うちの子達の座談会2015(6)
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【Part.VI お互いをもっと深く詳しく熱く激しく壊れる程に知り合おうか?】

 

トーコ:夜屠さんも機嫌が直ったみたいで良かったよ。

夜屠:…先程の大人げない態度、誠に済まなかった。(ぺこり)

マキ:いや、こっちこそ悪かったよ、ホント。この通り、謝る。(ぺこり)

サトミ:まぁそんな訳だから、さっさと水に流して次の話題に行きましょ?(しれっ)

夜屠:(イラッ)それは貴様が言う事では…まぁいい。(深呼吸) さて今回は、お互いについて知りたい事を聞こう…という事だが。

サトミ:それじゃ私が皆に、お互いに気持ち良くなる方法を教えてあげましょうか?(にっこり)

夜屠:馬鹿は放っておいて…お互いに何か知りたい事は有るか?私の事でも構わんぞ。

サトミ:ちょっと!直球で馬鹿は無いでしょ馬鹿は!!(口を尖らせる)

マキ:じゃあさ、死神の基本情報ってのを教えてくれよ。

トーコ:あ、オレも知りたい!普段何処に居て何をしてる、とか。

夜屠:ふむ。詳細に語るとかなり長くなってしまうので掻い摘んでの説明となるが…簡単に言うと、皆が居る世界の裏側…次元の裏、言わば紙の表と裏みたいなものだが…で生活していて、用があると次元の狭間を開けて行き来している。死神特有の仕事としては主に悪人の駆除と、死者の管理といった所かな。

モエ:死者の管理って?

夜屠:主に魂の浄化だな。死んだ罪人の咎を清算する、いわゆる地縛霊に成らぬ様に死にかけの者の心残りを取り払う、等だ。リサイクルに例えれば、資源ゴミの分別や洗浄だな。他に、世に仇為す者を直接駆除する組織も在る。それが悪人の駆除という事だ。

トーコ:世に仇為す者?

夜屠:例を挙げるなら、大量殺人等の重犯罪者及びそれに準ずる者、戦争の引鉄を引き得る権力者と言った所か。

マキ:「エンマ」(著:土屋計・ののやまさき)で骨を抜かれる対象者ってカンジか…(考えてみりゃ、エンマも一種の死神なんだな)…その辺、どうやって決めてんだ?特に権力者とかって、選考基準はかなり重要な問題だけど?

夜屠:死神界上層部の判断だな。因みに上層部に逆らった死神は、逆に駆除対象として認定されてしまうのだ。

サトミ:…その上層部の判断って、絶対に間違い無いのかしら?

トーコ:だよな。人類の歴史を見ても…高い目標を掲げる人達が始めた当初こそ正しいと言える方向へ向かってたのに、代替わりを重ねる内に段々おかしな事になる…って流れは定番だもんな。

夜屠:悪いが、その質問には返答しかねる。少なくとも今迄私が携わった範囲については、皆が懸念する様な違和感や疑問など微塵も無かったな。まぁ時期や配属地域によっては判らんが…。

マキ:そういうモンかねぇ…。

サトミ:生活費ってどうしてるワケ?というか、死神の間でも貨幣経済が発達してるのかしら?

夜屠:死神界独自の通貨も有るし、人間界の貨幣との為替レートも存在している。人間界で商売している者達の間で調整しているそうだ。それから職業について言えば、先程述べた死神稼業以外にも人間界同様に、農業・畜産業に店を開く者、各種サービス業及び会社を営む者も居る。中には人間界に居を構えて商売をしているのも居るな。因みに死神稼業に就いている私の立場は、言わば死神界の公務員だ。

マキ:正直、どれぐらい給料が出てるんだい?

夜屠:ま、中小企業の平社員程度…と答えておこうか。死神稼業にもランクが在って、階級が上がれば給与も増える仕組みだ。

モエ:そのお金って、何処から出るんですか?

トーコ:そうだな。死神稼業自体は利益が上がる訳じゃ無いだろ?

夜屠:先程述べた通り公務員だからな。要するに死神界にも国家・市町村の様な概念が有り、同時に各種税金も有るという事だ。

サトミ:保険なんかはどうかしら?

夜屠:保険か…(暫し思案)…無いな。我々死神には余り意味が無いのでな。我々死神は皆、自在に空を飛べるので交通機関自体が存在しないし、人間と異なり病気を患う事も無いので、医療も発達しているとは言い難いな。因みに苗字が存在しないなど、家族間の繋がりというのは人間に比べて乏しい気がするな。

マキ:死神の世界って言うか国って、どんな感じなんだ?…何か漠然とした質問で悪いけど。

夜屠:気候は死神界共通で、年間通じて温暖だ。日本で言うと夏と秋の間位で、季節の概念は無く年中同じ様な気候だ。動植物は人間界には存在していない、独自の物が多いな…尤も情報を含めて人間界への持ち出しは御法度なので、残念ながら説明しかねるが。丁度水墨画の様な…全体的に余り色味の無い風景だな。

モエ:じゃ、逆にこっちの物を向こうに持ち込むのもダメですか?

夜屠:元々は禁止だった筈だが…何処かで歯止めを失ったのだろう、最近は色々と流入しているな。人間界の動植物は向こうで生育するのが難しいのでほぼ皆無だが、書物や電池駆動の家電品は高値で取引されている様だな。人間界では100円で買える様な時計も、向こうでは貴重品扱いだ。

トーコ:例えばオレ達がそっち側(死神界)に行ったりも出来るのかい?

夜屠:我々が開けた次元の狭間は誰でも通れるので、極稀に人間が死神界に迷い込む事も在るな。尤も、発見次第記憶を書き換えて人間界に戻される訳だが。…極稀にこの記憶の書き換えに失敗して、人間界で「死後の世界を見た!」等と吹聴する者も居るらしいが…。(薄笑)

モエ:あ!今更ですけど…死神の皆さんは日本語で会話してるんですか?

トーコ:…言われてみりゃ、確かにそうだな。当たり前の様に会話してたから気付かなかったけど。

夜屠:基本的には在住地域の人間の言語を借りているが、死神特有の言語…と言うか一種のテレパシーが在ってな。言葉を介さず、直接的な意思の疎通も可能だ。

サトミ:文化文明はどうかしら。悪いけど、その格好を見る限り…余り発展して無い印象だけど?

夜屠:この服は私の死神の力の具現化であって、全死神がこの格好では無いのだがな。(苦笑) 文明については確かに、御世辞にも発展してるとは言い難いが…それは必要が無いからだ。既に述べた通り交通機関は存在すらしていないし、医療系も大して発展していない。更に工業系は疎くてな…インターネットどころか、そもそも電気が無いのだ。これは鉄が存在しないのも原因だが…文明レベルとしてはせいぜい日本の明治初期辺りか。勿論、テレビもラジオも一切放送されていない。

マキ:そんなんじゃ、退屈でしょうがねーんじゃねーの?(呆)

夜屠:(苦笑)一応音楽や書物に絵画、スポーツ位は在るがな。死神自体、元々温厚でのんびりとした種族らしい。年中変化の無い気候も影響しているのだろうな。環境も生活も人間性(?)も、人間界の田舎そのものだ。良く言えば実に平穏、悪く言えば兎に角刺激が無い。人間界に一度慣れてしまうと、なかなか戻り辛い所だよ。

トーコ:成程ねぇ…それにしても、随分事細かに設定してあるモンだな?(主注釈:頭ン中に全体像はぼんやりとは有りましたが、今回の明文化は頑張りましたよ…マジでッッッ!!)

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…… …… …… …… …… ……

 

サトミ:…ところで話は変わるけど、トーコちゃん。貴女、スカート丈は弄(いじ)って無いのね。

トーコ:ん?あ…あぁ、そうだけど。…それがどうかしたか?

サトミ:貴女位の歳の娘って、脚を長く見せようとして、スカートを短くしてるイメージだけど?…派手な顔立ちの割に、良く見たらアクセサリーらしき物も左腕のリストバンドしか着けて無いのね。

トーコ:んー…オレの場合、この髪や瞳の事があるからさ、制服の着こなしはキチッとしておきたくてね。そもそも中高共々、入学ン時は結構揉めたんだぜ?「髪染めろ!カラコン着けろ!いくら成績が良いからって何でも赦されると思うな!」ってさ。(主注釈:トーコは入学試験で全科目満点を達成、学費全額免除の特待生として入学している。)

マキ:そりゃあ間違い無く言われるだろーな、その色は。

トーコ:確かにやろうと思えば出来たんだけどさ…そうなると髪なんて生え際を毎日の様に染め直さなきゃいけないし、コンタクトだって毎回着け外ししなきゃだろ?金も掛かるし、髪なんて滅茶苦茶傷んじまうし。で、オレ(トーコ)がそうなら他の生徒はどうなんだ、って生徒会辺りを焚き付けた奴等が居たらしくてさ。

モエ:「アイツだけ許されて、俺達私達はなんで髪染めちゃいけないんだ!カラコン着けちゃいけないんだ!」…ってカンジですか?

トーコ:そ。オレだけに強要すると、他の生徒に示しがつかなくなる…って事で、結局現状維持でOKされたってワケさ。その代わり、ちゃんと生徒手帳にも明記されてんだ、ホラ。何か言われた時に直ぐ出せる様に、肌身離さず持ってるんだ。まぁ…入学時を知らない新任の教師だと中々信じてくれない人も居るし、相変わらずオレを目の敵みたいに思ってる奴も居るみたいだけど。

(トーコ、生徒手帳の該当ページを皆に見せる。)

マキ:就学規則とやらも色々書いてあるんだな…アタシはそもそも学校ってモンに通った事自体無いから、どうもピンと来ないけどさ。

夜屠:余談だが主の妹君も、天然パーマ(ゆるふわ)と髪の色(かなり赤っぽい茶髪)について、入学時に学校側から事前承認を受けたそうだ。(※実話)

マキ:因みにさ…何でそんな事に気が付いたんだ、サトミ?

サトミ:ん?そりゃあ隣に居る私から、トーコちゃんの素敵な太腿がまるで見えないから気になっただけよ。

トーコ:ッッッ!!(真っ赤な顔で慌ててスカートを抑え込む。)

モエ:え、えーっとぉ(汗)…トーコさんって、アクセサリーは着けないの?

トーコ:お…おぉ、ペンダントやチョーカー位は持ってるよ…全部100均だけど。(苦笑) でも学校に着けて行くモンじゃ無いし動くには邪魔だから、結局家に置きっ放しだな。因みにピアス穴も開けて無いよ。ほら。(髪を上げて耳を見せる)

マキ:トーコって荒っぽい言葉遣いの割に、中身は随分お堅いんだなー…。

サトミ:そう言うマキ、アンタはどうなの?実は人には見せられないトコにもピアスしてんじゃないの?(ニタァ)

マキ:あ?何でそう思うんだ?

サトミ:だって色々と経験してるんでしょ?調教には良く有る話じゃないの、あんなトコとかこんなトコにピアッシングされるとか…。(にやにや)

トーコ:アンタは少しエロから離れろっ!!

マキ:あー…そういう話?(呆れ顔) まぁ確かに、ピアスだの刺青だの焼き鏝(ごて)だの、実際にヤられた事も有るけどさ…アタシの場合ピアスなんて抜いたら穴はすぐ塞がっちまうから、痕すら残って無いぞ。刺青だろうが焼き鏝だろうが、やっぱり何の痕も残って無いね。

サトミ:…本当かしら?折角だからちゃんと見せて頂戴よ。(ニヤリ)

夜屠:貴様、冗談もいい加減にしろ!(怒)

サトミ:あはは、勿論冗談よ!流石にここで脱げなんて言わないわよ!

モエ:…じゃあその耳朶(たぶ)の赤いピアスはどうしたんですか?

マキ:んー?実はコイツだけは…(指でつまむ)…アタシもよく分かんねーんだ。何度ド派手に死んで甦ってもちゃんと付いててさ…どんな理由かは知らないけど、どうやら体の一部って事らしいや。

トーコ:因みに夜屠さんの顔のソレ(目元の赤い模様)は刺青、それともペイント?

夜屠:肌に塗料を塗ったものだが、洗っても落ちない特別な物でな。死神界に於ける成人の儀式みたいなもので、各々顔に好きな柄を入れるのだ。人間界に紛れ込む時は念の為、化粧で隠すのが一般的だな。

サトミ:単純なデザインだけど、他の人と被ったりはしないワケ?死神人口がどの程度かは知らないけど。

夜屠:被っても別に構わんのだ。現に友人同士でお揃いにしたり、憧れの先人と同じ柄を入れる者も居る。大きさにも決まりは無いので、顔の半面以上塗っているのも居れば、逆に殆ど判らない様なのも稀に居るな。

マキ:ふーん…さてトーコ、アクセサリーは煩わしいって言ってたけどさ。だったらその左腕のリストバンドは?

トーコ:…あぁ、これは…。(リストバンドを外すと、手首の大きな痕が露わに。)

モエ:……!(絶句)

トーコ:(リストバンドを付け直す)…コレ隠す為に着けてんだ。まぁ…中学ン時に色々あってね。

マキ:そっか…大変だったんだな…。(溜息)

トーコ:いやいや!こんなのマキちゃんに比べりゃ大した事じゃ無いだろ?オレにとっては思い出したく無いってだけの、単なる昔話さ。マキちゃんなんて、期間が文字通り桁から違うだろ?

夜屠:…そもそも実際の所、不死人とはどれ程の生命力なのだ?

マキ:生命力、ねぇ…まぁゴキブリの比じゃ無いよね。大体、例えに出されるゴキブリだって、所詮スリッパで一撃されて終わりじゃん?アタシは煮ようが焼こうが爆破されようが、それこそ溶鉱炉に落とされようとも戻って来るからな。

サトミ:流石に今此処でやれ、なんて言わないけど…どうやって復活するワケ?

マキ:損傷状況にもよるけどね。映画「ターミネーター2」に出てたT?1000って敵キャラが居たじゃん?基本はあんなカンジ。爆死みたいに全身駄目になった場合は、心臓辺りを中心に再生してるらしいよ?自分じゃ直接見られないから、人から聞いた話だけどさ。

トーコ:T?1000ってコトは…ひょっとしてマキちゃん、他人に変身とか出来たりするのか?(わくわくどきどき)

マキ:んー…他人に化けるのはちょっと無理だね。どっちかってーと設定上の問題って気がするケド。(主注釈:当初は他人への変身も出来る設定でしたが、それを認めると話がとっ散らかりそうなので取り止めました。) まぁその代わり身体の一部を、服にしたり武器にしたりなら出来るよ?ほら、こんな感じ。

(そう言いながら右手を漆黒のガントレットに変化させる。)

トーコ:おぉお、すげぇ、すげぇっっっ!!(大興奮!)

モエ:わぁ、スゴイ!特撮ヒーローみたい!!(拍手)

サトミ:(マキの右手に触りながら)これは随分頑丈そうね…でも、真っ黒なのはどうして?

マキ:別に…色も柄も変えられるんだけどさ。(そう言いながら右手の色や柄を次々と変化させて見せ、再び元の漆黒に。) …結局これが一番落ち着くから、かな?派手なのはどうも苦手でね。因みに普段着ている服なんかも、実は同じ様なモンでさ。気分で変えたりとか、厚着して汗をかいたら薄着に変更、とか自由自在!但し…身体から離れて一定時間経過すると分解・消滅しちまうんで、タイプCは迂闊に服も脱げないのさ。アイツだけは他の人格と違って服を再生出来ないんでね、着替えは手放せない。

モエ:脱いだら消えちゃうんですか?…じゃあ、お風呂はどうしてるんですか?

マキ:着替え…つまり普通の服が別に有るなら別に問題無いさ。無い場合は人格交代までお預け!…てか、そもそも風呂だってそんなに入れる身分じゃ無いけどな。(苦笑)

サトミ:(鼻を近付けて)…その割に、特に体臭はしないわね。最近入浴した?

マキ:理屈は知らないけど雑菌とか、アタシの身体では一切繁殖出来ないらしいや。お陰でブーツを一日中履いても足が臭ったりしないし、口臭や虫歯も一切無し!細菌・ウイルス性の病気も全く罹(かか)らない。まぁ…風邪くらいは引くけどさ。

夜屠:成程、便利な体質だな。しかし…それ程の能力なら、別段苦労せず生きて来られたのでは?

マキ:いや、その辺がねぇ…この人格(タイプT)は、三つの人格の中では一番後に生まれてンだけどさ。…本来の人格はタイプSって、丁度アンタ(夜屠)みたいなクールな戦士でね。コイツはメチャ強いんだけど、コミュニケーション能力皆無なのさ。各地の戦場を渡り歩いてる頃は良かったんだが、平和になっちまうとどうにも居場所が無くて…とうとう独りぼっちに耐え兼ねてもう一つの人格を生み出したんだ。それがタイプC。

サトミ:ぼっちが苦痛だからってそんな簡単に、多重人格になるものかしら?

マキ:あのさぁ…言葉じゃ簡単に聞こえるかもだけど、数十年とか数百年単位の話だからな?…でさ、このタイプCってのが、何て言うか…残念な奴でねぇ。(溜息) 人懐っこくてコミュニケーション能力は高かったんだけど、引き換えにこういう…言わば戦う力っての?を全部封印しちゃったモンだからさ。世間に不老不死ってバレた途端にとっ掴まって。後は御想像の通り、変態共のオモチャにされたりイカレ科学者連中の実験動物にされたり、あらぬ疑いを掛けられて拷問漬けとか…正に地獄の日々へと真っ逆さま!

モエ:やっぱり、色々大変だったんですね…。(溜息)

マキ:んで、またコイツが無駄に我慢強くてさ。どんなに酷い目に遭っても"自分さえ我慢すれば…"って、何せ本当に何でも我慢出来ちゃう身体だし。クソ連中に好き勝手ズタボロにされた挙句、タイプSが目を覚まして連中を皆殺しにして、やっと自由になる…ってのがお決まりのパターンだったな。そんな状況をこれまた数十年、数百年と繰り返す内に…流石のタイプCも、やっとこさ"やっぱりこのままじゃダメだ、まずは捕まらない様にならなきゃ…"って考える様になって。その結果生まれたのが両人格の特性を兼ね備えた今のアタシ、タイプTってワケだ。言ってみりゃ、タイプCとタイプSの良いトコ取りだな…まぁ中途半端とも言うケド。(苦笑)

モエ:はぁ…因みにマキさんって歳は幾つなんですか?

マキ:さぁ?まず誕生日から判んねーし、自分の歳なんて数えた事も無いから見当もつかないし、今更興味も無いね。少なくともこの見た目は、何処に行っても未成年扱いされてるけど。

サトミ:ねぇ、今更だけど…アンタの話に出て来てる、その…タイプ云々って何なの?

マキ:…あれ?説明して無かったっけ?…Cは猫(Cat)、Tは虎(Tiger)。Sはちょっと強引だけどサーベルタイガー(Savior Tiger)の略でさ。それぞれの人格を呼び分ける為に決めたんだ。普段はお互いに「ネコ」「トラ」「キバ」って呼んでるけどね。

トーコ:身体は一つだろ、お互いの認識とか記憶ってどうなってんだ?

マキ:記憶は共有してるよ。何があって、その時何を感じ何を思って、どう考えて何をしたか、もね。隠し事なんて一切無しだ。ただ別人格同士での会話なんて事は出来ないからさ、意見交換する場合は筆記だね。交換日記って言った方がしっくり来るかい?

モエ:アナログですねぇ。…その日記って、見せて貰う事は出来ますか?

マキ:ちょっと待って…(鞄を漁る)…あぁ有った。ほら、どーぞ。

夜屠:(頁を捲りながら)…ふむ、確かに字体も言葉遣いもバラバラだな。それと所々に絵まで入っているが…どうやらこれは皆、同じ者が描いた様だな。

トーコ:へぇ、本当に3人で書いてる交換日記みたいだな…ん?各人格の出番って、結構偏りが有るのか?

マキ:お、気付いたかい?言葉遣いは勿論、癖や好き嫌いなんかもバラバラさ。各人格の出現率を大まかに言うと、平常時でC:T:S=6:3:1位かな。タイプSは基本ピンチの時しか出て来ないし。

サトミ:ピンチ…ったって、不老不死のアンタにとって、ピンチって何よ?

マキ:さっき言った監禁状態からの脱出とか、嫌な連中に追われてる時とか、命の危機とか、さ。まぁ確かに命の危機ったってどうせ死なないけど、やっぱり死ぬ程痛いのも嫌だし、外道共に掴まるのも嫌だし、危険なのが自分自身だけとは限らないからな。そもそも痛みだって、怪我自体は回復しても暫く残るんでね。

トーコ:人格の入れ替わりってどういう時に起こるんだ?例えば今、他の人格に切り替わったり出来るモンなのかい?

マキ:入れ替わるのは、寝るとか気絶するとか一旦死亡するとか、要するに意識が途切れた時さ。次の人格を決める権利は直前の人格に有るけど、不意に意識が途切れたらその限りじゃ無いね。

サトミ:折角だから、タイプCの時にも会ってみたいわね…仲良くなれそう。(舌なめずり)

マキ:まぁ次回が有ったら覚えておくよ…念の為アンタには先にハッキリ断わっとくケド、大人しいからって変なコトすんなよ?…さっきも言った通り、人格が違っても記憶はちゃーんと共有してっからな?変な事すっと、後で仕返しに行くぞ!

サトミ:(チッ!) 因みに…今までどんな受虐経験が?今後の参考の為に聞きたいんだけど。

トーコ:何の参考だよ!?

マキ:(呆れ顔)…そりゃあもう、ヒデェとしか言い様が無いね。幸せな時期が全く無かったとは言わないけどさ。…記憶の大半、変態共のオモチャか実験材料のどっちかだよ。でも変態オヤジ共の慰み者にされてる時なんてのは、まだ大分マシな方でね…宗教が煩かった頃には、魔女だの悪魔だの言われて地下牢で延々と尋問拷問だとか。他にもキチGuy共に監禁されて、面白半分で延々と繰り返し暴行されたりだとか。

夜屠:…それでよくトラウマにならなかったものだな…。

サトミ:人間嫌いにもね。アタシだったら確実に、そいつ等皆殺しだわ。

マキ:その辺がタイプCなんだよな。まぁ結局どっかのタイミングでタイプSが出て来て、全員血祭りにして来てるけどさ。…それとアタシ、薬物の類が全く効かねーんだ。どうも免疫に加えて代謝も物凄いらしくてね。お陰で毒だの怪しい薬だのをどれだけ盛られても平気なんだけど、代わりに麻酔とか鎮痛剤も一切効かなくて…想像出来るか?イカレ研究者共に拘束されて麻酔抜きで解剖されたりとか、アタシを喰えば不老不死になれると勘違いしてる連中に文字通りムシャムシャ喰われたりするんだぜ?

モエ:ギャーーーー!!聞きたく無いっ!!聞きたく無ーい!!(必死に耳を塞ぐ)

マキ:(モエの耳元にそっと近付いて)おまけにアタシは意識も簡単には飛ばなくてさぁ…身体中をズタズタに切り刻まれる激痛に悶えながら、失神するまで自分の腹から次々臓器が取り出されて行くのを、ずーーーーーーっと見てるんだぜ…?(ニヤリ)

モエ:????????!!(ばたんきゅー)

トーコ:も、モエちゃん!?(慌)

夜屠:平宗百恵、大丈夫か!?(モエを抱き起す)どうやら怪我は無いな…失神しただけか。(安堵の溜息)

マキ:ありゃま…こりゃあ失礼。いやぁ、余りに怖がるからさ…段々面白くなっちゃって。(てへぺろ)

サトミ:(はっ!…くうぅ、ま、またしても絶好のチャンスを…ッッッ!!)(歯ぎしり)

夜屠:仕方ない、平宗百恵が目を覚ます迄、暫く休みを入れるか。…マキ!後できっちり詫びを入れるのだぞ!

マキ:へーい…。

(夜屠、モエを抱えて退出。)

 

…… …… …… …… …… ……

 

サトミ:…因みにさっきの話だけど。(顔を近付ける)…アンタの肉を食べたら不死身になったりする訳?

マキ:(両手を交差させて)残念ながら。食感とか味はともかく、どうせ腹の中で消滅するだけだし。そもそも調理なんかしようモンなら、出来上がる前に途中で全部消滅して終わりだよ。

トーコ:消滅?

マキ:百聞は一見に何とやら…ちょっと見てな。

(先程武器化した右手で左手の掌を少し斬る…と、間も無く傷口は跡形も無く塞がり、机に垂れていた血も蒸発する様に消える。)

トーコ:へぇ!不思議なモンだな。

サトミ:肉片もこんな感じで消える訳ね…。

マキ:そういう事。研究者共の話じゃ、どんな密閉容器を使っても何にも残らなかったってさ。理屈は知らんけど、まぁそういうモンなんだろね。

トーコ:あ…そういやぁさっき、怪我すると傷は治っても痛みは残る、って言ってたじゃん?例の強い人格とやらが出て来た所で、既に全身ボロボロだったら何も出来ないんじゃ?

マキ:鋭いね、御指摘の通り!でもその辺は流石戦闘狂ってな所でね。傷の超回復に加えて、意識的に痛覚を遮断出来るのさ。血が吹き出していようが、腕がもげようが、そのまま回復しつつ強引に戦闘を続行出来るワケ。例えば銃弾の雨霰に真正面から突っ込んだりとか、地雷原で次々爆発する中を走り抜けたりとかさ。

トーコ:無茶するなぁ…痛いのも死ぬのも怖く無いってか…ん?地雷とか、即死したらダメなんじゃ?

マキ:その辺は一応、ギリギリ死なない様には気を付けてるらしいや。即死じゃ痛覚も何も関係無いし、死んだ後を引き継いだ人格がタイプCだったらアウトだしね。

サトミ:痛覚遮断なんて便利その物って印象だけど、やっぱり何かしらのデメリットも有るワケ?

マキ:実は…これは他の人格でも一緒だけど、人格が代わっても痛みなんかはそのまま持ち越されるんだ。つまりタイプSは痛覚遮断で気にならなくても、それを引き継いだ人格は激痛でのたうち回るってコト。タイプSの奴…怪我は勿論、肉体の限界も無視して暴れるモンだから、傷の疼痛は勿論、筋肉痛どころか筋繊維断裂に疲労骨折、その他諸々のオマケ付!だから出来る限り、勘弁して貰いたいんだけどねぇ…。(溜息)

トーコ:だったら痛みが引くまで、タイプSが痛覚遮断とやらを維持すればいいんじゃ?

マキ:…残念ながら、タイプSは一度引っ込むと再び出て来るまで大分掛かるんだ。オマケにひと暴れするとすぐ寝落ちしちまうのさ。まぁ無茶が出来る代償って事かな?

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…… …… …… …… …… ……

 

(奥のドアが開き、夜屠とモエが部屋に入って来る。)

トーコ:お、御帰り。モエちゃん、もう大丈夫かい?

モエ:は、ハイ。お騒がせしてスミマセン。(ぺこり)

マキ:ホントに御免な、モエ。(ぺこり) …ビビってんのが可愛くて、ついつい調子ン乗っちまったよ。(てへぺろ)

夜屠:…本当は大して悪いと思って無いだろう?(呆)

サトミ:もうほら、また思い出させちゃうと悪いから、話を戻しましょ!えーと、今度はモエちゃんに質問、良いかしら?

モエ:はい。何ですか?

サトミ:今のその格好は変身後でしょ?今ここで、変身解除って見せて貰えるのかしら?

モエ:あ、いいですよ?じゃあちょっと離れて下さいね、まずは一度元に戻りますから。

(モエが胸元で両手を組むと頭上に赤い魔方陣が現れ、CTスキャンの様に足元まで降りるのに従って変身前の姿に。)

マキ:あ、随分あっさり終わるんだな。

サトミ:あっさり過ぎて、見ていて物足りないわね。

夜屠:…物足りないとはどういう意味だ、牝洞紗桃美?(ジロリ)

モエ:えーっと、それじゃもう一度、変身しますね?

(モエが再び胸元で手を組むと今度は足元に青い魔方陣が現れ、頭上へと昇るのに合わせて変身。)

モエ:…っと、こんな感じです。

トーコ:成程。変身グッズみたいなのは使わないんだな。

モエ:あー…言われてみると確かに、変身ベルトとか魔法のステッキみたいなのは無いですねぇ。武器としての魔法の杖みたいなのは在るんですケド。

マキ:随分スマートなモンなんだなー…魔法少女の変身って言えばさぁ、こう…呪文を唱えながらステッキを振り回して踊ると謎の光に包まれて、一度全裸になってから各パーツを装着して、最後にドヤ顔で決めポーズ!…ってイメージだったんだけど…。(一通り真似して見せた。) これも時代かねぇ?

モエ:あはは、マキさん上手!!(拍手)

サトミ:確かに、変身は全裸を挟むのが私の時代の基本よ!

トーコ:どんな時代だよ!?

夜屠:確かに一部のアニメーションでは、変身に全裸のシーンを挟む作品も在ったらしい。勿論、そういった趣旨の作品では無かった筈だが…。(呆れ顔)

マキ:因みに魔法とやらも、見せて貰えるのかい?

モエ:うーん…ここでやるとちょっとマズいかも。基本はモンスターを出したり、大雨を降らせたりって大袈裟な魔法ばかりなので…。

トーコ:何か小さな魔法ってのは出来ないかい?例えば指先から花を出すとかさ。

サトミ:…それ、もう魔法じゃ無くて手品じゃないの?

モエ:花では無いですけど、それに似た事は出来ますよ?見てて下さいね。

(モエが皆の前に右手を差し出し何かを唱えると、掌に立体映像が飛び出す。)

トーコ:おお!何か出て来たぞ!?スゲー!(喜)

マキ:ん?この形って…ひょっとして主か?

モエ:はい、当たりです!(にっこり)

夜屠:成程、立体映像か。こうしてみるとどんな形状をしているか、良く解るものだな。

サトミ:何でよりにもよって、あの雑菌なのよ…。他の…例えばこの中の誰かを出したりは出来るのかしら?

モエ;いいですよ、じゃあちょっと待って下さいね…(手を握って主の映像を消すと、再び手を開き何かを唱える。)

トーコ:お、出て来た…スゲェ、夜屠さんだ!(驚)

サトミ:良く出来てるわねぇ…コレ、例えば下から覗くとか、ひっくり返す事も出来るのかしら?

夜屠:な?何を考えている、牝洞紗桃美!

モエ:うーん…すみませんケド、覗いても何も無いですよ?ホラ。

(夜屠の立体映像が引っ繰り返るが、服の中は構成されていない。)

サトミ:んー残念…どんな下着を履いてるか、見られるかと思ったんだけど…。(溜息)

夜屠:きっ貴様、何を言うか!?(怒)

トーコ:ところでコレ…何に使うモンなんだい?

モエ:まぁ携帯用の写真みたいなモノですねぇ…例えば人探しとか、好きな角度で見られるから似顔絵や写真より便利なんです。立体的な地図を出したりとかも出来ますよ。

マキ:成程ねぇ、嵩張らないもんな。確かに便利だ。

サトミ:これ、折角だから細部まで再現出来ないのかしら?

モエ:…この立体映像を創るには、予め情報を頭に入れておく必要があるんですが…例えばさっきの夜屠さんの映像の場合、一度…その、見せて頂ければ細かい部分まで精密に再現出来る、とは思います…ケド。

サトミ:要するに一度、隅から隅までモエちゃんに見せる必要がある、と…。(ちらっ)

夜屠:おい牝洞紗桃美!何が言いたい!?

サトミ:…。(ちらっ)

トーコ:ギクッ!!お、オレは嫌だからな!(汗)

サトミ:…まだ何も言って無いけど?もしかして、心の底ではそういうのをお望みかしら?(クスクス)

マキ:冗談はその辺でやめとけよ、サトミ。(呆) …あ、そうだ。今度はサトミに質問なんだけど?

サトミ:あら、何かしら。好きな体位とか?

マキ:ンな事ァ聞かねーよっ!アンタ御自慢のその触手、一体どうやって手に入れたのさ?

サトミ:あぁ、そっち?…私が大学図書館の司書なのは最初に教えたわね。ある日、図書館の古い所蔵品を少し整理していたらその中に「悪魔の書」みたいなのが在ってね。…今思うと、他の本はどれも埃を被ってたのに、その一冊だけは埃も付かず妙に綺麗だったのは不自然なんだけど…気になって、手に取ってページをパラパラ捲ってたら突然、何処からとも無く私の後ろに悪魔が現れてね。

夜屠:悪魔?…一体何者だ?

サトミ:さぁ?知らないわ。背の高い初老男性みたいだったけど、帽子で顔が陰になっていた分、眼が赤く光ってたのは良く覚えてるわね。…で、ソイツが「お前の願いを叶えてやろうか?」なんて言うモンだから。「じゃ、宜しく!」って感じよ。

トーコ:そ、そんな簡単に?相手が何者なのかも良く判って無いのに!?

サトミ:ん…今思うと、若気の至りかしらね?…ただその時、根拠も信用も無い筈の、ソイツの言葉に妙な説得力を感じたのは確かよ。実際こうして力を与えられてる訳だし。

モエ:悪魔って「願いを叶える代わりに魂を寄越せ!」とか言うイメージなんですケド。交換条件とかは無かったんですか?

サトミ:ええ、勿論有るわよ。未だに良く判って無いんだけど、アイツにとっては若さのエキスみたいな物なのかしらね。何時もコトの終わり頃に現れては、私が相手した子から吸い上げて帰って行くのよ。

マキ:吸い上げる?

サトミ:文字通りよ。その時の悪魔は人の姿をして無くて、二本足で立つアリクイの化物みたいな格好でね。で、その細長?い口を、相手の子のオ…

夜屠:他の表現は出来ないか?

サトミ:何よ、もう…まあ要するに、文字通りチューチュー吸い上げるワケ。

トーコ:…吸われた相手はどうなっちまうんだ?

サトミ:これは私も意外だったんだけど…私が知る限り、何も無いわね。吸われたその後も皆、元気なモンよ。何か様子が変わったなんてのも無いわ。吸われる当人は失神してるから、悪魔は一切見て無いし。

モエ:あー…良かった…。(安堵の溜息) ミイラになったらどうしようかと思っちゃいましたよ。

夜屠:却って気になるな…目的は結局何なのだ?

サトミ:そんな事、私が知る訳無いでしょ。ただ私が獲物を捕るのを辞めたら多分、今度は私が獲物にされるんでしょうね。

マキ:要するに、マメに相手を探してヤらなきゃいけないって事か?

サトミ:ま、そういう事ね。好きモノの私には、別にどうって事無いノルマだけど。…そんな訳だから、一回位協力してくれないかしら?(そっとトーコの手を握る。)

トーコ:こ、断るっ!!(慌ててサトミの手を振り払う。)

マキ:(呆れ顔)…で、その触手を手に入れた経緯は分かったけどさ。アンタの身体、一体どうなってんだ?

サトミ:あぁ、気になる?じゃあ見せてあげるわ、ホラ。

(サトミが上着を脱ぎ、皆に背中を見せる。)

モエ:あれ?何も無いんですケド…キレイな背中ですよ?

トーコ:いや…良く見ると、透明な何かで模様が描かれてるぞ?魔方陣みたいだな。

マキ:ふーん…(指でなぞる)…これ、刺青みたいなモンか?

サトミ:あン、くすぐったいわよ。…刺青かどうかは知らないけど、まぁ肌に直接刻まれてるのは確かね。

トーコ:…そういやサトミさんって…失礼だけど、歳は幾つ?

サトミ:あら、言って無かったかしら。49歳だけど?

モエ:へ?(驚)

トーコ:マジか!?(驚)

夜屠:やはり悪魔の力とやらの賜物か?

サトミ:ええ、そうよ。この肌艶をずっと保てるのも、悪魔のお陰。ババァになったら幾ら誘惑しても若い子は寄って来ないから、本当に有り難い話ね♪

モエ:サトミさんは、マキさんみたいに不老不死なんですか?

サトミ:それはどうかしらね。マキちゃんみたいに酷い目に遭った事は無いから、不死身かどうかまではちょっと判らないわ。怪我の治りは普通の人より早いみたいだけど。

夜屠:(大鎌・咎裁を構えながら)不死身かどうか、この際試してみるか?

サトミ:却下!アンタ、本気で殺る気満々でしょ!?(汗)

マキ:(サトミの肌を繁々と眺めながら)最近は美魔女とかいう若作りな女が人気らしいけど…これはもう次元が違うな。

トーコ:…マキちゃん、住所不定無職なのに、そういうワイドショー的な情報は一体何処から仕入れてんだ?

マキ:そりゃ決まってんじゃん?週刊誌とかスポーツ新聞をこう、公園とかコンビニのゴミ箱から…。(ゴミ箱を漁る真似)

トーコ:やらんでいいっ!!

夜屠:…で、例の触手がこの魔方陣から生えて来る訳か。

サトミ:そうね、折角だからお見せしましょうか?

マキ:お、頼むよ。(わくわく)

(サトミが軽く目を閉じると、背中の魔方陣が赤く光り、様々な形状の触手が生える。)

モエ:ひゃあ!で、出たっ!!(尻餅)

マキ:へぇ、生え際はこんな感じなのか…(魔方陣を触る)…ふーん、触手は出て来てるのに、逆にアタシの手が魔方陣に入り込んだりはしないんだな。

サトミ:マキ…アンタ、本当に長生きするわ…(呆)…って、そもそも不老不死だったわね…。(溜息) 因みに普段は私の意思で動かすけど、万が一の時は各自独立した思考で動くのよ。宿主と寄宿生物みたいな関係かしら。

夜屠:随分と色々な形状が在るのだな。

サトミ:まぁ必要とか、その時の気分に応じて、ね。因みに同時に出せるのは魔方陣が埋まるまでよ。太い触手は力も強いけど、代わりに同時に出せる本数が減る…って事ね。

トーコ:な…なぁ、この触手…何だか全部、オレの方を向いてる気がするんだけど…?(滝汗)

サトミ:ん?そりゃあ…ねぇ?触手達もトーコちゃんがお気に召したみたいよ?ほら皆、折角だからご挨拶なさいな?(ニコニコ)

(触手達がゆっくりトーコに近付くと、代わる代わる顔を撫で上げる。)

トーコ:うっひぃいいいい!?(ぞわぞわっ)

夜屠:!!(大鎌・咎裁を構える)

サトミ:夜屠、今手を出すと却って危ないわよ?…トーコちゃんが。(多分夜屠なら一瞬でケリを着けるだろうけど…折角だし、ね?)

夜屠:ぐっ…!!す、済まぬ、益良雄統虎…っ!(歯ぎしり)

サトミ:んもう、大丈夫だってば。トーコちゃんも、犬に舐められてるとでも思ってリラックスなさいな。それ以上何もしないから…今日の所は、ね?(ニヤリ)

(散々トーコの顔を撫で上げて粘液塗れにすると、触手達は満足気な様子でサトミの背中に消えて行く。)

トーコ:うぇえええ…顔中ベトベトだぁ…しゃ、シャワー…シャワーを浴びさせてくれぇ…。(泣)

マキ:どれどれ…(トーコの傍に来たかと思うと、顔に付いた粘液を指で掬って舐める)…何だ。どんな味かと思ったら、特に美味くも不味くも無い…か。(がっかり)

モエ:…マキさん…。(呆)

サトミ:(服を直す)…さて、私の話はこれ位かしら。皆がっつり語ったから、大分長くなっちゃったわね。この話題はこれで終わりとしましょうか?

トーコ:しゃ、シャワー…シャワーを…。(泣)

 

【to be continued...】

説明
 まだまだ終わらない座談会。今回は各自の詳細設定的な事を。
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