艦隊 真・恋姫無双 118話目
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【 女子会? の件 】

 

? 司隷 洛陽 都城内 予備室 にて ?

 

 

詠「もう! 何なのよ!! 人を散々悩ませてばかりで!! ボクを心労で早死にさせる新手の策なの!? あぁもう〜イライラするわぁ!!」

 

冥琳「…………あらゆる誹謗中傷に耐え策の真偽を見破り、敵には出血を強い味方の被害を軽減する。 これが我ら軍師としての真価だ。 それが、これくらいの事で……音を上げるものではないぞ?」

 

ーー

 

詠が機嫌を損ねた理由の華陀は……

 

『一刀の容態が安定したので知らせに来たんだ。 そうしたら未知の病とか聞こえたので、その場に急行して──報告? あっ、す、すまん! 病魔から救う事を優先したので、すっかり忘れていたぁあああっ!』

 

──と平謝り。 

 

卑弥呼は………別に言わなくても分かるだろうが、軽い嫉妬である。

 

ただ、どんな理由であれ、華陀に喧嘩を売られ?実際に拳を振るってしまった詠である。 結果が引き分けになったとはいえ、感情に流され軍師らしくない行動を起こした己に自己嫌悪して、かなり御機嫌斜めだ。 

 

だが、話し掛けてきた冥琳の表情が暗く、流石の詠も心配する。

 

ーー

 

詠「──って、そう言う冥琳こそ………どうしたの? 何か、暗い顔してるけど……?」

 

冥琳「…………先程、聞いたのだが──」

 

詠「───糖尿病?」

 

ーー

 

詠の呼掛けにより冥琳が口を開き、卑弥呼と交わした会話の中身を伝える。 

 

この時代の知識には無い病の名と『時、場所、質』による発病条件。 それが現王朝の柱石を崩す一石になろうとする事を。

 

詠は少し考え込み、自分の持つ情報と冥琳より聞いた情報を頭の中で精査し、その確率の高さに唖然とする。 

 

冥琳は冥琳で、この料理一つで瓦解しようとする王朝の脆さ、その弱味を的確に突いた鳳翔の策を思うと戦慄を禁じ得ない。 

 

ちなみに、冥琳と詠の会話が漏れ聞こえ、『汁粉を食べると怖い病気に掛かる』という騒ぎになるが──

 

華琳『そのくらいの量なら心配しなくても大丈夫よ。 天の国の食材で作られた料理で数年間継続して食べない限り、そんな事は起こらないわ。 そもそも人一倍身体を動かす貴女達なら、こんな病に掛かる訳ないじゃない!』

 

と、華琳自身から叱咤され、騒ぎたてた者達は安堵するのであった。

 

そんな騒ぎの中、二人は──もし鳳翔が敵対した場合、どのような謀を繰り出すのかと、そんな興味が少なからず湧いたのは……内緒の話。

 

ーー

 

華琳「はいはい、そんな仲間内の揉事より、大事な話があるでしょう?」

 

詠「か、簡単に言ってくれるけどねぇ………」

 

冥琳「………………………いや、この時だからこそ、だ。 それに、私達自ら足を踏み込んだ騒動、私事など後回しにしても──」

 

詠「……………わかったわよ………」

 

ーー

 

騒動が落ち着いた後、呆れた表情をした華琳が二人に近付き話し掛けた。 

 

詠は未だに腹立ちが収まらない様子だが、冥琳の言葉に渋々頷き、再度華琳に顔を向ける。 そんな二人の様子に何かを感じとったか、華琳が真顔になった。

 

ーー

 

華琳「………今度こそ、理解して貰えた?」

 

詠「ふん、念を押されなくても判ったわよ! 『時』『場所』『質』で成り立つ事により起こる謀、これに該当する策は──兵法三十六計の一つ《美人計》しかないわ!」

 

冥琳「そして………この汁粉を『内部崩壊への布石』として王朝内部に広め、漢王朝内の柱石達を大混乱に陥れる……そう、華琳は企みを読んだわけだな?」

 

ーー

 

内容は、先程まで話していた鳳翔の策についてだが、今の二人は補完すべき情報を得て理解している。

 

卑弥呼が語る病の発病条件と症状、長年の一元的支配から起きている極官達の腐敗堕落、そこに鳳翔の料理が加われば………どうなるか。

 

───その恐ろしさに戦慄が走った。

 

ーー

 

 

華琳「………正確に言えば、モノは美少女じゃなくて……美食だけどね」

 

冥琳「ああ……玉を奉じながら活計歓楽に勤しむ三公と儀同三司、九卿等の極官が、更なる珍味佳肴な物を渇望するのは当然。 しかも、汁粉が今を煌めく天の御遣いからの伝授となれば、競い合って欲しがると予測できる」  

 

詠「それに……味わった事ない料理だもの。 一度口に入れれば、飽きるまで食べ続けるわ。 特に我慢とか知らない高官達なら尚更。 だけど、そんな食生活していれば、誰かが諫言してくるんじゃないの?」

 

華琳「韓非子曰く『忠言逆耳』──狭量な極官に臣下が諫言をしても、嫌がり話を聞かず、逆に罰を与える可能性がある。 そのまま諫言する者を咎めれば側より人は居なくなり、極官自身は体調を崩し職務も滞るのは自業自得よ」

 

冥琳「だが、そうなっても……得た地位は手放さないだろう。 地位に絡まる様々な利権を失う事を恐れるからな。 だが、その地位を目敏く狙う有象無象の輩が、そのまま預ける訳がない。 最初は水面下での暗躍が始り──」

 

詠「……高官達だけで潰し合えば、清流派辺りが動いて事を収めるかもしれないけど、拡がれば内乱が勃発して、漢王朝は崩壊し群雄割拠になる。 そうなれば、あの時と同じ、ボク達は敵味方に別れて戦う事になるかも!?」

 

冥琳「…………はぁ、確かに頭が痛い話だ」

 

ーー

 

詠と冥琳が二人して溜息を吐くと、華琳が苦笑する。

 

ーー

 

華琳「…………貴女達、理解するのに時間が掛かり過ぎるのよ」

 

詠「そんな事いわれても仕方が無いじゃない!」

 

華琳「私としては、もっと早く貴女達が理解してくれるかと思ったのに。 それがまさか……こんなに手間が掛かるなんて、想定もしていなかったわ」

 

冥琳「そもそも、其方からの情報提供が不充分。 幾ら北郷と接していたと言えど、知らぬ情報もある。 だからこそ、導き出される答えの確定範囲が違うのも当然の結果だ! 私達に罪を押し付けるとは止してもらうか!」

 

華琳「………………二人とも、一刀と体を重ねた身の上なんでしょ? だったら、それくらいの情報、寝物語で聞いてるかと思ってた………」

 

詠「───なっ、ななな、何を言ってぇえええ!?」

 

冥琳「───っ!?」

 

ーー

 

二人は思わず顔を赤らめ、華琳へ文句を言いながら睨むのだが、当人は一瞥して顔を歪ませ、斜め横に視線を送る。

 

その先には、五人ぐらいの列が、二列応対で順番待ちをしている。

 

ーー

 

華琳「………軽い冗談よ。 そんな話より、まずは横で並ぶ行列をご覧なさい」

 

詠「──あ、あれって!?」

 

冥琳「………………先手を打たれたのか!」

 

ーー

 

そこには──鳳翔達が配る汁粉を貰う行列ができていた。

 

 

◆◇◆

 

【 幕間 の件 】

 

? 予備室  行列 にて ?

 

★☆☆

 

ねね「いい加減に手を離せ、ですぞ! 恋殿が首を長くして次を所望されているのに、ねねの邪魔立てをする気ですか!?」 

 

陸奥「あら、あらあら………だから、横入りなんて狡い事しちゃダメよ。 順番よ、じゅ・ん・ば・ん。 ほら、お姉さんの言う事を聞いて、キチンと最後尾に付いて並びなさい、ね?」

 

ねね「お、おのれぇ………ねねを童扱いするとは……いい度胸なのです!!」

 

陸奥「だって、こんなに小さくて可愛いのに。 長門が見たら、きっと思わず抱きしめちゃうわよねぇ♪ うふふふっ」 

 

ねね「───ええい、そこを大人しく退くのです! さもなければ、ねねの怒りを纏い『ぱわーあっぷ』した超必殺技! 『炎のちんきゅうきっく』を炸裂させてやるのですぞぉ!!」

 

陸奥「こらっ、火遊びは危ないんだから──めっ!」 

 

ねね「うぅぅ………うわぁ〜ん! 恋殿ぉぉぉ!!」ドタバタドタバタ

 

陸奥「…………ふう。 ──えっ!? み、見てたの? ベ、別に爆発が怖い訳じゃないわよ。 だって、あの子が怪我でもしたら………可哀想じゃない………」

 

★★☆

 

翠「御主人様の身体が心配ないと分かれば、急に腹が減っちまたな! だけど、ほとんど食べられちゃって料理が無いじゃないか………」グウ~

 

蒲公英「──はい、お姉さま! そう思って貰ってきたよ!」

 

翠「おっ! さすが蒲公英………って、このドロドロの粥みたいな物はなんだ? 白くて丸い玉なんて浮いていやがるぜ………」

 

蒲公英「これは汁粉と言ってねぇ………まあ、説明するより口に入れて貰ったほうが早いや。 早く、一口食べてみてよ!」

 

翠「な、なんで、あたしが……こら、勝手に口へ近付けぇ──あむぅ! んん? んんっ、うわぁ──コレ、物凄く甘くてぇ美味いじゃねえかっ!?」

 

蒲公英「──でしょでしょ!! この汁粉の話を西涼の皆に聞かせたら、悔しくて泣いちゃうよぉ───うわっ!?」グイッ

 

隼鷹「───ヒックッ! ほらほらぁ、遠慮なんかしてないでさぁ〜。 どんどん食べては呑んで呑んでぇ、それから更に呑んで呑んで呑みまくらなきゃ!! もっともっと派手にパァーッとやらなきゃ、パアーッとさぁ!」

 

蒲公英「お姉さま、助け──い、いたぁ! い、痛いってぇ………えっ? と、徳利の口ぅ!? ちょっ、そ、そこ! 口じゃなくて鼻だから! 宴会芸やるんじゃないんだから、そんなとこから酒を呑むなんて無理だよぉ!!」

 

翠「お、おいっ! アンタ、何を蒲公英に──」

 

準鷹「アハハハッ! あんたぁっていう名じゃ〜ないよぉ! 商船改装ぅ空母ぉお! その名もぉズバリぃ隼鷹でぇーすっ! ひゃっはぁあああー!!」

 

蒲公英「うわぁあああっ! お酒ぇ臭いぃ〜いいい!」

 

★★★

 

 

月「御主人様……………」

 

菊月「…………どうした? 貴殿で最後だが……」

 

月「は、はい……ありがとうございます。 御主人……い、いえ、北郷一刀様の御容態が………気になりまして……」

 

菊月「大丈夫だ、容態は安定したと聞いているぞ。 それよりも、貴殿の身体を厭わなければ……司令官が悲しむ。 ほら、汁粉だ……熱いから気を付けろ」 

 

月「こ………これが……汁粉ですか。 頂きま……あっ……熱っ!」

 

菊月「だから、気を付けろと……大事ないか?」

 

月「だ、大丈夫ぅ………ですぅ」

 

菊月「………そうか、良かったな。 もし、火傷など負うと……調理を手伝った司令官が哀しむ。 自分より他人の心配ばかりする……菊月自慢の司令官だからな。 ──ん、どうした? 中身が珍しいのか?」

 

月「あ、あの……汁粉に浮かぶ団子の様な物は……?」

 

菊月「その白玉団子こそ……司令官お手製の具だ。 まあ、作る時は忙しくて、菊月も………手伝ったのだがな……」

 

月「……御主人様と……菊月………様ですか……?」

 

菊月「そんな敬称など不要だ。 本当の馳走とは、持成す者が自ら調理して笑顔で手厚く迎える事であると聞いた。 ならば、司令官を助けてくれた貴殿達に感謝している……という事を示すため行動しよう、と……思ったのさ」

 

月「………………!」

 

菊月「………し、しかし……料理と言うのは、あんまりした事がない。 向こうだと鎮守府の食堂で食べれたし、最低限の知識しか持たなかった。 だけど……司令官に無理して頼み込み……白玉団子作りを……手伝ったんだ」

 

月「…………………」

 

菊月「───だが、やはり上手くいかず……歪な物や小さい物ばかり。 これでは、感謝の気持ちとやらを……上手く伝えきれんな………」 

 

月「……………あっ! もしかして、これは………」

 

菊月「──むっ? どうやら、その椀に入っている……他の物より小さく形が歪んでいるのが……そうだ。 もし、気に触ったら……す、すまん………」

 

月「…………パクッ! モグモグ………へう〜!」 

 

菊月「───お、おいっ!」

 

月「お団子がモチモチしているのに、歯切れが良くて食べやすい! それに、甘さと合わさって味を引立てくれる。 ───大丈夫です、とても美味しいですよっ! 感謝のお気持ちは私に──しっかり届きましたっ!」

 

菊月「無理……しなくても……いいのだぞ?」

 

月「無理なんかしていません。 もともと私の口は小さいですから、これくらいの大きさが丁度いいんですよ。 私は団子を菊月さ……んに作って貰って、良かったです。 ぜひ、御礼を言わせて下さい、ありがとうございます!」

 

菊月「………………そうかぁ。 い、いや、礼など不要………だ。 司令官を救ってくれたのだからな。 この菊月こそ、感謝の意を述べさせてもらおう!」

 

 

◆◇◆

 

【 不安 の件 】

 

? 洛陽 都城内 予備室 にて ?

 

 

この光景は、華琳と鳳翔のやり取りを見ていた恋姫達が、噂の汁粉を食べたいと騒ぎ出したのが始りである。 

 

当然だが、汁粉を食べて起こる障害というのは、即効で現れる訳では無い。

 

ただ、食べ過ぎが問題だからと──華琳も言っている。 節度を持って食べれば、甘くて美味しいデザートであり、疲労回復の妙薬でもあるのだ。

 

ーー

 

詠「ゆ、月までぇ! な、なな、何でこうなったの!?」

 

華琳「私の聞いた話だと『自分達も汁粉を食べなければ、その危険性が判断できない』と申告があったそうよ。 まあ、要は『一部の者だけ食べて狡い』という妬みが、主な理由なのでしょうけど、ねぇ」

 

詠「だけど、あの月が……………」

 

華琳「一刀が昔……言っていたわ。 『女の子は総じて甘い物が大好きだ』って。 甘い物は人に安心感と幸せを与えるから……と。 確かに、この現状を見れば当たっていると思うわ。 私達は現に……不安を感じているもの……」

 

詠「……………………」

 

冥琳「………北郷の周りに居る者………か」

 

ーー  

 

華琳の話に無言で同意を示す詠、口を開いて不安の原因を的確に答える冥琳。

 

華陀より一刀の容態が安定したと皆が聞いた。 だが、意識は未だに戻らず眠りについたまま。 口付けを交わせば起きるという赤城からの提案に、桂花を選んだまでは良かったが、未だに事は運ばない。 

 

原因は………華琳の嫉妬──と言いたいが……それだけではない。 

 

言葉こそ出さないが、桂花に嫉妬する恋姫達の非協力的な態度。 そして、艦娘達への対抗心。 隠れ潜む敵意、警戒、嫉妬、羨望、そして──畏れ。

 

本当に一刀を心配し蘇生を望むのなら、華琳が幾ら我を通そうとしても、他の者が応援して桂花を擁護すればいい。 単独より複数、二人より三人、その人数が多ければ、単純に数で意見など覆せる。

 

それに、艦娘達は手を貸そうと準備しているのだ。 幾らでも助けてくれるだろう。 

 

だが──恋姫達は考える。

 

 

『もし、一刀を奪ったら……一刀に仕える艦娘達は、どう動くの?』

 

『一刀の周りに控える者(艦娘)達は………何を考えているのだろうか?』

 

『こんな事をして、あの者(艦娘)達に何の益がある?』

 

 

それが、華琳の暴走から始り、鳳翔の汁粉騒動に移る間に………一刀を起こす行動が出来ないまま来ている真の理由。

 

 

────『艦娘達との信頼関係の欠如』 

 

 

艦娘達の実力は当然ながら恋姫達を大きく上回る。 幾ら超人的人間でも軍艦の化身に対抗するのは無理な事。 しかも、恋姫達は艦娘達を知らずとも、艦娘達は正史の人物を知っている──時の壁を越えた知識。  

 

そんな者を相手をするならば、互いの信頼は大事だ。 その力を自分達に向けられれば、抵抗も虚しく蹂躙されるのは目に見えている。

 

だが、個別では艦娘達と友誼を結ぶつつある恋姫だが、組織的な意思疎通が出来ていなかった。 本来は、もっと早めに手を付けなければならなかった事象なのだが、双方の共通人物が上に居た為、その必要がなかったかのだ。

 

 

───北郷一刀、彼が居たお陰で。

 

 

だが、彼が倒れた今、その連携が崩れつつあった。 一刀を襲った敵を成敗もできず、この後の展開にも主導権を握られたまま。 恋姫達が艦娘達に不安を抱くのも……仕方が無い話だったのだ。

 

そして、その不安は………この三人にも持っていた。

 

ーー

 

冥琳「しかし、あの状況を見れば……狙いは漢王朝だけではなく、私達に対しても仕掛けるつもりなのか……あの御仁は?」

 

華琳「大丈夫、心配するだけ損よ。 ほら、殆どの者が一杯で済まして終わらせているわ、あれがいい証拠。 恋は………仕方ないわね。 扇動する者に責任を取らせて、適度の罰でも与える事にしましょう」

 

冥琳「……………」

 

華琳「そもそも、あんな自堕落した極官共と同じ罠に、私達が引っ掛かるなんて本気で思っているの?」 

 

冥琳「───!」

 

華琳「あの白刃煌めく戦場で知略を巡らし兵刃を交え、民や兵の想いを代弁する為に殉じた三国の将が………己を見失う程に汁粉へ深入りするって、そんな馬鹿馬鹿しい予想を考えているの?」

 

冥琳「言われてみれば……………ふふ、そうだな。 赤壁でのやり取りに比べれば、まだ可愛げがある」

 

華琳「あの戦の準備には、膨大な金額や時を費やし、様々な職人、兵士達が昼夜兼行で働いてくれた結果よ。 こんな小手先の策謀と同列にされるなんて、腹立たしいわ。 まあ……今回だけ、特別に赦してあげるけど………」

 

冥琳「そうか………では、詫びに情報を渡そう。 先程、思春より報告を受けたが、厨房で多数の文官が倒れ薬師に見てもらったそうだ。 どうやら原因は───」

 

華琳「────!」

 

ーー

 

冥琳と華琳の話が終わると、次は詠が話し掛けてきた。

 

ーー

 

詠「はぁ…………ねえ、華琳。 アンタ……よく分かったわね? あの艦娘が隠した策の怖さを………」

 

華琳「私は……昔、団子を山ほど食べる季衣を見て、一刀が『食べ過ぎると糖尿病になるぞ』と指摘したから知ってるのよ。 どんな病か、発病する時の条件とか、その………色々と……」

 

冥琳「その色々の部分も聞きたいところだが、覇王の最高機密情報の一端だろう。 ここは黙って見逃すのが、華……なのだろうな」

 

詠「そうよねぇ、無理に聞き出そうとすれば、此方の機密と等価交換扱いしてくるでしょうし。 無闇に追い詰めて藪蛇──なんて勘弁して貰いたいわ」

 

華琳「…………………」

 

 

 

??「───相談事、無事に終わりましたか?」

 

「「「────!」」」

 

ーー

 

話に熱中して気付かなかったらしく、傍から声を聞かされて驚愕の表情を浮かべ、その声がした方向に向き直る。

 

そこには、微笑を浮かべながら姿勢を正す鳳翔の姿があった。

 

 

説明
少し短いですが……続きを。 
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コメント
mokiti1976-2010提督 コメントありがとうございます! 序盤?の終りが漸く見えました。 起こして早く次の章に向いたいと。(いた)
とりあえず一刀のお早い復帰をお待ちしております。(mokiti1976-2010)
艦娘達の動きに切歯扼腕をされていらっしゃいますが、鳳翔さんは既に手を打ちました。 次回かその次には、一刀も復活させる事ができるかと。(いた)
Jack Tlam提督 コメントありがとうございます! 人とは想定外の事件が始まれば、自分の知識で納得するように考えるものだそうで。 それが、余計に焦りを生みだし疑念も生み出す事と思われます。 (いた)
未奈兎提督 コメントありがとうございます! 鳳翔さんがどう裁くのか。 やはり……三枚に?(いた)
まあ、帝国海軍(一部陸軍)のメンタリティと、三国時代の、しかも十代半ばが大半の少女たちのメンタリティじゃ噛み合わないからこの描写も当然でしょうね。さて、皮算用はやめて早く一刀を復活させた方が互いのために良いと思うのですが。枝葉末節に拘って本質を見失っている恋姫達を、艦娘達はどう見るのでしょうか。(Jack Tlam)
不信が疑念を呼び、疑念が争いを呼ぶ。知らねば邪推もするでしょう。でも、恋姫側だけで早とちりして暴走しているだけのような気も?艦娘達は軍人、もっと言えば「兵器」なので、それを使役する立場の一刀を手段を問わず救おうとするのは当然のことでは。(Jack Tlam)
なんか邪推があかんとこまで届いてる気ガガガ(未奈兎)
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