マイ「艦これ」「みほ2ん」第58話<艦娘と浴衣>
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「まぁ、お盆休暇だからな」

 

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マイ「艦これ」「みほ2ん」

 第58話<艦娘と浴衣>(改2)

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「夕方から盆踊りがあぁけど、皆で行かいや?」

母親が、どんどん仕切ってくる。

 

艦娘たちも半分以上は酔いが回って既に出来上がっているのに、まだ何処かに連れ回すのか?

 

「盆踊り……」

なぜか山城さんがボソっと反応している。

 

「でも制服のままで踊るのも変だから」

私は敢えて否定してみた。

 

ただ内心では戦艦なら制服でもアリかな? とも思ったのだが。

 

すると母は言う。

「さすがに全員分の浴衣はないけど少しくらいならウチにも、あぁで」

 

「えぇ? でも艦娘って結構背が高いから」

 

そこまで言ったとき寛代が私の袖を引く。

「え? 何だ」

 

彼女が指差した方向に大きなケースがあった。それが何であるかは知っていた。

 

だから私は勝ち誇ったように言った。

「あれにはジャージ(体操服)しか入ってないよ」

 

 実は墓参の後は全員で鎮守府までマラソンで帰ってやろうか? ……という無謀な計画があった。

 

しかしそれは、いきなり実家訪問することになったから頓挫したのだが。

 

(でも何で実家にケースを持ってきたんだ? トラックから降ろせとか何も指示して無いぞ)

 

 ……って、なおも私の袖を引き続ける寛代。

 

「しつこいな、何だよ?」

 

ふと見ると五月雨がケースのふたを開けて調べている。

「あ、これやっぱり……そうだったんですね」

 

(何をニコニコしているんだ?)

 

「そこには何も入ってない……」

私が言いかけると利根が近寄って叫ぶように言った。

 

「おおー、これは浴衣じゃぞ!」

 

「えぇ!」

私は驚いた。

 

(おかしい! なんで、そんなものが入っているのだ?)

 

北上も近寄って浴衣を取り出しながら中身を確認している。

「へぇ人数分、ありそうじゃん」

 

「司令、申し訳ございません。また命令違反を……」

素面(しらふ)の日向が私に話しかけてくる。

 

「は?」

何のことだ?

 

彼女は淡々とした表情で報告する。

「青葉さんに言われて二人で中身を入れ替えました」

 

私は脱力した。

(日向ぁ! お前もか?)

 

その時ハッとした。

「そうかっ! だから青葉さんが墓地で何度も母親を誘うようなこと言ったのか!」

 

私と目が合った彼女は慌てて逃げ出した。

 

私も思わず叫んだ。

「こらぁ! 青葉ぁ」

 

居間の入口まで逃げた彼女だったが、直ぐに半身だけ身を隠した彼女は舌を出して笑っている。

「えへへ」

 

「えへへ……じゃないよ、まったく」

私は怒る気も失せて観念した。

 

「こうなったら仕方ないか」

その場は笑いに包まれた。

 

「やれやれ。まぁ、お盆休暇だからな……」

艦娘というよりは女学生を相手にしている気分になってきた。

 

 ちょうどそのとき遠くから太鼓の音が聞こえてきた。

 

「あれは何の音ですか?」

五月雨が聞く。

 

「あれはね、太鼓の音よ」

龍田さんは、やはり伝統的なことも詳しいようだ。

 

「……」

山城さんも少し表情が変わった。

 

ある程度の経験のある艦娘たちには、日本の伝統文化も馴染みがあるのだろう。

 

 

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※これは「艦これ」の二次創作です。

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PS:「みほ2ん」とは

「美保鎮守府:第二部」の略称です。

 

 

説明
司令は艦娘たちのしたたかさに苦笑するのだが、ふと気づいたこともあった。
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