デイライトガン&ムーンライトガン 第30,31章 喫茶店・望名編
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第30章 喫茶店『望名』

 

(某月某日 午前7:00 地下街アラヤド地上1F)

 

 赤穂が倒された後、地上1Fまでは、誰もいなかった。客と店員含め一般市民はガーディアンフェザーの避難誘導員により全員地上に避難して、車両により所定の場所に移動してしまっていたからだ。

 

 黒崎により殲滅された対テロリストガンナーはあれで全員であり、ガーディアンフェザーから期待されて出動した赤穂までやられてしまったので、ある意味、ガーディアンフェザーとしても、すぐに動員できるメンツが用意出来なかったようなのだ。

 

 避難誘導員は戦闘部隊と違うため、誘導以外にまわる事が出来ず、数名の警護のための一般ガンナーが入り口を固めていただけだった。

 

 当然、ココを良く知らないだろう希達が地上出入り口のココを通らないと、出られないと、対外的に言わざるを得ないための、やむなしの準備だった。

 

が、当然それは見当違いの作戦である事は知ってのことだった。希側には蛭子も黒崎もいるのである。ガーディアンフェザー側も、正直それはわかっている事だったが、まさか、“そのテロリストと告知した中に、身内がいる”など、説明するわけにもいかず、また、それをにおわせるような措置を執るわけにもいかないので、

 

 『2手先の準備』

 

 をする事に変更したのである。彼らの“次の目的地”に駒を置いたのだ。

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黒崎「さて、赤穂撃破以降、正直、誰もいなくて助かった。さっさと地下街を抜けて地上1Fまで到達だ」

リキュール「ガーディアンフェザーの連中、よほど赤穂に自信があったんだねー、ざーーーーんねん!」

スイート「いや、正直、徹夜でここまで来たわけで、夜遅くまでのバー営業で慣れているとはいえ、正直、きついな」

テンニャン「どこかで休憩出来るなら、一休み入れた方がいいアルね…」

蛭子「出来るなら、ガーディアンフェザーの息がかかっていない場所が好ましい」

 

 そこで希が切り出した。

 

希「なら、次の目的地の、『俺の店』で、珈琲をご馳走するよ。他にも軽食程度なら作れる」

リキュール「でもさ、そこって、今は、マスターの“ver2.0”がいるところ何でしょ?」

 

 希は自信を持って、こう答えた。

 

希「追い出す。『望名』は俺の店だ」

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 一行は黒崎と蛭子の案内で、客が使い、ガーディアンフェザーの警護ガンナーが待っている“地上出入り口”、を、使わず、店員や関係者が使う“従業員用の勝手口”を使うため、用心して、一度B1Fに降りて、階段で“その勝手口”近くに出る階段を上って1Fに戻り、そして、そのドアの前に到着した。

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(某月某日 午前7:15 地下街アラヤド勝手口前)

 

 黒崎はほんの少しだけ勝手口を開け、蛭子に疾風銃『シナトベル』の弾丸能力“空間把握能力”を指示した。

 

 パシュ!

 

蛭子「・・・・・・・・誰もいない。どうやらあの撃破した対テロリストチームと、ガンナー、避難誘導員、警護が全員で、手持ちの駒をこっちに避けなかった・・・・・のか?」

黒崎「…そうとも考えられるが、その先を読まれているとも言える。配置した駒は、ここではなく・・・・・・」

 

 希は正直、嫌な顔をした。

 

希「・・・・・俺の店、か・・・・・・・」

リキュール「あーあ、珈琲と軽食はお預けかぁ〜」

 

 だが、希はニヤっと笑った。

 

希「ver.2.0だろうが、他の連中だろうが、俺の店にこれ以上、土足で上がらせない! どかすまでだ!」

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(某月某日 午前7:45 喫茶店『望名(ぼうな)』前)

 

 『CLOSE』

 

スイート「ま、当然だろうな。それに中には間違いなく、ガンナーが待っている」

希「黒崎、待っているガンナー、ver.2.0だと思うか?」

黒崎「希突起人類の遺伝子を持っている彼を、今ココで駒で使うのはもったいないと思うだろうな。他のガンナーは“希の地の利”で不利だから、これもダメだ」

リキュール「? あれ? じゃあ、誰なら“有利”なの?」

 

 正直、希にもわからなかった。軍隊で入れる程、店内は広くない。ホールを知っている店員も少ないし、客は考えられないだろう。

 

 なら、一体、中で待っているだろうガンナーは誰なんだ?

 

希「とりあえず、“従業員用勝手口”から、バックヤードに侵入しよう」

スイート「鍵は?」

 

 希はフンっと鼻息を1回吐いて、横にある店用のポストを開けた。

 

 カラン

 

 中には鍵が1つ残っていた。

 

希「従業員しか知らない隠し場所だ♪」

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 こうして希の案内で、横の狭い路地を通り、途中にある裏口の“従業員用勝手口”の前に来て、そして希がそーーーーっと、鍵を開けた。内鍵はされてなかった。

 

 カチッ

 

希「外鍵だけ施錠。この鍵は従業員しか場所を知らない。つまり・・・・・」

 

 希は静かにドアを少しだけ開けた。

 

 ガチャ

 

黒崎「蛭子、頼む」

蛭子「了解」

 

 パシュ!

 

蛭子「・・・・・・一人だけいる。性別は不明」

希「一人? なら、可能性は、“あの二人”しかないはず。だが、何故だ?」

 

 向こうからの攻撃意思もないので、待っていても仕方ないから、全員、限界突破させずに銃を構えながら、静かに店内に入った。希の言った通り、最初のエリアはバックヤードだった。

 

希「バックヤードは・・・・静か。誰もいない。だが、店内も荒れてないから、今でも使われているということだ。ある意味安心したよ」

 

 蛭子はホールへのドアから少し銃口を出して、一発撃って、空間把握する事にした。

 

 パシュ!

 

蛭子「・・・・ホールに一人いる。性別不明。だが、金属からの反射風を感じる。間違いなく、ガンナーよ」

 

 希は、二つの可能性に揺れていた。

 

 ver2.0ならやむなしだ。俺ですらガンナーなのだから。だが、『もう一つの可能性』が、どうにも信じられないのだ。

 

希(もう1つの可能性だったら…、何故“彼女”がガンナーなんだ?)

 

 全員、ゆっくりとホールに進んでいった。ホールの中央にいたのは、ウェイトレス一人だけだった。

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希「み・・・美佳・・・・・・・・何故・・・・キミが・・・・ガンナー・・・・・・」

 

美佳「お久しぶりですね、お待ちしておりました。それでは営業を開始しましょうか? 今日のランチは、ブラッディトマトピザよ?」

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第31章 レッドホットチリトーストからからましまし

 

(某月某日 午前7:55 喫茶店『望名(ぼうな)』内 ホール)

 

 正直、予想していた2パターンの中の信じたくない方だった。Ver.2.0なら、強敵かもしれないが、ある意味、戦いやすかったのだ。

 

 確かに彼女は、ここから追い出される時に、あっさり希(その時は望)を捨てて、ver.2.0に鞍替えした。あげくに“ガーディアンフェザー”を含めて、この世界の真実を知っていて、何も動揺する事無く、ver.2.0を受け入れて、順応し、そしてこの“俺の”店をver.2.0と切り盛りしていたわけだ。

 

 例え、自分の“元カノジョ”だったとしても、今の本音は、容赦しない、そう思いたいと思っている。

 

 だが、美佳は、前も今も、ここの唯一の優秀なウェイトレスであり、元仕事上での相棒でもある。Ver.2.0のような、馬の骨とも知らない輩とは、正直違う。

 

 だから、心中複雑なのだ。

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希「美佳…、キミが元からガーディアンフェザーの刺客だとしても、後でそうなったとしても、正直、このままのスタンスでは戦いたくないし、戦うのなら、せめて、“いきさつ”だけでも教えてくれ!」

 

 デイライトガン“魅了銃『リリシアン』”の銃口を希達に向けていた美佳は、条件付きで、その要求を飲むことにした。

 

美佳「全員、銃口を下に向けること。机上に置くまでは言わない。それとムーンライトガンは限界突破を解除すること、黒崎のデイライトガンは拘束モードに切り替える事。攻撃意思がない事が確認出来れば、私も銃口を下に向けて、事情を説明することにする」

スイート「こっちが銃口を下に向けた瞬間に、お前が撃ってくるケースを否定できない」

美佳「なら、バトルスタートだ」

 

 チャキ!

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希「全員待ってくれ! 頼む! 俺の責任において、美佳も皆も、美佳の指示に従ってくれ! 頼む! 美佳が俺と過ごしていた時間だけは少なくても、デイライトガンなんて物騒な物は持ってなかった! 世界の真実を知っていたのも、あっさり鞍替えしたのもショックだったけど、少なくても、今ぐらい、事情だけは、お互い説明させて欲しい!」

 

リキュール「…わかったよ」

 

 ギュン カチャ

 

 リキュールは限界突破を解除し、ルシフェリオンの銃口を下に向けた。人差し指もトリガーから離した。

 

スイート「! おいおい! 幾ら希の頼みでもそれは…」

 

 テンニャンも同じようにした。

 

テンニャン「希の頼み、今回だけはきいてあげるアル。同じ“カフェやバーの関係者”として、話は聞いて置いた方が得アル」

 

 黒崎も蛭子もデイライトガンの銃口を下に下ろしてトリガーから指を離した。

 

黒崎「今回だけだぞ? 俺も今のあっちの内情を知りたいからな」

蛭子「全く・・・・・甘ちゃんだねぇ、もう」

 

 最後にスイートが銃口を下ろした。

 

スイート「全く・・・・知らんぞ、どうなっても・・・・・」

 

 そして美佳も“リリシアン”の銃口を下ろした。

 

美佳「信じてくれて嬉しい。では、話せるレベルまでは話す。そっちも戦力以外の事情を話して欲しい」

希「わかった」

 

 こうして、美佳が何故こうなったのか、を美佳自身が語ることになった。

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美佳「黒崎、あんた達が来て、希がバージョンアップで拘束されて退場した後、私は“ルールの通り”に、ver.2.0と、この店を営業していた。だけど、すぐに、ver.2.0経由で草薙から、このデイライトガンを受け取り、銃の特性が書かれたマニュアルを熟読した上で、休日にガーディアンフェザーの研究所内で、特訓したよ」

希「何故だ! そもそも俺の代わりにver.2.0とココで平和に暮らす、そう言われていたはずだ、悔しいが、それがルールなんだろ?」

 

 美佳は目線を下に向けて、うつむいてしまった。しかし、どういうわけか、その表情に“悲しい感情”が見受けられなかったのだ。

 

美佳「私もね、ガーディアンフェザーが提示した報酬には勝てないんだよ。デイライトガンの所持、それだけでもデイライトエリアでは特権階級、更に、いずれ人を指揮していくだろう“希突起人類”の遺伝子を持つver.2.0との子供を産む事を許された。この条件を、ただ“あんたとの過去があるから、やっぱり出来ません”なんて、そんな事を、言えるはず、ねーじゃんよ!」

 

 美佳は目線を希達に向け直し、不気味な笑顔に変わり、目つきが一変して、昼間の猫の目に変わった!

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 カチッ! パシュ! パシュ!

 

スイート「くっ!!!!」

黒崎「ぬぅ!!!」

 

 美佳は銃を持つ手とは反対の“左手”に隠し持っていた“リモートコントロール”のトリガーを引き、スイートと黒崎、何故か“男性”だけ、“遠隔操作用の対の銃=リリミアン”で銃撃した。

 

美佳「あのさぁ、なんでガーディアンフェザーが私をここに配置したのか? わかるでしょ? あんたが身内には“トコトンお人好し”だからよ! 私のデイライトガン、魅了銃“リリシアン”と“リリミアン”で、『同士討ち』でもしていなさいな! バッハハーイ!」

 

 そういうと、美佳はお客さんが使うドアを開けて、さっさと逃げてしまったのだった。行動があまりに早かったので、リキュールとテンニャンのルシフェリオンでの銃撃は間に合わなかった。

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スイート「オ・・・オマエラ・・・・ウチコロス!」

黒崎「コウソクスル!」

 

 バシュ! バシュ!

 

 スイートがこの状態では限界突破出来ず、黒崎も束縛モードから変更できなかったのは、美佳が相手に条件をのませるためだったとはいえ、運が良かった。

 

 だが、かなりむちゃくちゃな銃撃を繰り返していて、店が相当ダメージを受けていた。

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希「す・・・すま」

リキュール「んなこと、どうでもいいの! あのアマ! だから希以外の男を狙ったのね!希! この二人、魅了されてるの! アイツの言った通り、コレじゃ同士討ちよ!」

テンニャン「で、でも、仲間は撃てないアル・・・・・」

 

 希は“俺の責任において”の言葉通り、知恵を絞った。この店の事は誰よりも知っている。

 

希「・・・・・確か二人とも、“甘党”だったよね?」

蛭子「た、確かに黒崎はお汁粉好きで、甘党だけど…」

テンニャン「スイートもパティシエで甘党アルけど、なんで今、それ必要アルか!?」

希「すまん、みんな。この机の盾で防御していてくれ!」

 

 黒崎とスイートは、魅了されているとはいえ、ちゃんと自分をコントロールできるまで、自立した魅了に到達していなかったのは幸いだった。今のところ、めちゃくちゃな銃撃を繰り返しているだけだった。だが、時間が経てば、自立魅了まで到達し、それこそ“同士討ち”は避けられない!

 

 希はそんな危機的状態なのに、銃撃に気をつけながら、カウンターに入り、キッチンに躍り出た。

 

希「待ってろ、二人とも。凄いランチ、喰わせてやるよ!」

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 無駄の無い動きで、冷蔵庫から、“薄切りハム”、“スライスチーズ”、“キャベツの千切り”、“マーガリン”、“練りからし”、“赤い調味料数点”を取り出し、ランチ用のパンが立てかけてある“バケット”から、食パンを4枚つまみ上げて、まな板で調理をはじめたのだった!

 

希「よし! あの頃と同じ食材が残っていて助かった。Ver.2.0、ここだけは感謝する!」

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テンニャン「ちょ! 希! なんで今、調理アルか!!!」

リキュール「ちょっと!!!! そんなことやっている場合じゃないでしょーが!」

蛭子「あ、でも、ちょっとお腹空いたから…」

テンニャン「いやいやいや蛭子さん、そんな状況じゃないアルよ!」

 

 そんな罵声に一切眼中無しで、希は慣れた手つきで、テキパキと“アレ”を作っていた。

 

 パンにマーガリンを塗り、練りからしを厚めに塗ってから、ケチャップを塗り、韓国の辛み調味料の“コチュジャン”を薄く塗ってから、薄切りハムを載せ、スライスチーズを更に載せてから“キャベツの千切り”を少し載せ、タバスコを思いっきりかけて、更にマスタードを少しおとし、ケチャップを少しかけて、その上からパンを載せて、ガーリックソルトを振った“サンドイッチ”を2セット作り、トースターに仕掛けて、希のレシピのトーストコースにセットして、焼きはじめた。

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リキュール「ちょ・・・・・あ・・・・でも、良いにおい〜〜」

 

 ぐぅ〜

 

テンニャン「う・・・お腹は正直アル〜、辛くて美味しそう〜」

蛭子「希、そ、それ、誰のなのよ〜」

 

 そうこうしている間に、焼き上がった。

 

 ほかほか〜♪

 

リキュール「お・・・美味しそう・・・・」

 

 その仲間の言葉を聞かないで、まな板に移してから、半分に折り、更にその上からマスタードとケチャップを適量かけて、片手に両方持って、そして、希は、スイートと黒崎の所に突っ込んでいった!

 

希「パンドリオン!!! 相手の銃撃だけ撃ち落として援護しろ!」

パンドリオン「了解だ!」

 

 バシュ! カキン! バシュ! カキン!

 

 パンドリオンの弾丸は精確に二人の弾丸を撃ち落としていった。そして片手に2つのホットサンドイッチを持った希は、遂に二人の目の前に来た!

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黒崎「ウ、ウマソウ…」

スイート「イイ、ニオイダ…」

希「二人とも、口を開けろ! 俺の奢りだ!」

 

 あーん

 

 二人とも腹ぺこだった本能には勝てず、魅了されていても希の言葉に素直に従った。

 

希「店の名物ランチ!!! 『レッドホットチリトーストからからましまし』だぁ!!!!!!!」

 

 ガボォ!

 

 その“赤くて黄色いホットサンドイッチ”は、黒崎、そしてスイートに、2つに折りたたまれて食べやすい状態で、口の中に放り込まれた。そして、二人は本能に従って、味わって食べ始めた。

 

黒崎「ウ・・ウマ・・・・・・カ・・・・・・カラ・・・・・」

スイート「グォ・・・・・カラ・・・・・・」

 

 希はニマっと笑った。

 

希「どうだ? 激辛フードファイターをも唸らした、俺のスペシャルランチの味は!!!」

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黒崎、スイート「ぬぉぉぉおわぁあぁおおおお!!!! 辛いーーーーーーー!!!!!」

 

 バタッ

 

 二人とも、超が付く甘党なのに、この超絶辛い、正に“HOT”なサンドイッチを食べて、ショックで気絶してしまったのだった。

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希「最後の辛いのセリフ、あれは二人の素の言葉だったな。これで正気に返ったはずd」

 

リキュール「希、私達にも作って!」

テンニャン「喰わせろアル!」

蛭子「ほ・・・・欲しい・・・・」

 

希「え? あれ、めっちゃ、辛いぞ?」

リキュール「私は酒好きの辛党だ! いいから喰わせろ!」

テンニャン「ガルルル! 早くアル!」

蛭子「ちょーーーーーだい♪」

 

 希は、なんか、変なスイッチまで入れてしまった事に、少し動揺したが自分もお腹空いていたので、笑顔でこう言った。

 

希「はいはい、待っていてよ、ちゃちゃっと4人分追加で作るから。それと珈琲も入れておくよ」

リキュール、テンニャン、蛭子「やったぁー!!!!」

 

 どのみち、美佳もガーディアンフェザーも、次の駒は仕掛けているし、美佳をここに配置したのにも、自信があるからである。向こうも時間はかかるだろう、と高をくくっているわけで、こっちも、疲れた体と睡眠不足を解消するため、黒崎とスイートが起きるまで、

 

 希の店

 

 で、休憩することにしたのでした。

説明
☆第30章、第31章の、喫茶店『望名』編です。

☆サイバーパンクで神話の入ったガンアクション小説です。

☆ラストまでのプロットをちゃんと書いてあるので、形式は、少しずつ続きを書いていく、章区切りの長編となります。
☆『pixno』(URL:http://www35.atwiki.jp/pixno/)に参加しております。

***

Cast

・一 希(にのまえ のぞむ。“一 望”ver.1.0):主人公。元・喫茶店“望名”のマスター。現在、ムーンライト居住エリアのカフェバー“vona“の店長(カフェタイムのマスター)

・ぬこみん:(本名は、猫目 音子=ねこめ ねこ)→カフェバー“vona“の明朗快活なウェイトレス。猫コスプレがチャームポイント♪ こう見えても、”カラテ“の使い手。

・テンニャン(本名は、天仙娘々(てんせんにゃんにゃん)):カフェバー“vona“の女性コック。中華なカンフー娘だけど調理の腕は一級品。とっても優しい♪

・スイート(本名は、金 志久波田(キム シクハダ)):カフェバー“vona“の男性パティシエ。すらっとしたクールイケメン。料理にこだわりを持っている。テンニャンとデザートの味でぶつかることも。テコンドーの使い手。

・リキュール(本名は、坂田 魅子(さかた みこ)):カフェバー“vona“の女性バーテンダー。スマートで姉御なオトナの女性。まとめ役で軍曹。マーシャルアーツの使い手。

・ステロイド(本名は、田路 唐男(たじ からお)):カフェバー“vona“の力仕事など全般の雑用。言動の通り、筋肉が全ての尺度の人。意外に博識で人生経験豊富。パワー系全般を取得。

・黒服(本名は、黒崎 八咫烏(くろさき やたがらす))、:世界統治機関“ガーディアンフェザー”のエージェント。黒サングラスに黒いスーツで仕事をしっかりこなす。“拘束(バインド)”のデイライトガン『サタメント』のガンナー。黒服Aが、希の担当

・一 望ver.2.0:“一 希”(元の“一 望”)のヴァージョンアップ版。デイライト居住エリアで主人公と交代で生活。現“喫茶店『望名』”のマスター。

・志奈津 蛭子(シナツ ヒルコ):ガーディアンフェザー所属のガンナーで韋駄天のごとく足が速い。疾風スキルを有する彼女専用のデイライトガンである『疾風銃・シナトベル』の使い手。少々(?)派手な姿で、一見して企業所属のガンナーに見えない。かなりキレやすい。

・平 与一(タイラ ヨイチ):ガーディアンフェザー所属の狙撃専門のガンナーで、デイライトガン“狙撃銃『ナスーノ』”の使い手。自分の位置を特定させないため、SNSへの書き込みで相手へ連絡する癖がある。結構強い。

・八握 脛(やつか はぎ):ガーディアンフェザー“特殊戦術部門チーフ”のガンナーで、自分の所持するデイライトガン“ワイヤー銃『土蜘蛛』”と、自分が遠隔操作する小さいデイライトガン“ワイヤー銃『子蜘蛛』の使い手。自分と対象物を傷つけずに固定し、ターゲットを締め付けて始末する、特殊ガンナー。さて、腕前は?

・ガーディアンフェザー対テロリストチーム:その名の通り、対テロリスト専門の複数名で構成される、デイライトガンというか鎮圧用サブマシンガン“バタピオン”のガンナー部隊。希のデイライト地下街初戦の相手。

・赤穂吉良の助(あこう きらのすけ):ガーディアンフェザーの秘密機関“秘密兵器開発ラボ”の改造人間。デイライトガン、“捕縛銃『ジュエルジェイル』”のガンナー。宝石型の弾丸を障害物に当てることでネットを張り巡らし、相手を捕縛してから宝石弾で銃撃する。

・美佳(みか):喫茶店『望名』のウェイトレスであり、元、希のカノジョ。今は、ver.2.0の相方でガーディアンフェザーのガンナー。魅了銃“リリシアン”と遠隔操作の対の銃“リリミアン”の使い手。相手の男性を魅了でき、同士討ちを得意とする。
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