英雄伝説〜灰の軌跡〜
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〜オーロックス砦〜

 

「な、何者だ、貴様らは!?」

「そ、その紋章は……まさかメンフィル帝国か!?」

「なっ!?メンフィルだと!?」

「何故メンフィルが宣戦布告もせずにこのオーロックス砦を……いや、クロイツェン州を襲撃した!」

リフィア率いるメンフィル軍が砦内に突入すると貴族連合軍の兵士達や貴族連合軍が登用している軍用魔獣達が現れ、兵士達はリィンやメンフィル軍の兵士達が身に纏っている軍服や鎧の紋章を見て驚き、そしてリフィア達を睨んで問いかけた。

「薄汚い反逆者に堕ちたに飽き足らず、他国にまで襲撃した愚か者達に答える道理はない!」

「ククク、”問答無用”と言う事だ。わかったのならとっとと雑魚共を呼ぶがいい!」

貴族連合軍の兵士達の問いかけに対して全身に覇気を纏ったリフィアが答え、リフィアに続くように答えたディアーネは凶悪な笑みを浮かべて貴族連合軍の兵士達に命令した。

「我等誇り高きクロイツェン領邦軍が反逆者だと!?」

「お、おのれ、言わせておけば……!」

「クッ……!」

二人の答えを聞いた兵士達はそれぞれ武器を構え、更に笛を吹いて援軍を呼び寄せた。

 

「―――援軍か。」

「援軍と言っても大した数ではないわ。5分以内で終わらせましょう。」

「クク、もっと出てくるがいい!全て我が滅してやろう!」

援軍を見たゼルギウスとシグルーンはそれぞれ冷静な様子で呟き、ディアーネは凶悪な笑みを浮かべた。

「―――総員、戦闘開始!メンフィルの怒り、思い知らせてやれっ!そして余達の道を阻む愚か者共を殲滅せよ!」

「仰せのままに、殿下(イエス・マイロード)!!」

そしてリフィアの号令の元リフィア率いるメンフィル軍は貴族連合軍の兵士達との戦闘を開始した!

 

「魔神連牙斬!!」

「二の型―――疾風!!」

「ぐあっ!?」

「うおっ!?」

「ガアッ!?」

戦闘開始早々ゼルギウスが繰り出した3連続の高速の衝撃波とリィンが繰り出したカマイタチを纏った電光石火の斬撃を受けた兵士達は怯み

「滅せよ!―――タキオンの爆発!!」

「炸裂せよ、聖なる光よ――――ホーリーバースト!!」

そこにリフィアとセレーネの高火力の魔術が発動し、二人の魔術を受けた兵士達は絶命した!

「グルルルルッ!!」

その時魔獣がリフィアやセレーネに襲い掛かったが

「殿下には指一本触れさせません!―――瞬迅槍!!」

「刃よ、伸びよ!」

「「ガッ!?………」」

シグルーンの槍による一突きとエリゼが放った連接剣の刃を伸長によって急所を突かれて一撃で絶命した。

 

「二の型―――洸破斬!!」

「え――――」

「あ―――――」

リィンは神速の抜刀による衝撃波の刃を解き放って兵士達の首を刈り取って絶命させ

「邪霊一閃!!」

「ギャアアアアアァァァ―――ッ!?」

「グアアアアアアアア―――ッ!?」

ゼルギウスは全身に甲冑を纏っているとはとても思えない凄まじい速さで飛び込んで次々と兵士達を切り裂いて絶命させ

「闇に呑まれるがいい――――ティルワンの死磔!!クク、まだ終わらんぞ――――漆黒の翼よ、全てを蹂躙しつくせ!ルシフェンウィング !!」

「漆黒の霧よ、暗黒の呪いを我が仇名す者達に与えよ!破滅のヴィクティム!!エニグマ駆動!――――覇王竜よ、余の怒りの炎で焼き尽くせ!ロードインフェルノ!!」

「ギャアアアアアアッ!?」

「ガアアアアアアア――――ッ!?」

リフィアとディアーネは高火力の魔術やアーツを次々と放って多くの兵士達や魔獣を絶命させた!そしてメンフィル兵達はリフィアを護りながら次々と貴族連合軍の兵士達を殺し続けた!

 

「ハハハハハッ!脆い!脆すぎるぞっ!!」

「グアアアアアアアッ!?」

「ギャアアアアアアッ!?」

ディアーネは凶悪な笑みを浮かべて笑いながら魔槍で闘気を込めた薙ぎ払いを放って貴族連合軍の兵士達の身体を上下にわかれさせて絶命させ

「フン!!」

「うっ!?か、身体が……!?」

目に魔力を込めて兵士を睨んだ。すると兵士は石になったかのように身体が固まり

「クク、死ねぇっ!!」

「ガハッ!?」

その隙を狙ったディアーネは魔槍で自身の魔眼によって動きを封じ込められた兵士の喉元を貫いて絶命させた!

「グルルルルッ!!」

その時魔獣がディアーネに襲い掛かったが

「雑魚が、鬱陶しいわ!宵闇の一撃!!」

「ギャンッ!?」

魔力を込めた魔槍で魔獣の頭を破壊して絶命させ

「クク、塵となるがいい!キル・ディアーネ!!」

「ウアアアアアアアアッ!?」

「ギャアアアアアアッ!?」

続けて魔力によって発生した無数の魔槍を解き放ち、多くの兵士達や魔獣達を絶命させた!その後もリフィア達は圧倒的な戦いを繰り広げて僅か4分で貴族連合軍の兵士達を殲滅した!

 

「フン、もう終わりか?」

自分達以外全員絶命して血溜まりに倒れている貴族連合軍の兵士達や魔獣達を見回したディアーネは鼻を鳴らして不満げな表情をし

「あまりにもあっけなかったですね……確か話によると貴族連合軍はメンフィルが現れるまでは”大陸最強”の異名を轟かせていた帝国正規軍を圧倒していたとの事でしたよね?」

「正規軍を圧倒したと言ってもそれはあくまで”兵器”同士の戦いだし、内戦当初正規軍が貴族連合軍に圧倒された一番の理由は”機甲兵”の性能が未知であった事が一番の理由だとの事だ。現に今では正規軍も機甲兵相手に互角の戦いを繰り広げているそうだし、白兵戦になると”兵器ではなく軍人自身の強さ”が関係してくるからあっけなかったように感じたんだと思う。」

「それに白兵戦と言ってもエレボニア帝国もそうですがゼムリア大陸の国家の軍隊の白兵戦の主力武装は銃を始めとした近代兵器との事ですから、乱戦や接近戦も得意とする私達メンフィル軍にとっては大した相手ではありませんもの。」

エリゼの疑問に対してリィンとシグルーンはそれぞれの推測を答えた。

「リフィア殿下。先程プリネ皇女殿下率いる別働隊がケルディックに到着。これよりケルディック占領の為に防衛部隊の殲滅を開始するとの事です。」

「うむ。では余達もプリネ達よりも早く終わらせる勢いで電光石火のような早さでこの砦を制圧するぞ!」

「御意。」

(ツーヤお姉様…………いけない!今は戦闘中。気を抜いてはいけませんわ……!)

リフィアへのゼルギウスの報告を聞いていたセレーネは双子の姉であるツーヤを思い浮かべたがすぐに気を取り直し、リフィア達と共にオーロックス砦の攻略を開始した。

 

〜同時刻・”交易町”ケルディック〜

 

一方その頃ケルディックに到着したエリオット達は二手に分かれてケルディックの民達に街道で領邦軍とメンフィル軍の戦闘が始まった為、街道にいる領邦軍を撃破したメンフィル軍がケルディックに到着してケルディックに残っている領邦軍との戦闘に巻き込まれない為に七耀教会に避難するように説明したり、また七耀教会には避難してきた民達の受け入れの要請等をした後街道への出入り口で合流した。

「メンフィルと領邦軍の戦いに巻き込まれる前に早く七耀教会に避難しろ――――ッ!」

「キャアアアアアァァァ――――ッ!」

「ううっ、内戦の次はメンフィル帝国との戦争だなんてエレボニア帝国は一体どうなるんだ………!?」

「領邦軍は何をしているんだよ――――ッ!」

二手に分かれてそれぞれの役割をこなしたエリオット達が合流していた頃にはケルディックの民達にもメンフィル軍と領邦軍の戦闘が伝わっていた為、ケルディックの民達はそれぞれ必死に七耀教会に避難していた。

「何とかメンフィル軍が到着する前にケルディックの住民全員に知らせが行き渡ったみたいね。」

「ええ。避難誘導も元締め達が協力してくれているお陰で予想よりも早く避難が始まっていますから、運が良ければメンフィル軍がケルディックに到着する前に避難が完了――――」

サラの言葉にクレア大尉が頷いたその時

「貴様ら、何をしている!?」

「誰からメンフィルによるケルディック侵攻の話を聞いた!その件は軍事機密だぞ!?」

「りょ、領邦軍……!」

「そこをどいてくれ!俺達は戦闘に巻き込まれて死にたくないんだよ!」

領邦軍の兵士達が現れて避難している民達の行く手を遮った。

「チッ、めんどうなのが現れたわね……!」

「……本来領邦軍が率先して避難誘導するべきなのに、思いっきり邪魔しているね。」

「クッ……これじゃあケルディックの人達の避難が……!」

「ど、どうしよう……!?」

その様子を見ていたサラ教官は舌打ちをして厳しい表情をし、フィーはジト目で呟き、マキアスは唇を噛みしめ、エリオットは不安そうな表情をした。

「仕方ありません。速攻で民達の避難を邪魔している領邦軍を制圧して――――」

そして導力銃を構えたクレア大尉がサラ達に戦闘を促したその時!

 

「深淵の槍よ、貫け―――死愛の魔槍!!」

「十六夜―――――”突”!!」

「「ガハッ!?………」」

別の街道の出入り口からメンフィル兵達を率いて現れたリウイとペテレーネの娘にしてレンの義姉でもあるメンフィル皇女の一人―――プリネ・カリン・マーシルンが魔術によって発生した暗黒の槍を放ち、プリネに続くようにセレーネの双子の姉にしてプリネの”パートナードラゴン”でもある”ルクセンベール伯爵家”当主にしてプリネの専属侍女長兼親衛隊長―――ツーヤ・ルクセンベールは抜刀によって発生した斬撃波で民達の避難の邪魔をしている兵士達を殺害した!

「キャ、キャアアアアアァァァ――――ッ!?」

「メ、メンフィル軍が来たぞ――――!」

「早く七耀教会に避難しろ――――ッ!」

それを見たケルディックの民達はパニックを起こして我先にと七耀教会へと避難し

「総員、これよりケルディックの制圧並びに領邦軍の殲滅を開始しなさい!」

「作戦前にも伝えましたが民間人への危害は厳禁です!私達の狙いは領邦軍の兵士達のみです!それを絶対に忘れないでください!」

「御意ッ!!」

ツーヤとプリネの号令の元メンフィル軍は領邦軍との市街戦を繰り広げ始めた!

 

「なっ!?まさかもう街道での戦いを終わらせたのか……!?」

「……違う。状況から考えてあのメンフィル軍は別働隊。」

「恐らく街道での戦いで守備ががら空きになった隙を狙ったのでしょうね……!」

プリネ達の登場を見て驚いたマキアスの推測をフィーは否定した後真剣な表情で推測し、サラはフィーの推測を補足して厳しい表情で領邦軍との戦いを繰り広げ始めたメンフィル軍を睨んでいた。

「あ、あれ……?指揮官らしき人がメンフィル軍の兵士達に民間人に手を出すなみたいな事を言っていた気がするけど僕の気のせいかな……?」

「そ、そう言えば………」

「わたしの耳にもハッキリと聞こえた。――――『民間人への危害は厳禁』って。」

その時号令前のプリネのメンフィル軍への指示を思い出したエリオットは戸惑い、エリオットの話を聞いたマキアスは目を丸くし、フィーは静かな表情で頷き

「……不幸中の幸いなのか、どうやらメンフィル軍は民間人に危害を加えるつもりはないようですね。メンフィルの意向かもしくは別働隊を率いているプリネ皇女殿下の意向のどちらなのかはわかりませんが……」

「―――まあ、それに関しては”どちらの意味”でも否定はしない。」

そしてクレア大尉が静かな表情で呟いたその時何と元結社”身喰らう蛇”の”執行者(レギオン)”にしてプリネの恋人でもあるプリネ皇女親衛隊副長――――”剣帝”レオンハルト=ベルガー――――通称”レーヴェ”が現れてエリオット達の前に立ちはだかった!

 

 

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と言う訳で閃陣営がまさかのレーヴェと邂逅しましたww次回、皆さんの予想(もしくは期待?)通りの展開になりますwwなお、レーヴェの本名は焔の軌跡の方に修正しておきました。

 

説明
第5話
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コメント
d-sword様 士官学院生や士官学院の教官は軍人の一種ですものねぇ〜 本郷 刃様 さて、どうなる事やら……K'様 しかもレーヴェは元結社の執行者だから事情を知らない閃メンバーからしたらあらゆる意味で安心できませんねw(sorano)
主導権は完全にレーヴェ側ですね。殺すも捕らえるも見逃すも全てレーヴェの胸先三寸次第という閃陣営からすれば全く安心できない状況、さてどうなるか(K')
レーヴェ登場、いざ復讐の時、なんてねw 士官学院生組が民間人に含まれるのならば学生組は大丈夫でしょうしサラは遊撃士でもあるから大丈夫ですね、まぁ軍人組はどうか分かりませんが……というかこの場合の敵軍に領邦軍以外の帝国正規軍が含まれるのかどうか…(本郷 刃)
民間人に危害を加えるつもりはない・・・閃メンバーは含まれないってことで南無〜(d-sword)
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