真・恋姫外史 がんばれ一刀お笑い道中〜僕が外史に降りた理由〜 第十一話
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城の中庭で、一ヶ月ぶりの再戦が行われようとしていた。

 

その場には一刀、小蓮、蓮華、思春はもちろんだが、たまたま居合わせて酒を片手に見物している雪蓮、祭の姿もあった。

 

「今日こそは勝たせてもらうからね!」

 

「やれるものならやってみなさい」

 

最初は小蓮、蓮華の対決である。

 

一刀と思春は雪蓮と祭の所で、二人を見守っている。

 

そして、戦いは始まった。

 

「いくよ!」

 

先制したのは小蓮。

 

両手の月下美人で蓮華に対し、素早く連撃を叩き込んでいく。

 

「ふっ!」

 

一方、蓮華は防御中心の戦い方をしていた。

 

小蓮の一撃は速さはあるものの軽く、攻撃自体も単調で読みやすい。

 

防御で凌ぎつつ、隙を見つけたところでカウンターを叩き込む。

 

それが小蓮に対する蓮華の、いままでの勝ちパターンだった。

 

(少しは進歩しているかと思ったのだけど・・・・・・)

 

蓮華は内心落胆していた。

 

若干攻撃速度が上がってはいるようだが、それ以外はたいして変わっていない。

 

小蓮が一刀と特訓している所は、蓮華も時折目にしていた。

 

それでもこの程度かと・・・・・・

 

今思えば、蓮華はすっかり慣れきってしまっていたのだろう。

 

ゆえに気づかなかった。

 

小蓮の目の奥に宿る光の強さに・・・・・・

 

 

 

 

 

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「蓮華様!」

 

「あらま」

 

「ほう・・・・・・」

 

一刀を除く、見物していた三人は驚いていた。

 

その視線の先には、信じられないような表情で、小蓮に武器を突きつけられている蓮華の姿が・・・・・・。

 

「シャオの勝ちだね」

 

満面の笑みを浮かべる小蓮。

 

何故こうなったのだろうか。

 

戦いが続く中、疲れからか徐々に攻撃速度が落ちてきた小蓮。

 

そんな小蓮が放った一撃に合わせて、蓮華はカウンターで斬撃を放った。

 

今までなら、小蓮を手にした月下美人ごと弾き飛ばし、ここで蓮華は勝っていた。

 

だがその刹那、小蓮の一撃が速度を増し、蓮華のカウンターはタイミングがずれてしまい、受け止められていた。

 

まさか止められると思わなかった蓮華は一瞬動きが止まり、逆に小蓮は予測済みだったとばかりに淀みの無い動きで蓮華の手元を狙い、その手にしていた剣を弾き飛ばした。

 

そして武器を突きつけ、現在に至る。

 

「勝負ありね。シャオ。そろそろ武器を下ろしたら?」

 

「は〜い。もう少し勝利の味に浸っていたかったんだけどな・・・・・・」

 

雪蓮に言われて武器を下ろす小蓮。

 

「おめでとうシャオ」

 

「ありがと。一刀」

 

拍手する一刀に手を振りながら歩いてくるシャオ。

 

「ど、どうして・・・・・・」

 

驚きを隠せない蓮華。

 

「どうしても何も、一番の敗因は蓮華。貴方がシャオを舐めてたからよ」

 

「同感じゃな。小蓮様は権殿の影を捉える事が出来るほどに修練を積んでいたというのに・・・・・・」

 

「祭、知ってたの?」

 

「深夜に偶然見かけましてな。ワシにも仮想の権殿が見えるようでしたぞ」

 

「さて。今度は俺の番だな」

 

立ち上がり、ストレッチを始める一刀。

 

「ほら蓮華。後が支えてるんだからこっちに来なさい」

 

「・・・・・・はい」

 

意気消沈した蓮華は、とぼとぼと雪蓮たちの所へ向かう。

 

「蓮華様・・・・・・」

 

蓮華に対し、どう声をかければいいか分からない思春。

 

「下手な慰めは逆に失礼よ。次は貴方の出番でしょう?まずはそっちに集中しなさい」

 

「・・・・・・はい」

 

雪蓮の言葉に渋々頷く思春。

 

 

 

 

こうしてもう一つの大一番が

 

 

 

 

幕を開けようとしていた・・・・・・

 

 

 

 

 

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そして次戦が開始された。

 

開始早々先手を取ったのは思春だった。

 

一刀も鞭で迎撃するが、思春はそれをたやすく避け、そのままの勢いで一刀に斬撃を見舞う。

 

「うおお!?」

 

間一髪で攻撃を避ける一刀。

 

そのままバックステップで距離を開けようとするも、思春は更に追撃を仕掛けてくる。

 

息もつかせぬ連続攻撃。

 

しかも一撃一撃が重く、まともにもらえばひとたまりもない。

 

一刀は必死に思春の攻撃を避けつつ、手首のスナップを利かせた最小限のモーションで鞭による反撃を行い、距離を開けようと努めていた。

 

だが、思春は一刀の反撃を全く苦にせずに苛烈な攻撃を仕掛けてくるため、全く距離を開けられないまま一刀の体力は削られていった。

 

「ふ〜む・・・・・・やはり実力差がありすぎるようだのう」

 

「あれだけ思春の攻撃をギリギリとはいえ避けられてるだけでも、よくやってる方よね。貴方はどう思う?蓮華」

 

「・・・・・・」

 

「貴方の右腕の戦いでしょうが!シャンとしなさい!」

 

膝を抱えて落ち込んでいる蓮華に、雪蓮の檄が飛ぶ。

 

「は、はい」

 

いまひとつ元気は無いが、顔を上げて答える蓮華。

 

「よし。じゃあもう一度聞くわよ。この戦いをどう思う?」

 

「どうと言われましても・・・・・・祭の言うとおり実力差は明白。思春の勝利は時間の問題かと・・・・・・」

 

「シャオはどう思う?」

 

「確かに厳しいけど、一刀は勝つつもりだって言ってたよ」

 

「へえ・・・・・・」

 

「何か策があるのですかな?」

 

「たぶん」

 

四人が話している最中も、一刀は攻め立てられ続けていた。

 

徹底したイメージトレーニングでかろうじて攻撃を先読みして避けることが出来てはいたが、思春からの殺気混じりの重圧で疲労は加速度的に増しており、まともに動けるのはあとわずかであった。

 

そしてついに、一刀は壁際まで追い詰められてしまっていた。

 

「降参するか」

 

「いいや」

 

「・・・・・・そうか」

 

一刀の返答の後、思春は一刀に対してとどめの斬撃を放つべく突っ込んできた。

 

「くっ!」

 

悪あがきとばかりに鞭を振るう一刀。

 

もちろんその一撃はたやすく思春にかわされた。

 

そして、汗で滑ったのか鞭の柄は一刀の手からそのまますり抜けていってしまった。

 

「これまでだ!」

 

思春の斬撃が一刀を襲う。

 

「!!」

 

一刀はその一撃をギリギリの所で屈んで避けていた。

 

だが・・・・・・

 

「「「「ぶふっ!?」」」」

 

観戦していた四人は思わず吹き出していた。

 

何と、一刀の頭頂は思春の斬撃によってカットされ、いわゆる河童ヘアーになってしまっていたのである。

 

さすがの思春もその惨状に、一瞬動揺が隠せなかった。

 

しかし一刀は自分の惨状を一切気にせず、思春に対して素手のまま挑みかかった。

 

バネを利かせた左アッパーカットだったが、一刀の拳など、見切るのは思春には訳の無い事だった。

 

僅かに身体を仰け反らせて避けようとする思春。

 

その一瞬が、一刀が待ちに待った瞬間であった。

 

アッパ―が一瞬止まり、一刀の左袖から何かが飛び出してきた。

 

それは、小型のトンファーだった。

 

トンファーの柄を握り締め、一刀はそのまま左を振り上げる。

 

トンファーによってリーチの伸びた一撃は、更に仰け反って避けようとした思春の顎先を掠めた。

 

「くっ!?」

 

顎を揺らされた事で、膝がガクガクと揺れる思春。

 

「うおお!」

 

その千載一隅の機会に、一刀は右袖からもトンファーを取り出し、思春に対して渾身の振り下ろしを見舞った。

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

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「う・・・・・・ぐう・・・・・・」

 

一刀の一撃は、思春を捉える事は出来なかった。

 

思春はギリギリの所で一刀の振り下ろしを避けた後、一刀に対して強力なボディブローを叩き込んだのである。

 

崩れ落ちる一刀。

 

「そこまで!勝者、思春!」

 

「一刀!」

 

雪蓮の勝利者宣言の後、一刀に駆け寄る小蓮。

 

続いて雪蓮達も一刀の周りにやって来た。

 

当の一刀は手を地に着き、身体を支えながら苦悶の表情を浮かべていた。

 

「一刀。大丈夫?」

 

「あ、あまり大丈夫じゃあ、ないな・・・・・・」

 

「そりゃそうよね。疲労困憊で腹に重い一撃。おまけに・・・・・・ぷっ!」

 

口に手を当て、笑いを堪える雪蓮。

 

祭、蓮華もまた同様で、一刀の河童禿げを前に何とか笑わないようにと必死だった。

 

「ちょっとお姉ちゃん!」

 

「いいよ。こんな頭で笑わない方がどうかしてる」

 

「一刀・・・・・・」

 

「しかし、最後は決まったと思ったんだけどな。顎揺らされて何であんなに早く回復出来たんだろ・・・・・・」

 

「思春は元江賊の頭領じゃったからな。船の上では自然と平衡感覚が磨かれるからのう。おそらくはその辺りが敗因ではないかな?」

 

「そうか。そんな見落としがあったのか・・・・・・」

 

「でも、地力の違う相手に良くやったわよ。トンファーなんていつのまに使えるようになってたの?」

 

「シャオも知らなかったから聞きたい」

 

「二週間前くらいから秘密裏に特訓してた。鞭だと接近戦に持ち込まれたら不利だし。もっとも、使えると言っても最低限で、まともにやったら到底使える代物じゃあないんだけどな・・・・・・」

 

「なるほどのう。ところで、その頭を早くどうにかした方がいいのではないか?」

 

一刀の涼しくなった頭頂部を指差して言う祭。

 

「ああ、んじゃとりあえず・・・・・・」

 

一刀はそう言うと、懐から手ぬぐいを取り出し、それを頭に巻きつけて禿げを隠した。

 

ちなみにその手ぬぐいには何故かひらがなで、ねの文字が大量にプリントされていた。

 

「生えてくるまで当分は隠さないとな。それにしても、シャオは勝ったのに、俺は負けちまったか・・・・・・」

 

「しょうがないよ。思春は蓮華お姉ちゃんより強いんだから」

 

「それは理由にならないな。相手のほうが格上だと分かった上で勝ちにいったんだから」

 

「さあ。それじゃお開きにしましょう。一刀、立てる?」

 

「何とか・・・・・・?」

 

立ち上がろうとする一刀の目の前に、思春の手が?まれとばかりに差し出されていた。

 

「あ、ありがとう」

 

手を握り、思春に引っ張ってもらって立ち上がる一刀。

 

一刀が立ち上がった後、思春はすぐに手を離し、蓮華の傍へと歩み寄る。

 

「言っとくけど、俺はまだ諦めてないからな。次は勝つ!」

 

「・・・・・・やってみるがいい」

 

僅かに口元に笑みを浮かべる思春。

 

 

 

 

こうしてその日の決闘は幕を閉じた

 

 

 

 

その後、小蓮は今度は雪蓮お姉ちゃんを倒すんだと息巻き

 

 

 

 

一刀もまた、次の戦いへの策を頭に巡らせ

 

 

 

 

思春も今回の戦いに思うところがあったのか、訓練メニューを増やしていた

 

 

 

 

ただ蓮華はと言うと、こんな事では駄目だと自分に言い聞かせたはいいが、焦りすぎてやる事為す事空回りを引き起こしてしまっていたのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

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どうも、アキナスです。

 

恋姫の新作もうすぐ発売ですね。

 

買いたいのは山々なんですけど、自分としては全ルートをまとめてやりたいんですよね。

 

後々おまけルートがついたコンプリートパックとか出るかもしれませんし・・・・・・

 

そんなところでまた次回・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
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コメント
これがのちのフランシスコザビエルになるんですね(違う) 北郷惜しかったなー…w ある意味奇襲として実戦で使えそうですねこの髪型…w(はこざき(仮))
いっそ全部剃って丸坊主にするのかと思いきや、手ぬぐいで隠すか…もしかして、実戦の時にわざと手ぬぐいを取って河童ヘアーで相手を驚かす作戦か!?(mokiti1976-2010)
夜桜さん:まだ出てくるかもしれませんね。ねのグッズ・・・・・・(アキナス)
未奈兎さん:そうでしたか。教えてくださってありがとうございます(アキナス)
ぬのハンカチじゃないく、ねのハンカチか。(夜桜)
カッパハゲ・・・若いから生えるが御愁傷様としかw真恋姫や英雄譚のような全部乗せは容量の都合上無いと公式が答えてましたよー(未奈兎)
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