カンスト!北郷一刀『魏伝』一章
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カンスト!北郷一刀『魏伝』一章

 

 

 

 

 

 

「……流れ星? 不吉ね……」

 

こんな明るい時間の流れ星なんて珍しい……

 

「……様! 出立の準備が整いました!」

「……? どうかなさいましたか?」

 

部下と思われる者達が、主君と思われる人物に問いかける。

 

「今、流れ星が見えたのよ」

「流れ星、ですか? こんな昼間に」

「あまり吉兆とは思えませんね。出立を伸ばしましょうか?」

 

こんな時間の流れ星は不吉だと言って、出立を遅らせるかと問いかける部下達。

 

「吉と取るか凶と取るかは己次第でしょう。予定通り出立するわ」

「承知いたしました」

「総員、騎乗! 騎乗っ!」

 

出立を宣言してからは迅速の対応だった。

ものの数分とかからず出立の準備が整った。

 

「無知な悪党どもに奪われた貴重な遺産、何としてでも取り戻すわよ! ……出撃!」

 

主君と思われる者の号令によって大群は進行を開始する。

それはこの世界の物語の始まりを告げるものでもあった。

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「…………痛っ……」

 

全身を包むわずかな痛みに思わず眉をしかめる。

眉をしかめた後、周りを見渡すと―――――――――

 

「山ぁぁぁぁ!?」

 

ぼんやりしていた意識が、後頭部を鈍器で殴られたような衝撃と共に一気に覚醒する。

 

「は? なんだよ、これ。どこだここは!?」

 

遠くに見える山は明らかに日本の山じゃない。

まるで中国の水墨画とかに出てくるような――――――――

 

「ちょっと待てよ俺! 考えろ! 感じるじゃない、考えるんだ!」

 

ここは一発、深呼吸でもして気持ちを落ちつけようじゃないか。

ついでに素数も数えるか?

 

「スーッ、ハァーッ、スーッ、ハァーッ……」

 

胸一杯に空気を吸い込んでは、ワザとらしく声を出して二酸化炭素を吐き出していく。

それを数度繰り返すうちに、動揺していた気持ちが徐々に落ち着いてきた。

 

「……よし」

 

ひとしきり深呼吸を繰り返したあと、冷静さを取り戻したという実感と共に周囲を見渡した。

 

「…………」

 

ただっ広い荒野は、今まで見たこともない山々を連れて地平線を形作っている。

フランチェスカ学園のあちこちに植えられていたはずの常緑樹も、この場所には一切無かった。

 

(この時点でこの場所は日本じゃないな……。それに空気が澄み過ぎている。こんな場所今の地球に存在していたか?)

 

さっきとは比べられないほど冷静に現状を理解しようとする。

 

「何か役に立つものは持っていなかったかな……」

 

ポケットを漁っても、大した物は出てこない。携帯にハンカチ、小銭が少々…………って、携帯!?

 

「これがあったな」

 

携帯さえあれば現状の位置確認くらい衛星を媒介にして調べることができる。

俺の携帯は『仕事』の都合上最新機種を用意しなくちゃいけなかったからその辺は問題ない。

 

「…………圏外か」

 

無常にもアンテナ表示の欄にはその二文字が写るだけ。

圏外のケータイなんて、ただのカメラかゲーム機じゃないか。

しかも心許ないことに、バッテリーは残り一本。

どうやら昨日の晩、充電するのを忘れていたらしい。

 

「昨日の晩……………………?」

 

昨日と言えば朝に及川が資料館に行こうと誘いに来て一緒に行ったはずだ。

確かその後――――――――――――――――

 

「左慈…………」

 

そうだ……。昨日の晩、資料館にいた男子生徒が気になって調べてみようと夜に出かけるとアイツに出会ったんだ。

 

「それでアイツと命がけの殺し合いをしている途中にアイツの持っていた鏡が割れたんだったな」

 

あの時物凄い光が出ていたな。あれが原因か?

 

「……………………」

 

正直この原因を断定するには情報が足らなさすぎる。

何か思い出せ。一番怪しいのは左慈と鏡だ。

それに関係すること…………

 

「そういえば、左慈は光に飲み込まれる前に…………」

 

―――――――――もう戻れん。幕は開いた

 

―――――――――飲み込まれろ。それがお前に降る罰だ

 

―――――――――この世界の真実をその目で見るが良い……

 

「あの言葉の意味はどういうことだ…………?」

 

俺がこの原因について頭を悩ませているとガラの悪そうな男の声が聞こえた。

 

「おう兄ちゃん。珍しいモン持ってるじゃなぇか」

「…………コスプレ?」

 

なんだ? このコスプレ集団…………

頭に巻いてるのは黄色の巾着…………もしかして三国志の黄巾党のコスプレか?

えらく際どいところのキャラを持ってきたもんだ。

普通持ってくると言えば関羽やら張飛を持ってくるというのに…………

 

「……はぁ? 何言ってんだ、こいつ」

「さぁ? あっしに聞かれても……」

「おメェ、分かるか?」

「……わがんね」

 

え〜と、これはなんだ?

俺のほうがおかしいのか?

一応コイツらの顔を見るに東洋系の人物だっていうことはわかるんだが、いくら最近の日本のせいで世界がおかしい方向に力を注いでいるからって鎧とか普通通りを歩く格好じゃないよな?

俺はおかしくないよな?

 

「なぁ、お前ら……」

「あぁん? 何だよ」

「ここ、どこだ?」

 

とりあえず人がいるようだから聞いてみよう。

場所がわからなければ現地の人間に聞くのが一番手っ取り早い手段だからな。

 

「……はぁ?」

「それにその格好……映画かドラマの撮影か? 随分と凝った作りになってるが……」

 

ついでにその格好について尋ねてみることにする。

あれがこの国の流行のファッションなら俺も見習わなくては…………やっぱりやめとこう。

 

「…………?」

「アニキ。こいつ、頭おかしいんじゃないすか?」

「あぁ。俺もそう思ってたところだ」

 

あぁ? 俺の頭がおかしいだと?

ぶん殴るぞ!

 

「言葉、通じているか…………?」

 

少し頬を引きつりながら聞く。

後少し暴言を吐かれたら本気で殴ってしまいそうだ。

俺に暴言を吐いて殴られないやつあまりいないぞ?

 

「そりゃこっちが聞きたいぜ、兄ちゃん。俺達の言ってること、ちゃんと分かるよな?」

「そりゃあな。ちゃんと通じていて良かったよ」

「そうかそうか。なら、良かったついでに……金、出してもらおうか」

 

は? 金?

少し困惑している俺に対して黄色の頭巾を巻いた三人は鉄の塊を突き付けてきた。

 

「……どういうことだ?」

 

俺に向けているのは紛れもなく、人を殺すために設計された剣。

しかもその剣には人を斬った時に付いたとされる血液が付着していた。

 

(なんで剣を人に向けている?)

 

銃刀法…………違反?

いや、ここが海外なら、日本の法律は関係ないか……

 

「言葉は通じているんだよな? ならテメェの持ってる金、全部置いていきな。ついでにそのキラキラした服と腰に差さっている白い剣もだ」

 

腰に差している剣?

そう思い、俺は自分の腰に目を向けてみると俺の愛刀の一振りである白夜が差されていた。

 

(なんで白夜が? いや……あの時に持っていたから不思議じゃないか…………なら夜天がないことにも説明がつくな……)

 

夜天はあの時、急にキレた左慈に弾き飛ばされ、光に包まれたときには持っていなかった。

 

(白夜の一振りしかないのは心許ないが…………)

 

「はいそうですかって言うとでも思ったのか?」

 

挑発を込めた声で相手に喋りかける。

案の定相手は怒りだして、

 

「調子乗ってんじゃねぇ!」

 

小柄のチビがキレ、俺に向かって突撃してきた。

俺はそれを半歩横に移動してたやすく避ける。

横に移動するついでに足を出して引っ掻けることも忘れない。

 

「へぶっ!?」

 

良い感じに転倒するチビ。

それを見たリーダー格の男がデブに命令した。

 

「デブ! やっちまえっ!」

「んだ」

 

明らかなに食い過ぎで肥満体形のデブがのっしのっしと近づいてきた。

 

(さすがにあれは転ばせれないか……なら!)

 

俺は転ばせないのならと、腰にある白夜に手を伸ばした。

その瞬間―――――――――

 

「待てぃ!」

 

謎の人物がやってきた。

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謎の人物の来訪により黄色頭巾の三人。

それをリーダー格の男がいち早く立ち直り問いただした。

俺の場合はいつでも攻撃が出来る準備をしながら謎の人物に目を向けていた。

 

(今が好機か……)

 

俺は一迅の風となりチビの後ろに回り込む。

そして白夜の峰で相手の首裏を打ち昏倒させる。

 

「だ、誰だっ!」

 

男が問いただした瞬間、デブの腹に柄の裏で突く。

デブは「ゴフッ」と言葉を発するとともに倒れ伏せた。

 

「たった一人の庶民相手に、三人掛かりで襲いかかるなどと……その所行、言語道断!」

 

威風堂々と答える謎の人物。

その謎の人物は女性だった。

そんな謎の女性に注目しているリーダー格の男を峰で頭を叩き昏倒させる。

 

(弱いな…………)

 

そんなことを思いながら刀を納刀する俺。

 

「そんな外道の貴様らに名乗る名前な……ど…………?」

 

全てを喋り切る前に倒してしまった俺。

謎の女性は槍を掲げてさっきの三人を倒そうとしていたが、すでに倒れている三人に顔を向け、そして俺のほうに顔を向けた。

 

『……………………』

 

やっちゃった…………………テヘッ

 

彼女的には俺を颯爽と助けるイメージでもあったのだろう。

それを証拠に彼女は女の身でありながら高い戦闘能力を持っていることが窺がえる。

それこそ俺の戦闘能力に届くくらいの―――――――――

それなのに俺は自分で敵を倒してしまった。そのため彼女もどうしていいのかわからないのだろう。

俺もわからないが……

 

そんな無音とともに時間が進みどうやって現状を打破しようかと考えていると相手の連れがやってきた。

 

(……これでどうにかなったか)

 

内心で溜息をつきながら、次にどう行動をするか考える。

 

「星ちゃ〜ん」

「星殿ーっ!」

 

やってきた女性の連れはまたもや女性だった。

連れの一人は頭に人形? を乗せていて不思議な感じの子で、もう一人は眼鏡を掛け、とても真面目そうな感じの子だった。

 

「大丈夫ですか〜?」

「ん? あぁ、俺のほうはなんともないよ」

 

人形を乗せたほうの女性―――――いや、まだ女性と呼ぶには早いから少女と呼ぶことにする。

その少女が俺の体を心配して尋ねてくれた。

さっきの馬鹿三人とはえらい違いだ。

 

 

 

 

それよりもだ。またこんな変な格好かよ。

なんなんだ? 本当にこれがこの国の流行なのか?

 

「星ちゃんも大丈夫ですか〜?」

 

ぼぉっとしている星と呼ばれる女性を心配して少女は問いかける。

 

「あ、あぁ、問題ない、風。というよりも私は何もしてないからな」

 

苦笑しながら答える女性。

ほんとすいません……

 

「何もしていないというと?」

「何、ただそこの御仁が自分で倒してしまったというだけさ」

「へぇ」

 

関心したように目をむける眼鏡を掛けた女性。

そのことに風と呼ばれた少女は、

 

「この人は強いんですか〜? 星ちゃん」

「あぁ。私と互角くらいの強さの持ち主だ」

 

(さすがだな……)

 

少ししか力を出していないのに俺の力量を理解するとは。

やはり俺と同レベルの使い手か。

 

「星殿と互角っ!? 何かの間違いじゃなくて?」

 

えらい酷い言われようだな…………いや、違うか。

あれは俺を貶めてるんじゃなく純粋に星と呼ばれた女性の力を知っているからこそ理解し難いものなんだろう。

 

「やりますね〜、お兄さん」

「お兄さん……?」

 

いきなりお兄さんなんて呼ばれるから焦る。

 

「お兄さんをお兄さんと読んで何か間違いでも?」

「いや、そう言われると間違いはないかもしれないけど……」

 

なんなんだ、この子は?

ペースが不思議すぎて掴めない。

 

「それよりもえっと……風、さん?」

「……ひへっ!?」

 

えぇえええ!? 何か俺物凄く驚かれてるんですけど!

俺何か悪いことしましたか!?

 

「貴様………っ!」

 

その瞬間。

突き付けられたのは、先程のチンピラを追い散らそうとした女の子の、槍の穂先だった。

 

「なっ!?」

 

(なんで俺はこんな殺気を放たれてるんだ? しかもこの人の槍の速度……速いな)

 

「御仁、どこの世間知らずの貴族かは知らんが……いくら御仁の武が強いからと言っていきなり人の真名を呼ぶなど、どういう了見だ!」

「て……っ、訂正してください……っ!」

「何……? さっき………どういうことだ?」

「訂正なさい!」

「うぅぅ………っ!」

 

何なんだ、この子たち……

名前一つ呼ぶだけでさっきまでとの様子が180°変わったぞ。

………真名? 真名って何だ?

真名というのがイマイチわからないがこの国の風習か?

もし風習なら俺のほうに非があるか……ならここは素直に謝るとしよう。

 

「……すまない。訂正する。これは明らかに俺のほうに非がありそうだからな。本当にすまない………」

 

俺は誠心誠意に頭を下げる。

 

「………結構」

「はふぅ………。いきなり真名で呼ぶなんて、びっくりしちゃいましたよ〜」

 

それはこっちの台詞なんだがな。

内心で苦笑しながら呟く。

 

(しかし……俺がいた世界に真名なんて習慣の国なんかあったか? 一応『仕事』で世界各国回ったがそんな国一つもなかったんだがなぁ)

 

「真名か……なら俺は君達のこと何て呼べばいいんだ?」

 

とりあえず、真名というのは下手に呼んだら命の危険があるということは覚えた。

というかこの風習、一見さんにはキツいだろ。

誰が考えたんだよ、、コンチクショー!

 

「そういえば名前を名乗ってなかったのですね〜。私は程立と呼んでください〜」

「私は今、戯志才と名乗っております」

 

程立ちゃんはともかくとして、なんかすげぇ分かりやすい偽名の名乗り方されたな。

「私の名乗っている名前は偽名です」って言ってるようなもんじゃねぇか。

 

「程立に、戯志才………って」

 

確かそういう名前の人、昔居たような気がするんだが………気のせいか?

 

「最後に私は趙雲と申します」

 

最後の人は趙雲さんか………って趙雲!?

 

「えっと、もう一回名前を聞いてもいいかな?」

「ふむ、風で聞こえませんでしたかな? ならばもう一度名乗りましょう。私の名前は趙雲と申します」

 

えー! お前、趙雲ってあれだろ? 三国志の中の蜀の劉備に仕えた五虎将の一人だろ?

本人? そんな馬鹿なことがあってたまるか。あれは1800年も前の話だぞ。

しかもこの人女の子だし。史実じゃ男のはずだろ?

 

「どうしました? 御仁」

「いや………ここは中国かその辺りの地域か?」

 

あるとすれば中国人の親が趙雲のように清く逞しくと願って名付けたんだろう。

そうとしか考えられない。

 

「ちゅうごく? 星ちゃん、この辺りにそういう地名ってあるんですか〜?」

「いや、聞いたことがないな。御仁、その格好を見るに、どこかの貴族か豪族の一員のようだが………どこの出身だ?」

 

貴族や豪族? 今の中国にそんな身分の人間っていたか?

 

「出身か? 日本の東京だが…………」

「にほんのとうきょう? 稟、そのような地名に心当たりはないか?」

「無いわね………。南方の国かもしれないけど」

 

日本を知らないだと? この世界で米国に続く有名な国を知らないだと?

何かおかしいな………嫌な予感がする。

 

「すまない、今の時代って……後漢時代か?」

 

もし俺が予想している地名が出てきたのならば、嫌な予感が的中してしまう。

絶対にありえない出来事なんだが―――――――――

 

「あたりまえですよ〜、それ以外何があるというのですか? お兄さん」

 

…………予感が当たったか。

これで確信した。今は後漢時代で目の前にいるのがかの有名な趙子龍。

そして今から戦乱の世とされる三国時代の幕開けってか?

本題の俺はどういう理屈か知らんがタイムスリップしてしまったみたいだな。

左慈の言っていた罰ってのはこのことか? 何が罰かわからんが…………

それより驚いたのが趙子龍が女の子だってことだな。

史実には男と書いてあったが………もしやこれはパラレルワールドか?

普通じゃありえんがタイムスリップを見るに、もうなんでもありっぽいし………

 

「………さん、お兄さん!」

「っ!? あぁ、どうした?」

 

危ない危ない。考えすぎて周りに余裕が出てなかったか。

 

「いや〜、急にだんまりになるもんですから少し心配を………」

 

本当に心配そうに見上げてくる程立ちゃん。

そんな彼女の気を少しでも紛わせようと頭を撫でてみた。

 

「あっ…………」

「おっと、嫌だったか? ゴメンな」

 

迂闊に女の子に触ったりしたらやっぱり駄目だったな。

 

「……………………そういうわけじゃないのです〜」

「ん?」

 

何か程立ちゃんが小声で呟いたが小さすぎて聞き取れなかった。

まぁ小さな声で言うことだし、そんなに大事なことじゃないだろう。

 

「(ほう………あの風があんなに懐くとは)」

 

この光景を趙雲と戯志才は眺めていた。

そして趙雲がいきなり申し立ててきた。

 

「御仁、名前をそろそろ名乗ってくれませんかな?」

「おぉ! ゴメン、すっかり考え事をしていて名前を名乗るのが遅れたな。俺の名前は北郷一刀だ」

 

俺としたことが相手に名乗らせるだけ名乗らせて自分が名乗っていなかったとは………

 

「姓が北、名が郷で字は一刀ですかな? えらく珍しい名前ですが………」

「違う違う。姓が北郷で名が一刀。俺には字がないんだよ」

 

苦笑しながら答える。俺は日本人だしなぁ。

 

「これまた珍しい……字がないなんて」

「まぁね」

 

「そういえば真名ってどういう意味なの?」

「北郷殿………あなたもしや真名を知らないのですか?」

 

三人が驚いた様子で俺のほうを見てきた。

しかたないだろ? 俺はこの世界に初めて来たんだから。

 

「あぁ、なんせこの国に初めてきたからこちらの風習とかは何も知らないんだ」

 

一応違う世界から来ました、なんて言えないから違う国から来ましたって言っておくか。

 

「そうでしたか………ならお教えましょう、風!」

「星ちゃん、私が説明するのですか〜?」

「うむ。私は口下手ゆえ説明が苦手でな」

 

クスクスと笑いながら程立ちゃんに説明を頼んでいる趙雲。

俺が見るにあの人は絶対に口下手なタイプじゃないな。

 

「しょうがないですね〜。ではお兄さん良く聞いてくださいね〜。真名とは私達が持つ、本当の名前なのです。これは家族や親しき人にしか呼ぶことが許されない、神聖な名前なのですよ〜。そしてこれはその人の本質を包み込んだ名前で、家族や親しき人以外は、例え知っていても口に出してはいけない本当の名前なのですよ〜」

「なるほど………」

 

簡潔に言うと、親しき人以外が呼ぶと即刻死刑になる名前だな。

しかしそうなると………

 

「本当にさっきはすまなかったな、程立ちゃん」

 

もう一度誠心誠意頭を下げる俺。

 

「もういいですよ〜。さっきも謝ってもらったことですし………」

「けど………」

「けども何もありませんよ、北郷殿。せっかくの相手の好意を無碍にしてしまうのですか?」

「………そうだな、戯志才の言う通りだな。ならこう言うべきか………ありがとう、程立ちゃん」

 

ニコッっと一撃必殺のスマイル繰り出す一刀。

これには程立ちゃんも顔が真っ赤になった。

しかし一刀は何で顔が赤くなったをわかっていない。

 

「(本当におもしろい方だ………)」

 

俺が名乗り終え、少し話をしていると趙雲の気の質が変わった。

普段の状態から戦闘する前のような質の変化に。

 

「………北郷殿、私と少し手合わせをしていだだけませんか?」

「どういうことだ?」

 

別段俺と趙雲が手合わせする理由がない。

確かにさっき程立ちゃんの真名を呼んだがそのことについてはお咎めなしになった筈だ。

 

「私は誰よりも強くなりたい。武人なら誰だって思うことだろう?」

 

チッ………………趙雲はこういう人種かよ。

良い言い方をすればいつまでも高みを目指す者。

悪い言い方をすれば戦闘狂。

こういう人種は苦手だ。

何の迷いもなく、命を賭けることを恐れず、強者との戦闘を望む者。

 

(こういう人間は大概どこかで崩れ去る………)

 

俺はそういう人間を『裏』の世界多く見てきた。

そしてほとんどの人間は崩れ去った。

自分より遥かに高い位置にいる人間に挑み、負け、そして崩れ去る。

このことから立ち直れた人間なんて一握りの数しかいない。

 

(けど、こいつは…………)

 

立ち直れるかはわからない………けどここでどうにかしておかないといつか崩れてしまうだろう。

 

(コイツは有望だ………だからこそ俺はコイツが崩れるところなんて見たくない)

 

さっき見ず知らずの俺を助けようとした優しさはこんなところで失ってはいいものじゃない。

なら俺がやることは一つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで俺がアイツに負けるということを経験させ、そしてその挫折から立ち直らせること!

 

「いいだろう、趙雲。その勝負受けて立とう!」

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俺が答えて二人して距離を取る。

趙雲が槍を構え、俺も白夜を抜刀する。

 

(刀が一振りしかないのが痛いが………まぁ問題ないだろう)

 

左慈に飛ばされた夜天がないことに悔やむ。

しかし無い物ねだりをしても状況は覆らない。

 

「珍しい形の剣ですな………それに色も珍しい……」

「そういえばこの国には刀はないんだったな……」

「ほう………その剣の名前はかたなと言うのですな。しかしその細い刀身で私の『龍牙』の猛攻を塞ぎきることが出来ますかな!?」

 

先に趙雲が仕掛けてきた。

攻撃方法は突き。

しかしその突きは音速を超える速さで一刀を狙う。

一刀はその音速を超える突きを冷静に対処し受け流し、前へ進む。

 

「チィッ!」

「この程度か? 趙雲」

 

挑発しながら袈裟斬り、横一文字、逆袈裟の三連撃を繰り出す。

趙雲は龍牙を盾のように使いながら距離を取る。

距離を取ろうとした趙雲に追撃をかける。

これを趙雲は音速の突きで退けた。

 

「………ここまで強いとは」

「そりゃどうも。俺としては趙雲が予想以上に弱いんだがな」

 

また趙雲を挑発する。

ここまで挑発されて完全に頭に血が上っている。

 

(安い挑発でここまで怒るとは………修行不足だな)

 

内心で思いながら斬撃を繰り出す。

この戦いは程立や戯志才から見れば互角の勝負に見えるだろう。

しかし現状は趙雲が挑発で頭に血が上り、一刀がそれを冷静に対処し攻撃を繰り出している。

どっちが有利なのかは誰の目から見ても明白だ。

 

「趙雲………確かにお前は強い。それこそ俺に追いつくくらいの強さを持っている。しかし俺には勝てないな」

「何ぃ!?」

 

鍔競り合いになった瞬間に趙雲に話しかける。

 

「どういうことだ!?」

「どうこうも………確かにお前の武は強い……けどな、お前の武には形がないんだ」

 

俺は鍔競り合いを押しのけて横一文字で薙ぎ払う。

 

「形? どういう意味だ?」

 

攻撃をやめて俺の言葉に耳を傾ける趙雲。

観戦していた程立ちゃんや戯志才も俺の言葉に耳を傾ける。

 

「お前の武には形がない………あるのはがむしゃらに強くなろうとする意志だけだ……」

 

そう、趙雲にあるのは強くなりたいという願望だけ……

それじゃあ駄目だ。強くなった後、その武を何のために使うかを考えなかったら人は崩れ去る。

以前の俺のように………………

 

「それの何が悪い!? 強くなることの何が悪いというのだ!」

「なら聞こう、趙雲。お前は強さを求めた果てに何を成す!?」

「ぐっ。そ、それは…………」

「答えらないだろう? だからお前は俺に勝てないのさ!」

 

俺は最後の攻撃を仕掛ける準備として白夜を納刀する。

 

「お前は強さを求めた果てに何を成すか考えろ! それを考え、心の芯となった時お前は強くなれるだろう」

 

腰を落とし白夜に手を掛け攻撃する準備が整った。

後は斬りつけるだけ…………

 

「北郷殿………御仁の心の芯を尋ねてもよいか?」

「…………俺の心の芯か?」

「あぁ。このやり取りで確信した。私では北郷殿には勝てないと…………」

「俺の心の芯を知りたいのなら…………諦めずにかかってこい! そして負けを体験しろ! そしてその体験を糧にしてもっと強くなってみせろ!」

 

今日一番の威圧を放つ。

その言葉を聞いた趙雲は顔をあげ、そして笑った。

その顔は何もかも諦めた顔ではなく、闘志が満ちたいい笑顔だった。

 

「そうですな………私としたことが少し弱気になっていたようです。では尋常に――――――」

「それでいい。これで最後だ――――――――勝負!」

 

交錯は一瞬だった。

俺と趙雲は一気に近づきあい、最高の攻撃を放つ。

間合いの広い趙雲が俺の心臓を狙った光速に近い速度の突きを繰り出す。

俺はそれを体を地面に沈めるような体制で回避。

 

「なっ!?」

 

回避した俺がする行動は簡単だ。

趙雲が槍を手に戻す前に斬るだけ。

 

「天凱一刀流、一の型『断』!」

 

俺は光速の居合いを抜き放つ。

その攻撃は趙雲の腹に吸い込まれ―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さすがでしたな……………」

 

倒れながら喋りかける趙雲。

 

「大丈夫か?」

 

俺は手を貸し趙雲を起き上がらせる。

 

「大丈夫…………とは言い難いですな」

 

苦笑しながら立ち上がる。

 

「それにしても…………強いですな」

「まぁこれが自分の心に芯を持っているか持っていないかの違いさ」

 

俺は少し照れながら答える。

 

「実際俺と趙雲にあまり武に差はない。けど―――――――」

「心の芯の差が出ただけ…………ですかな?」

 

悪戯が成功したときに浮かべる笑みを浮かべ、俺が喋っているところに割り込んでくる。

 

「そういうことさ」

「北郷殿………改めて御仁の心の芯をたずねてもよいですかな?」

 

そう言うと趙雲は真面目な顔をして尋ねた。

いつの間にか程立ちゃんや戯志才も近づいていた。

「俺の心の芯か……………」

 

あまり自分の心のことを話さない俺だが、今日くらいはいいだろう。

これから趙雲が強くなるための出資と思えばな…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の心の芯はな…………大切な人を何がなんでも守ること。二度と大切な人を奪わせないこと。これが俺が強くなった理由だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昔のことを少し思いだし、心に少し痛みが走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は大切な人を守るためなら何だってやる………それこそ人を殺してでもな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの時の惨劇を少し思いだし気分が悪くなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが俺の心の芯。誰一人として崩せない俺の信条だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心の痛みや気分が悪いのさえ飲み込み力強く宣言する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それが御仁の強さの理由ですか………」

 

この話を聞いた趙雲は何かを思案しているようだった。

 

「お兄さんは昔、悲しい思いをしたんですねー………」

 

少し悲しそうに問いかける程立ちゃん。

 

「昔な…………けど今は大丈夫だからそんな顔をしないでくれ」

 

悲しそうな程立ちゃんを撫でる。

そういや撫でたら嫌がられたような………

 

「ふふっ」

 

あれ笑ってる?さっき嫌がられたような気がしたんだが…………まぁいっか。

 

「ふむ、完全に風に懐かれたようですな」

 

思案していた趙雲は考えが纏まったのか俺のほうへ顔が向いていた。

 

「懐かれたって………」

「いやいや、私は風があんなに懐いている姿を見たことありませんよ? なぁ稟?」

「えぇ、私も驚いています」

 

二人してニヤニヤと………

 

「かくいう私も北郷殿を気にいったわけだが………」

「はい?」

 

気にいった? どういう意味だ?

 

「北郷殿、私の真名は星と申します。今後は星と呼んでくだされ」

「…………いいのか?」

 

真名とはとても大切な名前だった筈だ。

それを俺に許すとは…………確かに信頼されていると言えばうれしいんだが。

 

「いいのですよ。あの武を見せつけられ、そして心の在り方を私に説いてくました。それだけで私はあなたを信頼します。それに私はあなたに真名で呼んでほしいのです」

「そうか………ならよろしくな、星」

「星ちゃんだけずるいのです。私の真名は風と言うのです〜」

「程立ちゃんもいいのか?」

 

こちらも真名を教えてくれた。

なら俺がやるべきことは一つ。

 

「大丈夫ですよ〜。風はこれでも人を見る目は人一倍優れていると思ってるのです〜」

「わかった。よろしくな、風」

「はいです〜」

「稟はどうするのだ?」

「私は―――――――――」

「そういえばお兄さんの真名を聞いてもよろしいですか?」

 

戯志才が何か言おうとしている間に割り込んで風は話かけてきた。

俺の真名? そういや俺には真名っていうものがないんだった。

 

「あー………そういえばな、俺には真名というものがないんだ。だから一刀ってのが俺の真名に当たるのかな?」

「「「!?!?!?」」」

 

あれ? なんか物凄く驚かれてる………

やっぱり一刀が真名に当たるってのが驚いたのかな?

 

「北郷殿は見ず知らずの人間に真名を名乗っていたのですか?」

「まぁそっちの風習に合わせたらそういうことになるんだろうなぁ」

 

俺の場合はそんなこと気にしないから別段問題ないし。

やっぱり俺とこの世界じゃ少し違うところがあるんだな。

 

「いやはや、器が大きいのか、それともただの馬鹿なのか………」

「馬鹿とは酷いな、星……」

 

軽口を叩き合いながら喋る俺と星。

そこにさっき風に喋っているのを妨害された戯志才が割り込んだ。

 

「北郷殿、私の真名は稟と言います。以後お見知りおきを」

「いいのか? さっきまでは出し渋っていたけど………」

 

てっきり俺は信頼されていないものばかりと思っていたけど………

 

「まぁあなたが真名を名乗っていなかったら私も名乗らなかったのでしょうが………そちらが名乗ってこちらが名乗らないというのは些か問題がありますし………」

「そんなこと気にしないのに………」

「いいのですよ。だからこれからは稟と呼んでください、一刀殿」

 

一刀殿!?

 

「なぁ、稟。一刀殿ってのはどうにかならないかな? 何か気恥かしいんだけど……」

「別にいいじゃないですか、一刀殿」

「おい、星も悪ノリするなよっ」

 

二人してまたもやニヤニヤしながら俺をおちょくる。

コイツら………

 

「風はお兄さんのことはお兄さんと呼びますねー」

「あぁ、風は何も問題ないよ」

 

あぁ良い子だなぁ。

 

「あれは……………」

 

星が何か見つけたようだ。

俺も星が見ているほうに目を向けてみると……………旗?

 

「あれは陳留の刺史殿か?」

「そうですねー。大方さっきの盗賊の退治にでも来たんじゃないですかねー?」

 

「…………しし?」

 

刺史か? 確か刺史っていうとこの時代の監察官みたいのものだったかな?

 

「あれは、曹の旗ですね」

 

稟が答える。

曹っていうと一番に思いつくのは魏の覇王、曹操か?

まぁこんな所にいるわけないか。

それにしても圧巻だな。

あの騎馬武者の群れとかその上に翻る大きな旗とか…………

現代でやったら総製作費何百億とかの大作映画の撮影か何かみたいだな。

 

「ではこれでお別れですねー、お兄さん」

「行くのか?」

 

三人が旗が見えた瞬間から撤退の準備をしていたことを俺は知っていた。

 

「えぇ。我々のような流れ者が一刀殿のような人といると、大概の者はよからぬ想像をしてしまうのですよ」

 

なるほど………

ならここでお別れか。

 

「面倒事は楽しいが、官が絡むと途端に面白みがなくなるのでな」

「そうか………せっかく仲良くなれたのにな」

 

仲良くなれた三人と別れを惜しむ俺。

 

「そうですな。私としても一刀殿とはもう少し一緒にいたかったですな」

「風もです〜」

「私もですね……」

 

そう言い振りかえる三人。

 

「また会えるか?」

 

問いかける俺。

そこには強い願望を含む声が含まれていた。

 

「どうでしょうか。今は戦乱の世。もし会ったとしても敵同士かもわかりませぬ」

 

苦い笑みを浮かべながら答える星。

同様に二人も同じ顔をしていた。

 

「そうか………出来れば次会うときも敵同士じゃなければいいんだけどな」

「私もそう思いますよ」

 

完全に出発の準備が整った三人。

 

「ではこれでお別れですな」

「また会いましょうね〜、お兄さん」

「一刀殿、お元気で」

 

口ぐちに別れの言葉を掛ける。

 

「あぁ、お前らも元気でな。出来れば敵同士で会わないことを願っているよ」

 

俺も別れの言葉を掛ける。

 

「一刀殿………」

「何だ? 星」

 

別れの言葉を掛けたにもかかわらず俺に声を掛ける。

 

「私は今から大陸を風や稟たちと一緒に回ります。そしてそこで絶対に私だけの心の芯を見つけてみます」

 

星は自分の今の心情を語る。

俺や風たちは静かにその言葉を聞く。

 

「そして私が心の芯を見つけてもう一度あなたに出会った時………手合わせをしていただけますかな?」

 

それは願望。

自分の心の在り方を見つけてもう一度勝負をしてほしいという願い。

俺はそれを真っ向から受け止めた。

 

「あぁ、お前が心の芯を見つけ俺にもう一度会った時…………その勝負を受けよう!」

 

俺も星が心の芯を見つけた後に闘ってみたいと心から思う。

俺はそのために星に負けを体験させたのだから。

 

「ありがとうございます。ではこれで私たちこれで。後の事はここに来る刺史殿がどうにかしてくださるとお思いますので……」

 

その言葉を言うと三人は駆け足で去って行った。

 

(いつかもう一度会おう。星、風、稟!)

 

俺はその思いを胸に秘め、これから来るであろう刺史を待ち構えていた。

-5ページ-

俺の周囲を取り囲むのは、騎馬の群れ。

俺、こんなにたくさんの騎馬武者を生で見たの、生まれて初めてだよ……

戦車に乗った軍人なら見たことあるけど。

 

「華琳さま! こやつは………」

 

その中でひと際目立つ三人が俺について話あっている。

 

(真ん中の女の子………なんて威圧感をしているんだ…………あのランクの威圧感は見たことがない。それに左右の女性もかなりの戦闘能力を持っているな…………)

 

俺は冷静に三人の女の子を分析していた。

 

「………どうやら違うようね。連中はもっと年かさの、中年男だと聞いたわ」

「どうしましょう。連中の一味の可能性もありますし、引っ立てましょうか?」

 

なんか俺を引っ立てるとか言ってるんだが………もしかして俺ってピンチ?

 

「そうね………。けれど、逃げる様子もないということは………連中とは関係ないのかしら?」

「我々に怯えているのでしょう。そうに決まっています!」

 

なんだと? 俺が怯えているだと?

確かにこの三人の威圧感と武は目を見張るものがある。

それは星と同じで俺と同等のように。

けれど俺はそんなことで怯えるか!

 

「怯えているというよりは、だんだんと睨んでいる目つきになってきているのだけれど………」

 

おっと、顔に出ていたか………

俺はいつまでたっても感情制御が下手だな。これでもいつも座禅組んで修行しているんだけどなぁ………

 

「おい、そこの三人………」

「………何?」

 

とりあえず真ん中の少女の華琳っていうのが真名だったらヤバいので、それを呼ばないようにして………

それよりなんか右にいる赤い服を着た女性がもの凄い勢いで俺を睨んできているんだが………

 

「お前ら………誰だ?」

「無礼者! 華琳様になんて口の聞き方だ!」

 

おぉっと!? なんで俺はこんなに怒られなくちゃならないんだよ。

そこまで悪い言い方だったか…………?

……………………結構酷い言い方だったかも。

 

「春蘭、控えなさい! それよりそれはこちらの台詞よ。あなたこそ、何者? 名を尋ねる前に、自分の名を名乗りなさい」

 

おっと、俺としたことが本日二度目の出来ごとになってしまった。

うむぅ、やはりそれほど焦ってるのか? 俺。

 

「俺の名前は北郷一刀。日本で、聖フランチェスカ学園で学生をしてる。日本人だ」

 

こう答えたはいいが、相手にとっては何を言っているのかわからないだろう。

ここは1800年前の三国時代なのだから。

 

「……………はぁ?」

 

やっぱりの反応をありがとう。けどその頭がおかしい人でも見る目はやめてください。

 

「それよりここはどこなんだ? いくら三国時代とわかっても地名まではわからないしなぁ………」

「貴様、何をふざけたことを言っている! 生国を名乗れと言っておるだろうが!」

 

うわぁ、案の定さっきから睨んでくる女性がキレ出したよ。

コッチとしては真面目に答えたつもりなんだけどあちらにとっては不真面目な対応に見えるんだろう。

 

「俺としては真面目に答えているつもりなんだが…………」

「姉者。そう威圧しては、答えられる者も答えられんぞ」

 

確かに凄い威圧感だ。けど左慈や俺の親父たちにはほど遠い…………

そんなもので俺が怯えるとでも?

 

「ぐぅぅ…………。し、しかし秋蘭! こ奴が、盗賊の一味という可能性もあるのだぞ! そうですよね、華琳さまっ!」

 

おいおい…………このさっきからキレている女性、えらく真ん中の女の子ことを心酔してるな。

やはりコイツの威圧感―――――――――いや覇気とでも言うべきか? それは人を惹くものを持っているんだな。

 

「そう? 私には、殺気の一つも感じさせないほどの手練れには見えないのだけれど。春蘭はどう?」

 

言ってくれるぜ。俺が出来るだけ穏便に事を進めたいから殺気やら威圧やらを出していないというのに…………

まぁこの状態の俺の実力を見破れるやつなんか見たことないがな。

 

「………それはまぁ、確かに」

「北郷………と言ったかしら?」

 

あら? 俺の話題が急に逸れたな。

 

「ん? あぁ」

「ここは陳留………。そして私は、陳留で刺史をしている者」

「お前が……………」

 

ほう………やはりこの女の子がこの集団のトップだったか。

まぁ誰が見ても一目瞭然か。

 

「私のことを知っているの?」

「いや、知らないな」

 

星たちから聞いたなんて言ったらアイツらに迷惑がかかるだろうからここは知らないで通しておく。

 

「まぁお前らが刺史殿で税金を集めたり、法律を決めたり、町の治安を乱す悪いヤツや怪しいヤツを、捕まえた処罰したりする仕事だってことぐらいならわかるぞ?」

「分かってるじゃない。なら、今の自分の立場も分かっているわよね?」

 

今の俺の立場?

 

服→この世界では見られないポリエステルが使われた聖フランチェスカ学園の制服。見るからに怪しい

 

場所→さっきまでここにいた盗賊を見るにここに刺史殿たちが来た理由として一番確率が高いのは盗賊を捕まえるため。しかしその盗賊がいなくて、いるのが俺という明らかに「捕まえてください」と言っているような感じ。

 

俺→お偉いさんに敬語などを使わずに話す。この時代ではそれだけでも捕まる理由になってたような……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果→捕まるんじゃね? 俺。

 

「…………税金の未納はともかくとして、町の治安を乱した覚えはないんだが」

 

さっき出した結果を出来るだけ覆るように言い訳を放つ。

しかし相手はそんなことを聞き入れてはくれなかった。

 

「少なくとも、十分以上には怪しいわよ。春蘭。引っ立てなさい」

「はっ!」

 

抵抗してもいいだがこれ以上事態を悪化させてはマズいと思い抵抗はしない。

まぁ殺されそうになったら速効で連中を叩き伏せるからいいか。

このままいけば街のほうに連れていってもらえるっぽいし。

 

「まだ連中の手掛かりもあるかもしれないわ。半数は辺りを捜索。残りは一時帰還するわよ」

 

そして俺は、待望の街に向かうことになった。

-6ページ-

「なら、もう一度聞く。名前は?」

「北郷一刀」

 

俺こと北郷一刀はさきほどの三人にどこかの宿に連れていかれてまたもや尋問を受けていた。

 

「では北郷一刀。おぬしの生国は?」

「日本」

 

ん〜、いつまでこの会話を続ければいいんだろう。もう30分は続いていて、いいかげんダルくなってきたし……

 

「………この国に来た目的は?」

 

目的なぁ〜………来るつもりがなかった人間に目的とか聞かれても困るんだよなぁ………

 

「分からない」

 

こう答えるしかないよなぁ〜。でもあの人達物凄く不服そうな顔してるし。

 

「……………ここまで、どうやって来た?」

 

どうやって来た、ねぇ………正直に話しても信じてもらえないだろうし……………

実際俺もそんなことを言われても信じれる訳ないし。

 

「前後の記憶がないから、それも分からない。気が付いたら、あの荒野にいた」

 

当たり障りのない言い方で言うしかないよなぁ…………はぁ。

 

「………華琳さま」

「埒があかないわね。春蘭」

「はっ! 拷問にでも掛けましょうか?」

 

拷問かぁ………さすがに逃げる準備をしながら喋るか。

俺はいつでも逃げれる体制をとって女性達に話かける。

 

「まぁ拷問されようが何されようが、今言った以上の事は分からないし、知らないんだがな」

「本当に埒があかないわね」

 

ほんと俺もそう思うよ…………

 

「後は、こやつの持ち物ですが………」

 

何時の間にか壊れた携帯とハンカチと小銭が少々。

 

「この菊の彫刻はなかなか見事なものね。これは、あなたが作ったの?」

「いや………俺の国でのお金だ」

「お金? その割には、見たこともない貨幣だけれど………その日本という国は、どこにあるの?」

 

どこにあるか…………ここを中国として考えたら東の海を渡ったところか?

 

「だいたいここから東の海を渡ったところにあるのかな? 今の時代だと」

「貴様ぁ………っ! こちらが下手に出ていれば、のらりくらりとワケの分からん事ばかり………」

 

えぇ!? ちゃんと答えたのにこの仕打ち!?

少し酷過ぎるだろ!?

 

「てかお前は下手に出てないだろ」

 

華麗にツッコミをかます俺。

予想以上に余裕があるな。

 

「なんだと、貴様ぁっ!」

「はぁ………春蘭。いい加減になさい」

「………で、でもぉ」

 

すっげ〜。あの猪みたいな性格の女性をいともたやすく止めるとは。

 

「あぁ、そういえば一つ聞きたいことがあるんだが………」

「なに?」

「お前達の名前、教えてくれないか? 呼べないから不便だし、今呼び合っているその名前………多分真名なんだろう?」

 

今まで名前を聞いてなかった。ってか、荒野の時に名前を聞いたのにスルーされたしな。

 

「あら。知らない国から来た割には、真名のことは知っているのね?」

「まぁな」

 

あまり星達のことを答えたくないので適当に言葉を濁す。

 

「別に真名で呼んでもかまわないって言うなら呼ぶが………駄目だろ?」

「当り前だっ! 貴様ごときが華琳様の真名を呼んでみろ………。その瞬間、貴様の胴と首は離れているものと思えっ!」

 

別に呼んだりしないからその剣を下せよ………

 

「だからな………。大体荒野の時も聞いたのに無視されたし………」

 

「そういえばそうね。私の名は曹孟徳。それから彼女達は、夏候惇と夏候淵よ」

 

曹孟徳と夏候惇と夏候淵ね―――――――――

なんだとっ!?

 

「まさかと思ってはいたが…………本当に魏の覇王、曹操とは…………」

 

曹の旗を見た時とこの曹操と呼ばれた女の子の覇気を見た時に直感したが………

本当に本物とはビックリだ。

 

「……………どういうこと?」

「…………何がだ?」

 

何か間違いでもあったか?

 

「………どうしてあなたが、魏という名前を知っているの?」

 

どういうことだ? 曹操と言えば魏のはず……………あぁ、まだこの時では曹操は魏を建国してなかったんだな。

 

「どうして知っているか、か……………何故と言われれば知っているからとしか答えられないな」

「貴様、華琳さまの名を呼び捨てにするでない! しかも、魏だの何だの、意味不明なことばかり言いおって………!」

「春蘭。少し黙っていなさい」

「う………は、はい…………」

 

さすが曹操というわけか。魏武の大剣を簡単に黙らすとは。

まぁ当り前のことか。

 

「………信じられないわ」

「………華琳さま?」

「魏というのはね。私が考えていた国の名前の、候補の一つなのよ」

 

へぇ、この時期には名前を考えていたんだな。

違う言い方をすればこの時期からもう野心があったってことだよな、国の名前を考えているっていうことは。

 

「………は?」

「どういう意味ですか………?」

「まだ春蘭や秋蘭には言っていないわ。近いうちに言うつもりだったのだけれど………」

 

あれ? でもこの場合俺ってめっちゃ怪しくないか?

曹操が考えている魏の名前を知っているっていうことは……………

 

「それを、どうして会ったばかりのあなたが知っているの! そして、私が名乗った曹孟徳ではなく、操という私の名を知っていた理由も! 全て説明なさい!」

 

やっぱりぃいいいい!?

しかも俺がまたイージーミスしてるぅぅうう!

 

「まさかこ奴、五胡の妖術使いでは………!」

「華琳さま! お下がり下さい! 魏という国の王となるべきお方が、妖術使いなどという怪しげな輩に近づいてはねりませぬ!」

 

魏っていきなり使ってるし!

しかも五胡ってなんだ?

あぁあの匈奴と似たような民族だっけ?

 

「そんなんじゃねぇよ! 夏候惇も剣を引け!」

 

少し威圧しながら答える。それにしぶしぶ夏候惇も従ってくれたようだ。

 

「(何? 今の覇気…………春蘭よりも上!?)」

「(明らかに姉者よりも強い覇気を放ったぞ…………)」

「(なんだとっ!? この私が華琳さま以外の覇気で怯えただと!?)」

 

三者三様の感想を漏らしているが一刀はまったく気づいていない。

 

「…………で、結局それは、どういう事なのだ?」

 

さっきの威圧感を気にして注意しながら話す夏候淵。

 

(しくじったな…………むやみに威圧するんじゃなかった)

 

「簡潔に言うとだな…………信じられないかも知れないが俺は未来から来た人間だという事だ」

 

めちゃくちゃ簡潔に話す。

まぁ一回の説明じゃ信じて貰えないだろうから、そこは頑張って説明しますか。

 

「………秋蘭、理解できた?」

「………ある程度は。しかし、にわかには信じがたい話ですな」

 

やっぱりか………まぁある程度の常識を持っていたらこんな解答になるだろう。

 

「俺も全部信じてるわけじゃないが、そう考えないと辻褄が逢わないことが多すぎるんだ」

 

まぁ十中八九俺の解答で正解なんだろうがな。

けど、三国時代の時に真名という風習があったなんて聞いたことないし、それより曹操達が女の子なんてことも聞いたこともない………ここが俺にも理解できないところか。

 

「………ふむ」

「俺が持っている知識と照らし合わせてみると………今この時代は漢王朝。今の皇帝は忘れたが一度新に滅ぼされかけて、そこから国を復興させた皇帝の名は光武帝………合ってるか?」

「ええ。その辺りの知識はあるのね」

 

ふむ。俺が知っている三国時代の大体の知識は使えるってことだな。

まぁ少しくらい違うとこもあるだろうが。

 

「こないだテストに出たばっかりだからな………」

「………てすと?」

 

この国ではそんな概念なかったっけ?

 

「試験のことだよ。学校の」

「………学校?」

 

学校はなくてあったのは私塾だった、そういや。

 

「そうだな………みんなで集まって、いろんな勉強をするところ………かな?」

「私塾のこと?」

「まぁそんな感じ。………日本はそれを個人じゃなく国が運営して、国民全員に義務として勉強させてるんだ」

「なるほど。最低限の学力を平均的に身に付けさせるためには、悪くない方法ね………」

 

俺があの有名な曹孟徳に政治の仕組みを教えているぞ。ビックリ(笑)

 

「それでだな………さっき言ってた漢王朝の出来ごとっていうのは、俺の世界じゃ……千年以上も昔の話なんだよ」

「………ふむ」

「………分かってない顔だな、そりゃ」

「………文句あるか」

 

特に文句なんかないんだが、俺が優しく教えてやろう。

 

「…………例えばだな、夏候惇」

「おう」

 

えらく素直だな。

 

「夏候惇が、どこかワケの分からない場所に連れて行かれて、項羽や劉邦に会ったようなもんだ。後はまぁ、太公望とか始皇帝とかかな」

「………はぁ? 項羽や劉邦と言えばはるか昔の人物だぞ! そんな昔の英傑に今の私が会えるものか。何を馬鹿な例えを………」

「そういう、馬鹿げてる状態なんだよ。今の俺が」

「……………な、なんと」

 

やっと分かったか………中々手ごわい相手だった。

 

「確かに、それならば………北郷が華琳さまの考えていた魏という国の名を知っていたことも、説明が付くだろうな」

「だが………貴様はどうやってそんな技を成し遂げたのだ。それこそ、五胡の妖術ではないか」

「それがわからないさっきから言ってるだろ? 多分何かに巻き込まれたんだろうが…………」

 

まぁあの光が原因てのが当たりだろう。

次に左慈と会った時に聞いてやろう。もちろん俺がボコボコにしてからだがな。

 

「………南華老仙の言葉に、こんな話があるわ」

「あの人物か………」

 

俺は偉人の言葉などは好きだから大抵の偉人の名前と言葉は知っている。

 

「南華老仙………荘周が夢を見て蝶となり、蝶として大いに楽しんだあと、目が覚める。ただ、それが果たして荘周が夢で蝶になっていたのか、蝶が夢を見て荘周になっていたのかは………誰にも証明できないの」

「胡蝶の夢…………か」

「へぇ〜………大した教養ね。それも学校とかいうやつのおかげかしら?」

「いや、これは俺が好きだから知っているだけだよ」

 

苦笑しながら答える。

 

「な、ならば華琳さまは、我々はこやつの見ている夢の登場人物だと仰せるのですか!」

「そうは言ってないわ。けれど私たちの世界に、一刀が迷い込んできたのは事実、と考えることも出来るということよ」

「は、はぁ…………」

 

アイツ、また分かってない顔だな…………

 

「一刀が夢を介してこの世界に迷い込んだのか、こちらにいた一刀が夢の中で未来の話を学んできたのかは分からない。もちろん、私たちにもね」

「………要するに、どういうことです?」

「華琳さまにも分からないが、少なくともここに北郷がいる、という事だけは事実だ、という事だ」

 

簡潔に纏めてくれたな。これなら夏候惇も―――――――――

 

「………うむぅ?」

 

分かってなかったぁああ!?

 

「それで分からないなら、諦めろ。華琳さまにもお分かりにならない事を姉者が理解しようとしても、知恵熱が出るだけだぞ」

 

何気に酷いな。

 

「むむむ…………」

「春蘭。色々難しいことを言ったけれど………この北郷一刀は、天の国から来た遣いなのだそうよ」

「天の国から来た遣い…………?」

 

なんだそりゃ? 俺はそんなこと名乗った覚えはないぞ?

 

「なんと………。こんな風采の上がらないヤツが、天の遣いなのですか?」

 

風采が上がらなくて悪かったな!

 

「何をいきなり言ってるんだ?」

 

しかも夏候惇もそれで納得してるっぽいんですけど!

 

「五胡の妖術使いや、未来から来たなんていう突拍子もない話をするよりは、そう説明した方が分かりやすくて済むのよ。そういう事であなたもこれから自分のことを説明するときは、天の国から来たと、そう説明なさい」

 

なんかえらく親切だな。

 

「てかどっちも似たようなもんじゃねぇの………?」

 

俺からしたら妖術だろうが天の何とかだろうが、うさんくささがけた違いなのは同じだろうに。

 

「あら。妖術使いと呼ばれて、兵に槍で突き殺される方がマシ?」

「たかだか一兵卒の兵なんかに俺が突き殺されるかよ」

「へぇ……………」

 

そう言うこった。俺がそこらの兵に殺されるわけ―――――――――しくじった!

 

「あなたはそんなに自分の武に自信を持ってるのね」

 

ミスッたな…………

 

「まぁ華琳さま、その話は後で………」

「そうね」

 

なんかまたもや俺の話がスルーされたな。

これはこれで何か応えるものがあるんだけど。

 

「さて。大きな疑問が解決したところで、もっと現実的な話をして良いか? 北郷」

「ええっと………その南華老仙の古書を盗んだ盗賊の話だっけ?」

 

そいつらを追って、曹操たちはあの荒野を走ってたらしい。俺を見つけたのは、本当についでというか、たまたまだったわけだ。

それが幸か不幸はわからないが。

 

「そうよ。あなた、そいつらの顔を見たのね」

「俺が会った三人で確かならね」

 

俺が気絶させた三人がその古書を盗んだらしい。その三人はというと、俺と星が手合わせしている時に気がついて逃げて行ったらしい。

 

「ちなみに俺が見たのは、首領格らしいヒゲのおっさんと、チビと、デブの大男。ただし、連中の名前までは聞いてない」

「………少なくとも、聞いている情報と外見は一致するわね。………顔を見れば、見分けはつくかしら?」

「特徴的な三人だったからなぁ〜。多分、顔や格好を見れば、すぐ分かるだろうと思う」

 

なんせ俺に喧嘩を売ってきた三人だったし。

 

「そう。………なら私たちの捜査に協力なさい」

 

いきなり命令かよ………

まぁコッチの提案を聞いてくれるのなら別にいいけど。

 

「ならコッチからも一つお願いがあるんだが………」

「何かしら?」

「俺の衣食住を提供してくれないか?」

 

これが今の俺の一番の願い。

これがないと人間は生きていけないからなぁ。

 

「貴様っ! 華琳さまにそんなことを頼まず、無償で働かんかぁ!」

「お前なぁ………俺はこの国に理由はわからないが今日来たんだぞ? そんなヤツに無償で働けって鬼か?」

「何ぃ!? 私が鬼のように怖くて大猪のような馬鹿力だとっ!?」

「そこまで言ってねぇよ!」

 

激しく言い合っている俺と夏候惇。

そこに曹操の仲裁が入った。

 

「春蘭、静かになさい。今は私が話しているのよ?」

「す、すみません…………」

 

しょんぼりしている夏候惇。

目が合うと物凄く睨んできたけど。

 

「さすがに盗賊退治を手伝ってもらうだけじゃ衣食住の提供は出来ないわね」

「ならどうすればいいんだ? っていうかもう決めてるんだろう?」

 

さっきから不敵に笑う曹操の顔が気になっていたが、そういう事だったか。

 

「なかなかやるわね…………私が出すもう一つの提案は―――――――――」

「私のもとで天の御使いと名乗りその未来の知識を使って私の覇業の手伝いをなさい!」

「やっぱりか…………」

 

どうせそんなことだろうと思った。

まぁ俺としてはそれで済むのなら問題はない。

まぁ一つ聞きたいことがあるからそれを聞いてから考えるんだが。

 

「答えは?」

「ひとつ聞き―――――――――」

 

俺もさっきの曹操のように不敵に微笑み返す。

しかしさっきまで黙っていた夏候惇が割り込んできた。

 

「華琳さまっ! こんなヤツを仲間に加えずとも我らだけで覇業を成し遂げれます!」

「そうかも知れないわね………けどね春蘭、良く考えてみなさい。ここで一刀を我が陣営に引き入れることで天の御使いという風評を得ることが出来、それだけで私の覇業が一歩前進するわ。それにここで一刀を逃して他の陣営に入られたら未来の知識を使って私の覇業の妨げになるかも知れないわ」

「ですが…………」

 

どうしても夏候惇は俺が仲間になることは認めたくないようだ。

けどそこまで必死になるんだ?

 

「なら春蘭。あなたはどうすれば一刀が私の臣下になることを認めれるのかしら?」

 

臣下って………まぁこの時代ならそう呼ぶかも知れないけど。

 

「それはもちろん、この夏候元譲に一騎打ちで勝つことに決まっています!」

 

えらく自信満々に答えるな。

ならその自信、俺が打ち砕こうか!

 

「そんな簡単なことでいいのか?」

 

挑発しながら話しかける。

それについて曹操と夏候淵はビックリした様子で主題の夏候惇は怒りを顕わにした様子だった。

 

「なんだと?」

「だから言ったろ? お前くらいに勝つことは簡単だと………」

 

その言葉を聞いた曹操は不敵に微笑み、

 

「わかったわ。この試合で春蘭が勝てば一刀には無償で盗賊退治に協力してもらうわ。一刀が勝てば衣食住を提供する………これでいいかしら?」

 

手合わせの勝ち負けで俺の未来が決まるってことか………

別に問題ないかな。

 

「俺はその条件でいいだろう」

「私も問題ありません」

 

二人の言葉を確認して曹操は外に出た。

それに続いて夏候淵、夏候惇、俺という順番に外に出ていく。

 

「審判は私と秋蘭でするわ………二人とも、決して相手を殺しては駄目よ?」

「当り前だろ?」

「ふん! 華琳さま、コイツが予想以上に弱かったらわかりません!」

 

ほんとどんだけコイツ俺の事が気に入らないんだよ…………

 

「(さっき出した覇気………あれは春蘭さえもを超えていた………どんな戦いを見してくれるのかしら?)」

 

「(姉者…………油断するなよ)」

 

二人の審判が見守る中、俺と夏候惇の一騎打ちが始まろうとしていた。

-7ページ-

夏候惇は自分の武器『七星餓狼』を構え、俺も『白夜』を抜刀した。

 

「………一刀、それで春蘭の攻撃を受け止められるの?」

 

夏候淵も思ったのか曹操と二人してこちらを見ている。

夏候惇の方は自信満々な様子で構えて待っている。

 

「心配するな…………まぁ見てろよ」

 

俺も余裕綽々な態度で夏候惇を見つめる。

 

「そう…………なら、始めっ!」

 

曹操の合図とともに夏候惇が突っ込んでくる。

 

(速いなっ!)

 

予想以上に速い突進に驚きながらも相手の剣筋を見極める。

夏候惇も同じように見極め二人とも斬撃の嵐を繰り広げた。

 

「やるなっ、北郷!」

「そっちもな、夏候惇!」

 

鍔迫り合いをしながら話合う二人。

 

「それにしてもなんなんだ? その武器は。相手の攻撃を受け流し反撃する攻撃する技法なんかみたことなかったぞ!」

「これは俺の国の主流の戦い方なんだがなっ!」

 

俺が薙ぎ払い距離を空けた。

仕切り直しとなったところで、

 

「そろそろ俺も本気で行こうかっ!」

 

俺は殺気と威圧感を跳ね上げる。

 

「なんとっ!」

 

夏候惇は俺の殺気と威圧感を受け少し後退する。

 

「(なんて覇気なの!? あれは私や春蘭さえも超えているわ!)」

 

「(ここまでのものとは…………これは姉者が)」

 

「行くぜっ!」

 

大分距離が空いていたが数秒で詰める。

 

「らぁっ!」

 

袈裟斬り、横一文字、逆袈裟、兜割などの斬撃を絶えず放つ。

それは嵐のように荒々しいのにどこか美しさも兼ね備えた斬撃だった。

 

「クソッ!」

 

そんな嵐のような斬撃に夏候惇は防戦一方だった。

 

「(この私が負ける!? 華琳さまが見ている目の前で負けるのか!?)」

 

斬撃をなんとかいなしながら考える。

 

「(どうしたら勝てる? どうしたら…………)」

 

「左肩がお留守だぜ? 天凱一刀流、二の型『衝』!」

 

光速の突きが放たれる。

それはどんな達人でも反応出来るような速さではない。

しかし―――――――――

 

「ぐぅ…………」

 

夏候惇は野生の勘とも言えるものでぎりぎり防いだ。

防いだと言っても完璧ではなく、左肩を少し斬りつけられている。

 

「春蘭!」

「姉者!」

 

曹操と夏候淵は叫ぶ。

 

「この勝負は一刀の勝ちでいいわよね? 春蘭」

 

曹操は夏候惇の傷を心配し、一刻も早く治療したいようだ。

 

「いえ…………私はまだ負けてはおりません! 私は華琳さまの剣、どんなものにも負けない剣なのです!」

「姉者!?」

 

その言葉と同時に俺に目を向ける。

その目は負けた時に発せられる眼光ではなく、これから相手を食らい尽そうとしている獣の目だった。

 

「良い目だな、夏候惇………」

「………春蘭だ」

「「「!?!?!?」」」

 

三人が同時に驚く。

あの夏候惇が俺に真名を許したのだから。

 

「いいの? 春蘭」

「はい、構いません。こ奴の武は私も認めましたから……」

 

照れくさそうに答える夏候惇。

 

「そう………なら私の真名もあなたに預けるわ、一刀」

「なら私も預けよう」

 

曹操と夏候淵も真名を許してくれた。

 

「私の真名は華琳。これからは華琳と呼びなさい」

「私は秋蘭。これから秋蘭と呼んでくれ」

「分かった。華琳、春蘭、秋蘭………これからよろしくな」

 

三人から真名を許してもらったところで一騎打ちが再会させる。

 

「傷のほうはもう大丈夫か?」

「ふん、この程度傷のうちに入らんわ」

 

ふっ、と笑う春蘭。

 

「そうか………なら、行くぜ!?」

「望むところだ!」

 

二人が同時に距離を詰めて斬撃を繰り出す。

春蘭は力重視の一撃必殺。

それに対して一刀は速さと技を駆使した連撃。

二人の剣劇はもはや一つの舞いに昇華されていた。

 

「(あの武………そして私や春蘭に対する胆力。何としてでも私のものにしたいわね)」

 

一刀を見てそんなことを思う華琳。

そして、

 

「春蘭! この勝負絶対に勝ちなさい!」

「っ!? はい、わかりましたっ!」

 

春蘭は華琳に応援されたことにより斬撃の速さと力強さが上がった。

 

(チィ! まだ上がってくるのかよ!?)

 

一刀も負けじと連撃の速度を上げていく。

その速さは前の斬撃が残像として残るほどだ。

 

「そろそろ決着を着けようか、春蘭………」

「そうだな………そろそろ決めてもいいころか」

 

二人は最後の攻撃をするために構える。

春蘭は自分が一番得意の人を殺す時に用いる構え。

一刀は納刀し居合いの構え。

 

「それで本当にいいのか? 北郷………」

 

春蘭は一刀の構えを不審に思い尋ねる。

 

「あぁ、気にするな………」

「そうか………」

 

二人の会話が途切れ、沈黙が流れる。

その静けさは心臓の音が聞こえそうなほどだった。

そして一迅の風が吹いた―――――――――

 

「はぁぁぁぁああああ!」

「うぉぉぉぉおおおお!」

 

二人は一気に距離を詰める。

そして春蘭は渾身の兜割。

一刀は、

 

「天凱一刀流、一の型『断」!

 

二本の剣が交錯する。それは一瞬。しかしそれは無限とも思える時間とも言えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カランッ……………

 

「俺の勝ちだ、春蘭………」

 

落ちた武器の音は春蘭の七星餓狼だった。

一刀は春蘭の首筋に刀を当て勝ちを宣言する。

 

「……………私の負け………だな」

 

潔く負けを認める春蘭。

しかしその瞳には悔いが残っているようには見えなかった。

 

「勝者、北郷一刀!」

-8ページ-

華琳が春蘭の肩の傷を手当しながら喋りかけてきた。

 

「一刀があんなに強いなんて驚いたわ」

「俺も春蘭が予想以上に強くて驚いたけどな」

 

俺に負けた春蘭はむぅ、とコチラをジト目で見てくる。

 

「何? それなら初めから春蘭に勝つつもりでいたの?」

「あぁ。初めはもう少し簡単に勝てると思ってたんだが…………」

 

苦笑しながら答える。

 

「北郷! 今度また戦うぞ! 次こそ絶対勝ってやる」

「いつでも受けて立とう!」

 

二人で熱くなっていると華琳が訪ねてきた。

 

「そういえば一刀、あなたの真名はなんていうの?」

「おぉ! そういえば聞いてなかったな」

「私達が教えたんだ、もちろん教えてくれるよな?」

 

ジリジリと近づいてくる三人。

何かお前ら怖ぇよ!

 

「あ、あぁ、言ってなかった。俺には真名がないんだよ」

「「「は?」」」

 

何言ってんの、コイツ? みたいな目で見るのはやめろって言ってるだろ?

 

「だから俺には真名っていうもんがねぇの。正確に言うと俺のいた世界にはそんな風習がなかったな。まぁそっちの風習に合わせるんなら一刀ってのが俺の真名に当たるのかな?」

「ではお前は初対面の私達に、いきなり真名を呼ばせることを許していたと…………そういう事か?」

「そういう事だな」

 

なんか少し前に似たようなやり取りをしたな。

俺は内心で苦笑しながら答える。

 

「貴様は大物なのか大馬鹿者かよくわからんな」

「春蘭に馬鹿って言われたくないな」

「何ぃ!?」

 

春蘭をイジって遊ぶ俺。

そんなことをしている華琳が真剣な顔で聞いてきた。

 

「ねぇ一刀…………あなた私のもとで働かない?」

「………さっきの勝負にそんな条件はなかったはずだが?」

 

華琳が真剣になったので俺も春蘭で遊ぶのをやめ真剣な態度で対応する。

 

「さっきの勝負を見て私は思ったの………私の覇業を達成するにはこの男が必要なのだと」

 

俺の目を見つめてくる華琳に少し見惚れた。

しかし俺は心を冷静にし尋ねた。

 

「なんで俺が必要なんだ? 武なら春蘭や秋蘭がいるだろ?」

「確かに二人の武は優秀よ? けど二人だけじゃ私の覇業は達成出来ないの。それにあなたには天の知識があるし頭も良いのでしょう?」

「頭が良いかはわからんが…………確かに天の知識は持ってるな」

 

俺は言うことは決まっているのに少し意地悪に相手も心情を聞いていく。

 

「だからお願い! 私の覇業に力を貸して………」

「なっ!?」

「華琳さまっ!?」

 

春蘭と秋蘭は驚いていた。それもそのはず、初対面の俺でさえ自信の塊と思っていたあの華琳が俺に頭を下げて頼んできたのだ。命令じゃなくお願い。それはそれだけ俺のことを必要としている証拠だろう。

 

「…………華琳一つ尋ねてもいいか?」

「…………何?」

 

華琳は顔を上げ俺を見つめる。

華琳にも分かっているはずだ。この答えによって俺がどのような行動をとうかということを。

 

「華琳―――――いや曹孟徳よ! その覇業とは何を成す!?」

「私の覇業…………それはこの世界を統一して民に安全で幸せな生活を送ることよ!」

 

俺の威圧感をものともせず威風堂々と答える。

その答えに俺は昔のことを思い出してした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――私はね、一刀。この『裏』世界と呼ばれている世界を安全で幸せな世界にしたいの

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――どうやって? やっぱり私が一番上に立つしかないのかなぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――ねぇ、一刀は手伝ってくれる?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――私は途中でその重圧に耐えられないで潰れちゃうと思うんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――だから一刀、私を支えてくれる?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「曹孟徳よ、その覇業の途中には悲しむ人達も出てくるだろう。それはどうするのだ!?」

「その悲しみは私が背負う! 少しの人を犠牲にしてたくさんの人を救えるのなら、私はその少ない人の悲しみを背負って覇業を達成するわ!」

 

それは昔のアイツを見ているようだった。

だれかが支えないと絶対に崩れてしまう。

そんな茨の道を進もうとしている。

 

「本当にその修羅の道を行くのか?」

「くどいわよ! 私は絶対にこの道を進んで見せる!」

 

なら俺が少しでも支えてやるか―――――――――

 

「お前の決意、しかと聞き遂げた! ならこの俺も力を貸そう!」

 

俺は膝を着き白夜を抜刀し前に出す。

 

「この力、曹孟徳の覇業のために使うとここに誓う。我は曹孟徳の覇業を妨げる者を全て斬り裂こう!」

 

臣下の儀礼を華琳に対して行う。

これが俺の答え。

その答えの華琳は満足そうに頷くと春蘭や秋蘭に声を掛けた。

 

「二人も手伝ってくれるわよね?」

「当り前です、華琳さま」

「私の大剣が北郷と一緒に敵を打ち砕きましょう!」

 

二人も臣下の儀礼を取る。

 

「そう。なら行くわよ、我が覇業を成すために。春蘭、秋蘭、一刀!」

「はっ!」

「はい!」

「おう!」

 

こうして俺の物語が始まった。

ここからどんな物語が紡がれるかは俺は知らない。いや誰も知らないだろう。

けど俺は決めた。この修羅の覇業を成そうとしている女の子達を守ろうと。

今度こそ絶対に守ろうと―――――――――

-9ページ-

「北郷一刀は魏に落ちましたか…………」

 

一人の男が水晶を覗いている。

 

「何をしている? 于吉………」

 

于吉と呼ばれた男性は振り返り自分を呼んだ男性に尋ねた。

 

「帰ってきていたんですか、左慈」

「あぁ…………それは北郷か?」

 

水晶に映る一刀を見て少し態度が変わる。

それは好敵手に出会った時のような顔だった。

 

「えぇ。北郷一刀は魏に落ちたようです」

「そうか…………」

 

そんな左慈を見つめながら于吉は聞いた。

 

「どうやって北郷一刀をこの外史から消滅させましょうか?」

「…………出来れば俺自身で殺したいんだがな」

「それは駄目でしょう? それこそ狂ってしまいますよ?」

「分かっている! けどな…………」

 

左慈は拳を握り水晶に叩きつける。その水晶はいとも簡単に砕け散った。

 

「あいつは人間の身でありながら俺と同等の力の持ち主なんだぞ?」

「そうですね………左慈は神仙の中でも戦闘能力のなら五指に入りますからね」

「それなのにあいつは俺と同等だ…………」

 

苛立ちながら、それでいて楽しそうに語る左慈。

 

「まぁとりあえずいろいろと仕掛けて…………もしそれでも殺しきれなかったらその時は『あの時間』で殺したらいいでしょう。『あの時間』なら狂いませんしね」

「そうだな…………それまで生きていろよ? 北郷一刀!」

 

その言葉ともに二人は消え、その空間には誰もいなくなった。

-10ページ-

さて六日ぶりの蒼ですw

本当ならこの作品は二日前に投稿する予定だったんですが、少し予定が狂ってしまい投稿が遅れてしまいました…………

その理由が次のような会話になっております。

 

プルルッ、プルルッ。

 

俺「ん? 電話か。はい、もしもし」

友人「おう、蒼か?」

俺「いや、お前………携帯に電話してるのに俺以外が出たらビックリだろw」

友人「それもそうか」

俺「んで? 何か用事か?」

友人「そのことについてなんだが…………」

俺「なんだ? もったいぶらず先を言えよ」

友人「なら言うが…………今日お前の家泊まれるか?」

 

現時間18時30分

 

俺「まぁ無理ではないが」無理じゃなかったw

友人「マジか!? なら8時くらいに行くんでよろしく!」

俺「まぁ俺少し―――――――――って切りやがった…………」

俺「まぁそれなら俺も準備するか…………」

 

ということがあってその日は潰れて次の日は友人と徹夜で遊んでダウン。

それで今日投稿することになりましたw

 

ほんとすいません…………

 

さて√についてはいろいろな意見が出ていました結局魏√に落ち着きました。

まぁ魏√とか言ってる割にはオリ√に入るんですけどねw

 

さて駄文はこのくらいにして今回使われた型について説明でもしましょうか。

まぁ前回のようになるので飛ばしてくれて結構です。

一番下には前作にコメをしてくださった人に対する返信となってますのでコメしてくださった方は暇なら見てください。

では行きます!

 

天凱一刀流:一刀が使っている流派。一刀は二刀流が主流なのだが今回のような場合がたまにあるため一刀流でも戦えるようにしている。一刀が使う型は大概が普通の斬り方のものを完全に昇華して使う。作中では数個しか型は出さない。

 

一の型『断』:ただの居合い。しかし一刀はその居合いを完全に昇華して最強の型にしてみせた。それはまさに光速。どんなものでも断ち切る速さで相手斬り裂く。

 

二の型『衝』:天凱二刀流の一の型『連衝』に似ている。違うところはこれはただの突きであり居合いと同じで完全に昇華している。これも光速で、どんなものでも貫く攻撃力を持っている。

 

今回使ったのはこの二つだけですね。今回は少し戦闘描写が簡単すぎたかなぁ? と思っています(まぁ前回も簡単だったんですけどw)

それではこれでお終いにしてコメの返信といきますか。

小説を読んでくださった皆さんにお礼を。できれば次回も読んでほしいです。

では次回でお会いしましょう。

なお投稿は一週間に一回くらいのペースを目途にして出来るだけ三日坊主にならないようにがんばります。

夏休みになれば夢の一日一回の更新が出来るかも?(絶対無理ですけどw)

 

 

 

 

 

 

 

 

〜コメの返信〜

 

タンデムさん>ありがとうございます! その声援だけでご飯三杯はいけますwまぁ実際俺はご飯一杯しか食いませんがww

 

motomaruさん>左慈は大分強い設定で、今は一刀のライバル的な立ち位置を予定しています。正直この左慈や一刀は貂蝉や卑弥呼と同レベルの予定ですw

 

逢魔紫>すいません! 逢魔紫さんが誤字報告しているのに間違った人にお礼を言っていました…………この場で謝りなおかつこの場でお礼を言わせていただきます。ありがとうございましたぁっ!

 

munimuniさん>そこまで新鮮なんだろうか?w と思う今日このごろですがそう思っている人がいるということはそういうことなんでしょうね。声援ありがとうございます。

 

メルさん>本当おもしろいと言ってくれる人がいるだけで蒼は幸せですwなので皆コメに書いてくry

 

斑鳩さん>誤字報告本当にありがとうございます。今回も見つけたらドシドシ言ってくださいw

 

ブックマンさん>すいません、魏√になって御期待に添えませんでした。けどこれから頑張っていくので蒼を見捨てないでくださいね?w

 

クォーツさん>クォーツさんの魏√になりましたwクォーツさんが言った通り今回の一刀は蜀、呉では扱いきれないのでこうしました。詳しい理由としては、

呉…魏、蜀ほど気に入っているキャラがいない。嫌いなわけじゃない、むしろ大好きwしかし魏、蜀に劣るので没

蜀…初めの候補は蜀でした。何故かって?そりゃはわわ軍師とあわわ軍師がいるからさっ!イタッ、やめて石投げないで!w コホン。没の理由としては蜀では一刀を前衛に出しにくい。特に愛紗がいるため余計に出しにくい。なのであえなく没

魏…残ったのはこの国で一刀が前衛に出しやすい。そして何よりツンデレ軍師とお昼寝軍師がいるからこの国―――イタイッて、ちょ、ほんとシャレにならないよ………

とまぁこんな感じに√は決まりましたw

       

睡眠不足1さん>俺もとらは3は大好きですよ〜。恭也がかっこいいですよねぇw

 

jackryさん>声援ありがとうございます。続きを待たしてすいません。今回のは満足していただけたかわかりませんがまたお暇があったらコメントくださいね?w

説明
やっと第三回目の投稿となりました。
これで見習いという称号ともおさらば! 俺はやっと小説家になったんです。
まぁ文才がないんでいつまでも皆さんからは見習いと思われるかもしれませんがw
まぁあいさつはこのぐらいにして本編へどうぞ!
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コメント
刀一本で春蘭より強いって、完全装備になったらどんだけ強いんですかねww(ストー)
一刀の「闇」の部分がどう関わってくるのか、これから楽しみです。 クォーツさんじゃないですけど、シリアス6〜7:ギャグ4〜3くらいを希望してみたり(マテ 執筆は無理せず、マイペースで完走目指してください。(伏宮真華)
いいですねww次回も期待してます!(悪来)
その心意気あいや好し!!一刀の道に幸多からん事を・・・(PANDORA)
魏√も嫌いじゃないですよw 蒼さんのオリなところ、楽しみにしてますね(ブックマン)
続きを期待してます。(nao)
華琳が頭下げるとか事件だぜ!!それほどの覇気をもってるとか・・・おもしれ〜〜(motomaru)
逢魔紫さん>脱字報告ありがとうございます。編集しておきました(蒼)
続き期待して待ってますねヾ(*´∀`*)ノキャッキャ♪(トウガ・S・ローゼン)
脱字:何言っての、コイツ?←何言って「る」の or 何言って「ん」の かな(トウガ・S・ローゼン)
追記 ギャグに傾倒するのは勘弁してください。出来ればシリアスで。最近主人公メッチャ強いのに内容はギャグ100%な作品が多いので・・・(クォーツ)
執筆お疲れ様です。コメ返し有難う御座います。なりましたね魏(笑) 自分は主人公が強い設定が好きなので本編では魏に落ちながら、ヘタレな一刀が残念だったので、星との決闘の辺りから嬉しいやら面白いやら大変でした。是からも頑張って下さい 次作期待(クォーツ)
すっげ〜!! 華琳以上の覇気とかww 続きが早く見たいぃ〜!!(タンデム)
俺も小説書いてますが何分駄文ですので、こんな風に書けたらいいなと思います(いずむ)
続きがはやくみたいですね〜w無理せず完結目指してがんばってください!(ブロンコ)
なるほど主人公は恭也をモデルにしているんですね、ふふっますます先が楽しみになりました(brid)
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