チョロインワルキューレエナジー第4話
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 女子寮入り口中。

「今日も来た女子寮に!」

 なんだか悪いことしてるような気がしてドキドキした。

「早速、シカクかレイナの部屋に行くか……」

 廊下移動中。

 廊下移動中。

 廊下移動中。

 白虎と出会った。

「おやおや、今日も部屋チェック?」

 いやらしい顔をする白虎に豪真は呆れた顔をした。

「部屋は綺麗にしてるだろうな?」

「と、とうぜん……」

「今日は優先しないといけない用事があるから行けないが後日、改めて部屋をチェックしに行くからな!」

「女の子の部屋にイクッて素敵な響きだねぇ♪」

「ゲンコツとアイアンクロー、どっちが好き?」

「どっちかというと両腕でこうギュッと抱きしめるように……」

「こうか?」

「え……?」

 両上で身体をギュッと抱きしめられ、白虎は真っ赤になった。

「ちょ、じょ、じょうだんだ……」

「冗談は嫌いだ」

「え……?」

 首がコキッと鳴った。

「あ……?」

「寝てろ……」

 身体を離し豪真は冷たい目で崩れ落ちる白虎を見下ろした。

「しどい……」

 泡を吹いて倒れる白虎を壁に寝かせた。

「後で部屋に戻してやるよ。部屋チェックを兼ねてな……」

 白虎の好感度が少し上がった。

 豪真の戦闘スキルが少し上がった。

 豪真の評価が「少し怖いお兄さん」になった。

 女子全体の評価が少し下がった。

「さぁ、行くか……」

 廊下移動中。

 廊下移動中

 廊下移動中

 廊下移動中。

 シカクの部屋についた。

「シカク、いるか?」

「え……?」

 部屋の扉が開いた。

「なななななんでお前が私の部屋に来てるんだ!? 夜這いか!?」

「そんな趣味はない」

「じゃじゃじゃお誘いか!?」

「零魔さんに女子の部屋をチェックするよう頼まれんたんだ」

「な、なぜ男子の豪が女子の部屋を!?」

「男子の目が届いてるほうが女子も部屋の意識を高めるだろうからだってさ……」

「な、なるほど……」

「いや、納得するなよ」

 ため息を吐いた。

「部屋を見せてくれるか?」

「あ、ああ、散らかってるが入ってくれ」

「それじゃあ」

 部屋に入った。

「おお、女の子らしい綺麗な部屋だ」

 キッチリとシカクの名前通り四角四面とした綺麗な部屋に豪真は感動した。

「やっぱり女この部屋は綺麗じゃないとな……」

「来たばかりなんだから綺麗に決まってる」

「いや、白虎の部屋は汚かった」

「白虎……四神白虎のことか?」

「ああ、クラスメートの……」

「なんで私の部屋を見て、四神の部屋の名前が出る?」

「昨日行ったからだよ……」

「ッ……!?」

「どうした、鳩が豆鉄砲食らったような顔をして?」

「わ、私の部屋が最初じゃないのか?」

「いや、白虎が最初だ」

「なんで幼馴染の私が二番で昨日今日あったばかりの女の部屋が一番なんだ!?」

「まぁ、成り行きだ」

「この男ビッチが!」

「男ビッチって……」

「ふん……」

「なんで怒るんだ?」

「怒ってない」

「いや、怒ってる」

「ああ、怒ってる!」

「認めやがった……」

 ため息を吐いた。

「それより」

「それより?」

「睨むなよ。それより、明日、お前、暇か?」

「明日? 特に用事はないが……」

「じゃあ、開けといてくれ。明日、零魔さんの指示でワルキューレバトルの練習があるらしい」

「あれか……お前、本当にワルキューレカップに参加するのか?」

「なっちまったものはやるしかない」

「そうか……そうか!」

「なんか、嬉しそうだな?」

「いや、全然そんなことないぞ!」

「顔がニヤけてるぞ」

「見るな!」

「まぁいい……」

 首を縦に振った。

「じゃあ明日の放課後、迎えに行くから頼むな!」

「ああ」

 シカクと部活の約束をした。

 シカクの好感度が少し上がった。

 シカクとのワルキューレリンクの同調率が少し上がった。

 シカクの感度が少し上がった。

 女子の評価が少し上がった。

 豪真は称号「約束を取り付けた男」を手に入れた。

「また明日な!」

 シカクの部屋を後にした。

「次はレイナだな」

 廊下移動中。

 廊下移動中。

 廊下移動中。

 廊下移動中。

 未だ気を失ってる白虎を発見した。

 写メを撮った。

 白虎のストレスが少し上がった。

 女子の評価が少し下がった。

 「白虎の痴態写真」を手に入れた。(弱味として使える)

 白虎の好感度が少し上がった。

 豪真は称号「ちょっとS」を手に入れた。

 一部の女子の評価が上がった。

 廊下移動中。

 廊下移動中。

 レイナの部屋についた。

「おい、レイナ、起きてるか?」

「え、その声は豪真さん?」

 部屋の扉が開いた。

「まぁ、豪真さん、わざわざ女子寮に忍び込んでワタクシの部屋に来てくださいましたのね!」

「いや、もう面倒臭いけど零魔さんに頼まれたんだ」

「夜這いするようにですの?」

「部屋チェックだ!」

「部屋チェック……?」

 少し考えるように頷いた。

「ああ、男子の目が届けば逆に女子の部屋が意識的に高まるってことですのね?」

「飲み込みが早いな……」

「ワタクシのお父様が似たようなことをしてましたの」

「確か企業の重役だっけ?」

「知りませんわ。家では酒と野球とお母様に頭が上がらないただの穀潰しですし……」

「憎まれ口も愛情の裏返しか?」

「ですわね!」

「認めるなよ……」

 レイナの手が豪真の無骨な手を握った。

「無駄口はここまでにして入ってくださいまし!」

「ひ、引っ張るな……」

 部屋に入った。

 豪真の顔が真っ青になった。

「あ、あいかわらずすてきなへやだなぁ……」

「お褒めに預かり嬉しいですわ♪」

 顔を真っ赤にしてレイナは喜んだ。

 部屋を見て、豪真は必死に言葉を探した。

(ぬいぐるみで占められた部屋はいい。問題はぬいぐるみの形状だ……)

 一見可愛いぬいぐるみで占められたファンシーな部屋だがそれを台無しにする綿埃に豪真は軽い吐き気を覚えた。

(なんつぅ趣味の悪いぬいぐるみだぁ……)

 脳髄が出たように頭が割れ、綿が飛び出たウサギのぬいぐるみがお前も同じ目に会えと言いたげに豪真を見ていた。

 臓物が飛び出たように腹が裂け綿が飛び出たクマのぬいぐるみが助けを求めるように豪真を見ていた。

 尻尾が引きちぎられ血が流れるように綿が飛び出た蛇のぬいぐるみが悲鳴を上げてるように豪真を見ていた。

(子供が見たら泣くかチビるかの光景だな……)

 大人が見ても泣き叫びそうな阿鼻叫喚とした可愛くも恐ろしい部屋に豪真は逃げ出したくなった。

「実はこの前、新しく手に入ったスプラッタぬいぐるみが届きましたのよ!」

(そういう名前のシリーズだったのかよ……)

 頭の半分が吹き飛び目玉のボタンすら糸が釣り下がったドラゴンのぬいぐるみに豪真は息を呑んだ。

「このぬいぐるみは人気があってなかなか手に入りませんのよ!」

(人気がないんじゃなく、不人気だから手に入らないんじゃ……)

「マニアの間なら二万円もくだらない高級ぬいぐるみですのよ!」

「って、本当に高いのかよ!」

「でも、豪真さん以外、このぬいぐるみの良さを理解してくれる方は少ないんですのよ」

(俺だって理解してないよ……)

「とくにシカクさんったら酷いですのよ。ぬいぐるみが可愛そうだと言って修繕しろと変なこと言いますの。修繕もなにも完璧なぬいぐるみなのに……」

「ふ、普通のぬいぐるみとかは買わないのか?」

「面白味のないぬいぐるみは興味ありませんの!」

「面白味重視かよ!」

 そう言われるとこのグロテスクでファンシーな人形も価値があるように見えるから不思議である。

「豪真さん、どうせなら一つ、いただきません?」

「い、いや、いい……」

「そうですの……」

「それよりも明日、お前、暇か?」

「暇……?」

 小首を傾げた。

「宿題をやる以外なら特に予定はありませんことよ。部活もまだ選んでませんし」

「じゃあ、明日、ワルキューレバトルのための練習があるんだ。一緒にやらないか?」

「もちろんですわ!」

「おわぁ!?」

「わざわざワタクシを指名してくれるなんて光栄至極ですわ!」

「そ、そうか……」

「明日の放課後、私を誘ってくださいね!」

「ああ、そうするよ」

「一応、ワルキューレバトルは部活扱いですけど部活が始まるまで少し猶予がありますから校内を散策するのもいいかもしれませんわよ!」

「わかった」

「じゃあまた明日、誘ってくださいまし!」

「じゃあな!」

 レイナと約束を取り付けた。

 レイナの好感度が上がった。

 レイナのワルキューレリンクの同調率が上がった。

 レイナの感度が上がった。

 すでに約束をしていたので他の女子の評価が下がった。

 豪真は称号「浮気男」を手に入れた。

 レイナの部屋を出た。

 就寝のチャイムが鳴った。

『寮長の零魔よぉん♪ もう寝る時間だから部屋で電気を消して寝てちょうだいね……学校に意味無く寝坊して遅刻すると反省文書かされるから気をつけてねぇ。ちなみにお姉さんはこの寮に入って反省文の枚数が歴代最高になったわぁ♪』

「反省文が歴代最高って……あの人、どんだけ学校に遅刻してるんだぁ?」

 零魔の好感度が少し上がった。

 廊下移動中。

 廊下移動中。

 廊下移動中

 廊下で落し物を発見した。

「なんだ、このコイン?」

 廊下に落ちていたコインを拾った。

「貰ってもいいだろう」

 ワルキューレコインを一枚手に入れた。(現在:1枚中)

「さぁ、帰るか」

 廊下移動中。

 廊下移動中。

 廊下移動中。

 白虎を発見した。

「コイツまだ、寝てるのか。呑気なやつ……」

 白虎を肩に抱えた。

「意外と軽いな……」

 白虎を抱えたまま廊下移動中。

 廊下移動中。

 廊下移動中。

 白虎の部屋の扉の前に到着した。

「当然ながら、鍵は締めて……ねぇよ!」

 部屋の扉を開けた。

 白虎の部屋に入った。

「なんで一日どころか一晩経って部屋が散らかるんだよ!」

 昨日掃除したばかりなのにもう足の踏み場のない白虎の部屋に豪真は青筋を立てた。

「ほら、ベッドで寝てろ!」

「ふがぁ!?」

 白虎の身体をベッドに投げ捨てた。

 白虎の好感度が少し上がった。

「ほら」

 さらに紙を一枚、投げ渡された。

「明日の夜、また部屋掃除だ! 今度、散らかしたら部屋のものを全て捨てるからな!」

「ふみぃ……」

 白虎の好感度が少し上がった。

 ベッドのシーツに包まる白虎を見て、ため息を吐いた。

「可愛い顔してるんだから部屋も可愛くしろよ……」

 白虎の感度が上がった。

 白虎の部屋を出た。

「あらぁ豪真ちゃん、規則違反よ♪」

「え、零魔さん?」

 零魔と出会った。

「もう就寝時間過ぎてるのに女の子の部屋に入り浸るなんて悪い子♪」

「い、いや、これは事情が……」

「明日のワルキューレの練習後、反省文、三枚ねぇ♪」

「なんで、おれがぁ……」

 女子の評価が下がった。

 零魔の好感度が上がった。

 百夜の好感度が少し下がった。

 零魔の感度が上がった。

 百夜の感度が上がった。

 豪真は称号「問題児」を手に入れた。

「今回、称号手に入れまくり……」

 豪真のヤル気が下がった。

 

 

 豪真の部屋。

「白虎のせいで反省文書かされるとは……」

 今度、なにか奢らせてやると心に誓いながらアクビをした。

「寝よう……」

 ベッドに倒れるように入った。

「明日からワルキューレカップのための練習か……」

 ゆっくり目を瞑り豪真は心がワクワクするのを感じた。

「わるきゅーれかっぷ……おれのあたらしいもくひょう……おれのもく……ひょう」

 豪真の体力が回復した。

 豪真とワルキューレ達のワルキューレリンクの同調率が少し上がった。

 豪真は称号「可能性に満ちた少年」を手に入れた。

 一日が終わった。

 所持品:ワルキューレコイン×1

説明
チョロインワルキューレエナジーの第四話です!
サイトで同じものを載せてます。
良ければ読みに来てください!
サイト:http://www.geocities.jp/shinoujp/index.html
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