恋姫外史医伝・華陀と一刀 五斗米道の光と影 第10話
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戦を終えて自領へと戻った曹操軍。

 

趙雲は将として、一刀は正式に医師として迎えられ、城での新しい生活を始めていた。

 

なお、華琳主導の真名の交換も行われ、一刀も皆を真名で呼ぶようになっていた。

 

さて、そんな一刀に対して過剰な拒絶反応を起こす女がいた。

 

・・・・・・まあ、彼女しかいないんですがね。

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっとあんた!華琳様から離れなさいよ!」

 

華琳の部屋へと入った桂花が見たものは、肩口を露出する華琳と、その肩に針を刺している一刀の姿だった。

 

「しかし酷い肩こりだな。公孫?より何倍も酷い」

 

「あら?公孫?も診た事があるの?」

 

「ああ。あれくらいなら一発で治せたんだが・・・これだけ酷いと長期的にやっていくしかないな」

 

「無視するんじゃないわよ!」

 

「桂花。うるさい」

 

「か、華琳様・・・・・・」

 

泣きそうな顔で黙る桂花。

 

しばらくして・・・

 

「今日はここまでだな。どうだ?」

 

「かなり楽になったわ。ありがとう」

 

「秘孔を突いて、気を少々流し込んだ。二、三日は大丈夫だろう。それじゃ、また来る」

 

黙り込んだままの桂花の横を通って、一刀は部屋を出て行った。

 

「・・・華琳様」

 

「何?」

 

「どうしてあんな失礼な男の好き勝手にさせているのですか?」

 

「失礼?」

 

「私を完全に無視して・・・」

 

「それは貴女に原因があるからよ」

 

「な・・・」

 

華琳の言葉にショックを受ける桂花。

 

「わ、私のどこに・・・」

 

「それくらい自分で考えなさい」

 

 

 

 

 

 

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それは一刀がここで働く事になった直後の、自己紹介の時の事だった。

 

「華琳様、私はこの男を迎えるのは反対です」

 

「・・・桂花。彼の必要性については説明したはずよね?」

 

「医者が必要だと言う事は分かります。ですが、あんな何処の馬の骨とも知れない男に華琳様の身を任せるなど断じて許せません!そもそもここにいる女達もあいつに診てもらいたくなどないはずです!!」

 

「・・・と言ってるけど、皆そう思ってるのかしら?」

 

「まあ、確かに多少の抵抗はありますが、初めて会った医者に診てもらう時というのはそういうものでは?」

 

華琳の言葉に最初に答えたのは秋蘭だった。

 

「同感です」

 

「う〜ん・・・あまり気にした事は無かったな」

 

「僕も気にした事ありませ〜ん」

 

「その辺りは実際に診てもらわないと分からないの」

 

「せやな」

 

上から順に、凪、春蘭、季衣、沙和、真桜の意見である。

 

「過剰に拒否してるのは貴女だけのようだけど?」

 

「で、ですが・・・」

 

「おい」

 

ここまで無言だった一刀が口を開いた。

 

「男だろうが女だろうが医者が診るのは当然の事だろう」

 

「うるさいわね!喋らないでよ!妊娠しちゃうでしょう!」

 

「ほう?喋る事で妊娠するとは初耳だ。どういう原理か教えてもらえるか?」

 

「だ、黙りなさいよ!」

 

「説明できないのか?」

 

「黙れって言ってるでしょう!不細工な男の分際で口出しするんじゃないわよ!」

 

「・・・・・・」

 

一刀は呆れてものが言えなくなってしまったようだった。

 

「とにかく桂花。一刀の登用は私が決めたことよ。それとも私に逆らうの?」

 

「そ、そんな事は・・・・・・」

 

「なら話は終わりね」

 

桂花にこれ以上何か言わせても埒があかないと判断した華琳は、早々に話を打ち切る事にした。

 

 

 

そしてこれ以降、一刀はまともな話などできないと思ったのだろう。

 

 

 

 

例外を除き、桂花に対してそっけない態度、あるいは無視を決め込むようになったのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

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「華琳様にあんな事を言われるなんて・・・全部あいつが悪いのよ!」

 

華琳の言葉をこれっぽっちも理解していない桂花だった。

 

「どうしてくれよう・・・そうだわ!落とし穴にはめてやりましょう。それを笑って見下ろして・・・くく・・・」

 

こうして城の庭にいくつもの落とし穴を掘った桂花だったが、一刀は一度も引っかかる事は無かった。

 

「うわっ!」

 

「のああ!!」

 

むしろ、引っかかった兵士や春蘭などから苦情が出るばかり。

 

しまいには華琳から厳重注意と共に、城内に落とし穴を掘る事を禁じられる始末。

 

「あいつが引っかからないから・・・」

 

逆恨みによるイライラはどんどん募っていく・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

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イライラを直接ぶつけてやろうと一刀のいるであろう医務室へと向かう桂花。

 

しかし、その途中で一刀は見つかった。

 

春蘭と何事かを話している。

 

「医学的に言って、無駄の無い訓練の仕方はだな・・・」

 

「ふむふむ」

 

どうやら春蘭は一刀にトレーニングの方法を教えてもらっているようだった。

 

「ちょっとあんた!」

 

そんな事は構わず、大声を張り上げる桂花。

 

「おお!?」

 

「・・・・・・はあ」

 

驚く春蘭とめんどうくさいのが来たとばかりにため息をつく一刀。

 

「け、桂花か。何事かと思ったぞ」

 

「あんたには用は無いわ。そいつに話があるのよ!」

 

ビシッと一刀を指差す桂花。

 

「・・・・・・何か用か?」

 

「何であんた落とし穴に落ちなかったのよ!そのせいで華琳様に叱られたじゃないの!」

 

「他の人間が落ちる可能性を考えなかったのか?」

 

「う、うるさいわね・・・」

 

「そもそも城内にあんな物を掘ること自体おかしいんだよ・・・なあ?」

 

「うむ・・・というか桂花!私もアレに落ちたんだぞ!謝罪の言葉も無いのか!?」

 

「うっさい!落ちるほうが間抜けなのよ!」

 

「何!?」

 

「・・・その辺にしとけ」

 

一触即発の空気になってきた二人の間に、一刀は割って入った。

 

「春蘭。桂花にそんなの期待しても無駄だよ」

 

「どういうことだ?」

 

「こいつはな、馬鹿だからだ」

 

「はあ!?アンタ死にたいの!?」

 

青筋が切れそうなほど激昂する桂花をよそに、淡々とした口調で語る一刀。

 

「こいつは自分がやった事が悪いことだと思ってないんだ。誰が見ても悪いことなのに。それが理解できていない以上、馬鹿と言っても差し支えないと思うんだが?」

 

「ふむ・・・なるほど」

 

「なるほどじゃないわよ!だいたい生意気なのよ!軍師の私にあんたみたいな一介の医者風情が!」

 

「ここで立場を出してくるか。軍師だったら論戦で勝ってほしいもんだな。もっとも勝てる要素が見当たらないだろうが」

 

「あ、あんた・・・・・・」

 

「それと、この際はっきり言わせて貰おう。男嫌いだと聞いてるが、男だからという理由で何かと噛み付いてくるのは止めてくれないか?まともに話も出来ない。時間の無駄だ」

 

「ぐぎぎ・・・・・・」

 

一刀の容赦ない発言の数々に、桂花はぶち切れる寸前だった。

 

「おっと、そろそろ医務室に戻らないと。じゃあな」

 

それだけ言い残し、一刀はその場から去っていった。

 

「そうだ。秋蘭に呼ばれてたんだった」

 

用を思い出した春蘭が足早に立ち去った後、残された桂花は、

 

 

 

「あの男・・・このままじゃ済まさないわよ・・・」

 

 

 

怨嗟の念を込めた呟きを発するのであった・・・・・・

 

 

 

 

 

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どうも、アキナスです。

 

拠点イベントで?/?にするのを止めました。

 

最初に決めた分母以上に書きたくなってもあれなので。

 

・・・で、最初の拠点イベントは桂花となりました。

 

何といいますか、言いたい事をはっきり言う一刀君とは相性最悪のようですね。

 

しかし、ユーザーの方も一度は思った事ではないでしょうか?

 

それはともかく、イライラが頂点に達している様子の桂花。

 

何かやらかしそうな雰囲気ですが、果たして?

 

ではまた次回・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

説明
拠点始まります・・・・・・
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コメント
自分が関係ないところで桂花ちゃんがいろいろやってくれるのは、見ていて楽しいんですけどねー それが我が身に降りかかるとなるとww(神余 雛)
此処で一刀に何かあって、それが桂花に原因があった場合、自分に対する処罰が如何に大きい物になるのか全く考えていない所が彼女らしいですが…どうなる事やら?(mokiti1976-2010)
逆に痛い目を見るに一票、それでも懲りないだろうが(未奈兎)
華琳の台詞で『桂花。うるさい』が「恋」みたいな言い方でワロター!(笑)(劉邦柾棟)
“恋姫らしさ”ではアリですが、“三国志らしさ”ではナシですよね〜……まぁゲームプレイ時とかは恋姫らしさでいいんですけどw(本郷 刃)
落とし穴だって打ちどころ悪ければ死傷者でるからなあ(ミヅキ)
やや極端だけども、男に過剰反応して冷静な判断ができない辺り桂花らしいと言えば桂花らしい話。(アストラナガンXD)
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真・恋姫†無双 恋姫†無双 外史 北郷一刀 

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