艦これショートストーリー = イベント篇 =
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今年も無事にイベント海域を終えた提督一行。

 

前回の雪辱も晴らせたという事で上機嫌ではあったが、やはり不満がないと言えば嘘になる期間だった。

 

そんな彼らはイベントを終えた日の夜、ブイン第二基地のある島内の「居酒屋鳳翔」では提督と艦娘たちによる「お疲れ会」なるものが行われていた―――

 

 

 

 

 

 

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「えー…前置きはお前らが騒がしくするのでさて置き…今回も無事にイベントを終えたという事で…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

乾杯ッ!!」

 

 

 

「「「「「「「「「「かんぱぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!!!!!」」」」」」」」」」

 

 

 

勢いよくジョッキやグラスが鳴り合う音が大部屋の中に何度も響き、宴会の始まりを彩る。

酒類を飲む者や中には未成年ということでジュースやお茶類で付き合っているというのも少なくはない。特に駆逐艦や軽巡はその類が多く、中には見た目と反し酒が飲めないというのも居れば、駆逐艦であるのに酒を飲む者も居る。

そんな中、提督は仕事上と健康上から酒は口にせず、今回もウーロン茶での参加となった。

 

 

「…毎度思うけど、あんた軍とかでの付き合いもそうなの?」

 

「仕方あるまい。前もって断りは居れてるし、最悪少量は飲める。進んで飲まないだけだ」

 

「進んで…ねぇ?」

 

足を畳に滑らせて猫のような眼で見る叢雲に、色仕掛けは通用せんと釘を刺す提督は呆れ顔でウーロン茶を流し込む。

彼女は駆逐艦の中で数少ない飲酒派であるため、目の前には当然ながら酒類がグラスに入れられて置かれていた。叢雲自身見た目に反し歳はある方で曰く飲酒年齢には達しているらしい。

ちなみに他の駆逐艦だと如月、初春、初霜なども飲酒する。

 

「…どこまで続くかもわからん仕事だからな。健康には気遣っている」

 

「別に酒を少し飲んだだけで死にはしないわよ。付き合いで飲むって言うならもう少し頑張りなさい」

 

「………善処する」

 

 

提督と叢雲が二人端で談笑している中、大部屋にある舞台の上では新聞部の青葉と瑞鶴の二人が壇上に立ちマイクを持つ。そして、彼女らが待ち望んでいたというべきイベントの幕を上げた。

 

『はーい!みなさんご注目ください!!』

 

『宴会でどんちゃん騒ぎしているところ悪いけど、そろそろ恒例のアレを行おうと思うわ!』

 

 

 

『今回もやります!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第五回!出撃艦娘・功労章ぉ!!!』

 

 

 

(イメージBGM 明石の工廠)

 

 

 

その名の通り、イベントにての功績や成績を発表し祝するというもので特に景品などはないにしても休暇や装備などの優先配備が行われるこのイベント。

参加条件として今回のイベントに出た艦娘という限定条件があるため、出ていない者たちにはかなわぬ夢となってしまっている。しかし、それでもいつの日かと夢見るものたちは、その先駆者たちを惜しみなく祝うのだ。

 

『さて。今回のイベントでは残念ながら主力空母艦が揃いも揃って出撃不可という事でスタートしましたが、それに代わるように今回は駆逐艦や軽巡艦のみんなが大奮戦!他の戦艦や軽空母に負けじとかぶりつきましたよ!!』

 

『なので、今回は大きく分けて三部門。そこから更に細かくわけて受賞者発表を行うわ!』

 

『それではまず、最初はE-1功績賞から!』

 

『初の輸送目的の任務として始まり、多くの駆逐艦が輸送・防衛を奮戦してくれたわ。当然、ほかの艦種の人も負けじとね!』

 

『まずは駆逐艦部門!今回のイベントの肝ともいえる娘たちの中で輝いたのは…!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今年も夕立が頑張ったっぽい!!」

 

 

 

 

『ボス討伐他多数の功績をあげた夕立!改二となった彼女の怒涛の勢いは止まらずです!!』

 

『容赦なくガンガンカットインしまくってたからね…のワリにダメージアレだったけど』

 

「それは言わないお約束っぽい」

 

今回のイベント戦では二度出撃したが、大破したり中破したり、それでもカットインでボスとか屠ったりと大立ち振る舞いを見せた夕立。今ではイベント戦などでの重要な時に活躍する艦娘の一人になっている。

 

「明石、今回整備に手ぇ抜いた?」

 

「なわけ無いでしょ。今回は大破艦が多くって整備の時間があまりなかったの。それであまり自分でも満足いかない状態で行かせたから、心残りがあるのは本当だけど」

 

『あ。ちなみに今回大破中破しまくった人たち覚悟してくださいと提督が』

 

「ゑ」

 

 

『続いては軽巡部門。なお、今回は参加した雷巡のお二方もこちらにカウントです』

 

『人数は少なかったけど、その分ポイントも稼げたから今回はかなり接戦よ!』

 

『それでは今回は優秀賞とワースト、どちらも発表です!!』

 

 

「いきなり天国地獄のセットかよ」

 

「ワーストに選ばれた子、荒れるわね…」

 

ちなみに、上記の天龍と矢矧は今回作戦には参加せず後方での遠征による物資支援が主な任務だった。特に矢矧は能代と共に輸送作戦に従事し燃料と弾薬の補給に走り回っていたのだという。

 

 

『まずは優秀賞!今回の接戦を制したのは――――!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふはははははは!!私と北上さんが居れば最強なのよ!!

 

 

 

私の魚雷は最強なんだ!!」←カリヤーンのポーズ

 

 

 

 

 

「オイやめろ」

 

「それ最後には虫に食われるのよ」

 

 

 

 

『E-1限定ながらも多くの敵を撃破、そしてなにより入渠なしという恐ろしい功績を打ち立てた大井さん!雷巡でも火力はちがった!!』

 

「まー木曾のヤローは今回スランプ気味だったけどな」

 

「うるさい…」←やけ酒

 

 

『さーてそんな木曾さんを屠るためにお待ちかねのワーストトップを発表しましょうか!!』

 

 

「チクショー!!!○せー!!!○せよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」←切腹

 

「切腹なんてすなぁ!!」

 

「お〜ほほほほほほ!!中破しまくって艦隊の足を引っ張った貴方とは違うのよぉ!!!」

 

 

(けど最後になって足引っ張ったのっていうのは言わないのが親切なのかしらね、叢雲)

 

(まぁそうでしょうね。なにせ最後だけ札が違って出れなかったワケだし)

 

 

 

 

『続いて戦艦・軽空母部門!!今回の火力の要となった両艦種。特に軽空母は対潜というだけあって大変でしたねぇ』

 

『装備も変更が大変で大騒ぎだったわ…混乱に乗じて一航戦が装備くすねたり…』

 

『あれ、それ一航戦の人たちでしたっけ。私は飛鷹さんだったと思いますが…?』

 

『…どっちでもいいじゃない』

 

『単に加賀さんたちに擦り付けたいだけですよね?』

 

『そんなの無視して優秀賞の発表です!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『全員マイクチェックの時間だオラァァァァァァァァ!!!』

 

 

『…単身E-1のみという事で奮戦した霧島さん。どうやらE-4に残る皆さんが出されたことに不満をここで噴火させたみたいです』

 

『だからって主砲撃つのだけは止めて頂戴。鳳翔さんに怒られるの私たちなんだから』

 

『ちなみに他の対潜軽空母として龍驤さんと千代田さんも居ましたが特に目立たずという事で無念の取り逃しです』

 

「なんでじゃあ!!!?」

 

「まぁ今回の千歳姉ぇよりはマシよね…」

 

「…え、ち、千代田?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『………えー一通り鬱憤を吐き出し終えたので、続いてE-2、3の功労賞を発表したいと思います』

 

『あ、霧島さんも参加なんですね』

 

『参加するのはいいんですけどキレないで下さいね』

 

『善処します』

 

『………えー不安要素は溜まりまくりなんですがとりあえずE-2、3の功労賞です』

 

『E-2と3は再び輸送任務。特にE-3では苦戦を強いられてまたE-3止まりかって思ったけど、無事に突破できてよかったわ。

…けど、艦隊の人数オーバーから数日待機を命じられてその所為で完遂は不可になっちゃったんだけどね。なんでもっと早く対策立てないかなぁ…』

 

「…私生活の都合上だ」

 

 

『まあそこは仕方ないとして、E-2では部隊完全固定という制約の下に始まったのでこちらもこちらで大苦戦。しかし先ほどの夕立ちゃんがぽいぽいするわ神通さんが奮戦するわと頑張ってはいましたね。あと、浜風さん被弾しすぎです』

 

「し、仕方ないです…装備が全てドラム缶ですから」

 

『それナシにしても普通に被弾してるわよね?』

 

「………。」

 

 

 

 

『えーこのまま二人にメンチ切ってもらってる間、私こと霧島が今回のE-2、3の功労賞を発表します。なお、今回両方とも戦艦、軽空母は未出撃ということで除外。変わりに利根さんは後でご通達します』

 

「うむ。ところで筑摩はどうだった?頑張ったほうか?そうじゃな?」

 

『それは提督ご本人からお聞きください…一応筑摩さんにはもう知られていると思いますが』

 

「なんじゃと!?」

 

『では。そんなこんなで軽巡、駆逐艦功労賞の発表です!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「またまた夕立が頑張ったっぽいッ!!」

 

「夕立ちゃん、はしゃぐところんじゃうよ…」

 

 

 

 

『E-1に続けて夕立ちゃんと神通の二人。特に神通はE-2などで夜戦のための偵察機を頑張ってスクランブルしてくれたので他の子たちが頑張って当てられたとの事。ちなみにこのご意見は同作戦に参加した皐月ちゃんと三日月ちゃんからです』

 

「あ…二人ともありがとう」

 

「ううん!神通のお陰で僕ら輸送任務を頑張れたんだし!」

 

「私は武装とドラム缶ということで足を引っ張り気味でしたが神通さんが援護してくれたおかげで大破しながらも勝てたんです。だから私も神通さんにありがとうとお返ししたいです!」

 

「二人とも…!」

 

 

『うんうん。駆逐艦と軽巡艦の友情…微笑ましいですねぇ…』

 

『ちなみに。E-3では利根さん筑摩さん、そして鳥海さんとあきつ丸さんもでましたが今回はそれぞれ分断して提督から功績について褒められたそうで』

 

『そういえばあきつ丸は今回が初めてのイベント戦だったわね。苦労したんじゃない?』

 

「はい…提督殿から借り受けた烈風隊が頑張ってくれたおかげで自分も艦隊の足を引かずに出来たと思います」

 

「今回のE-3は難しかったのぉ…軽空母でさえもNGだったのじゃからな」

 

『その分、利根さんたちの偵察機やあきつ丸の烈風隊が奮闘してくれて制空権は終始こちらのものだったからそこは大きなポイントよ』

 

『ちなみにE-2と3のワーストは後で発表です。足引っ張ったと自覚しているみなさん、覚悟してくださいね…?』

 

 

この瞬間。青葉の言葉に数名の艦娘がびくつき、更にはそっぽを向いたので他の者たちは自覚があるんだなと憐れんだ目で見ていたという…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――えっと…司令」

 

「…しれぇ」

 

「…提督」

 

「well…提督ぅ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「なんで私たち縄で宙づりなんでしょうか」」」

 

「なんでワタシはお札なんですか?」

 

 

 

 

『えー姉さんには悪いですけど。今回のワースト艦娘は四人。

 

輸送任務とはいえ一定の敵へのダメージまたは撃破がでなかった、浜風

 

逆に装備は充実していたのにダメージも少なく、しかも今年二回続けて被弾王に輝いた、雪風

 

軽空母として仕方ないとはいえ被弾しまくっていた、千歳

 

 

そして。被弾は少なかったとはいえ決定打を殆ど打ち込めていなかったわが姉、金剛の四人です』

 

 

 

 

 

 

という訳で壇上に宙づり三人と正座させられ額に今回の「ダメでしたで賞」と書かれたのを張られた金剛が居る。

ただやはり彼女たちも納得はいかないという事で一人ずつ弁明と弁護を求めた。

 

 

 

「わ、私は仕方がないと思います!だって装備全部ドラム缶なんですよ!?」

 

『まあそうね。ね、霧島』

 

『ええ。ですが、同じ条件下でも三日月ちゃんと皐月ちゃんは頑張ってたわよ?』

 

「それでも二人とも被弾してたじゃないですか!?」

 

『普段から被弾しまくっている人が言いますか』

 

「そ―――――」

 

『確かに二人とも初のイベント戦って事で被弾したのはあるわ。当然、それは浜風も。でも、最低駆逐艦倒したり軽巡にダメージは与えていたわよ?』

 

「わ、私だって…」

 

『では。証拠映像スタート』

 

「へ!?」

 

 

 

 

= イベントE-2攻略・三回目 =

 

 

『こ、こんな痛み…』←一回目

 

 

その後。魚雷に耐えた三日月と皐月の隣で被弾している浜風の映像が数回ほど流れ、砲弾にも二人ないし三人揃って受けた映像も流れたという…

 

 

「………。」

 

 

「…あれ。なんか僕らもディスられてる?」

 

「私たち初登板ですよ…?(涙)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『現在。わが艦隊は提督の私生活の都合上資材が乏しく、バケツも足りませんでした。

なので被弾は必然的に抑え、レベルもそれなりに下げた。乙になっただけですが。

それで敵が戦艦だったりフラッグシップの空母だったりはまだわかります。アイツらうざいですからね。

 

 

 

―――で。浜風。貴方、何の魚雷を受けたの?』

 

 

「……………ハイ。スミマセン」

 

 

『ちなみに罰として浜風には鎮守府から工廠までの間を一時間ぶっ続けで走ってもらう体力トレーニングを行ってもらいます。明日から』

 

 

「つ、次の坊ノ岬ではまk―――――」

 

 

 

『はいー敗者の言葉はそれまでにして次に行きましょうねー』

 

 

 

「何気ブラックよね、この部隊…」

 

「実力主義だからなぁ…」

 

ちなみに天龍は過去にイベントに参加したが被弾は殆どなし。

矢矧も二回程度の中破で過去にイベントを終えた。

ブインが実力主義であるのを今更ながら知った矢矧は様は被弾が全てか、と資材の無さと物欲にため息を吐いていた。

 

 

 

 

『―――で。次は前回のイベントでも被弾王ワンツーの千歳と雪風なんですが…』

 

 

「「前回のを掘り返された!?」」

 

 

『当たり前でしょ?前回、誰のせいでああも資材吹っ飛んだと思ってんの?』

 

『お陰で今回のイベント、甲は一回だけでしたからね。勲章欲しいって言ってましたから』

 

 

「け、けど私今回E-3頑張ったじゃないですか!!」

 

「雪風も同意見です!!」

 

『ちなみに隼鷹を釣りだそうとしても無駄よ。彼女も既に制裁受けてるから』

 

「え!?」

 

 

実際、彼女たちの預かり知らぬところで隼鷹が自室に縄で括りつけられていたという。

そして額には「宴会参加禁止」と書かれていたトカ…

 

 

「拷問ね…それ」

 

「隼鷹の姉さんは酒好きだからなぁ…あの人、今部屋で暴れてんじゃないか?」

 

『そういや最後に見たときスクリューしてたわね』

 

 

 

「そ、それでも今回は…!」

 

『ま。今回は前回のも続いてるって事で諦めなさいな。第一…

 

 

 

 

 

 

 

 

貴方。一体いくつバケツを無駄にしたかしら…ねぇ?』

 

 

 

と。霧島が青筋を立てた笑っていない顔で二人を見つめ、手に持っていたマイクを片手で粉砕していた。

覚えのある事と霧島のプレッシャーに言葉を失い、笑いながら涙を流す二人は制裁を受ける運命をその瞬間受け入れたという…

 

『いくら幸運艦とか言っても、大破しては意味がない。特に雪風、貴方駆逐艦の中でもレベルは高い方よ?』

 

『オマケにどこに隊列変えても被弾してくるし…』

 

「そ、それは敵が私のラックをですね…!!」

 

『ラックあるならそれ提督とか他の艦に出しなさい。出せるモンなら』

 

「ひ、被弾は艦娘のサガです!!」

 

『流石にそんなサガは要らないわよ』

 

『いい加減運命受け入れなさい。浜風も潔く受け入れたでしょ?』

 

 

「…脅迫的なものもあった気が―――」

 

『何か言ったかしら、浜風?』←拳を鳴らす霧島さん

 

「私が悪かったですだから拳鳴らさないで」

 

 

 

 

 

『…では提督。二人の処分を言い渡してください』

 

「…別に拷問とかするために行った酒宴ではないのだがな」

 

何時の間にやらこんな事になっていたのに呆れた提督だが、軽く息を吐いてぶら下がってる二人を見ると、一応は反省しているという事からしばらく考え込み、「ふむ」と小さくつぶやくと二人に対しそれぞれの処分を言い渡した。

 

「…では。処分を言い渡す」

 

 

「ひええ…」

 

「で、できれば軽いもので…」

 

 

 

 

 

 

「雪風は装備の一部没収。変わりにドラム缶で任務に出る事。あと、一部訓練メニューの増量。特に射撃面でのな。

千歳は装備の変更。いわばランクダウンだ。それと非番時は鹿島特製の訓練メニューを受けてもらう」

 

 

「ふぁい…」

 

 

「―――え、ち、ちょっと待って!鹿島さんの訓練メニュー!?」

 

 

 

 

 

「はい。私が提督に進言して組み立てた救済措置のようなものです」

 

叢雲とは反対側に座っていた鹿島が立ち上がり、驚く千歳に対し説明をする。

今回邂逅した艦娘であり、今後の訓練メニューを立てる役割を担う事になった鹿島。無論彼女も自分のメニューを立てているが、それはまたいずれ判明することになる。

それよりもその練習艦が組み立てたメニューということだけあって千歳の顔には脂汗がにじみだしていた。

 

「ハッキリ言えば今までの訓練メニューは目的がバラバラで能力を上げるのには非効率的です。ですので、今回私が皆さんのデータを元にそれぞれの個人メニューを構築。短所の補いや長所のさらなる引き延ばしをメインに組み立てたという次第です」

 

「た、短所の補いってことは…そこまで深くは――――」

 

「安心してください千歳さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無駄な贅肉を引きちぎるチャンスですよ♪」

 

 

 

(…また黒いのが入って来たわね…)

 

 

この後。千歳は次のイベントまでこの地獄のメニューに付き合わされることとなり、更に鹿島に反旗を翻そうとしてもできなかったという日常的地獄からフロント上部が増量した事はいうまでもない。

 

「いやなんかおかしいだろ」

 

「なんで逆に増えたの」

 

 

 

 

 

 

 

 

『さて。千歳・雪風コンビの始末は終えたということですが…』

 

 

 

 

 

「Hey Master!!(提督のこと)ワタシがワーストってどういう事デスか!?」

 

顔に札を張られた金剛は提督に詰め寄り、涙ぐんだ顔で問うた。

自分の成績ではワーストになるはずがないそう思っていたのに何故そうなったのか。確かに傍から見ればそうなのかもしれないが、鎮守府の現状からか提督たちの考えというのは若干変化していたというのを彼女は忘れてしまっていた。

そう。理由は先ほど霧島たちが言っていた事。資源についてだ。

 

『ま。そうなるわよね』

 

『私も金剛さんのについては納得し難かったですけど、ウチの事を考えれば致し方ないのかもしれませんね…』

 

 

「すまんが、これは事実だ。大人しく今回は受け入れてくれ」

 

「それでも納得できません!Masterからの直接の説明を要求しマスッ!!」

 

諦めの悪い金剛は彼の腕をつかんで揺さぶり、駄々っ子のように騒ぎ出す。

あまりに子どものような光景に他の金剛型三人は見てられなかったようで頭を抱えたりして目をそらしていた。

 

「ま。そうでもしないと納得しないわよね。アンタ」

 

「Yes!!お願いしますMaster!!」

 

「………。」

 

分かったから離せと言って金剛が鷲掴みしていた腕を動かし、数歩下がって距離を取ると彼女が納得するようにとため息を吐きながら説明を始めた。

 

「…確かに。今回の成績はまぁ他の三人よりもマシだろう」

 

「そうデスッ!!」

 

「被弾も大破と中破の一回ずつ。まぁそれも良い」

 

「Year!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「けど砲撃で倒した敵は…覚えているか?」

 

その言葉を言われた瞬間。若干だが金剛の顔が凍り冷や汗がにじみ出た。

 

 

 

「残念だが今回のワーストの理由はそこだ。命中率。お前は今回の中で特に悪かった」

 

「う…う…Well…」

 

「確かに被弾率は低かった。それはこちらでも助かったのは事実だ。だが相手に当てなければ意味はない。特に今回の任務。陸奥がやたらと雑魚相手に先制攻撃を決めて冷や冷やした所が多かったが、アイツのキッチリと戦艦やボスを堕すのに貢献した。お前の妹の榛名もな」

 

『ちなみに榛名さんは被弾一回きりと好成績を残していますね』

 

目線をそらした金剛だったが、直ぐに開き直り反論する

 

「ば、But!ワタシだって貢献したと思います!!」

 

「重巡も落とせなかったのにか?」

 

「ぶっ!?」

 

 

『うわぁ…』

 

『追い打ち…』

 

 

 

「罰として金剛は鹿島構築の訓練メニューをすること。あと、当面の間は紅茶は減量だ」

 

「What!?あ、あれは私のPocket Moneyから買ったものです!?」

 

『姉さん、素出てます…』

 

「のわりに最近ウチの経費の一部がどこぞの戦艦にちょろまかされてるのは何故だ」

 

「ヴッ………」

 

「この際はっきり言ったらどうなんだ金剛。お前が経費の一部と自前で買ったものだって」

 

「うう…」

 

 

「ウチの部隊ってケッコーちょろまかされてるの多いよなぁ」

 

『そういってるけど、あなたも同罪よ。そして、今すぐ償うのよ隼鷹』

 

「………え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後。金剛にはしばらくの経費削減のため紅茶葉は三か月に一缶。更に鹿島が構築した訓練メニューを行う事という処分が言い渡され、金剛の空しい叫びが居酒屋の奥から外まで響いたという…

 

そして。その裏で隼鷹が鳳翔に叱られていたのもまた、言うまでもない事だ。

 

 

 

 

 

 

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オマケ。

 

ブイン基地所属、艦娘紹介 (Blaz ver)

 

 

 

金剛

ご存じ提督LOVEの戦艦でこちらの金剛はそこそこ英語が達者。

よく妹の榛名を連れ回し街を出歩き訓練に励み、紅茶を勤しんでる。

また紅茶に凝っており、マカイバリやアッサムなどをコレクションしている。ただ、語られた通り一部のものは鎮守府の予算をちょろまかして買ったものでそれを誤魔化すために自分からも出して買っているとか。ちなみに買い先はイギリスからのものなので安心できるトカ。

 

 

比叡

お姉さま大好きな二番艦。ただしレベルでは姉よりも上。

頑張り屋な性格で戦線に出ている時は率先して前に出たりフォローを行ったりと柔軟な行動を行い、更には拳で殴るという接近戦を可能としている。

ちなみに武術に関しては独学なのでかなり荒削りな部分が多い。

第一艦隊によく居る事から叢雲、瑞鶴といった古参メンバーとも仲が良い。

 

 

鳳翔

ブインに所属する数少ない空母で別名「お艦」はその通り。

戦力としても申し無いが本人が戦力不足だと自己申告したことから後方支援を主な任務とし、戦力不足の時の補充戦力としても活躍する。

それ以外は基本自身の店である「居酒屋鳳翔」で女将を務める。

怒れば怖いが、どうにもその叱り方がお母さんみたいだと言われている。

 

 

夕立(改二)

ぽい狗娘。最近どうにも行動が狗のようになって来た…

イベント時の戦力として普段は戦線に出る事は少ないが、いざとなれば戦果を挙げる子。しかし反面暴れまわったりするので偶に味方にも流れ弾が当たったりという報告が相次ぐ。それでも普段は演習の手伝いだったりをしたりと意外に真面目。それでも偶に一日中寝てたりもするが。

 

 

雪風

一応幸運艦、のハズ。

最近どうにも被弾率が高く、それが災いしてかイベント時に被弾王に輝いてしまった(一応無事帰還はするが)

自他ともにそれは認めるが、どうしてそうなったのかは本人も分からない所。

どうにかして汚名返上したいと思っているが…

 

 

矢矧

阿賀野型の一人でレベルこそ、そこそこ低いが頼れるまとめ役。

過去に第三艦隊を指揮し遠征を行ったりと縁の下の力持ちという立場が多く、立ち回りもそれを想定したものが殆ど。能代と共に鎮守府を走り回ったりしているのも良く見られる。

普段は事務を行ったり、来客が居た場合は接待をしたりする。また、外交なども彼女と叢雲が担当。

元は本国の方に居たが、大本営のやり方に異議を持ち比較的自由なブインに自ら転属してきたという異例の経歴保ち。

 

 

夕張

元本国の鎮守府所属だったがブラックだった為にブインに転属してきた。

現在は基地の装備課に配属され、イベント時などには出撃も行う。

装備課というだけあって試験評価を行うというのもあるが、明石と共に装備も開発や改良なども行ったりし、ブイン基地の防衛設備に関しても関わっていたりする事から建築にも精通している。

現在では偶に遠征にも出ていたりもしている。

説明
今回のイベント終了後に書いたものでかなりグダグダです。
ちなみに今回の収穫は二人だけでした…
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シリアスとカオスのごっちゃ混ぜ 艦隊これくしょん 

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