消しちゃった♪ ってへ♪」

 

アルティ「ってへ♪ じゃないでしょ!! ・・・ふふふ、ア〜リ〜ス〜? ちょっと、こっちにいらっしゃい。 ほう〜ら、痛いことはしないから〜。」

 

アリス「いやんいやんいやん!! その時点で、もう痛いことするき満々じゃん!!」

 

当然の如しとも言うべきか、わざとらしく目をウインクしながら舌を若干出した表情でそう答えた瞬間に、アルティはそれをすかさずツッコミ、そして怒髪衝天ともいうべき笑顔をだしたままのマジギレにより、アリスはそれに怖気づいたのか体をくねらせながらアルティから距離を遠ざけようとする。

 

直「というか、すっかり脱線しているようだが、肝心なところで答えてもらっていないぞ? それでどんな仕返しをしたんだ?」

 

ルミ「あはははは、答えるべき二人がああなっちゃっているから代わりに私が答えるけど、それはゴニョゴニョゴニョゴニョゴニョ・・・・・・だよ。」

 

ルミが俺の耳でヒソヒソ話をするような体勢でその内容を話してもらったところ・・・・・・。

 

直「・・・・・・マジで?」

 

その内容を聞いた瞬間に、自分でも青ざめた感覚をしてしまう。

 

直「え、でもあいつらを見たときはそんなに・・・・・・いや、待てよ・・・・・・もしかしてあれのこと?」

 

ルミ「ええ、あれのことです・・・・・・。」

 

仕返しされたあいつらについての内容は残念ながらNG的な諸事情関係で割愛するが、どおりであの時にそんなことが起きていたのか・・・・・・。

 

直「って、いやいやいやいや!! だからといってその内容だけでその仕返しはいくらなんでもありえないだろ!! いったいどんな事をしたらそうなるんだ!?」

 

ユナ「いやあ、さすがに私の口からはとても・・・・・・。」

 

直「ええっ!!」

 

ゼルファ「それをあなたに言ったら間違いなく巻き込まれますよ〜〜?」

 

直「ちょっと〜!!」

 

リルティ「ふふふふ〜、乙女の秘密で・す・よ〜。」

 

直「おいいいいいいいいいいい!!」

 

あいつら、ホントに何を聞いてどんな仕打ちされたんだ!! なんか内容がすごすぎてわからないほど知りたいのに怖くて聞けねえ〜〜〜!!

 

アルティ「・・・まあ、あんたには知らない方が幸せだと私は推奨するけど?」

 

アリス「痛い痛い〜!! ずるいよアルティ〜!! 能力を使ってあたしを捕縛するなんて〜〜〜!!」

 

アルティ「ふふん、自業自得でしょ。 それにアリスは素早いからこうでもしないとなかなか捕まえられないし。」

 

ホントにまあ、知らない方がいいよな俺・・・・・・。

 

それから、数分後・・・・・・。

 

アリス「いたたたたた・・・・・・。 気を取り直して、今回は異色な形で直が春の代理として参加していますが、第三回ネオ・ガールズトークを始めたいと思います〜〜♪ 今日のお題目は”最近の出来事”で行きたいと思います〜〜♪」

 

ふむ、最近の出来事か・・・といってもせいぜい数えるくらいのもんでしかないが、それはともかく女性メンバー達(全員ではないが)がどんな話題を言うのかは気になるところだな・・・・・・。

 

アリス「というわけで、最初は誰でもいいのでどうぞ〜♪」

 

アルティ「それじゃ、私から始めるわ。 最近、放浪アイドルとして話題になっている時崎 奈々っていう少女の歌を聴いているわ。 なんでも歌のタイトルから作詞や作曲、編曲まで一人でこなしているだけではなく、”時の歌姫”と呼ばれるくらい歌声が綺麗で、有名な音楽企業の人達からのスカウトが絶えなかったそうよ。 勿論、全部断っているけどね。」

 

ルミ「あ、それ私も聴いたことがある。 歌が凄く綺麗でファンの人達が生で聴こうと必死にライブ先を嗅ぎ回っているらしいよ。」

 

直「俺はまだ聴いたことないからわからないが、そんなに凄いのか? っていうか、全部断ったってどういうことだ?」

 

ユナ「なんでも、彼女は所属不明の組織に所属しているらしいんです。 その組織についての情報は全くないのですけど、秘密組織なのか彼女自身の組織なのかって噂がされています。」

 

リルティ「わたくしの情報網で判明したのは〜、彼女の所属している組織名がFin・Ele(フィン・エレ)ということと構成員が親しい人達ばかりの仲良しグループだそうです〜。」

 

Fin・Ele・・・? どっかで、聞いたことあるような気がするが、きっと音楽とかかっこいい単語とかで使っているだろう。

 

ゼルファ「それと、彼女の役職は専属アイドルだそうで〜、不定期といいますか〜かなり自由奔放な方で銀河中を旅をしながらライブをなさっているそうですよ〜。」

 

直「なんだそりゃ? それであるのにも関わらず、凄い人気を誇っているのか?」

 

アルティ「ええ、どこに出現してライブを行なうのかはさすがにわからないけど、運よく聴くことができた人達からはこの世よも思えない絶世の歌声だったって聞いているわよ。 もしかしたら、ここでライブするかもしれないと思うわ・・・確証はないけど。」

 

直「成る程、大体はわかったが、その組織って入ることはできるのか?」

 

アリス「ん〜、それは難しいよ〜? だって、仲良しグループだけで結成されている組織って、大体身内限定で少数精鋭って感じでしか構成されていないし、多分募集なんてしているわけないでしょ? それに、その組織の中に手も足も出ないほどの実力者がかなりいるっていう情報聞いているよ。」

 

おいおい、仲良しだけの組織にしてはえらく物騒じゃねえか・・・・・・。

 

直「その組織にいる実力者ってどれほどの強さを持っているんだ?」

 

ルミ「えっと・・・、なんでも想像を絶するほどに有り得ない強さで、六大英雄すらも超えているのではないのかと噂されているよ。」

 

直「聞けば、聞くほどに斜め上っていうか、それ以上に超えているというか・・・あれか? 実はその仲良しグループの連中等はこの世界の神智を超えるほどの超越者ばかりっていうオチ的な人達であるのか?」

 

もし、そうだとしたらすごいなこの世界・・・さすがスピリエンスワールド、心当たりの人物がいないわけではないけど、いくらなんでも都合良すぎるだろう!!

 

アリス「あ、ちょうど料理がきたから一旦、話を中断して食事タイムといこうか♪」

 

直「ああ、そうだ・・・な?」

 

アリスの言葉で一旦、頭の中で整理しようとしたときになにか得体の知れない料理の品が俺のところにきたんだけど・・・・・・。

 

直「なんじゃこりゃ!! 俺、料理なんて頼んだっけ!?」

 

アリス「あ、それあたしの驕りだから気にしなくてもいいよ〜。」

 

直「気にするわ!! ってか、なんで俺以外の人達はまともな料理が出されてあるんだよ!!」

 

アルティ「あなたは知らないけれども、この店はかなりおかしな料理を出すことで有名よ。 その証拠に、あなたも見たこともない食べ物があるのわかるでしょ?」

 

確かに、アルティのは緑色のご飯らしきものと黄色のカレーのルー?(正確にはわからないが)みたいな品、ルミは一見、まともな丼系の定食に見えるが、丼の中身はでかい葉っぱなのかよくわからないのが一輪の花の花弁みたいに並べられ、何かにコーティングされた黄色い粒が花の中心である花粉の塊がある部分にのせているような品、ユナは・・・俺は正直、蓋をしているからうどんか何かの麺類と思っていたが蓋を開ければ虹色すぎる麺とあまりにも無色すぎるつゆを見て絶句した。 ゼルファとリルティは同じ料理を注文しているのか、やたら綺麗な容器をしているが、中身の方は、芸術ともいわんばかりの絵のような品でよく見たら、二人とも違う絵で違う食べ物で使われていることがわかった。

 

だが、俺の方はというと、なんかあれっていうか、アニメで見たようないかにも失敗料理系の赤グロイというか紫グロイような最悪の部類といってもいいくらいの料理が俺のところにあるのが問題だ!!

 

直「だからといって、いくらなんでもおかしいだろ!! おい、アリス!! お前が注文したんだから何の料理かわかるだろ!?」

 

アリス「ん〜? よくわからないけど、ウェイトレスの人にお勧めの料理がありますがどうしますかって、聞かれたからじゃあ、それでって思わず頷いちゃったけど、確かその料理名は”九死に一生!! その名もデッドオアアライブ!!”・・・だってさ。」

 

直「思いっきり、料理の名前じゃねええええええええええええええええええ!!」

 

もはやそれ、罰ゲーム前提のあれかサブタイトルのそれしか思いつかないようなネーミングだろ!! というか、どうする? このままじゃ、確実に料理に殺される(死ぬとは思えんが・・・。)!! どうしたら、打開できるんだ? どうすれば・・・・・・。

 

春「すみません〜〜。 お待たせしました〜〜〜。 私の席って空いているでしょうか〜?」

 

おおっ!! 救世主がこの場所に光臨してきたぞ!! ・・・・・・やるならば、今しかない!!

 

直「いやいや、ちょうど良かったんだよな〜。 俺、ちょっと用事を思い出してさ〜、一応お前の代理ってことでこの女子会に参加していたけど、なかなか抜け出すタイミングが見つからなくて助かったよホントに〜。 いいでしょ? アリス〜?」

 

アリス「まあ、確かにそういったから別に抜けても問題ないけどいいの〜? 食べなくて〜?」

 

直「ああ〜、問題ない問題ない〜。 口もつけてないし、俺が頼んだ料理でもないから食べる権利はないので、春君、後はよろしく頼む。」

 

アルティ「・・・なんか、すごくわざとらしいわよ直・・・。」

 

うん。 自分でも馬鹿と思うくらいにやっていると自覚している。 ・・・だが、この現状を打開せねば逃げられないんだよ!! 例えこの身に代えても!!

 

春「え? え〜っと、それはいいんですけど・・・なんですか、私だけやたらグロすぎオーバー的な感じの料理は?」

 

直「んじゃあ、俺は行くから〜。」

 

アリス「あ、行くならこれを持っていって!!」

 

すぐにでも立ち去ろうとしたときに、アリスから何かカードのようなものを渡された。

 

直「これは?」

 

アリス「そのカードさえあれば、いつでも私達の女子会に参加することができるよ。 詳しくは、そのカードの裏側に書いてあるから〜。」

 

直「そうか、サンキューな。 というわけで、失礼する。」

 

春「ってあれ? ・・・ということは私、これを食べなきゃいけないんですか!!」

 

すまん・・・お前のことは永遠に忘れない。 と、心の中でそう呟きながらその場所から後にした・・・・・・。

 

その後、春は否応なしに食う羽目になってしまい・・・、あの店から見えない辺りで壮絶な絶叫を聞こえたのであった・・・・・・。

 

-5ページ-

 

しばらく、散策してからそろそろ買い物する目星が付いたからそこにいこうとしたところ・・・・・・。

 

???「お前が探していた奴って、これなのか?」

 

???「そうよ。 私が前々から食いたいと思っていた”サヴォテチップス”だよ。」

 

???「うわぁ、いかにもサボテンの葉っぱって感じだな・・・。 食えるのかそれ?」

 

???「お姉ちゃんのお目当てよりも、これなんてどうかな? すごくかわいくて人気ありそうなんだけど?」

 

???「まあ、確かにかわいいですね〜。 これを先輩にプレゼントしたらきっといい笑顔でしてくるに違いないと思っただけで、どんなに至福なんでしょうか〜♪」

 

???「はいはい、ちっちゃい先輩にあげるのもいいけど、ラン先生の子供達にもプレゼントしないと意味ないでしょ?」

 

???「はっ!! そうでした。 私としたことが、子供達にもお土産買わないといけませんね。」

 

???「そうと決まれば、うちの妹やうるさい幼馴染を待たせないうちにさっさと土産買って帰るぞ。」

 

???「あらぁん? お兄ちゃんは、私たちのことも忘れていないかしら?」

 

???「そうだそうだ〜。 不公平だぞ〜お兄ちゃん〜。」

 

???「お前ら、うちの同居人だったうえに、血の繋がりもないだろ・・・。 っていうか、お前等はこいつにねだればいいだろうに俺なんかよりもきっと良い物を買うに違いないぞ。」

 

???「おいおい、だからといって俺に擦り付けるのは良くないと思うな。 ・・・まあ、いずれにしても買ってやるが・・・・・・。」

 

???「って、買ってやるのかよ・・・。」

 

直「・・・・・・・・・・・・。」

 

なんかすごい懐かしいな・・・・・・。 まるで”いつの日かの思い出を見るように・・・・・・。”

 

・・・・・・そういえば、俺が元いた世界で親しくしていたあいつらはどうしているのだろうな・・・まだ、あの時と同じような意識不明のままかな・・・。

 

直「・・・って、ぼうっとしていないでさっさと目的の物を買わなきゃな。」

 

そう思って、仲良しグループのいる店いこうとしたときに・・・・・・。

 

???「あれ? ”−−−−”?」

 

直「っ!?」

 

その瞬間に、なにかノイズ的なものが襲い掛かって思わず体勢を崩してしまう。

 

???「・・・っと、大丈夫か君?」

 

直「・・・ああ、大丈夫だ。」

 

・・・が、いつの間に回りこんだのか黒髪の少年が俺をを受け止めてなんとか体勢を整える。

 

直「わりぃ、なんか、目眩がしたんでな。」

 

???「そうか、あまり無理をするなよ。 時には周囲の連中等に迷惑掛かるのだからな・・・。」

 

直「ああ、気をつける。 俺は、五十嵐 直っていうんだけどあんたらは?」

 

悠「・・・俺の名は零宮 悠という。 見ての通り、ほっとけば迷子になりかねん人物と一緒に土産を買っているところだ。」

 

奈々「ちょっと!! わざといっているよね!! 私の名は時崎 奈々。 銀河中を旅しながら楽しんでいるんだ。」

 

と、冷静な感じで言っているいかにもブラッキーって言葉が似合うほどの黒衣を纏い、黒髪にどこかのあいつと一緒のような金眼の少年の物言いに、それをいかにもアイドルが着るような形をしたゴシック系のドレスに黒いミニハット、それに腰まで届いてしまうような黒いロングストレートヘアに、宝石のような色をしている青い瞳をした少女がツッコムという形だが・・・・・・。

 

直「・・・もしかして、最近評判になっているアイドルと仲良し超人グループか?」

 

蓮「なんだ、その評判は? ・・・まあ、否定はしないが俺の名は((葛城 蓮|かつらぎ れん))っていうよろしく。」

 

ゆかり「私は、((時崎 ゆかり|ときざき ゆかり))っていうんだ〜。 こう見えても、そこにいるお姉ちゃんと同じで、アイドルやっているんだ〜。」

 

俺の問いに答えた白銀の髪に、俺のいた世界で着るような現代の服を着ており、青い眼をしているが、奈々よりも若干薄い少年。 続いて、自身の紹介をしてきた少女は姉であろうと思われる奈々と違い、小悪魔らしい雰囲気が醸し出しているのと、服の形は一緒だが、色が白いのとミニハットがない。 後、髪の色は茶色であり、ツインテールをしている。

 

後、うちのイメージが色んな意味で若干崩れた感じがした・・・・・・。

 

蛍「最後になりますが、私の名は((零条 蛍|れいじょう ほたる))と申します。 よく年長者とか大人の女性だとよく言われていますが、今紹介された人達と同い年なんです。」

 

直「へえ〜。 そうなんだ〜。」

 

どおりで、一番背が高い人がこの仲良しグループを統率しているのかと思っていたが、実のところは同い年であり、尚且つそこらのグラビアの人達でも匹敵しかねないナイスバディの持ち主である。 ちなみに、悠と同じ黒衣を纏っており、黒髪のロングで茶色の瞳をしている女性・・・正直、大人の女性といっても全然違和感ないんだけどな・・・。 

 

直「んで? 仲良しメンバーってこれだけか? なんか少数精鋭の組織を結成をしているって聞いたんだが?」

 

悠「・・・どこから聞いたのかは知らないが、確かにうちの本拠地には軽く数千人くらいが滞在している。 ・・・ちなみに、身内に手を出すようなら全てを使って滅ぼしてやるが?」

 

直「いや、手を出すわけではないんだが・・・・・・。」

 

・・・全然、少数精鋭組織じゃねえし結構、いるじゃねえか・・・・・・。

 

蓮「お前の言いたいところはわかるが、最初は数十人規模で構成されていたけど、とある事情で数千人規模になっちまったんだよ・・・。」

 

蛍「そのせいで、改築する羽目になってしまったんですよね・・・・・・。」

 

ゆかり「まあ、大体の原因はその数千人を統率するほどの能力者のせいだけどね〜。」

 

奈々「だからといって、その子を責めるのはよくないよ。 むしろ私は賑やかな方がいいかな〜。」

 

ゆかり「いやいや、お姉ちゃんの言うことはわかるけど、相手は全員軍人さんだよ〜?」

 

蓮「しかも、いくら殺しても復活してくるというゾンビ的且つほぼ人海戦術で殲滅できるほどの連中等だぞ?」

 

蛍「それを操る本人さんは、単身でも縦横無尽に活躍できますしね〜。」

 

直「割と物騒だなおい・・・。」

 

聞けば聞くほど、凄い想像斜め上をいきやがるうえに、正直、その組織が超精鋭型の戦闘集団で構成された組織っていうほうが響きがいいぞそれ・・・・・・。

 

悠「まあそういってやるな。 元はといえば、俺が世界中回っている最中に連れてきたんだ。 ・・・人数が数桁くらい増えたところで動揺はせん。 むしろ、身内が増えるのは非常にありがたいことだ。」

 

奈々「そうでしょ〜。」

 

蓮「お前がそう言ったら、何でも解決できてしまう辺り、正直凄いんだが・・・・・・。」

 

ゆかり「ホントそうよね〜。 ・・・ま、それを可能にしてしまうさすがうちのヘッドよね〜。」

 

蛍「ええ、何せ私達のリーダーですから。」

 

直「凄い信頼寄せられているんだな・・・。」

 

悠「それくらいでなければ、組織としての機能が果たせんからな。」

 

うちのリーダーも、そんな感じに統率しているんだなと思うと、改めて凄いことしているんだなあって、感心してしまう。

 

直「・・・・・・ん?」

 

不意に、ラクターから発する着信音を聴き、取り出して応答すると・・・。

 

スティア「もしもし、スティアだ。 今、どこにいる? 許可証が発行されているからすぐにこの町にある北側の門に来い。 言っておくが、お前以外全員現地に集合しているからなるべく走って来たほうが賢明だぞ?」

 

直「・・・マジか。 わかったすぐに行くから切るぞ。」

 

悠「どうした? 用事でも出来たのか?」

 

直「まあ、そんなところ。 すまんが、この店にある商品を買ってすぐに急行しまくちゃいけなくなったから。」

 

蓮「そうか、あんたとはまたどこかで会えるような気がするがな。」

 

直「何のフラグだよそれ・・・。」

 

奈々「袖すりあうも他生の縁っていうし、きっと会えると思うな〜。」

 

直「へえ、大物アイドルにそう言って貰えるなんて光栄だな。」

 

ゆかり「ちょっと〜、私のことも忘れないでよ〜。」

 

直「おっと、そうだったな。 けど、すぐに行かなきゃな。」

 

蛍「それでは、御機嫌よう直さん。」

 

直「ああ、またな。」

 

そういって、俺はすぐに目的の物を済まして速攻というぐらいに北側の門のところに走っていった。

 

-6ページ-

 

スティア「遅いぞ。」

 

直「悪い、ちょっと寛いでいたら遅くなっちまった。」

 

逢魔「おいおい、大丈夫かよ。 お前がそう言ったら明日の天気が隕石になりそうで怖いぞ。」

 

春「そうですよ。 私なんて、突然地面が崩落しそうで怖いくらいですよ。」

 

直「・・・普段、俺をどういう基準にしているんだ?」

 

できれば、こいつらの脳みそを解明してやりたいところだが、そんな気分じゃないのでやめておく・・・。

 

直「それで今回同行する人達は?」

 

スティア「ああ、お前等と共に同行するのは、ギルドとアリスだ。 見た目は子供に見えるが、実力は申し分ない。 軽い実戦任務だからといって、油断しないように・・・。」

 

それに・・・。 と、スティアが言おうとしたところの辺りで突然鎌のような物が俺の首筋に刃を当てていた。

 

ギルド「・・・こんな感じに、不意討ちされてもおかしくないから注意することだ・・・。」

 

アリス「後〜、あの時に言った会話でも、ここは安全だからといって三人とも気が緩みすぎ〜、私なら、人混みとかに紛れてさくりと殺しているよ〜。 軽く4、50くらいに・・・。」

 

突然”空間の隙間から現れた”二人の言葉に思わず、身震いするが、それは他の二人でも同じらしく、よく見れば銃口やら眼を凝らさなければ見えないほどの薄い髪の毛がそこら中に張り巡らされていた。

 

スティア「まあ、二人ともこいつらはまだ新人だがらしょうがないが、そうさくりと殺しても困る。 後、お前等三人はせめて日頃の危険予知くらいは身に着けとけよ。」

 

その場にいる五人「「「「「・・・了解。」」」」」

 

その言葉でなんとか解放されるが、正直、認識が甘すぎた。 俺のような一般人が同じような事やっても絶対にこの二人に暗殺されてしまう。 ・・・・・・それほどに、あの時に述べた言葉は”そういう意味”を含んでいたことに気付かされてしまう。

 

スティア「・・・まあともかく、一応説明しておくが、今回の任務は、ちょうど北の門からしばらく歩いたところに”ウルド”っていう街がある。 そこにある指定された物資を購入し、アルシオンのところに戻ってエルミナに報告して物資を渡せば、任務完了だ。」

 

直「・・・割と簡単な任務だな。」

 

ギルド「そうでもないぞ? グリュダルからウルドまでの距離は徒歩で数時間ほどの距離なうえに、危険なモンスターがそこら中にうようよいる。」

 

逢魔「ええっ〜!? マジでか!? ってか、しばらくっていう距離じゃないでしょ!!」

 

アリス「まあ〜ね。 でも、幸いなのはただ真っ直ぐに進めばいいだけだから余程の寄り道しない限りは迷わないと思うよ〜。」

 

春「ちょっと、真っ直ぐなのに迷っちゃう人いるんですか!!」

 

逢魔「いや、寄り道しなければいいだけだろ?」

 

確かに、それは同意する。

 

スティア「ちなみに、それで迷った奴は今までいないが、土地勘のないお前等にとっては不安ともいえるものはあるだろうが、ギルドとアリスがしっかり補佐してくれるからそこは安心しろ。」

 

春「良かった〜。 じゃあ、安心して進めばいいんですね。」

 

ギルド「いっておくが、こういう簡単な任務でやるからこそ油断してはいけない。 この任務はこれから先に起こるであろうと思う各チームごとの行動を近いうちにしなくてはならないのだからな。」

 

逢魔「ということは、GFの先輩達が補佐してられるのも今のうちってこと?」

 

アリス「そうだよ〜。 だから、こうやって簡単な任務で基本をこなしながら、寄り道をしているんだから、その時が来る前に早めに自立しないと後で大変な事になるからね〜。」

 

直「だから故に、俺達三人と離れる場合も考えての事と?」

 

スティア「・・・ああ、だからこそ限りない期間でそれをこなしながら基本を覚えてもらうしかないし、実戦による経験は何よりもお前達の本能を研ぎ澄ますから打って付けだしな。」

 

ギルド「・・・それに、どういう訳かバディレスの連中等はお前達を狙っているという確信が持てた以上は、皮肉だがこの方法による自衛手段でしかできないからな。」

 

逢魔「俺達を狙っているってどういうことだ?」

 

アリス「ん〜、よくわからないけど、前にあなた達を救出しようとした事とあの時の森の試練での事でバディレス達が率先して襲い掛かってきていたという事実が判明しているだけど、何か心当たりある〜?」

 

春「心当たりっていってもさっぱりわからないですし・・・。」

 

直「その件については同感だな。」

 

逢魔「右に同じく。」

 

正直、知らないといったほうが楽だと思えるくらいのもんだし、何より理由を問われたって何もわからないんじゃどうしたっても答えようもないからな・・・。

 

スティア「そうか、ならこれ以上の詮索は無用か・・・。 脱線はしたが、この任務については何か質問はあるのか?」

 

直「いや、特にないけど・・・。」

 

逢魔&春「「右に同じく・・・。」」

 

ハモるなよお前等・・・。 いや、別にいいけどさ。

 

スティア「わかった、それでは今から任務を開始するということで、ギルドにアリス。 よろしく頼むぞ。」

 

ギルド「・・・言われなくても、こんな雑魚任務に手間取るほど俺達は愚かではない。」

 

アリス「まあ、余程の事がない限りだけどね〜。 さあ、直達が先行するんだよ〜。 私達は後から付いていくから〜。」

 

直「了解した。 というわけで行くぞお前等。 間違っても変な寄り道するんじゃねえぞ?」

 

逢魔「さすがに、それはしねえって子供じゃあるまいし。」

 

春「むしろ、大丈夫です。 何しろ私達はそこらの子供達より聞き分けがいいですから。」

 

直「・・・だからこそ、余計に不安になるんだがな。」

 

そんな感じで、俺や逢魔、春の三人は先行する形で出発し、ギルドとアリスは俺達の後に続く感じで同行する事になった。

 

まさか、その目的地で更なる荒事が起きようとは誰も思っていなかった・・・。

 

-7ページ-

 

〜同時刻〜

 

チェール「くそっ!! こいつら、さっきから逃げてばっかりで戦う気あるのか!?」

 

ダダダダダッ!! と、激しい銃声と爆発音をあげながら、黒いメタリックカラーのモビルメアの三機がホバー走行しながら高速で追撃しているが、さっきからちっとも当たらず、それどころかまるで相手にもしていないかのように全速に近い速さで黒いモビルメアから遠ざけていく。

 

勿論、いうまでもなくチェールら悪夢の猟犬が追撃しているのはアルテルトメアであり、しかも三機揃って惑星ブリオードの砂漠地帯で空中機動をしながら進んでいる。

 

それに対し、チェールは自身の専用機である”ガルザス・ドルーズ”という通常種である”ドルーズ”の中でかなり特殊な兵装をしたモビルメアだ。 

 

ドルーズは、全環境にも適応できる特殊なホバー走行を持ち、その機動力で例え推進力がなくても戦闘が可能という特殊機である。 頭部が大きな一つ目、一本の角で構成されており、外装はがっしりとした体格は大男を沸騰させるような屈強さ、色は黒と茶色で塗装されている。

 

ガルザス・ドルーズはそれの強化種であり、頭部は横一列で三つ目、一本の角はドルーズの角よりも若干大きく、立派である。 外装はドルーズよりも一回り大きいが、代わりに小さい翼のような大型ブースターがさらなる高速機動を可能にしている他、胸部の部分に目眩まし兼粒子砲でも使える特殊兵装”ヴァーリス・シュライダー”が付けられているのが特徴である。 ちなみに、色はドルーズと同じである

 

そのガルザス・ドルーズを黒いメタリックカラーにした三機のうちの一機に搭乗している為、かなりの改造や色を統一している。 勿論、後から続いているドルーズも色付きであり、黒色で統一している。

 

故に、出撃している悪夢の猟犬は全部で三十八機であり、そのうちの三機がメタリックのガルザス・ドルーズで、色付きのガルザス・ドルーズが五機、残りの色付きのドルーズが三十機である。 元々は、それの十数倍ほどの人数で構成されていたが、GFによって幾度も破壊されては失敗を繰り返していくうちに現在の数になってしまい、今でも全機に近い数で出撃しているのが現状である。

 

グラザル「だが、こうしてあの三機が逃げ回っているのは、何かしらの理由があるってことだぜチェールの兄貴!!」

 

イーグ「そして、おそらくはファクター候補の連中等だど思うぞ!!」

 

チェール「わかっておるわ!! だからこそ、わざわざ地表の真下で待機しているバディレスの連中等が花火を打ち上げるために盛大な準備をしておるだろうが!!」

 

チェールと同じ、メタリックのガルザス・ドルーズに搭乗している三機のうちの二機に搭乗しているのはチェールのことを兄貴と呼んでいる茶色の肌で髪をブラジル風にしたのがグラザル・イージスである。 そして、チェールの右腕且つ参謀的な役割を持つ亜人のような紅い肌でサングラスをかけており、どす黒い髪をリーゼントにしたのがイーグ・J・サラハルである。 二人とも一見、同じようなメタリックのモビルメアを搭乗しているが、グラザルが主にバズーカやミサイルなどの火力の高い兵装ばかり中心としており、イーグのほうはビーム・ソードや鞭、アンカーに巨大な鍵爪を背中に兵装した近接重視をしている。

 

一方で、チェールの方は二人と違い、バズーカとビームキャノンが融合しており、そのまま近接が可能な”グレスト・ヴァズルス”が二丁、搭乗者の意思で自由自在にビームの刀身を操る”グラフズ・ステイカー”が二つ、更には特殊兵装が幾つか追加されており、切り札ともいえる機能を持ち合わせている。

 

イーグ「それにしても、あの白餓鬼どこに行きやしたかね? ここに付いた時から姿が見えないんですが・・・。」

 

チェール「放っておけい!! あんな生意気な小僧など、我らが知ってもどうでもいいだろう!!」

 

グラザル「けど、兄貴!! このままじゃ、いつまでたってもちっとも撃墜できないっすよ!! せっかく、久々の出番で猛威を震えるっていうのにさ!!」

 

チェール「そうせかすな、グラザル。 このままいけば、必ず奴らとぶつかる上にウルドで戦闘になるだろうよ。」

 

イーグ「でも、確かウルドの近くの町に銀河連邦軍が滞在していると聞いているが?」

 

チェール「はん。 だからこそ、邪魔されないようにバディレスがいるだろうが、奴等があの連中等を襲撃すれば、救援にいきたくてもいけないだろうがよ!!」

 

イーグ「だが、あそこにはGFがいるっていう情報があるんだが、それはどうするんだ?」

 

チェール「そのために、あの小僧を使って忌々しいGFの連中等を襲撃させようと考えていたが、そいつがいない以上は救援か援軍という形で出せばいいだろう。 ・・・おい、グラザル!! それについてはいつでも出せるようにしておけよ!!」

 

グラザル「了解っす!!」

 

チェール「さあ、久々の得物だ。 決して、逃すんじゃねえぞ!!」

 

その言葉に応えると共に、悪夢の猟犬のメンバー全員が雄たけびにも近い怒号を発したのであった・・・・・・。

 

Chapter2 END

説明
第八弾です。 いまだに、忙しい身ですが時間の合間を見つけてなんとかやっています。 最近、残業続きで眠い・・・。
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
239 239 1
タグ
スピリエンスワールド GF 7億年後 オリジナル 

E.N.Dさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。


携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com