宝城双斗のIS学園生活 第9話クラス対抗戦
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 side双斗

 

 クラス対抗戦当日、今僕と簪は第3アリーナのピットにいる。ちなみになぜ試合の場所が第3アリーナかというと、今日現在3組以外の全クラスに専用機持ちがいるため、3組のアドバンテージとして3組がいつも使ってるアリーナで試合を行うことになった。

 

 さて、ここでクラス対抗戦について整理しよう。

 

 クラス対抗戦は全クラスの代表による総当たり戦で最も勝率が高い代表のクラスが優勝となる。また、優勝賞品は食堂で使える半年間のスイーツフリーパスだ。

 

 そのためみんなの期待の熱がすごく、それは4組も例外ではなく、簪が相当なプレッシャーを受けていたので僕は簪のフォロー役に徹した。

 

 そして今回出場するそれぞれのクラスの代表だけど、1組は世界初の男性IS操縦者にして千冬さんの弟である織斑一夏、2組は少し前に転校してきた中国からの代表候補生の凰鈴音さん、3組は専用機は持っていないけどイタリアの代表候補生であるクリス・ホークさん、そして僕たち4組は日本の代表候補生である簪だ。

 

 そんなことを考えていると、目の前のモニターに対戦表が表示された。

 

 試合の順番は1組vs2組、3組vs4組、1組vs3組、2組vs4組、2組vs3組、1組vs4組だ。

 

 また、アリーナの映像を見るとすでに白式を纏う織斑一夏と甲龍をまとう凰鈴音さんがアリーナに出てきていた。

 

 2人がスタート地点に着くと

 

 『それでは両者試合開始!!』

 

 試合開始となり、その瞬間、両者の武器はぶつかり合い、激しく火花を散らし、激しい戦闘が始まった。

 

 

 

 

 

 

 その後一進一退の攻防が続き結果は僅差で織斑君が勝利した。それから30分の休憩後ついに簪の試合が始まることになった。

 

 「簪、時間だよ」

 

 「うん、絶対勝ってくるから!」

 

 簪はそう言い打鉄・弐式を纏ってアリーナに飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 side簪

 

 私の最初の相手は3組のクリス・ホークさん。どうやらクリスさんは訓練機のラーファールリヴァイブを使うようだ。

 

 専用機は持ってないけどイタリアの代表候補生だけあってISの操縦技術はかなり高い。でも今の私なら油断しなければ勝てる相手だ。

 

 『それでは両者試合開始!』

 

 試合が始まった瞬間、クリスさんはすぐさまアサルトライフルを展開してこっちにむけて連射してきた。

 

 私はそのすべてを最低限の動きを使ってかわし、リヴァイブに向けて春雷を放つと見事命中し、リヴァイブのシールドエネルギーの3割を一瞬で奪った。さらにクリスさんが態勢を立て直そうとしているところを追撃しようと夢現を展開してリヴァイブを切り裂く。

 

 今の一撃でさらにシールドエネルギーを奪い、相手のシールドエネルギーは半分を切った。そして至近距離で春雷を連射した。すると、リヴァイブの絶対防御が働きリヴァイブのシールドエネルギーは0になり、私は見事初戦をダメージを受けることなく勝利を収めた。そして観客席からは歓声がわいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 side双斗

 

 簪とクリスさんの試合は見事簪が勝利した。しかも相手は訓練機だったものの、イタリアの代表候補生であるクリスさん相手に簪は何とノーダメージで倒した。

 

 そのことに僕は驚きを隠せなかった。そして簪が試合を終えてピットに戻ってきた。

 

 「簪、おめでとう!」

 

 「ありがとう、双斗が応援してくれたからだよ」

 

 そう言ってもらえると嬉しい。僕の応援が簪の力になったのだから。

 

 

 

 

 それから30分の休憩後、第3試合の織斑君とクリスさんの試合が始まった。専用機を持っている織斑君が有利にも見えたが、結果はクリスさんがイタリアの代表候補生の意地を見せ、ギリギリでクリスさんが勝利した。

 

 そして次の試合は簪対凰鈴音さんの試合だ。

 

 今回は2人とも専用機持ちだから簡単に勝つことはできないと思う。

 

 「簪、凰さんのIS『甲龍』は燃費がかなり良い機体だから、試合時間が長引けばこっちが不利になるから短期決戦で決着をつけるよ」

 

 「うん、分かった」

 

 僕は甲龍のスペックデータを確認して簪に戦法の確認やアドバイスを行っていた。

 

 簪も勝つために真剣に話を聞いていた。そして、ついに試合の時間が来た。

 

 「じゃあ、行ってくる!」

 

 「うん、簪応援してるからね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 side簪

 

 「来たわね。4組の・・・」

 

  赤と黒のIS・・・中国の第3世代型IS『甲龍(シェンロン)』を身に纏った凰さんが私が来たのに気がついた。

 

 「そういえば自己紹介がまだだったわね。私は「凰鈴音(ふぁん・りんいん)さん」あら、知ってたの?」

 

 凰さんは意外そうな顔をしながら私を見る。だけど私は呆れている。

 

 「(まさか覚えてもらってすらいないなんて・・・。仮にも同じ代表候補生なのに・・・)」

 

 肩を竦めながら私はそう思った。

 

 「それはともかく悪いけど、勝たせてもらうわよ」

 

 そう宣言すると同時に、試合開始のブザーが鳴る。そして凰さんの左手に青龍刀・双天牙月が一気に加速して振り下ろされる。

 

 「そう簡単にいかせない」

 

 直前のところで斬撃を避け、私は春雷を連射する。だけど、連射された春雷を凰さんは何発かを双天牙月で弾き、残りは避ける。

 

 そしてその間に追撃しようと接近をしようとすると・・・

 

 「!?」

 

 私のISに衝撃が走る。それと同時に私のISのシールドエネルギーが減っていた。

 

 「(今のは?)」

 

 「どう、龍砲の味は?」

 

  そう言って笑みを浮かべている凰さんを見て、私は察する。今のは間違いなく凰さんからの攻撃だと・・・。

 

 「(おそらく、攻撃方法はあの後ろにあるアンロックユニット・・・)」

 

 「見切れるものなら、見切ってみてよね!!」

 

 そう言って再び龍砲を撃ち始める。

 

 「よくかわすじゃない。龍砲は砲身も砲弾も見えないのが特徴なのに」

 

 そうその通りだった。砲弾が見えないのはともかく砲身まで見えないため何発か被弾してしまいシールドエネルギーは半分ほどになっていた。だけど・・・

 

 「・・・負けられない」

 

 私は、凰さんの視線を見てどこに撃ってくるかを予測して龍砲の見えない砲弾に春雷を放ち、砲撃を相殺した。

 

 「なっ!?」

 

 凰さんは驚きのあまり声を出していたけど、私はその間にマルチロックオンシステムを起動して甲龍に向かって山嵐を放った。

 

 「しまった!」

 

 凰さんは反応が遅れ、回避しきれず48発のミサイルのうちの半分ほどが命中し、甲龍のシールドエネルギーを一気に100にまで削り落した。そして私はイグニッションブーストで接近して春雷を放つと甲龍のシールドエネルギーは完全になくなった。

 

 『甲龍 シールドエネルギーエンプティ』

 

 その放送が入り、私はもう一度、凰さんに視線を向けた。

 

 「あ〜あ、負けちゃった」

 

 「私も油断していたら負けてた・・・」

 

 「でも次は絶対に勝つんだから」

 

 「望むところ・・・」

 

 そう言い、私と凰さんはそれぞれのピットに戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 side双斗

 

 凰さんと簪の試合は簪が見事に勝利した。

 

 「簪、お疲れ様」

 

 僕はそう言い、簪にスポーツドリンクを渡す。

 

 「ありがとう」

 

 簪はスポーツドリンクを受け取り、スポーツドリンクを飲みながら休憩していた。

 

 モニターに視線を変えるとそこには第5試合の凰さんとクリスさんの対戦が映っていた。

 

 

 

 5分後、決着がつき凰さんが勝利した。そして、これで残りは織斑君と簪の試合だけとなった。

 

 現在の戦績は3組のクリスさんは1勝2敗、2組の凰さんも1勝2敗、1組の織斑君が1勝1敗、そして簪が2勝0敗だ。

 

 現時点で2組の凰さんと3組のクリスさんの優勝の可能性はなくなっており、逆に簪の優勝は確定している。あとは次の試合でもし、織斑君が勝てば簪と同時優勝で、逆に簪が勝てば3連勝で簪の単独優勝となる。

 

 僕は簪に聞きたいことがあったので意を決して聞いてみた。

 

 「あのさ、簪は今でも織斑君のことを恨んでるの?」

 

 「・・・・・・」

 

 簪はしばらく黙っていたけど

 

 「今は気にしてない」

 

 「本当に?」

 

 「うん、確かに最初は専用機が完成しなかったことで織斑君のことを恨んでいたけど織斑君は悪くない。だって織斑君は大人たちの都合に巻き込まれたにすぎないから」

 

 僕はそれを聞いて安心した。

 

 「だから私はこの試合に勝って倉持技研の人たちを後悔させる。白式を作って打鉄弐式の開発を途中でやめてしまったことを」

 

 「うん、そうだね絶対に勝とう簪!」

 

 「うん!」

 

 そして、今日最後の試合となる織斑君との試合の時間がきた。

 

 「簪、時間だよ」

 

 「うん、行ってくるね」

 

 そう言い、簪は最後の試合へ向けてピットから出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 side簪

 

 私は今アリーナ上空で待機している。織斑君はまだピットの中だ。

 

 この試合は最終戦ということもあり、1学年の生徒だけではなく2、3年生の生徒も見に来ていて、全席満席のような状態だった。すると、ピットから織斑君がでてきた。

 

 「すまん、遅れて」

 

 「気にしてないから、いい・・・」

 

 そう言い私は戦闘態勢に入った。すると織斑君も私の姿を見て戦闘態勢になる。

 

 『それでは試合・・・開始!」

 

 織斑君は瞬時に展開した雪片弐型で切りかかってきたけど、私はそれを夢現で受け止めてはじき返す。

 

 私は織斑君が一旦距離を取ろうとするのに気づいて私は春雷を展開し、白式に春雷を放ち見事に命中させてシールドエネルギーを削る。さらに私は春雷を連射して追撃すると、2発は防がれたけど残りは見事に命中して、シールドエネルギーをさらに削る。

 

 織斑君は荷電粒子砲の衝撃に顔をしかめていたがすぐに態勢を立て直し、ぎゅっと右手の雪片弐型を、握りしめていた。

 

 私は何かあると思い、接近させないように春雷を放つ。しかし、織斑君は春雷が放たれる前にイグニッションブーストを使ってきた。

 

 「うおおおおっ!」

 

 そして右手に持っていた雪片弐型が光輝いていた。白式のワンオフアビリティーの『零落白夜』だ。私は予想外のことにかわしきれずシールドエネルギーが7割削られた。織斑君はさらに追撃をしようと零落白夜で切りかかる。

 

 「やらせない!」

 

 私はイグニッションブーストを使い上空に飛んだ。

 

 「なっ!?」

 

 私はマルチロックオンシステムを起動する。

 

 「これで終わり!」

 

 私は白式に48発のミサイルを放った。ミサイルのすべてが白式に向かって放たれた織斑君は零落白夜で打ち落そうとしたが数が多すぎて防ぎきれなかった。

 

 『白式 シールドエネルギーエンプティ』

 

 私は織斑君に勝利し、優勝を決めた。

 

 

説明
クラス対抗戦の開幕です。
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インフィニット・ストラトス、オリ主×簪

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