寂しがりやな覇王と御使いの兄 アフター 武道大会編
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一刀「平和だな」

 

七乃「平和ですね」

 

七乃と七海が引き起こした隠し子騒動から一月経過した。これだけ時間が経つとみんな七海の存在を受け入れ、自分の娘のように可愛がる将が続

 

出した。一刀は受け入れられるか心配していたが、七乃譲りの腹黒さを遺憾なく発揮し自分の地位を確立させてしまった。一刀はホッとしたと同

 

時に、そんな所を受け継がなくていいのに……と苦笑いするしかなかった。

 

一刀「そろそろだよな……」

 

七乃「そうですね、そろそろ我慢の限界を迎えるハズですね」

 

長年の心配の種が解消された一刀であったが、すぐに新しい悩みの種が運ばれてくる予感を感じ取っていた。一刀は具体的な事は何一つ明言して

 

いないが、七乃はしっかり理解していた。華琳は傍から見てると、長年連れ添った夫婦のようね……と嫉妬の炎を燃やしていた

 

一刀「どう対処したらいいとおもう?」

 

華琳「どうするも何も、今放置した所でまたどうせしばらくしたら爆発するのだし、今のうちに発散させておくべきじゃないかしら」

 

一刀「だよな〜放置して爆発させるより、こっちからガス抜きさせた方が懸命か。それはそうといつから居たんだ?華琳さん」

 

華琳「一刀の居るところに私在りよ!」

 

記憶を取り戻した事で、大陸を制覇した覇王としての姿も戻ったのだが、妹だった時の甘えん坊な所は消えずに、こうして素直な面を見せている

 

。こんな発言と共に繰り出すドヤ顔がまた可愛らしく、その度に一刀は内心悶えていたりする

 

素直に甘える事を習得した覇王様に死角はないのだ

 

七乃「問題は出場する選手の選抜でしょうか。流石に武官全員を出場させると大掛かりすぎて費用がかかりますし…」

 

開催するにも開場の設置、安全の確保、集客など前準備にかなりの手間とお金がかかる。

その為に出場する将を厳選しないけばならないのだが、厳選を誤ると更に爆弾が爆発する恐れがあるのだ。

そんな七乃の懸念を払拭するのが復活した華琳である

 

華琳「七乃の懸念も最もね。その為に武道大会に出場させる選手は決めてあるわ!」

 

華琳が自信満々に机に出した紙には出場選手12名の名前が記載されていた

 

 

愛紗 凪 一刀 明命

鈴々 春蘭 流琉 恋

華琳 美羽 雪蓮 秋蘭 

 

一刀「ワンコ隊に加え、夏侯姉妹に鈴々、雪蓮か…この辺りは妥当な人選だけど」

 

七乃「一刀さんは納得ですが、華琳さんと美羽様が出場するのは予想外ですね」

 

一刀を護る最強の親衛隊こそワンコ隊、華琳同様に復活を遂げた夏侯姉妹、燕人張飛に小覇王雪蓮。これらの人選に文句は何一つないのだが、問題は華琳と美羽が出場する事にある

 

言うまでもないことだが、華琳大好きを公言する一刀と、美羽大好きを公言する七乃にとって、いくら模擬戦とは言え危険に晒したくないというのが本音だった

 

華琳「言っておくけれど、美羽にも既に了承を得てるわよ。今頃張り切って鍛錬してるんじゃないかしら」

 

美羽がやる気満々ならば、そのやる気を削ぐ事は七乃には出来ない。華琳にしてやられたと、七乃はガックリと肩を落とした

 

一刀「っく!七乃が倒れても、俺は華琳の参戦を認め」

 

華琳「認めてくれないと…兄さんの事嫌いになるからね!」

 

一刀「ぐは…!」

 

絶対に認めないと決めていた鋼鉄の意志が脆くも崩れ去る

華琳が本気で嫌いになるわけないのだが、一刀にこの台詞のダメージは計り知れなかった

 

華琳「異論ないみたいね、それじゃあ告知させてもらうわ。準備の方も任せなさい」

 

一刀と七乃の心をこれでもかと掻き乱し、華琳は満足したのか部屋を出て行く

 

 

七乃「なんと言いますか……あれが華琳さん本来の実力なのですね」

 

一刀「それでいて、妹としての立場も上手く活用して甘えてくる……なんて可愛いんだ!」

 

兄を出し抜く生意気な妹の図を妄想して、萌えてる一刀君であった。

こうなったら自然に正気に戻るまで仕事にならないと判断した七乃は、仕事を切り上げて自室へと戻る。

残された一刀の妄想は、翌朝侍女が起こしに来るまで続けられていたとか

 

 

 

 

 

華琳が主導する武道大会の準備は恙無く進行し、七乃が考えていた期間の半分で終ることが出来た。

改めて覚醒した華琳の能力の高さを再確認した七乃であった

 

 

 

 

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地和「さぁ〜!とうとう開催されました天下一品武道大会!先の決戦を終結させ、暇を持て余した脳筋達の発散を目的としたバカの祭典!本来であればこのような大きな大会は開きたくなかったのですが、適度に発散させてあげないと脳筋達が暴れだすと非常に面倒な事態が起きてしまうので、曹操様主体で大会が開催される運びとなりましたー!」

 

地和「解説者には五斗米道継承者にして、暑苦しい男と評判の華陀のおじ!」

 

華陀「発音が違う!ゴッドヴェイドォォ! だ!それと、俺はまだおじさんじゃない・・・若いんだーー!」

 

五斗米道の発音には五月蝿い華陀がテンプレ通りの反論を入れると同時に、まだ若い事を強調する。意外と自分の歳の事を気にしてるのかもしれない

 

地和「それと、凄まじい母性と包容力を兼ね備える黄忠さん!女の価値は胸だけじゃないんだからーーー!」

 

紫苑「あらあら、地和ちゃんもこれから成長するわ」

 

地和個人の恨みが乗ったような紹介をされた紫苑は思わず苦笑い

 

地和「次は褐色美人にて呉の良心であり、孫策さんに制限をかけられる唯一の人!孫策さん大好きメガ周瑜砲こそ周瑜さん!っていうか何!これは新手の苛めなの!?大きい者が並ぶ場所に小さいのが1人居てみなさい!物凄く惨めな気持ちになるじゃないのーー!」

 

 

紫苑に続き、周瑜も胸が大きく、地和の嫉妬の対象に加えられていた。

気を取り直した地和は大会のルールを持ち前の妖術を使って発表する

 

 

 

―−−−−−−−−−−−−大会規定―−−−−−−−−−−−−−

 

1.使用武器は刃を潰した模擬刀を使用する。

 

2.参った、の発言をするか、審判団が戦闘不能と判断した時点で仕合終了とする。

 

3.場外に落ちた場合、その者は負けとする。

 

4.そのほか、判断に困る案件の場合、審判団の協議により決定する。

 

5.天下一品武道会参戦者は、己の技量、己の知恵を振り絞って全力で戦わなければならない。

 

6.武官の嘘や策は、是、武略と云う

 

7.長時間戦いが続いた場合は、没収試合とする。

 

8.対戦相手を死亡させた場合、打ち首とする。

 

9.お昼ご飯には典韋、華琳の作ったご飯が支給される。ただし、好き嫌いや残すのは厳禁

 

10.優勝者には千金のご褒美と共に、曹仁子孝と一夜を共にする権利を得る。(曹仁子孝が優勝した場合、自ら誰か1人を指名しなければならない)

 

 

一刀「ちょっと待てーーー!最後の規定は聞いてないぞ!?」

 

やはりというか、案の定一刀は10の規定の事を聞いていなかったようで、抗議の声を上げるが、誰も取り合おうとしなかった。参加者全員10の規定には反論は無く、一刀の抗議は無駄に終った

 

 

地和「さて、一刀の叫びが終ったところで、早速第一試合の参加者と組み合わせを発表したいと思いまーす!あ、選手達は誰と当たるかとかは知らされていないので、ここで始める知る事になりまーす!東から入場するのは大陸最強の脳筋と名高い夏侯惇将軍!今日もその非常識な脳筋を発揮するのか見所です!」

 

春蘭「貴様ぁぁぁ!誰が脳筋だ!まあいい、誰が相手だろうと七星餓狼の餌食にしてくれるわ!」

 

地和「はいはい、自覚の無い脳筋は放っておいて、西から入場するのはその小さき体のどこに強大な力を宿しているのか!幽州のちびっこ大魔神こと燕人張飛選手です!」

 

鈴々「脳筋なんて鈴々の敵じゃないのだ!」

 

 

地和「さあ、早速火花が散る2人。準備万端と言ったところでしょうか!それじゃあ華陀さん、合図をお願いしまーす」

 

華陀「任された。本来であれば医者として止めるところなのだが、思う存分力を尽くして戦ってくれ。それでは……はじめ!」

 

 

開始の合図と共に、先制攻撃を行ったのはやはり春蘭。記憶を取り戻した春蘭の戦闘経験は大陸トップクラスであり、以前の外史でも張飛と戦いを繰り広げた。その経験の差は大きく、あっという間に鈴々の懐に侵入して連撃を叩き込む。

 

鈴々はなんとか反撃に移りたいが、得物である丈八蛇矛は小回りが利きにくく、一度間合いを取る必要がある。そんな鈴々の心境を見抜いてか、間合いと取ろうとするとピッタリ追走し、距離を取らせない春蘭

 

春蘭「どうしたどうした!燕人張飛と謳われる実力はその程度か!」

 

自分が優位なのを確信し、反撃の隙など与えないと言わんばかりに攻撃の手を強める春蘭。大会を観戦している観客達もこれは勝負が付いたかな?と思う人が多くなり始めた。

 

しかし、将達の見解は違った。確かに攻めてるのは春蘭であり防戦一方なのは鈴々だろう。それでも鈴々は劣勢で焦りが見えず、薄っすらと笑っているのだ

 

鈴々「春蘭の攻撃……見切ったのだーー!」

 

春蘭「なにぃぃ!」

 

鈴々の防御を貫こうと最大の力を込めた大振り、それを待っていた鈴々は春蘭の放った一撃をかわし、自分の武器の間合いまで素早く移動し、反撃を繰り出す。春蘭の戦闘経験は確かに群を抜いているだろうが、鈴々は韓当や程普といった歴戦の猛者から心身ともに手解きを受けたのに加え、幽州から落ち延びる時には殿として袁紹軍の追撃部隊である顔良・文醜・張?軍を食い止め、風の秘策である十面埋伏の計を成功させた立役者。

 

経験値の高さに加え、鈴々は毎日のように焔耶の挑戦を受けていた

 

 

 

 

 

 

つまり、対脳筋の経験も豊富だったのだ

 

 

 

 

 

 

鈴々「これで終りなのだ」

 

丈八蛇矛の矛先は春蘭の顔の前でピタリと止められていた。自分が優位と疑わず、慢心から大振りに走った脳筋の癖を鈴々は見逃さなかった

 

 

 

 

 

華陀「そこまで!勝者鈴々!」

 

 

 

 

 

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みなさんお久しぶりです!

生存報告を兼ねて短いですが、アフター武道大会編を投稿させていただきました。

 

いま30話まで直しましたが…地の文を追加するだけなら楽なんですけど、内容をすべて書き換えたりする回が多くて時間かかりますね〜面影が残ってない場面も多いかもです

 

 

また少し日が空くかもしれませんが、切りのいい場面まで出来上がりましたら武道大会編2話目を投稿します!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
お久しぶりで〜〜す
時間が空きましたがアフター投稿ですよー
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コメント
聖龍さん>華琳様の事で妄想するのも楽しいです!(おぜぜ)
kiraさん>覚醒したのが遅かったですからね、魔改造されたこの面子だと…弱い部類かもですね(おぜぜ)
たっつーさん>腹黒も常時発動してるわけじゃないんで……多分大丈夫……ノハズ(おぜぜ)
心は永遠の中学二年生さん>経験値では霞と並んで圧倒的のハズなんですけど…やっぱり脳筋は脳筋でしたw(おぜぜ)
アストラナガンXDさん>魏編ルート後だと、華琳様大好きは不動ですw(おぜぜ)
naoさん>春蘭は次の展開上、当て馬になってもらいました。原因などは次に解ります!(おぜぜ)
真っ黒な炒飯>原作だと漢女と華陀だったんで、今回は巨小巨にしてみましたw(おぜぜ)
一刀の華琳に対しての妄想は留まることはないもね……(~_~;)(聖龍)
武道大会編が始まりましたね。春蘭は出場者の中で、一番成長が出来ていないように思える。もしかして、この中で春蘭が一番弱いのだろうか?(kira)
ああ・・・鈴々が成長していく!経験値では圧倒的なはずの春蘭が置き去り・・・(心は永遠の中学二年生)
相も変わらず華琳様大好きな一刀氏。(アストラナガンXD)
春蘭がえらいあっさり負けたなwさすが脳筋筆頭w(nao)
地和よそれは神(作者)が定めた自然の摂理だから諦めるんだ……(真っ黒な炒飯)
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