宝城双斗のIS学園生活 第8話クラス対抗戦前の日常
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 side双斗

 

 僕が専用機をもらってから1週間が経った。

 

 5月に入り、今日は1時間目からグラウンドでISを使った実習訓練が行われる。

 

 「全員揃ってるわね? それじゃあ、まずISの基本的な操縦を実演してもらおうかしらね。宝城君、更識さん、前にいらっしゃい」

 

 そう言われ、僕と簪は前に出る。

 

 「まずは2人とも、ISを展開してちょうだい。出来るだけ早くね。 その後、一気に上昇して、急降下と完全停止をやってもらうわね。・・・それじゃあ、スタート!」

 

 結城先生の合図で僕と簪は瞬時にISを展開する。

 

 「宝城君が0、5秒、更識さんが0、3秒ね。2人とも展開のスピードは合格よ。それじゃあ2人とも・・・飛翔開始!」

 

 再び結城先生の合図で僕と簪は飛翔する。

 

 やはり代表候補生である簪が僕より前に出る。僕もそれを追う形で飛ぶ。ISの性能自体はほぼ同じぐらいだが、僕がまだ機体に慣れていないこともあって少し僕の方が遅れている。

 

 「やっぱり簪は速いね」

 

 「双斗もその機体に乗り始めて1週間にしては十分速いよ」

 

 「簪に比べたらまだまだだよ」

 

 そんなことを2人で話しながらしばらく飛び続けていると、地上にいる結城先生から指示が送られて来た。

 

 『2人とも、飛ぶのはそれくらいにして最後に急降下からの完全停止をやってもらうわよ。まずは更識さん、 宝城君にお手本を見せてあげてちょうだい。目標は地面から10センチよ』

 

 「分かりました。 双斗、先に行くね」

 

 「うん」

 

 簪は機体のスピードを上げてどんどん落下していく。あわや地面にぶつかるのではないかと思ったけど、直前に脚部ブースターを噴かせ、見事目標からジャスト10センチの位置で完全停止を決めた。

 

 「流石、簪だね。僕も負けてられないや」

 

 僕は簪の見事な操縦技術に改めて感心する。

 

 続いて僕も急降下して行く。そして直前に脚部ブースターを全開まで噴かせる。しかし、簪のようには上手くいかず、地面から25cmと少し目標よりも上で完全停止してしまった。

 

 「う〜ん、目標には届かなかったか・・・」

 

 「宝城君の場合、無意識だと思うけど、高い所から急降下するときに怖がっているわね。だから早めに脚部ブースターをかけてしまっていたわ。でも、それさえなくなれば、大丈夫よ」

 

 「はい」

 

 結城先生が的確に僕の問題点を指摘する。

 

 ちなみに、1組でも同じような内容の授業が行われたらしいのだけど、その時に織斑君が加速し過ぎて、急いで脚部ブースターを噴かせたものの間に合わず、地面に衝突したらしい。その結果、地面には大きなクレーターができた。

 

 その後、千冬さんに説教され、自分で地面を戻すように言われたとか・・・。

 

 地面に衝突したのは自業自得だと思うけど、さすがに1人でそれを戻すのはかわいそうだと思った。

 

 「それじゃあ1時間目の授業はここまでにするわね」

 

 こうして1時間目の授業は終わった。

 

 

 

 

 

 

 その後は、順調に授業が進んでいき、今は昼休みに入っている。

 

 この時間になると昼食を食べるために食堂に行くか、弁当を作ってきてそれを教室で食べるかの2つに分かれる。ちなみに僕と簪は後者だ。

 

 「うん、やっぱり簪が作ってくれた弁当は美味しいね」

 

 「あ、ありがとう・・・///」

 

 僕が簪のことを褒めると、簪は照れながらも嬉しそうにする。

 

 僕と簪は入学式の翌日以降から昼食はそれぞれ1日ずつ交代で弁当を作っている。

 

 ちなみに僕と簪の料理の腕はだいたい同じくらいだ。ただしスイーツは簪の方がはるかに上手い。特にこの前簪の作ってくれた抹茶のカップケーキは絶品だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後になり、僕はクラス対抗戦を控える簪のために簪の特訓に付き合ってる。ちなみに僕と簪は第4アリーナを使ってる。その理由は単純で、第1アリーナは1組、第2アリーナが2組、第3アリーナが3組、第4アリーナが4組とクラスごとに使うアリーナが分かれているからだ。

 

 この1週間で簪はIS操縦の基礎である瞬間加速(イグニッションブースト)の1段階上にあたる二重瞬間加速(ダブルイグニッションブースト)を高確率で成功するようになった。

 

 イグニッションブーストというのは、ISを装備した状態で使用する格闘特化技能の1つだ。スラスターから本体に向けてエネルギーを放出させて、空間にエネルギーの流れを溜めてからそれを一気に点火させて急加速を行うものだ。また、外部から推進力を取り込むことで更に加速することも可能だ。

 

 そしてそれを応用したのが簪が使えるようになったダブルイグニッションブーストだ。

 

 ダブルイグニッションブーストは2つのスラスターを交互に点火させることによってイグニッションブーストよりも爆発的な加速を行うことができる。

 

 しかし、この技の成功率は国家代表でも60〜80%と、決して高くはないのだけど、それを簪は95%以上の確率で成功させているのだ。

 

 ただし、僕も決してこの1週間何もしていなかったわけではない。

 

 僕は1週間前までドラグーンを12機同時にしか動かすことができなかったけど、今では18機同時に動かすことができるようになった。

 

 

 それからもクラス対抗戦の日まで僕たちは放課後の時間はISの特訓に時間を費やした。

 

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タグ
インフィニット・ストラトス、オリ主×簪

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