とある不死鳥一家の四男坊 聖地巡礼シリーズ【ラブライブ!】 その3
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「……お、オルトさん?」

 

 

「はいはい、オルトさんですよ〜」

 

 

自分にかけられる声に、手をひらひらと振りながら応える。

 

それにしても、急に現れた強い霊気とそれ以外の誰かいる気配に急いできてみれば、まさか彼女たちが襲われているとは思わなかった。

 

時間としてはそろそろ部活をしている子達も、下校する時間帯のはずなのだが。

 

彼女たちの姿を見れば、前世のアニメで見知った練習をする時に着ているような服装であることから、練習中に興味本位でここに来たのか、もしくは練習場所が使えなくていろいろな場所を探していてここに目を付けたのか。

 

 

(……スクフェスとかじゃ、練習できる場所を探して学校中を探し回ってた話もあったし、後者かなぁ)

 

 

……基本的にまじめ枠である、園田海未や絢瀬絵里が止めてくれればよかったのだが。

 

アニメとか見ると、彼女たちも押しに弱いというか、ついのせられて一緒になってやんちゃしてしまうところもあったし、今回もそういうことなのかもしれない。

 

 

「……まぁ、とりあえずだ。お前たちは危ないからさっさと帰りなさい。そんでもって、明日詳しく話は聞かせてもらうからな?」

 

 

流石に今日はもう時間的に帰らないと家の人も心配するだろう。

 

それに、こんなところにいつまでもいたら、またいつ彼女たちに危険が及ぶかわかった物ではない。

 

理事長から問題の解決を依頼されている以上、放っておいたら危険とわかった物を長々と放置などできない。

 

彼女たちを返したら速攻で終わらせて、俺も帰ろう。

 

 

「え、いや、でも」

 

 

「オルトさんこそ、そんなところにいたら危ないですよ!」

 

 

「早く逃げた方がいいわ!」

 

 

……などと、俺のことを心配してくる彼女達。

 

彼女たちはすでに裏の一端に関わってしまっているのだから説明はした方がいいかもしれないが、こっちもこっちでとっとと終わらせたいというのに。

 

あれだけ危険な目に合っていたというのに、逃げるどころか俺も一緒に逃がそうとこちらに寄って来る彼女たちに、どうしたものかと頭を掻く。

 

 

“バンッ”

 

 

「……おろ?」

 

 

『オルトさん!』

 

 

さっき力任せに開けたドアが急に閉まり、俺と彼女たちの間を隔てる。

 

それと同時に俺が来た時に魔力弾で吹っ飛ばしていた霊が、再び集まってくるのを感じた。

 

振り向くと、俺を取り囲むように集まっている黒い影。

 

そしてその背後には、影の何倍も強い霊気を纏っている女の子の形をした霊。

 

 

「……怨霊? いや、まだ悪霊の段階か」

 

 

恐らくあの悪霊がこの数多の影の親玉で間違いないだろう。

 

せっかくの獲物を逃がした俺が憎いのか、その目には恨みが込められている。

 

 

「お前が、ここで起きていた霊障の主犯か」

 

 

影から感じる雰囲気からして、周囲を漂っていた浮遊霊やら地縛霊やらといった所だろうか。そういった自分より弱い霊達を支配下に置いて操っているのだろう。

 

この悪霊からは何やら並々ならぬ怨念のような物を感じるが、よく機械の動作不良や体調不良程度で済んでいたものだ。

 

μ'sのメンバーが襲われたというのに、今までの人達はこの悪霊の琴線に触れなかったのだろうか。

 

それに、どういう訳かついさっきまで、これほどおどろおどろしい霊気にも気付けなかったこともあるし、彼女達の何かがこの怨霊の癇に障って一気に負のエネルギーが爆発したのかもしれない。

 

 

「……まぁ、そんなことはどうでもいいか」

 

 

問題なのはこの悪霊が人様に害を与える存在だということ。

 

そして、今にも襲い掛かってきそうなほどに殺気を向けてくる悪霊からは、話し合い程度でおとなしく成仏してくれそうな気がまるでしない。

 

そうなれば、無理やり成仏させるのも手かもしれないが、あくまでも俺を含めて悪魔達が使うことができる魔法というものは、その本質によるものなのかはわからないが戦うため、相手を倒す為の物が多い。

 

そう言うのは某地獄先生のような霊的存在に対するスペシャリストである霊能力者か、神聖な力である法術を使うことができる天界関係の領分だ。

 

……俺にできるのは、あの女の子の悪霊が怨霊に堕ちる前に消滅させてやることくらい。

 

 

「……ここにいるのが俺じゃなく、あの某地獄先生だったらお前も心残りなく成仏できたのかもしれないんだけどな」

 

 

せめて苦しまないようにと、魔力を多く込めて炎を生み出し悪霊に放つ。

 

避けることなど考えていないのか、こちらの攻撃をただ見つめたまま。

 

そんな悪霊に炎が命中すると、その場所で火柱を上げて燃え盛る。

 

そこからは悪霊の悲鳴は聞こえず、ただ炎の燃え盛る音しか聞こえてこない。

 

 

「……」

 

 

暫くして、手を軽く振るい魔力波を発生させて炎を吹き飛ばす。

 

倒壊するだけならまだしも、炎上して周囲の木々に燃え移ったりしたら流石に目も当てられない。

 

炎が消えたその場所をみると、そこは焼かれて燃え落ちた床があるだけで、初めから何もいなかったかのような無音の空間が生まれる。

 

周りの霊達も炎の勢いで吹き飛ばされたようで、どこにもいない。

 

……だけど。

 

 

「……これは」

 

 

目の前で起きたことに、少し険しい表情になる。ただ相手を消滅させれば済む問題ではないようだ。

 

床が落ちて穴になっていた所から、ゆっくりと這い出てくる悪霊。

 

言わずもがな、先ほどの女の子姿の悪霊だ。

 

 

「……考えられるのは、あの悪霊はただの偽物。本体は別にいるとかか?」

 

 

そこらの悪霊ならば、ポルターガイストで人を驚かせたり、よくて他人に憑依する程度が関の山だろう。

 

それなのに、この悪霊は周囲の霊を呼び寄せて操ったり、自分の分身を作り出したりと、予想以上に強い力を持っている。

 

生前に何らかの能力を持った人間だったのかもしれない。

 

正直、数日前に倒した悪魔なんかより何倍も厄介そうな相手だ。

 

とりあえず、現状から俺なりに立てられる予想を立ててみる。

 

 

例えば、彼女は何かの理由で死んでしまい、遺体がまだ誰にも発見されずにどこかにある。

 

あの悪霊の本体は実はその遺体の方にいるのなら、そちらをどうにかしないと偽物であるこの悪霊は何度でも出てくることになる。

 

 

例えば、この旧校舎事態に憑り付いている。この場合本体がこの旧校舎全体になっている可能性もあり、この旧校舎事態を全壊させなければならない。

 

 

どちらが楽かと言えば断然後者なのだが、前者だと問題の解決が俺では難しくなってくるかもしれない。

 

何処にあるかもわからない女の子の遺体を探すなんて、どれだけ時間がかかるのか。

 

それこそ、専門の能力者に頼ったほうがまだ早いかもしれない。

 

そう考えていると、悪霊が何かをぶつぶつとつぶやいているのに気が付いた。

 

 

―――クライヨォ、ツメタイヨォ

 

 

―――ウラヤマシイ、ナンデワタシダケコンナトコロニ

 

 

―――ニクタラシイ、ワタシハヒトリボッチナノニ、アンナニタノシソウニワラッテ

 

 

―――ワタシガコンナニツライノニ、アンナニエガオデ

 

 

―――ワタシハイツモヒトリボッチナノニ、ミンナナカヨサソウデ

 

 

―――ワタシハココニイルノニ、ダレモキヅイテクレナイ

 

 

―――カナシイヨォ

 

 

―――アァ、ネタマシイィ、ネタマシイ、ネタマシイネタマシイネタマシイネタマシイィィィ!!!

 

 

 

……どうやら前者の線が濃厚らしい。

 

しかも、“ワタシハココニイル”か。

 

 

「……この旧校舎にいるのかもしれないな」

 

 

まぁ、本体が別の場所にあるのに、わざわざここに出没する理由なんてないものな。

 

ならば、彼女はここの元生徒で昔この旧校舎のどこかで死んでしまい、遺体がそのままになってしまっているのかもしれない。

 

 

「……少し探してみるか」

 

 

もしこの旧校舎のどこかにいるならば、この旧校舎丸ごと燃やし尽くせば本体の方も消滅させることができるだろうが。

 

……どうにも、さっきの話を聞いて少し可哀相になってしまった。

 

もしかしたらという可能性だが、消滅させなくても問題が解決するかもしれないし。

 

そう思い、俺はこいつ以外の強い霊力を対象に探知魔法を発動させる。

 

 

(……いるな)

 

 

すると、旧校舎の奥の方から、それっぽい反応があった。

 

どうやらうまくいってくれたようで一安心、そう思っていると。

 

 

「……っと、簡単に行かせてはくれないのか!」

 

 

ポルターガイストが起こり、壊れた壁の破片やら床の破片が飛んでくる。

 

相手を倒せば済むという話ではない以上、わざわざこいつの相手をする必要もない。

 

俺は目標がいる場所を目指して駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

流石に年季が入っていたからか、本当に脆くなっているようだ。

 

地震の影響もあったのだろうが、天井が崩れて通路がふさがっていたり床が抜けていたりするところも結構ある。

 

場所によってはつい先ほど崩れたかのような音や壊れ方をしているところもあり、時々襲ってくるあの悪霊が起こしているのかもしれない。

 

……それにしても。

 

 

「……なんというか、癇癪というか意地になってる子供みたいだな」

 

 

あの悪霊からは自分を見つけてほしいという思いを感じたが、それと同時に強い拒絶の思いも感じられた。

 

さっきの言葉から察するに、彼女は生前に虐められていた、もしくはボッチだったのではないかと思う。

 

自分のそばに誰も近づいてほしくなく、だからこそ遺体を探そうとする俺や作業員たちを拒絶する。

 

しかしその反面、生前から他の人達が楽しそうにしているのを見て羨ましく、妬ましく感じていた。

 

自分は一人なのに皆はあんなに楽しそう、自分も皆の輪に入りたい、皆と一緒に楽しく遊びたい、そう思っていたのかもしれない。

 

だからμ'sの仲の良さに触発されて、嫉妬心から負のエネルギーが活発化した。

 

俺が遺体を探すのを邪魔しながらも、高坂穂乃果を連れ込もうとしたのはもしかしたら長い間一人で寂しかったから自分の仲間に、自分の友達にしたかったのかもしれない。

 

周りにいた霊達もその思いから集めていたのではないか。

 

 

……まぁ、先ほどの様子から高坂穂乃果を連れ込んでいたら、殺されていた可能性もある。

 

同じ幽霊にしたうえで仲間、友達にしようとしたということなら、被害者である彼女からしたらたまったものではないだろう。

 

 

「……ん、ここか」

 

 

そうこうしているうちに、ようやく目的の場所に着いたようだ。

 

ボロボロであったが入口に掲示されているプレートから、そこが女子トイレであることがなんとか分かった。

 

女子トイレということで普段は入り難いところではあるが、ここまで来て入らないわけにもいかず俺はそのドアを押し開ける。

 

 

(……妨害はなし、と)

 

 

正直ここまで来る途中の妨害が多く、最後の最後で何らかの抵抗があるのではないかと考えていただけに少し拍子抜けした。

 

開けた瞬間にガラスの破片が顔面めがけて飛んでくる、などということも想定して俺の周りに魔力障壁を展開していたのだが、どうやら無駄に終わったようだ。

 

ここまで来られて腹をくくった、そういう所だろうか?

 

中に入るとやはりというかなんというか、腐敗臭であったり何かの異臭がして少しきつい。

 

……リアルの女子高のトイレに、男の抱く幻想など欠片もないという現実を叩き付けられたようなきつさだ。

 

見ると個室のドアが老朽化によってか崩れ落ちていたが、一番奥の個室だけはまだドアがついていた。

 

気配の位置からいっても、そこが目的の場所ということがわかる。

 

そのドアの前に立つと俺が開けるまでもなく、ゆっくりとひとりでにドアが開いた。

 

 

「……初めまして、かな?」

 

 

「……」

 

 

そこにはボロボロになっている昔風のセーラー服に身を包んだ白骨遺体が、壁を背にして座り込んでいるような姿勢であった。

 

そして、その遺体の前でこちらを無言でじっと見つめる女の子の霊。

 

 

「……」

 

 

「……」

 

 

お互いが無言で見つめあう。

 

正直見つけたはいいものの、どうすればいいのか悩みどころだ。

 

相手からは恨みがましい視線は感じる物の、どうやらもうこちらを襲う気がないのか敵意は感じられない。

 

襲ってくるなら襲ってくるで、それ相応の対応をしようとは考えていた。むしろそちらの方がまだ楽だっただろう。

 

しかし、事はもっと難しい展開になるかもしれない。

 

 

(……これは、何か彼女を説得して成仏させる的な流れなのか?)

 

 

さっきまでならともかく、今みたいにただじっと睨んでくるだけの女の子の霊を問答無用で攻撃できるほど冷酷にはなれない。

 

ここまで来ておいてなんだが、こういう説得事というのはまた難しい。というか、こんな状況など初めてでどういう説得をすればいいのかわからない。

 

……いや、まぁ、あからさまに無難な言葉ならいくつか思いつくが、それが彼女の成仏につながるかどうかわからない。

 

ギャルゲーに出てくるような主人公ならば自分を襲ってきた悪霊相手でも本気で共感して、何らかの気の利いた言葉を言って、未練だなんだを払拭してくれるのかもしれないが……。

 

 

(さて、どうしたものか)

 

 

実際問題、理事長の話を聞く限りでは、この子は今までこの旧校舎に危害を加えようとする人くらいにしか影響を与えていなかった。

 

今回の高坂穂乃果のこともあるが、それはこの旧校舎に近づかなければ問題はないことのように思う。

 

一応、簡易結界を張れる道具もあるにはあるし、それを張っていれば強引に突破しようとしても少しくらいはもつだろう。

 

それならば結界を張るだけ張っておいて今日の所は一度帰り、後日本職の人に来てもらうというのも一つの手なのではないだろうか。

 

その方がこと霊を成仏させることに関して素人な俺なんかよりも、うまく対応してくれるだろうし。

 

本気でそうしてしまおうかと考え込んでいると、ふと目に映るものがあった。

 

 

「……朝比奈夕菜(あさひなゆうな)ちゃん、か」

 

 

遺体の方のセーラー服に、ちらっと見えたボロボロの刺繍のようなもの。

 

「ちょっと失礼」と少し近づいて見てみると、この子の名前らしい刺繍が何とか読めるくらいに残っていた。

 

 

「……ッ!? ふ、ふんっ!」

 

 

その言葉に反応したのか、彼女は何やらそっぽを向いてしまった。

 

そして。

 

 

「……え、えぇ?」

 

 

彼女は不機嫌そうな顔ながらも薄らと頬を赤らめて、なぜかそのまま消えてしまった。

 

それに続くようにこの旧校舎に今まで蔓延していたおどろおどろしい負の霊力も、少しずつ薄らいでいく。

 

これはその力の大元となっていた悪霊、朝比奈夕菜がいなくなったからということでいいのだろうか?

 

 

(……というか)

 

 

―――見つけてくれて、ありがとう(ボソッ

 

 

消える寸前に不機嫌そうな顔のまま、小さな声でつぶやかれたその言葉。

 

 

「……ツンデレかよ」

 

 

ここまで来るのに妨害したり、高坂穂乃果を殺そうとしたりと色々しておいて、なんともあっさりとしたというか拍子抜けするような幕引きだった。

 

 

(……もしあの子が本当にツンデレ気質だとしたら、高坂穂乃果が殺されそうに見えたのすら俺の勘違いの可能性も?)

 

 

もしかしたらあれも、もしかしたらこれも。そう色々と考えがよぎるが、確認しようにも本人(本霊?)はすでにここにはいない。

 

俺は遣り様のないモヤモヤとした気持ちを抱えたまま、女子トイレを後にした。

 

 

 

 

後日、理事長に聞いたことだが。

 

この旧校舎で過去、行方不明になった女生徒の記録はなかったという。

 

記録に残されていなかったのか、はたまた偶然旧校舎に迷い込みそのままトイレに閉じ込められて出れなくなってしまった別の学校の子だったのか。

 

結局、俺が事の真相を知ることは、できないままとなってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

なんとも言えない感情を心に残したまま、俺は旧校舎から外にでた。

 

彼女が消えたからか、彼女に集められた霊達をここに来る途中で見ることはなかった。

 

元の場所に戻ったのか、もしくは成仏したのか、特に何の障害もなく旧校舎を出ることができた。

 

ふと、空を見上げるとそこそこ時間が経っていたようで、もう夕陽もほとんど沈んで周りは暗くなっていた。

 

 

「……ん? ……ったく、あいつらは」

 

 

周りを見回していると、逃げるように言っておいたのに、なぜか少し離れた場所でこちらの様子を見ていたμ'sのメンバーを見つける。

 

 

「オルトさん!」

 

 

「よかった、無事だったのね!」

 

 

「ずっと中からすごい音がしていたので心配しました」

 

 

出てきた俺を見て、不安げな表情から一変して安堵した表情を浮かべて駆け寄ってくる。

 

 

「……まったく、逃げろって言ったのに」

 

 

そんな彼女たちの姿に思わず苦笑する。

 

 

(さて、俺に説得やら説教やらは向かないってことはわかったことだし、後は理事長にでも任せるか)

 

 

とりあえず心配そうに話しかけてくる彼女たちの相手をしながら、そんなことを考えた。

 

 

翌日、昼休み時間になるとμ'sのメンバーは理事長室に呼び出されて、部屋の隅でにやにやと笑みを浮かべる俺に見守られながら、みんなで仲良く理事長からありがたいお説教を受けることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――キーンコーンカーンコーン

 

 

「……ん、もうこんな時間か」

 

 

微睡の中、チャイムの音にゆっくりと瞼を開ける。

 

椅子にもたれ掛かりながら部室の時計を見ると、すでに今日の授業が終わりを迎える時間になっていた。

 

 

「なんか懐かしい夢を見たな。確か、初めてここに赴任してきた時の夢か?

 

いい思い出ってわけじゃないけど、あの事件があったから皆と仲良くなれたんだよなぁ」

 

 

もしあの事件がなければ、さいあく最後まで他人行儀なままということもあったかもしれない。

 

仲の良い女友達で集まっている中に、顧問とはいえ少し知った程度でしかない男がいればやはり居心地が悪いだろうし、遣り辛いものがあるだろう。

 

自然と近づくことはできず、遠くから彼女たちを見守ることしかできなかった可能性もある。

 

それを考えれば、言いようのない気持ちが残る事件ではあったが、それでもいい思い出と言えないこともないのかもしれない。

 

この部室で居眠りをしていたからだろうか、久しぶりに懐かしい“昔”の夢、μ'sの皆との夢を見ることができて少し気分がよかった。

 

 

「……あれからもう“100年以上”経って、いろいろと忘れたと思ってたんだけどなぁ」

 

 

どうやら人の記憶というものは、忘れたと思っていても記憶の奥深くにはしっかりと記録されているようだと、そう感心した。

 

 

 

 

 

 

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最後の方、少し急展開かと思いましたが、ホラーものなんてこんな感じでいいと思う私がいる。

……考えてみて偶然その場にい合わせた人間に心の篭った説得ができると思えず(きっと私ならできないし)、逆にただ滅するだけというのも後味悪い気がするし。

考えた結果、幽霊をツンデレにしてしまえばいいという謎思考orz

 

そして、時間は未来に飛びます。

短編、中編作品を主に書いていると、どうにも急展開になりがちです。(反省

 

補足

1)悪霊と怨霊

悪霊は基本的にいたずら、もしくは悪事を働く霊のことだと考えています。

悪事といっても、ポルターガイスト等の力により人を驚かせたり怪我をさせてしまうこともあるかもしれませんが、どちらかといえばいたずらに分類されるようなものと考えています。

怨霊は人に害を与えて命を奪い、その魂を取り込んだ存在です。

霊体で魂だけの存在ともいえる霊にとって、他人の魂の味は甘美なものに感じます。

一度魂を取り込むことで魂の味を占めて、幾度となく人の命を奪おうとするのが怨霊に堕ちることと考えています。

悪事が発展して人を殺してしまい、悪霊から怨霊になってしまう霊もいると思います。

少し曖昧ですが、「こんな感じ」というニュアンスで考えてもらえれば幸いです。

 

おおよその分類としては

霊:浮遊霊、地縛霊といったただそこにいるだけで、特に他人に害を与えないような霊。

悪霊:憑依、ポルターガイスト等を使い悪事を働く霊。

怨霊:人の命を奪い、魂を取り込んだ霊。(例)貞〇さん、メ〇ーさん等

 

……日本のホラー系の話って殺意多いと思う今日この頃。

 

2)成仏、消滅

成仏は簡単に言えば本人が納得するしないにかかわらず昇天することですかねぇ。

納得するというのは、言ってみればその霊が持つ未練を断ち切ったりとか。

納得しないというのは、能力者により天界に送られることですかねぇ?

後者に関しては、ブリーチの魂葬をイメージしています。

 

で、消滅に関してですが、個人的な考えで魂だけの存在に対して攻撃魔法(魔法でなくとも)使えば消滅するんじゃない?という単純な意見です。

天界に送ることができる効果がある魔法などなら話は別ですが、純粋に相手を倒す目的の魔法を使えば人ならば死ぬように魂の存在も同じように死ぬ、つまり消滅するのではないかということです。

……そこらへん、うまく説明できずに申し訳ないですが、他の意見もある人はいるかもしれませんが、ここにおいてはとりあえずそういうことにしていただければ幸いです。(汗

説明
3話目です。
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ハイスクールD×D オリ主 転生 聖地巡礼 ラブライブ! クロス 急展開? 

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