エブリデイえーゆー譚!〜恋姫達とのドタバタ生活!〜 二十八話
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天ノ川学園入学から一月と少し経った頃、約二週間後にテストが近づいてきた。

生徒達は授業に集中しノートをとっている。

そして今、午前最後の授業が終わった。

 

 

忰怜「はい。今日はお仕舞いね。後は次の授業の予習をしておくことよ」

 

 

そう言って数学担当の忰怜は教室を出た。

もう昼になったので教室のほとんどの生徒は食堂か購買へと移動する。

そんな残り少ない生徒の一人である神崎は隣でうなだれてるリトに声をかけた。

 

神崎「そろそろテストが近いな…。平沢、数学は平気か?」

リト「ほっといても七割取れるさ…。それよりも古典だ」

七乃「他の授業中に漢文の教科書とにらめっこしてますからね」

思春「どういう授業の受け方だ…」

翠「テスト作んの桔梗先生だからなー。ぜってぇ難しいって」

柳琳「しかも平均以下で悪い人は補習らしいですよね。桔梗先生のマンツーマンの」

愛紗「それ目的でわざと赤点を取りに行く男子も居るようだが…」

桃香「リトくんは素だもんね…」

蓮華「ええ。他の教科はいいのに…」

美花「おいたわしや…ご主人様…」

リト「同情するなら古典教えて!」

恋「……………ごはん」

 

珍しく涙目なリトは器用に上半身だけで土下座する…いや、これ土下座か?

まぁ、リトは赤点を取りたくないので必死なのだ……主に桔梗に古典漬けにされるため。

そんなリトの光景に少し同情したのか、翠がリトの肩に手を置いていると…教室のドアから中等部の生徒二人組が入ってきた。

 

 

朱里「し、しちゅれいしましゅ!」

雛里「ひらしゃわしぇんぱいはいましゅか!?」

 

こんなかみかみな中等部は他にはいないだろう…二人組こと朱里と雛里は初めて高等部の教室に来たのでかなり緊張している。

教室にいる生徒も可愛いー、とか言ってるし問題ない。

 

リト「あ…朱里と雛里?」

恋「……………噛んだ」

ミミ「ピッチュー(相変わらずちっちゃいなー)」

栄華「な、何ですのあの二人は!?中等部の制服を着ているのが勿体無いほどの残念ボディー!」

愛紗「それは誉めているのか…?」

コン「きゅっ(失礼なんだよっ)」

朱里「あ…リトさん!ちょっと相談があるんですけど…いいですか?」

リト「良いけど何?漫画のネタは無いぞ?」

蓮華(漫画…え?)

雛里「そうなんですか!?じゃなくて、もっと別な事です…」

美花「別な事…ですか?」

朱里「………ここだと心配なので別な場所でいいですか?」

リト「ああ」

 

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そして移動すること数分…リトと何故か興味を持った桃香達も一緒に屋上に来ていた。

しっかりと扉を閉めて、誰にも聞かれないように注意する。

 

翠「おー…広いなー!」

柳琳「確かに屋上だと邪魔されませんね」

思春「入口が一つしか無いからな」

神崎「だが俺達も一緒で良かったのか?」

リト「いいんじゃね?で、どったのよ?」

朱里「はい。それが…」

 

 

さらに語ること数分……内容は驚きのものだった。

 

 

桃香「ええ!?雛里ちゃんの後を付けてる人がいるの!?」

愛紗「姉さん、声が大きいです!」

蓮華「それで…どんな感じなの?」

雛里「最近、帰り道で人の気配がして…振り返ると…誰かが居るんです…」

朱里「私も一緒に帰ってますから間違いありません!絶対に雛里ちゃんを狙ってました!」

翠「うぇ…あれだろ、ストーカーって奴」

栄華「人の風上にも置けませんわね。どうせかわいらしいこの子を狙った男なのでしょう」

柳琳「ひどいです…」

恋「……………許さない」

美花「最低ですね…」

コン「きゅぅぅ…(怖いよぅ…)」

ミミ「ピチュピチュ(よしよし)」←コンの頭ナデナデ

リト「ストーカーか…それは見過ごせないな」

思春「すぐに見つかるほどだ…よっぽどの素人だが…」

神崎「だがどうする?警察に通報するか…それとも…」

 

神崎の言う通り警察に通報するか、ストーカーの被害届を出した方がいいかもしれない。

だが、新学期早々そんな事が起きるのは避けたいものだ。

ではどうしようかとリト達が悩んでいると、七乃がいい笑顔で口を開いた。

 

七乃「あ、私にいい考えがありますよ」

全「「「?」」」

 

 

 

で、放課後…

 

朱里「雛里ちゃん、一緒に帰ろ!」

雛里「う、うん…」

 

部活も終わり、昇降口から出てくる朱里と雛里。

そして…

 

 

???「…………」

 

 

茂みに隠れている誰かがじっ、と雛里を見ていた。

二人はその視線には気付かず、校門に向かって歩いていく。

だが、その途中…朱里はなにかを思い出したのか声を出した。

 

朱里「そうだ!そう言えば私、運動場に用事があるんだった!」

雛里「あ、私も行くよ朱里ちゃん」

 

そう言って二人はそこから運動場へ向かう。

ただし、行く道のりは整理された綺麗な道ではなく、膝ほどまで草が生えた獣道だ。

たまにこっちで運動場に行くことも多い、話では近道だと言われている道。

そこを通ると言うことは急いでいるのだろう。

 

???「……っ」

 

そして当然隠れていた誰かも後をつける。

ただ、今後ろから歩いて行けば草の音で気付かれるだろう。

隠れるとしても場所はほとんどなく、隠れるためには少し遠くの木に行くしかない。

仕方ないと彼は遠回りし木の側に移動する……そう、不自然に隠れやすそうな木に。

 

 

カチッ

 

 

何かの音がした。

まるで何かの罠が発動したような…そう考えている内に、彼の視界は反転した。

 

???「……ぎゃあああああああああ!?」←木に宙吊り状態

 

思わず声をあげる彼は片足にロープが絡まれており、先程の音はこれのためのスイッチだとわかる。

そんな事を気にしていられない彼はただただ声を出すしかなかった。

そして近くの草むらから、ごそごそと大人数が出てくる。

 

蒲公英「はい成功ー♪」

翠「でかしたぞ蒲公英!」

柳琳(どうやって罠を仕掛けたのかしら…?)

栄華「さぁ観念してブタ箱行きですわ!」

七乃「それとも弱味を握って何かしましょうか?」

リト「止めんかい!」

 

恐ろしい事を言ってる約二名に突っ込み、リトはぶら下がってる男を見る。

一見普通の生徒に見える…いや、実際そうなんだが。

だが彼からは悪意を感じない…ストーカーとかは何らかの歪んだものがあるので少し違和感を持った。

 

浮島「ちくしょぉぉ…なんだってんだよぉぉ!?」

蒲公英「あ、この人」

美花「ご存知なのですか?」

蒲公英「隣のクラスの浮島…だったっけ?たしかこの人って…」

リト「で、雛里のストーカーした理由は?」←アイアンクロー

浮島「うぎぎぎ!?」

愛紗「リト!それでは口を開けません!朱里も雛里も青ざめてます!」

朱里「はわわわわ……」←gkbr

雛里「あわわわわ……」←gkbr

コン「きゅん!(りと、ダメ!)」

 

あ、わりぃとリトは手を離す。

だがいつでもできるように準備をしているので反省はしていないようだ。

そして彼…浮島は質問に答えた。

 

浮島「お…俺はただ、ひなりんの事が心配だっただけだ!」

蓮華「ひな…りん…?」

朱里「たぶん雛里ちゃんの事だと思います…」

浮島「ひなりんは優しくて純粋だから誰彼構わず付いて行ってしまうに違いない!だから俺が家まで見守ってやらなきゃいけないんだ!」

神崎「完全にストーカーだな…」

浮島「ちげーよ!俺はひなりんのボディーガードだからいいんだよ!ストーカーじゃねぇ!」

栄華「典型的なストーカーの考えですわね」

ミミ「ピチュェ(気持ち悪ぅ)」

翠「…あれ?そういや蒲公英は?」

思春「平沢のアイアンクローの前からいなかったが…」

恋「……………何処かに行った」

 

キョロキョロと見渡すがどこにもいない。

帰ったのかと誰もが思ったが、リトだけは何かを悟ったような目をしていた。

 

リト「見つけんの簡単だろ。…我を倒せる者はいるかー」

蒲公英「ここにいるぞー!」

全「「「本当にいた!?」」」

リト「何してたんだ?」

蒲公英「ちょっと雛里専門の人達を呼びに」

朱里「え?」

 

と、その時

 

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謎の覆面「浮島はどこじゃあああああああああああああああ!!!!」

覆面軍団「「「断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!! 断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!断罪!!」」」

雛里「あわわわ!?」←涙目

謎の覆面「ひなりんの本日七回目のあわわ&初涙目いただきましたーーーー!」

覆面軍団「「「あわわーーーー!」」」

 

どこからともなく走ってきたのは覆面の集団だった。

ちなみに以前リトを襲った連中とは違い、額には『HWW』と書かれてあり、頭部の両サイド部分には雛里と同じ色の髪の毛がついていた。

 

愛紗「こ、これは一体…」←引いてる

桃香「うわぁ…」←ドン引き

七乃「きっついですね…」←上に同じく

蒲公英「この人達はひなりん教って言って…」

リト「言わなくていい。大体分かった」

神崎「覆面の両方にツインテール…?シュールすぎるな…」

 

シュールどころか軽くキモい。

覆面軍団は動けない浮島を包囲し、リーダーらしき覆面は蒲公英に礼を言う。

 

謎の覆面「稲葉四女よ、通報感謝する。浮島をレスリング部に連行しろぉ!!」

覆面軍団「「「イエス、マイロード!!」」」

浮島「ひっ!?い、嫌だああああああああ!?」

翠「…レスリング部ってたしか一部ホモだって聞いたけど…」

蓮華「………」←これから起こる事分かった

恋「……………ご愁傷様」

リト「てかどこのギアスだ」

謎の覆面「む!?そこにいるのは高等部一年の平沢ではないか!?」

リト「え、なに、俺知ってるの?」

 

リトは謎の覆面に呼ばれキョトンとしていた。

まぁ、リトは色々と有名なのだ。

主に二つ、周りにいる女子のレベルの高さと戦闘力が。

 

謎の覆面「それはともかく、貴様ひなりんに手を出している訳ではあるまいな!?」

リト「後輩に手を出すほど女に飢えてねぇよ!」

神崎「平沢、それだと誤解生むぞ」

桃香「確かにね…」←苦笑い

柳琳「…ポッ」

栄華「柳琳!?」

謎の覆面「我々が付いていながらひなりんのストーカー被害に気づく事ができなかったとは…不覚だ!」

眼鏡掛けた覆面「会員No.301、浮島 周作…やはり単独でひなりんの後をつけ回していたのか…」

長身の覆面「ひなりん教の鉄の掟を破りやがって!もっと強化すべきだったか」

七乃「掟とかあるんですね…」

リト「……なぁ」

謎の覆面「なんだ、モテない男の敵」

リト「鼻へし折るぞ。…さっき単独でつけ回していたのか…っていってったけど…」

朱里「あ、まさか…」

恋「……………ストーカーなの?」

謎の覆面「何を言う!我々はひなりんに悪い虫がつかんように学校の身の回りで警護しているだけだ!」

眼鏡掛けた覆面「ひなりんの登校から下校まではプライベートだからとやっていなかったが…」

長身の覆面「今度から改善すべきだな!」

 

おかしい…なんかおかしい…。

今目の前でストーカー会議が行われているようでなんかおかしいぞ。

まぁ、とりあえず…リトは指の間接を鳴らし、自分と同じくおかしいと思った神崎達に目を向ける。

 

リト「……殺っていい?」

全「「「どうぞ」」」

 

 

 

その後、グラウンドに頭から突っ込んだ生徒が多数目撃され、夜間練習に来た生徒が掘り起こしたそうな。

 

説明
XXX「風引いてもうた…」
一刀「髪乾かさないまま深夜アニメ見たからだろ」
XXX「止められない止まらない。つーわけで、『二十八話:人は誰もがストーカー』スタート」
一刀「いい加減寝ろ!あと鼻水出てる!」
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恋姫英雄譚 作者の悪い病気 オリ主 恋姫無双 

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