とある不死鳥一家の四男坊 プロローグ
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(……はぁ、退屈だなぁ)

 

教壇の上で講義を続ける講師をよそに、俺は内心寝てしまいたい心地でいる。

大学生活にもそこそこ慣れた夏のとある日。クーラーがきいていて外とは違い涼しい教室内の窓側中程の席、そこが俺のベストプレイス。

前の席に座っている生徒達がそこそこに座高が高いおかげで、ちょうど俺が隠れる位置になりひっそりとゲームをしたり、うたた寝をするのに絶好のポジションといえる。

もちろん講師も、居眠りをしていたり真面目に講義を聞いていない生徒がいるのはわかっていることだろうが、特に今まで注意を受けた生徒はいない。

実際の所、講義を聞いていなくて学期末試験で赤点をとってしまってもそれは生徒自身の責任であるし、声をあげて騒いだりして抗議の妨害をしない限り講師も特に注意する必要性を感じていないのだろう。

有名大学になると一人一人の生徒がしっかりと勉強できるように注意したり、やる気のない生徒には退出するようにと他の生徒たちに配慮したりするのだろうが、ここは地方にあるとくに有名でも何でもない三流大学。

そこに通っている生徒も都会の大学の生徒ほどまじめ君ばかりでもなく、居眠りをしていたりゲームをしていたりする生徒もいるし、講義のボイコットも余裕でしている。

最低限単位をとって卒業できればそれでいい、その程度の考えの学生ばかりである。

かくいう俺も、そんな生徒の一員といえる。特に将来的に何かになりたいという目標もなく、「まぁ、大学くらいは出ていないといけないんじゃね? っていうか、もう少し遊んでいたい」という理由で学費も安く、学校見学した際にそこまで校則もキツくなさそうなここに入学したわけだ。

 

基本的に大学生というのは、高校の時以上に時間に余裕が生まれてくる。

文科系の大学生にはそのきらいが大きいとはいうが、俺のような人間に生まれる時間の余裕ともなるとそこそこ大きい。

そしてそんな時間に当てるのが、俺の昔からの趣味といえるものでアニメを見たり漫画を読んだりゲームをしたりすることだ。

まぁ、世間一般でいうオタクといわれる分類にあたる存在だろう。

高校の時も勉強もそこそこに、給料の高い日雇いのバイトをして金を稼ぎ、その金で趣味の品を買ったり聖地巡礼に赴いたりするという生活が主であった。

大学生活が始まった今でも特に俺の日常に変化はない。

大学の講義はボーっと時間が過ぎるのを待ち、終われば高校の時に世話になった仕事現場でバイトをして金を稼ぎ、新しく発売される好みの作品の情報をネットで集めてショップに行って買いあさる。

ある程度金がたまったら、作品の舞台となっている場所へ聖地巡礼という名の小旅行に向かう。

今までだってそうだったし、きっとこれからの大学生活もそんな感じで過ぎていくのだろう。

今後の進路? ……もちろん決まってない。そういうの考えるのが面倒だからこそ、大学に進学したのだし。

まぁ、4年もの時間を確保できたのだ。今後少しずつそういうことも考えていくだろうさ。

……多分、きっと、メイビー。

 

(……あ、ヤベ、落ちるわこれ)

 

と、なんだかんだで面倒なことを考えていたせいか、睡魔が襲ってくる。

高校のころから続けている日雇いのバイトも、給料はいいがなんだかんだで肉体労働が主なものばかりで、慣れているとは言っても疲れが抜け切れていなかったのだろう。

近々今まで愛読していた漫画の最終巻が発売されるという話があったし、新作のゲームや気になっているDVDも幾つかあったから、金策のために少しバイトの日程を増やしてもらっていたせいもあるかもしれない。

 

(まぁ、まだ試験まで期間もあるし、今日くらいは大丈夫かな)

 

腕を枕にして顔を伏せる。願わくば、寝ている最中に大きないびきをかかずに講義を終えたいな、そう思いながら意識を落としていった。

 

 

 

 

 

(……ッ!?)

 

瞼の上からの突然の光に、俺の意識が覚醒した。

今日は晴天で陽射しも強かったから、窓ガラスに反射した陽射しが目を刺激したのだろうか。

そう思いながら目を開けると……知らない人達がこちらを覗き込んでいた。

 

(な、なんだこりゃ!?)

 

吃驚した拍子に思わず声を出そうとしたが、なぜだかうまく言葉が出てこなかった。

代わりに出てきたのは、まるで赤子のような甲高い鳴き声。

それが自分の意思とは関係なく、ただひたすら声をあげて鳴き声を出してしまう。

なんだこりゃ、本当にそう思った。どれだけ泣きやもうとしても止まらない。

別に悲しいわけでもないのに次から次へと溢れ出す涙。止まらない鳴き声に俺は混乱してしまう。

 

(どうすればいいんだよ、これは!?)

 

俺を覗き込む、あり得ないくらい大きい人型の存在は、そんな泣き出している俺を見ながら何やら笑みを浮かべて話していたが自分の鳴き声がうるさくて彼らが何を言っているのか、まるでわからない。

抱きかかえている女性も俺に向かって何か話しかけているようではあるが、聞こうとしても聞き取れないのだからしょうがない。

相手が悪意を持って話し掛けてきているなら無視するなりなんなりできるのだが、どうにもここにいる俺を抱えている女性もその周りの人達も俺に悪意を持って話し掛けているわけではないようなので、どことなく申し訳なくなってしまう。

今はうまく聞き取れないが、落ち着いたときに改めて聞かせてもらうとしよう。そう心に決める。

ただ一つ、中々聞き取れなかった彼らの言葉の中で唯一聞き取れたものがあった。

それは俺を抱えていた女性の言葉だった。俺との距離が一番近かったため何とか聞き取ることができたのかもしれない。

 

「……オルト……、オルト・フェニックス」

 

それが、その時俺が唯一聞き取ることができた言葉であった。

 

……それからしばらくしてからのこと、まだ混乱が残っている中ではあるが、ようやく事情を察することができた。

なぜだかわからないが、自分が赤ん坊になっているということ。

そう、俺は大学で居眠りをしていたらどういう理由かわからないが、“オルト・フェニックス”という新しい名前をもらって“悪魔”という種族の赤ん坊に転生してしまっていたのだ。

 

 

 

 

 

…………

 

………

 

……

 

 

 

 

ドヤッ(チラッチラッ

 

絶龍剣:

厨二乙www

 

魔女っ娘雪ちゃん:

オタク乙☆www

 

ディープレッド:

テンプレ乙www

 

魔法少女志願:

面白かったニョ!

 

 

 

 

 

説明
少し書きたい物語がありました。
しかし、その物語に行くためには少し過程が必要。
そんなわけで、最近よく二次創作で読んでいるこのハイスクールD×Dを用いさせてもらいました。
個人的にえっちぃトラブル展開っていうのは苦手なところがあるから、お色気要素が過剰なところが少し残念だけど、この作品って世界観が結構好きなんですよねぇ。

次:http://www.tinami.com/view/808186
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ハイスクールD×D フェニックス家 オリ主 転生 

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