エブリデイえーゆー譚!〜恋姫達とのドタバタ生活!〜 三十五話
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春が過ぎ、夏に近づいていくこの季節……なんの前触れもなく、その一言はその場にいた全員を凍りつかせた。

 

 

喜雨「付き合って」

リト「は?」

 

 

小等部の生徒がアパートで使う勉強部屋…別名ロリ部屋で、喜雨はリトにそう言う。

その場にいたリトと小等部の面々(猫×4とリュウタ、風は外で遊んでる)は動かしていた手を止めてリトと喜雨を見ていた。

そして、硬直が解けたのは音々音と流琉だ。

 

音々音「―――ななななな、何を言ってるのですか、喜雨!!?」

流琉「喜雨ちゃん、兄様にやっぱり…!」

喜雨「はぁ…違うから。買い物に付き合ってって事」

季衣「買い物って、何を買いに?」

白湯「お菓子!?」

美羽「蜂蜜なのじゃ!?」

鈴々「美味しい食べ物なのだ!?」

小蓮「喜雨に限ってそれは無いわね…」

リト「もちつけお前ら」

 

いや、お前も落ち着け。

小蓮の言う通り、食べ物関係ではないだろう、喜雨はそんなキャラではない。

だったら文房具か、それとも新しいメガネか…リトは無難に考える。

一方で言った本人の喜雨は珍しく頬を染めて目を反らし、呟いた。

 

喜雨「……し、下着…」

香風「ぱんつ?」

リト「香風、もう少しオブラートに包んで言おうな?」

季衣「んー、でも何で?」

喜雨「…前にお母さんが買ってきたのが…その、あれで…。嫌だったら誰かと一緒に行けって…」

リト「けど別にいいんじゃないのか?子供なんだし今はそれで我慢しても」

喜雨「良くない。ボクにも権利はあるし。……それに子供じゃないし」

リト「まぁ、大体分かった。いいぜ。暇なときは着いて行ってやるよ」

喜雨「そう……」

リト「でもなんで俺?」

喜雨「ボクの知ってる年上で一番暇そうだから」

リト「悪かったな暇そうで」

 

リトは口元を引くつかせて笑っているが実際暇だった。

出されたプリントもやったし、次の予習もできている。

だが年下にそんな風に思われているのが心外だったのだろう。

 

音々音「じゃ、じゃあねねも行くのです!ちょうどねねも欲しい下着があるのですぞ!」

流琉「わ、私はお料理の本が欲しいんです!」

リト「あー、うん。どうせなら皆で行くか?」

ロリ「「「はーい!」」」

 

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そして翌日

 

音々音「シャオ!リト兄ィの腕から離れるのですッ!」

小蓮「別にいいじゃない、シャオはリトの妻なんだし〜」

流琉「季衣も兄様と手を繋がないでッ!」

季衣「えぇー?羨ましいなら流琉もしたらいいのに」

美羽「お兄様と蜂蜜を買うのじゃ!」

白湯「綿あめ一緒に食べるんだもん!」

鈴々「じゃあ鈴々はラーメンなのだー!」

香風「ほえほえ〜……お日さま気持ち〜…」

 

えらい具合に騒がしかった。

こんなに騒いではいるが現在はアパートの玄関前である。

左右の腕を引っ張られたりしているリトは取り敢えずおとなしくしている二人に声をかけた。

 

リト「よーし、じゃあどこ行こうか…喜雨と璃々ちゃん」

喜雨「露骨に無視したね」

リト「二人に決めてもらわないといつまで経っても出発できないからな」

璃々「えっとねー、璃々、おもちゃ屋さんに行きたい!」←子守りついでに参加

リト「じゃあおもちゃ屋に行くぞー」

 

リトの言葉に釣られて他の子達も「おー!」と返事を返す。

軽く遠足気分だな、とリトは最初の目的地とは違うがおもちゃ屋に進んだ。

…それから少し経つと、アパートから幾つかの人影が出てくる。

 

燈「うふふ♪喜雨ったらちょっと嬉しそうね♪」←遠くから撮影中

風鈴「よ、よく表情分かるね…」

紫苑「それが母親よ♪」←撮影中

桔梗「しかし、よく喜雨を買い物に出掛けさせましたな」

燈「あの娘ったら私の買ってくる下着を微妙そうに見るんだもの。いつも以上に張り切ったから買いにいくだろうなって事で♪」

七乃「いつも以上って、どれだけ酷い下着なんですか?」←撮影中

燈「キャラクターの下着」

全「「「ああ…うん」」」

 

 

 

アパートから出発してリト達はおもちゃ屋に到着した。

それと同時に璃々は目を輝かせ中に入っていく。

 

璃々「きゃー♪」

リト「遠くに行っちゃダメだぞー」

璃々「はーい!」

喜雨「下着を買いに来たのにどうしておもちゃを見に…」

季衣「仕方ないよ、決めちゃったんだし」

流琉「それに行かないわけじゃないし、大丈夫だよ」

 

テンションの低い喜雨を横から話しかける季衣と流琉。

あの二人が居れば喜雨も大丈夫だろうとリトも中に入った。

実を言うとリト本人もおもちゃ屋に用事があって来たのは内緒だ。

 

音々音「こ、これはバタフライマスクの変身ベルト…!それに、フィギュアもあるのです!」

鈴々「こっちはフィギュアなのだー!」

香風「にいちゃ、武器っ」←玩具の斧見せつつ

小蓮「まったく子供ね」←変身ヒロインのコーナー見てる

美羽「うー…お兄様、蜂蜜まだかの?」

白湯「綿あめ食べたいもん…」

リト「あ、ちょっと待って。今会計するから」←超合金ロボ購入

星「平沢。十円玉はないか?両替が面倒なのだが…」

リト「ん?ほい……って、ゼイザン、ナズェココニイルンディス!?」

 

あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!

会計をしようとしていたらいつの間にか星が隣にいた。

な…何を言っているのかわかr(ry。

本人に聞くと期間限定のガチャガチャをしに来たらしい。

ブルータス、お前もか。

そしてそれを向かい側の店で見ていた七乃達は…。

 

七乃「わー、あんなの買っちゃうんですね…」

桔梗「まだまだ子供じゃの」

紫苑「うーん…先輩、このくらいの大きさでしょうか?」←大人の玩具

燈「さぁ?傾に聞かないと分からないわね」

風鈴「くまさんのぬいぐるみ…」←ぬいぐるみ凝視

楼杏(なんで誰もつっこまないの!?)←ツッコミ補助員

 

まず何故その店に入ったか突っ込んどけ楼杏。

 

 

 

リト達はその後、星と共に燈が下着を買った店に移動する。

その際中、ずっと星はにやけていたが。

 

星「ほう…下着を買いに来たのか。なかなか女の扱いに慣れてきたな」

リト「いや、ただの付き添いっすよ」

小蓮「えー?シャオはリトの好みの下着を買いに来たのにー」

音々音「そ…そうなのです。リト兄ィの好みの調査なのです!」

リト「いや、なんで調べんの?」

流琉「兄様の好み……」←顔真っ赤

季衣「流琉ー?…自分の世界に入ってるね、うん」

美羽「んちゅ…美味しいのじゃ!」←蜂蜜舐めてる

白湯「ハムハム…」←綿あめ食べてる

鈴々「モグモグ…お兄ちゃん、お腹減ったのだ!」←肉まん八個目

 

どうやら美羽と白湯は目当てのものを買えたらしい、満足顔になっている。

それより鈴々自重しろよなー?

その他にも遠回りしたのか、色々と荷物を持っていた……リトが。

荷物持ちは男の役目でしょ!by小蓮

 

香風「にいちゃ、着いたよ」←実は肩車してた

喜雨「はぁ…やっと着いた…」

璃々「おにーちゃん、璃々喉乾いちゃった」

リト「ん?じゃあ何か飲み物買ってくるかな。星先輩はコイツらと一緒に見てて下さい」

星「任された」

 

リトは荷物を少し星に渡し集団から離れる。

正直そう言った店はこりごりだったので内心ガッツポーズとってたのは秘密だ。

そして一番近い自動販売機…ではなく、その後ろにいる出発してからこそこそしていた数名の所に近づく。

 

桔梗「……ん?平沢がこちらに来とるようじゃが…」

七乃「あ、気のせいじゃ無いですね」

 

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リト「…どーも、皆さんお揃いで。初めてのお使いの撮影?」

燈「あらあら…まさか気づいてたの?」

リト「アパートで撮影してた時から」

紫苑「とっくに気づかれてたのね…」

楼杏「スゴいわね…それで、何をしに?」

リト「いや、ちょっと…自販機に用があって…」

風鈴「リトちゃん、このお汁粉ーラ買ってみる?」

リト「……姉ちゃん、甘党でも限度があるんだぜ?」

 

あ、でも少し旨そうだ、とリトは自分の分をそれに決定する。なんだこの甘党…

そしてリトは人数分飲み物を買うと、店の方に向かう。

が、何故かそこには今日出掛ける切欠を作った少女は何処にも居なかった。

 

 

 

 

喜雨「……これでいいかな。あの人は…まだ来ないのかな?」

 

意外にも早く用事が済んだ喜雨は会計を済ませ店を出る。

他の同行者はわいわいと下着を見ていたのではぐれる心配も無いはずだ。

だがリトはどうだ?暇だったとはいえ、男性に今の状況は入りづらいだろう…。

なら、せめて誘った自分が側にいてやらないといけない。

ちょっとした罪悪感を感じた喜雨は横目で店の中を見、辺りを見回す。

 

喜雨「とりあえず探そう…」

 

正直、インドア派の彼女はここに来るのは初めてだ。

せいぜい出掛けるのはアパート近くの商店街辺り。

喜雨にとってはここは未知な場所であるのだが、今の喜雨はそんな事を気にしておらず…

 

 

喜雨「…………?」←なんか迷った

 

 

ご覧の通り、迷ってしまった。

 

喜雨「……迷子…なのかな?やっぱり、来るの初めてだし…」

 

今になって後悔する。

何故彼を探してしまったのか、まだ店の中に入ればよかった。

気付いた時にはもう遅く、喜雨は顔も知らない人が歩く通りに来てしまっていた。

 

喜雨「……………」

 

下手に動くとまた迷うだろう。

喜雨は近くのベンチに座り込む。

目の前で赤の他人が自分を見ることもなく素通りしていく…それだけの光景が喜雨を不安にさせる。

元々一人でいる事が多い喜雨だったが、進級してアパートに来てから周りが騒がしい日常に変わっていた。

最初は戸惑う事もあったのだが、既に慣れたのか…喜雨は自分の日常が変わり始めていたのに気付く。

だからこそ、今の状況は前と同じに思えて……

心のどこかで寂しさを感じていた。

 

一秒前までは。

 

リト「よっと」←額にジュース当てた

喜雨「ひゃんっ!?…あっ…」

リト「よう。迷子になったか?」

喜雨「……違うよ…」

リト「嘘つけ、泣きそうな顔してたぞ」

喜雨「…してない。子供じゃ無いんだし」

リト「そっか。で、お目当てのものはあったのか?」

喜雨「まあね。でも、お母さんのは払い戻さないよ」

リト「理由は?」

喜雨「あっても損はしないし、ズボンでも履けば問題ないし」

リト「…素直に買ってきてくれたのが嬉しいって言えよ」

 

喜雨の額に当てたジュースを渡し、聞こえない程度の声で呟く。

リトは店についた後、星に他のジュースを渡し喜雨を探していたのだ。

と言っても大体彼の勘を頼りにしていたのでそれほど難しくは無かったのだが。

 

リト「ほら。皆のところに戻るぞ」←手を握った

喜雨「…何で手を繋ぐの?」

リト「ん?迷子予防?」

喜雨「疑問で返さないでよ…」

リト「嫌なら外すぞ?子供じゃ無いんだよな、喜雨は」

喜雨「…………」

リト「…じゃ、行くか」

 

ベンチから立ち上がった喜雨はリトの隣に立つ。

荷物を片手に、握られた手を片手に。

力を入れずともその手はちゃんと握られていて…

喜雨にはちょっと温かく感じられた。

 

 

 

 

 

 

 

燈「……ッッ!」←鼻血噴射

楼杏「ちょ、大丈夫ですか先輩!?」

紫苑「娘萌が溢れてしまったのね…」

桔梗「あの女タラシめ…」

七乃「燈先生に凄く共感できますね……どなたか替えのティッシュ持ってませんか?」←実は蜂蜜舐めてた時から噴射してた

風鈴「んぷ……ッ。…甘すぎるね…」←お汁粉ーラ飲んだ

 

説明
XXX「1ヶ月ちょい過ぎちゃったけどやったるぞー!」
一刀「それより番外編書いてるのか?」
XXX「勿論!………セリフだけだけど」
一刀「このおバカさんが!!!…『三十五話:お買い物は手を繋いで』」
XXX「あ、でも最初はできてるよ?ホントだよ?」
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コメント
刃さん 目を奪うアイドルの好物ですね(XXX)
お汁粉ーラ……トリコかな?(黒鉄 刃)
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恋姫英雄譚 作者の悪い病気 オリ主 恋姫無双 

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