世界が終わりなんて間違っている 第6話
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 城廻先輩が落ち着いたところで、取り敢えず四階の状況確認を行うことにした。

 防火扉でこの学校からメイン校舎四階だけが切り離した状態にある。

 これ以上外からゾンビの侵入はないとして扉の中にゾンビがいてはせっかく防火扉閉じていてもこの中が安全ではなくなってしまう。

 今別行動中の葉山たち(由比ヶ浜を除いた葉山グループ)とメールで四階の安全確認を行うことを送り行動を開始した。

 もちろん葉山のアドレスは知らないので由比ヶ浜に送ってもらったが……

 

 まずは生徒指導室だが、ここは先生がカギを持っていたためドアを開けるときに音を立てないようにするだけで済んだ。

 一端ここに武器以外の荷物を置き見回りを再開した。

 

 トイレの安全を確認した際には我慢していたのかみんな一斉にトイレの中に入っていったのは笑えたが…… 

 その後、廊下の所々血のあとはあるが遺体もゾンビも無く無事に葉山たちに合流できた。

 と同時にこの階に遺体がなかったということは、犠牲となった人物がゾンビ化してどこかで徘徊しているのかと思うと胸を痛めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     〜     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 四階の無事が確認できるととりあえず生徒指導室に集まることもなりそこへ移動すると、先生がお湯を沸かしていたらしくコーヒーを出してくれたので皆で一息入れることができた。

 マッ缶に慣れた俺には苦すぎたが……

 

 

平 塚「さて、取り敢えずは安全な場所を確保できたが、水と電気はいいが食料が不足している。非常食があるのは一階の倉庫にあるんだが……事務室に置いてある鍵が必要なんだ。それに一階まで行くとなるとやつらに遭遇する可能性が高い」

 

雪 乃「食料は早めに確保する方がいいでしょうね」

 

八 幡「そうだな。それに時間が経てば経つほど危険度が増すと思う」

 

小 町「どうして時間が経てば経つほどなの?」

 

八 幡「小町……よく考えてみろ。ゾンビに噛まれたらゾンビになる。これはわかるよな?」

 

小 町「うん。昨日言ってたし」

 

八 幡「そこでゾンビと戦えない人たちは次々と襲われ時間が経てば経つほど、ゾンビ達は増えてしまうんだ。だから食料などは早めに確保したほうがいい」

 

葉 山「そうだな。取り敢えず少数で一階の非常食や購買の食料を確保しに行くほうがいいと思うけどみんなはどう思う?」

 

八 幡「俺はその意見に賛成だ。食料確保班とあとバリケードを作れるように机とかを防火扉の近くまで集める班に分かれた方がいいと思う」

 

雪 乃「そうね。あまりぞろぞろ行ってもやつらに見つかる可能性が上がってしまうものね」

 

八 幡「あぁということですまないが、俺・戸塚・葉山・戸部で取りに行きたいと思う。あとできれば先生にもついて来てもらいたいのですが」

 

平 塚「分かってる。非常食が置いてある倉庫のカギだな。事務室のどこにあるかわかるのは私だけだろうし、生徒たちだけで行かせるわけにいかんしな」

 

八 幡「ありがとうございます。あとできれば部活の遠征用バスのカギの確保もしておきたいのですが」

 

平 塚「バスのカギなら事務室にあるはずだが……どうしてだ?」

 

八 幡「先ほど話したように食料の確保も大事ですが、いつまでこの状況が続くかわからない以上それ以外の資材も外から確保しておいた方がいいと思うんですよ。とりあえず今回は校内にある食糧を一時この四階を拠点にして物資を集めて、バリケードを作りつつ校内の安全な場所を増やしていければと」

 

平 塚「なるほど……二階より上は階段をバリケードで封鎖して防火扉を降ろしておけば教室内は安全だが、一階は窓を全部塞がない限り安全ではない。窓を塞ぐには資材と時間が必要だからな」

 

八 幡「塞ぐのもなんですが、まぁそれは後でにしましょう。少しでも体力があるうちに食料集めた方がいいですし。あと残るみんなには簡単でいいから掃除もお願いしたい。重いものは後でやるとして寝泊りできる部屋を作ってほしい」

 

雪 乃「分かってるわ。いつまでも男子と一緒の部屋で寝るのは問題があるのだから」

 

いろは「私はそれでもいいですけどねぇ……」

 

結 衣「私も……」

 

 

 一色と由比ヶ浜が二人が小声で何か話していたようだが、俺には聞こえなかったことにして俺は食料確保班のもとに行き持っていくものや経路の話を始めるのだった。

 

 

 

 居残り組を城廻先輩に任せ(纏めれる人材が先輩しかいなかった)食料確保班は、職員室前(東階段側)の防火扉に武器を携えて集まった。

 まず最初に防火扉に耳を当てゾンビ達が扉をたたく音が聞こえないかを確認し、音が聞こえなかったので扉を少し開けて辺りを確認した。

 辺りにはいないらしくやつらのうめくような声も聞こえない。

 いないことを確認した後俺は一端屋上に向かい放置していたスマホ付きの釣り竿もどきを回収した。

 戻って釣り竿もどきを預けた後東階段をそのまま下った。

 

 

 一階までの階段ではやつらとの遭遇も少なくこちらには人数もいたためうまく対処しながら降りることができた。

 一階に着くと事務室に向かう組(俺・先生)と購買・テニス部部室に向かう組(葉山・戸部・戸塚)に分かれて行動する手はずになっている。

 別行動組には戸塚のバックの回収と購買の食料の確保を任せ、事務室に鍵を取りに行った。

 

 慎重に事務室に入ると中にいたゾンビが向かってくる。

 今まで戦ってきたゾンビは話したこともない外部の人や生徒だったが、中にいたのはいつも購買の自販機にマッ缶を入れてくれていてマッ缶愛好の同士だった用務員のおっちゃん。

 初めて顔見知りのゾンビにあってしまいバットを振り回すのを躊躇した時、おっちゃんゾンビが一瞬立ち止まって笑いかけてきたように見えた。

 しかしいきなり動き出すと先生の方に向かっていったが先生はうまく対応して持っていた金属バットをふると一撃に沈んだ。

 おっちゃんの末路に多少のショックを受けたが、先生に肩をたたかれ無言で首を振っているのが見えた。

 先生はおっちゃんが数少ない知り合いということは知っており

 

 

平 塚「もし一階を開放で来たら墓でも作ってやってくれ」

 

 

 と言葉を押し殺すような声で慰めてくれている。言葉もなくうなずくと二人で一礼をしてカギの回収を行った。

 事務室からは購買に向かい葉山たちと合流すると第一保健室に向かった。

 

 幸い保健室の中は外の窓ガラスが割れていたもののゾンビ達の姿はなく作戦を続けることに……

 購買で集めた食料を一時保健室に集め、倉庫から水・非常食・災害用に用意されていた毛布・寝袋などの防災用品を回収して保健室に運び込んだ。(マッ缶も買えるだけ買って一緒に)

 保健室では医薬品や掛け布団なども回収を行っている。

 

 この学校でも知っている人は少ないのだが保健室には暗証番号入力で動くエレベーターがある。

 急患非常用か資材運搬用に使われているエレベーターであり一階から四階まで病人や物を運べるようになっている。それを利用して購買と倉庫や保健室からの物資を大量に運び出す寸法だ。

 

 流石に物資は多くなっていたため二回に分けて上げることになった。

 まず戸塚と物資の半分を乗せて四階に上げ、エレベーターが戻ってくる待ち時間を利用して保健室の窓側をロッカーや棚などで塞ぎ外から侵入が難しくなるよう設置していく。

 

 

戸 部「でもさぁ〜ヒキタニ君。エレベーター使えるならこれに乗ってこればよかったんじゃない〜?」

 

八 幡「先生が暗証番号を入力していたのを見てただろ。このエレベーターは急患以外の生徒が使わないよう使う部屋同士の暗証番号解除が必要なんだよ。だから乗ってこれなかったのもあるが、もしエレベーターに乗って降りて出てきた時に、ここがゾンビであふれていたら行動が制限されて逃げ場のない所に追い込まれてしまうんだぞ」

 

 

戸 部「ふぅ〜ん。なるほど〜」

 

 

 分かったかわかってないかあいまいな返事を返してくる戸部にあきれながらも

 

 

八 幡「あと使い終わったならまた暗証番号をロックしたほうがいいな」

 

葉 山「それはなぜだい?」

 

八 幡「四階は安全になっているんだぞ。もし何らかの偶然でゾンビが中に入り知らずに四階で開けてしまったら危なくなるだろ」

 

葉 山「なるほど……もしエレベーターを使うとしてもその階同士が安全の確保できてないといけないってことか? でももし二階まで安全圏を広げれたら二階から四階までの間だけでも使えるならいろいろ役に立つかもな」

 

 

 そうこう話しているうちに無人のエレベーターが戻ってきた。

 今度は先生と残りの物資を載せ四階に到達したのを確認すると先生に教わった暗証番号を入力して保健室を後にした。

 

 保健室から出た後は三人で別方向を警戒しつつ西階段を昇っていく。

 何度かの遭遇の際も三人で味方の死角を作らないように戦うことに慣れてきたのか最初のころよりも効率よく進むことができている。

 

 四階の防火扉の所まで来ると戸塚達数人で階段を見張りながら机を扉の外に出している途中だった。

 見張りをしていた戸塚が俺たちに気付いて今日一番の笑顔を見せてくれた。

 

 

彩 加「おかえり八幡!」

 

八 幡「おぅ! 無事に帰ってこれたぜ」

 

彩 加「いま、バリケード用の机を出しているんだけどもう作り始めた方がいいよね? どのあたりに作ろっか?」

 

八 幡「そうだな。三階と四階の間の踊り場から上がってくるところに作るのがいいかもな。やつらは足が上がる所までの高さか体を乗せて乗り越えれることはできるみたいだから机を二段くらいまで積み上げて縄かガムテープとかで固定したら大丈夫なんじゃないか? 一応のため縦二列横三列高さ二段のものを作った方がいいか……」

 

結 衣「ヒッキー。ガムテープは生徒指導室と職員室にあったんだけど……縄になりそうな物ってビニール式の荷造り用のやつしかなかったんだ。これでも大丈夫かな?」

 

八 幡「できれば丈夫な奴がいいんだがな……とりあえず無いよりはましだからそれを使っとこう。あとで資材とかを集めるときに縄もリストに入れておく。東西の両階段は続けて作った方がいいだろうな。バリケードをつくるのは俺がやるから見張りをしてくれる人と手伝ってくれる人が必要だ」

 

葉 山「見張りはとりあえずやつらを見つけたら知らせるだけでいいのか?」

 

八 幡「取り敢えず先に屋上までにやつらがいないか確認できれば見張るのは東西の両階段を下からと渡り廊下方面からそれぞれ一人づつと考えて見張りは三人でいい」

 

葉 山「バリケードづくりは頑丈にした方がいいから男の方がいいよな? 俺が比企谷のサポートにつくこう。すまないが戸部と戸塚は東西の階段を見張っていてくれ。それと渡り廊下の方だが先生にお願いしてもいいですか?」

 

平 塚「それは構わないが見張り同士での合図はどうやって行うんだいつもみんなが合図を見れるわけではないのだが……」

 

雪 乃「それじゃあ私が平塚先生と一緒の所で見張りますよ。私が戸塚君と戸部君の合図を受け取り先生や比企谷君達に直接報告すれば音を出さずに済むでしょう」

 

八 幡「そうだな……渡り廊下の方は扉を閉めていればある程度時間は稼げるし女性だけでもなんとかなるか」

 

戸 塚「それでいいと思うよ」

 

八 幡「じゃあ先に屋上確認に行ってくるから見張りを付けながら下の踊り場の所に机とかを運んでおいてくれ」

 

葉 山「分かった。始めようか」

 

 

 葉山の言葉と同時にみんな動き出す。雪ノ下と小町に下の様子を見てもらい男達を中心に材料を踊り場に運んでいく。この際葉山の提案で渡り廊下側に机を運んでいく。

 もしゾンビ達が来ても机などを置いておけば渡り廊下からくるゾンビに対し足止めができるかららしい。

 

 俺は単独で屋上に向かい細かなところまで確認すると昨日倒していた動かなくなったゾンビ達を屋上から地上に落とした。

 死者を冒涜するような行為だが他の病気の発生を防ぐ為、緊急事態ということでそうするしかなかった。地面と衝突した音が聞こえ、音に反応したゾンビがその周辺に集まってくる。少しでもゾンビ達が昇ってくる可能性を下げる効果があれば助かるのだが……

 見回りも終わり四階に戻ってくるとすでに机などは踊り場に降ろしてあるみたいですぐにバリケードづくりを始めることができた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     〜     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 無事にバリケードづくりも完了したころには夕方になっており、朝少量の食事しかとってないこともあり空腹を知らせる音がグゥグゥ煩いくらいになっている。

 防火扉の内側に使ってないロッカーで封じると

 

 

結 衣「ヒッキー! ごはんの準備できたから食べようよ!」

 

 

 昨日生徒会組救出時にゾンビと目があったときより、絶望的な言葉を聞いてしまった。

 

 

八 幡「あの……由比ヶ浜さん。もしかして由比ヶ浜さんが用意したのですか?」

 

 

 由比ヶ浜の料理の腕を知っている分絶望的な状況しか目に浮かばない俺は由比ヶ浜に対して敬語で返すしかなかった。

 

 

結 衣「そうだよD優美子と姫菜と準備したんだ!」

 

 

 いかにも褒めてほしそうな笑顔で微笑みかけてくる。

 

 

八 幡「ちなみに献立はなに?」

 

結 衣「物資の中にお米があったからそれを炊いて、レトルトのカレーを温めたんだ」

 

八 幡「えっと…お米を炊いたのは誰なんだ?」

 

結 衣「優美子だよ。なんか結衣はお湯沸かすだけでいいからって言われたから」

 

 

 言葉の裏側にある理由を気付いてないのか私やりましたとどや顔でそう返してくる。

 もし由比ヶ浜の手作りだったら今のゾンビ達とは違ったバイオハザードが起こってしまうところだった。

 あーしさんグッジョブ!と心の中で感謝しながらみんなが待つ生徒指導室に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     〜     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 食事も済み、腹ごなししていると

 

 

彩 加「で、これからどうするの?」

 

八 幡「とりあえず外の様子を知りたい。職員室にテレビがあったと思うけど」

 

雪 乃「多分見るのは大丈夫だと思うわよ。職員室に入ったときあまり荒らされてなかったから……放送されているかはわからないけど」

 

 

 雪ノ下の言葉を聞き職員室にみんなで向かうことに。

 職員室は確かにあまり荒らされていないようでテレビも壊れていなかった。

 テレビをつけると数は少ないが報送されているチャンネルがあったけどどれもこの事態が世界中で起こっていてむやみに外に出ないよう警告するだけである。

 

 

めぐり「そんなぁ……これじゃいつまでたっても助けは来ないのかな?」

 

八 幡「分かりません。ただ今は最低でも自分たちが生き延びれるように校舎を守るしか今はないでしょうね」

 

雪 乃「じゃあ比企谷君はこれからどうすればいいと思う?」

 

八 幡「ゾンビ達が音や動くものに反応することはわかった。それ以外のことで確かめてみたい。やつらの行動を知っていれば対策も立て易いからな。昨日話したゾンビ達の習慣でまだ確かめてないのは光にも反応するかとか夜活発になるかどうかだな……」

 

海老名「でもどちらも夜にならないとわからないから別のことを決めた方がよくない?」

 

平 塚「その通りだな。そうなると光に反応するのであれば夜はこの部屋を使わない方がいいだろう」

 

雪 乃「そうですね。窓から光が漏れたりするといけないですし……内部の部屋を片づけて夜の間はそこに集まるのがいいでしょうね。今とりあえず机を出しただけの状態だから」

 

葉 山「そうだね。保健室にあった掛け布団や防災グッズの中にあった毛布・寝袋を今のうちに移しておいて、外側にある教室には全部カーテンなどで光が漏れにくくするのもしておいた方がいいだろう」

 

八 幡「あと今夜もというよりは今夜からもずっとだが両方の防火扉の見張りを作った方がいいだろうな。もしもの場合のために……」

 

葉 山「昨日のように男子五時間づつ女子二時間半づつってことでいいのかな?」

 

八 幡「あぁ生徒会室辺りと倉庫の辺りに男女一人づつのペアで、両側から見える位置取りにしておけばいいだろう。もし何かあった際男子が警戒して女子がほかの皆に知らせるってことでいいか? まぁ夜の間は今みたいに防火扉の前にロッカーを置いて外から入りにくくするから念のためってことで……」

 

小 町「用心にこしたことないしね。わかったよ!」

 

めぐり「じゃあ夜になる前に掃除しちゃおう!」

 

 

 手分けして掃除や必要なものを運んだり部屋の中を片付けていく。

 それと同時に使わない部屋のカーテンを閉めて廊下の光が漏れないように廊下側のドアや窓にも暗幕のように付けていく。

 そして2日目の夜を迎える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     〜     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜になってみんなが寝る前にゾンビ達が光に反応するかを確認するため生徒会室に集まっている。

 災害時用品の中にあった懐中電灯を使い、ベランダから校庭の方に光を当ててみることにした。

 

 

めぐり「集まってきてるね」

 

いろは「はい……でも動きが速くなってるわけではないですね」

 

海老名「うーん。ホラー=夜ってイメージがあるから夜活発になるってそう感じていただけじゃない?」

 

八 幡「そうかもな。まぁ動きが速くならないなら今までの対処で済むからから助かるな」

 

三 浦「しっかしさぁやつら少なくなってなーい?」

 

 

 三浦の指摘に様子を見てみると確かに夕方見た時より減って見える。

 屋内に入ってきているのか……それとも

 

 

戸 部「ん〜あれっしょ! みんなうちに帰っちゃったとか〜」

 

三 浦「んなわけないでしょ」

 

八 幡「それだ!」

 

 

 戸部のたぶん何も考えずに言ったことをあーしさんが否定しているが、戸部の言葉で気付かされた。

 

 

八 幡「ゾンビ物の作品で、ゾンビになった後も生前と同じ行動を取る話がある。昨日生徒会室に集まってきていたゾンビ達は生前の行動を取った結果夜になったら帰ったんだ。だから朝の段階で四階の前にいたゾンビは少なかったんだろう」

 

葉 山「……まだ実際に帰って行ってるところを見てないから確証はないが可能性はありそうだな」

 

八 幡「ということは今日みたいに朝早くに行動したら安全圏を広くすることができすんじゃないか?」

 

平 塚「なるほど……ただこれ以上バリケードを作るには材料が必要になるぞ」

 

八 幡「えぇ……ですから朝話していたように明日は資材の確保に向かいませんか? ホームセンターやデパートみたいなところに……あと今の段階で家族と連絡がついている人はいるか? もしいるならここに避難してもらった方が安全だと思うんだが……」

 

 

 俺の提案にほとんどの人物が顔を伏せるだけだった。

 多分連絡が取れない以上もうやつらの犠牲になっている可能性は高い。

 うちも両親に災害用連絡サービスに伝言を入れているが反応がない状況である。

 

 

結 衣「え、えっと……うちのママはサブレと家に籠っているって連絡があったよ」

 

 

 沈んでるみんなの空気を読みながら伝えてきた。

 多分本当ならすぐにでも会いたいのだろうが……

 

 

雪 乃「私の実家は今のところは姉さんが立て籠もっていて無事なのは確認できたけど、両親はつながらなかったわ。実家は遠いから下手に迎えに行くより家の周りが高い壁に囲まれている家で籠ってもらっていた方が安全とは思うけど……」

 

葉 山「両親とは連絡が取れていない。昨日は東京の方に仕事に行っていたから……多分テレビで見た東京も同じ状況だったから」

 

いろは「うちもつながりませんでした」

 

 

 皆家族と連絡が取れずに気落ちしているようだ。

 

 

小 町「お兄ちゃん。お父さんとお母さん連絡付かないけどダメだったのかな。もし家に誰もいないならカー君お腹すかせてないかな?」

 

八 幡「……カマクラがもし無事なら連れてきてやりたいな」

 

小 町「そうだね」

 

 

 小町に生きているかわからない両親のことを考えさせないよう話を誘導させた。

 

 

八 幡「明日資材の調達の時にそれぞれの家を見て回ろうと思うんだが」

 

 

 そう切り出すもほとんどの家が遠いため難しいと返事が返ってくる。

 結局行けるのは俺の家と由比ヶ浜の家ということになってしまった。

 ゾンビ達が生前の行動を取っているとしたら行動を起こすのは朝となるだろう。

 

 資材調達班は平塚先生・俺・小町・由比ヶ浜・戸部・一色

 居残り組はその他と決まった。

 資材調達班と居残り組を分け明日の打ち合わせを行い明日に備え寝ることにした。

 

 見張りの順番は昨日と同じで順番で最初は

 東階段に俺と雪ノ下、西階段に戸塚と由比ヶ浜となった。

 

 

 見張りをしていると急に雪ノ下が立ち上がり忘れ物をしたと言ってみんなが寝泊りしている教室に戻っていった。

 しばらく防火扉の方を見張っているとどうやら戻ってきたらしく隣の椅子に座る気配があった。

 

 

 

 

八 幡「おそかったな……忘れ物は見つかったのか?」

 

 

 

 

 そう声をかけても返事が戻ってこない。

 不審に思い視線隣に向けようとしたその時

 

 

 

 

 

 

 

 

いろは「せんぱい……お話しがあります」

 

 

 予想外の人物から声をかけられたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「だれか……助けてよぉ」

 

 

 

 

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簡易バリケードの作り方

@まず階段の一番下の側面と横に倒した長机を引っ付けるように設置

 

 

─┐   ┏━┓

 │   ┃ ┣━━━┳━

 └─┐ ┃長┃   ┃ 

階段 │ ┃ ┃   ┃

   └─┃机┃   ┃

     ┃ ┣━━━┻━

     ┗━┛──────

 

A次に長机の脚と脚の間に椅子と机を並べる。

 並べ方は普段使っている置き方で椅子を先に長机の方に置きそれから普通の机を置いていく

 (今回はちょうど3セット入るように設定)

 

B Aの状態のそれぞれの脚をガムテープで固定

 

C 同じように3列を置き固定(縦2列横3列の状態)

 

D その上に逆さにした机を下と合わせるようにして設置

 

E 上下と左右固定して上の空白部分に椅子を敷き詰める。

  (乱雑に机の脚より上に出るように)

 

F 最後に全体をロープで固めて手摺につなげる。

 

そのあとで長机と階段の段差をなんかで埋めれば終わり

 

 

 

本当ならBの前に長机をもう一つ持ってきて今度は逆に置き長机同士で普通の机を挟むやり方の方がいいかもしれませんね。

説明
第六話
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タグ
台本形式 ゾンビ やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 

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