英雄伝説〜光と闇の軌跡〜エレボニアカオスルート
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〜パンダグリュエル・パーティーホール〜

 

「え……………」

「何ですって!?」

「”六銃士”がクロスベルを支配して、エレボニアとカルバードに戦争を仕掛けるだと!?」

「フン、鉄血宰相とロックスミス大統領に一矢報いた事に飽き足らず、宗主国であるエレボニアとカルバードに戦争を仕掛けて、二大国を降そうとするとは、随分と無謀な事を考えたのだな、”六銃士”は。」

レンの口から出た驚愕の事実を知ったアルフィン皇女は呆け、サラとトヴァルは厳しい表情で声を上げ、ユーシスは鼻を鳴らして、呆れた表情で呟いた。

「いえ、それ以前に気になる事があります!もしその事実が真実だとした場合、何故レン皇女殿下―――いえ、メンフィル帝国が”六銃士”の”野望”を存じているのですか!?」

「!まさか………」

「……………メンフィル帝国は既に”六銃士”と何らかの協力関係を結んだのでしょうか?」

一方クレア大尉は血相を変えてレンを見つめて自身の疑問を口にし、クレア大尉の疑問を聞いてある事を察したラウラは目を見開いた後信じられない表情をし、アルゼイド子爵は真剣な表情でレンに問いかけた。

「うふふ、またまた大正解♪メンフィル・エレボニア戦争勃発前にレン達―――メンフィル帝国は将来”六銃士”が建国するクロスベル―――いえ、”クロスベル帝国”と正式に同盟を結んで、エレボニアとカルバードに戦争を仕掛ける事を決めたのよ♪」

「!!」

「ハアッ!?」

「えええええええええっ!?」

「そ、そんな!?クロスベルがメンフィル帝国と同盟を結ぶなんて!?」

「一体何があってそうなったんだ……?」

「うわっ!?”六銃士”達はよりにもよってメンフィルと手を組んだんだ!」

「一体何故!?メンフィルには何の”利”もないというのに!」

レンの答えを聞いたオリヴァルト皇子は目を見開き、シェラザードとアネラスは驚きの声を上げ、トワは表情を青褪めさせ、ジョルジュは不安そうな表情で考え込み、ミリアムは驚き、クレア大尉は信じられない表情をし

「……………………ねえ、今とんでもない事が聞こえたのだけど……私の聞き間違い?」

「い、いえ……私にもちゃんと聞こえました……―――クロスベルがメンフィルと共に二大国―――エレボニア帝国とカルバード共和国に戦争を仕掛けるつもりだったと……」

「あ、あの……レン皇女殿下……何故メンフィルはクロスベルと同盟を組む事にしたのですか……?」

呆然とした様子のアリサの言葉を聞いたエマは不安そうな表情で答え、アルフィン皇女は信じられない表情でレンに尋ねた。

 

「ヴァイスお兄さ―――いえ、”六銃士”側から様々な技術がメンフィルに提供されたのよ。魔導、魔法技術……そのどれもがメンフィルにはなかった技術でメンフィルはあらゆる面で恩恵を受けたわ。で、技術提供をする代わりにクロスベル側がメンフィルに求めたのは二大国―――つまりエレボニア帝国とカルバード共和国に一緒に攻め入る事や兵器の提供等を要求してメンフィルは快く同盟を組んだのよ♪」

「なんだとっ!?」

「技術提供で二大国に戦争を仕掛ける事を決めるなんて……」

「……メンフィルがそこまでするほどの”技術”……一体どんなものなのよ。」

レンの説明を聞いたトヴァルは厳しい表情で声を上げ、ジョルジュは信じられない表情をし、セリーヌは目を細め

「―――遊撃士協会として質問があるわ!レン、先程貴女は”六銃士”――――”クロスベル帝国”とメンフィル帝国は二大国に攻め入る事を前提で同盟を結んだと言っていたけど、その同盟は現在どういう事になっているのかしら?先日の和解調印式でメンフィルはエレボニアと”和解”したから、現状メンフィルとエレボニアの間に戦争が再勃発するような出来事も起こっていないのだから、ユミルの件のようにメンフィルがエレボニアに戦争を仕掛ける”理由”はないはずよ!?」

「そ、そうだよ……!その……もしそんな事をすれば、メンフィル帝国は和解調印式に参加したリベールを始めとした中立勢力どころか、最悪ゼムリア大陸の全国家や様々な勢力からの信頼を失う事になるんだよ!?」

シェラザードは厳しい表情でレンに訊ね、シェラザードの質問に続くようにアネラスは不安そうな表情でレンに問いかけた。

「や〜ね、一国の領土欲しさにゼムリア大陸全土を敵に回すリスクをメンフィル帝国が背負う訳ないじゃない♪昨日の和解調印式でメンフィルはエレボニアと”和解”したのだから、クロスベルと一緒にエレボニアに戦争を仕掛けるみたいなおバカな事はする訳が―――いえ、むしろクロスベルが内戦とメンフィル帝国との戦争で衰退したエレボニアに戦争を仕掛けないようにメンフィルが”六銃士”達を”説得”してあげたのだから、少なくてもエレボニアはメンフィルに感謝すべきだと思うのだけど?」

「ク、クロスベルがエレボニアに戦争を仕掛けないようにメンフィルが”六銃士”達を”説得”したって………」

「………一体メンフィル帝国はどのような”対価”を”六銃士”達に提示して、クロスベルがエレボニアに攻め入らないようにしたのでしょうか?」

シェラザードとアネラスの疑問に対するレンの答えを聞いたエリオットが不安そうな表情をしている中、ある事に気づいたシャロンは真剣な表情でレンに訊ねた。

 

「―――先日の和解調印式によって調印された”和解条約書”によって我が国がエレボニアから贈与される事になる元エレボニアの領土の一部を”クロスベル帝国”に贈与するという形で、”クロスベル帝国”に納得して頂きました。」

「なお、”クロスベル帝国”がメンフィル帝国から贈与される領土はラマール州全土と和解条約によって贈与される”ルーレ”を含めたノルティア州の一部です。」

「!!」

「嘘でしょう!?ルーレがクロスベルの領地になるなんて!?」

「そ、それにラマール州までクロスベルの領地になるとか、一体どうなっているんだ!?」

レンの代わりに説明したセシリアとサフィナの説明を聞いたシャロンは目を見開き、アリサとマキアスは信じられない表情で声を上げた。

「……………レン君。ヴァイス達は一体いつ頃から、メンフィル帝国に同盟の交渉を始めたんだい?彼らの消息がわからくなったのは、エレボニアの内戦が勃発するよりも先だったはずだ。」

「確か”六銃士”達がクロスベル警察、警備隊の”六銃士派”と一緒に姿を消したのはIBCによる資産凍結が起こる1週間前くらいに起こった”赤い星座”を始めとした武装集団によるクロスベル市への襲撃の直後だったはずです。まさかとは思うけど、その頃から”六銃士”達はメンフィルとの交渉を始めていたっていうの!?」

オリヴァルト皇子とサラはそれぞれ真剣な表情でレンに問いかけた。

「うふふ、サラお姉さんの推測通り、”六銃士”の一人であるルイーネお姉さんが”六銃士”達がクロスベルから姿を眩ました直後の頃からメンフィル帝国政府との交渉を開始したのよ♪」

「ルイーネ――――”微笑みの剣妃”か……!」

「ルイーネさんがメンフィル帝国政府との交渉を………」

レンの答えを聞いたトヴァルは厳しい表情をし、ガイウスは複雑そうな表情である人物の顔を思い浮かべ

「そ、そんなにも前から交渉が始まっていたなんて……」

「!………あ、あの………もしかして、”ユミル襲撃”の件がメンフィル帝国はクロスベル帝国との同盟を決める決定的な要因になって、メンフィル帝国はエレボニア帝国に宣戦布告をして、エレボニア帝国の侵攻をしたのですか……?」

「皇女殿下………」

トワは不安そうな表情で呟き、ある事に気づいたアルフィン皇女は表情を青褪めさせてレンに訊ね、アルフィン皇女の様子を見たアルゼイド子爵は心配そうな表情になった。

 

「うふふ、”ユミル襲撃”の件でエレボニアに戦争を仕掛けたのはあくまでメンフィル帝国の”意志”だから、クロスベル帝国との同盟の件とは一切関係していないわ。―――そもそも、クロスベル帝国との同盟は”ユミル襲撃”が起こる前に決まったしね。」

「”ユミル襲撃が起こる前にクロスベルとメンフィルが同盟を結んだ”って事は、メンフィルは最初からエレボニアに戦争を仕掛けるつもりだったんだ。」

レンの話を聞いたフィーは真剣な表情でレンを見つめて自身の推測を口にし

「なっ!?という事はメンフィル帝国は”ユミル襲撃”が起こらなくても、何の理由もなくクロスベルと共にエレボニア帝国侵略をするおつもりだったのですか!?」

「クスクス……クロスベルはメンフィルの初代皇帝であるパパの正妃―――イリーナ・マーシルンの故郷なんだから、そのクロスベルを襲撃してクロスベルに大きな被害を被らせた武装集団をエレボニアとカルバードが影から操っていた事を”クロスベル独立国”の”大統領”を”自称”しているディーター・クロイスが宣言してくれたのだから、イリーナママの故郷であるクロスベル帝国と同盟を結ぶ理由やメンフィルがイリーナママの故郷を襲撃した”報復”として二大国に戦争を仕掛ける理由として、十分でしょう?」

厳しい表情で問いかけたクレア大尉の質問に対してレンは小悪魔な笑みを浮かべて答えた。

「なっ!?お言葉ですが、幾ら何でもそれはあまりにも暴論じゃないでしょうか!?」

「そもそもクロスベルを襲撃した”黒月(ヘイユエ)”はともかく、”赤い星座”とエレボニアの契約関係は”西ゼムリア通商会議”が終わった時点で完全に切れているんだから、エレボニアに関してはメンフィルとクロスベルの”言いがかり”なんだけど〜。」

レンの答えを聞いたマキアスは反論し、ミリアムは真剣な表情で意見を口にした。

「うふふ、実際に”西ゼムリア通商会議”で”鉄血宰相”―――エレボニア帝国政府は”赤い星座”を雇っていたのだから”状況証拠”として十分だし、例えエレボニアと”赤い星座”との契約関係が切れていた事が”事実”だとしても、”西ゼムリア通商会議”の件を考えれば、果たしてどれだけの勢力がエレボニアと”赤い星座”の関係が切れていた事実を”真実”として信じてくれるかしらねぇ?」

「それは……」

「ハハ……実際宰相殿はロックスミス大統領と共謀して、テロリスト達が”西ゼムリア通商会議”を襲撃する計画を大体把握していたにも関わらずクロスベル政府にその件を教えず、襲撃してきたテロリスト達をそれぞれの国の政府と協力関係であった”赤い星座”と”黒月”に処分させることでクロスベルから治安維持権を奪う”理由”を作ろうとしていた件もあるから、エレボニアが”赤い星座”との関係を完全に切った事を証明したとしても、それを心から信じてくれる勢力は皆無だろうね……」

「殿下………」

レンの推測を聞いたラウラは複雑そうな表情をし、疲れた表情でレンの推測に同意したオリヴァルト皇子の様子をアルゼイド子爵は心配そうな表情で見守っていた。

「ま、それでもエレボニアは戦後メンフィルとクロスベルによる侵略行為に対する反論する主張をして、自国の領土の一部を返還してもらえたかもしれなかったけど………エレボニアは自らメンフィルに戦争を仕掛けられて当然の理由を作っちゃったものねぇ?」

「そ、それって……」

「”ユミル襲撃”か………」

「つまりわたくしがユミルに滞在した事によって、メンフィル帝国との戦争勃発に加えて二大国を降そうとしていた”六銃士”の方達の野望の成就を後押しする”切っ掛け”になったのですね……」

「皇女殿下に非はありません……!そうなってしまった全ての元凶は父――――”アルバレア公爵家”です……!」

「ユーシス………」

「それとそこのバカの中立勢力として失格な行動のせいね。」

「グッ………」

レンの説明を聞いてある事を察したエリオットとジョルジュは辛そうな表情でアルフィン皇女とユーシスに視線を向け、悲痛そうな表情で呟いたアルフィン皇女に辛そうな表情でアルフィン皇女を庇う為の発言をしたユーシスの様子をガイウスは心配そうな表情で見つめ、厳しい表情をしたサラに視線を向けられたトヴァルは唸り声を上げた。

 

「うふふ、アルフィン皇女とユーシスお兄さんはそんなに責任を感じる必要はないと思うわよ?メンフィルが単独でエレボニアに戦争を仕掛けて和解した事によって、エレボニアはメンフィルとクロスベルの連合軍によって滅ぼされる可能性は無くなったのだから♪」

「レン!幾ら何でも言葉が過ぎるわよ!?」

「レンさんも少しは遠回しな言い方をするべきですよ……」

小悪魔な笑みを浮かべて答えたレンの指摘を聞いたプリネはレンに注意し、ツーヤは疲れた表情で指摘し

「ハハ……前向きに考えれば、エレボニアの被害を少しでも抑える事ができた事を”不幸中の幸い”だったと思うべきだろうね。……それにしても、よかったのかい?メンフィルがヴァイス達と共に二大国に戦争を仕掛ける予定だったという事は、彼女達を通じてカルバードにメンフィルとクロスベルの連合軍によるカルバード侵攻が伝わり、カルバードがそれを阻止する為にクロスベルに侵攻するかもしれないんだよ?」

オリヴァルト皇子は疲れた表情で呟いた後気を取り直してシェラザードとアネラスに視線を向けた後レンに訊ねた。

「あら、知らないの?今のカルバードは国内はIBCの資産凍結による経済恐慌の影響でテロが活発化した事で、エレボニア程じゃないけど国内は混乱状態に陥っていて、共和国軍はその混乱の鎮圧の為に右往左往しているのよ?そんな状況で国外に軍を派遣できる余裕なんてあるかしら?第一、現在のディーター・クロイス政権によるクロスベルは謎の結界に包まれている事でクロスベル市に侵入する所か、クロスベル市自身に対する攻撃も阻まれるし、そもそもカルバードはエレボニア同様クロスベルに投入した師団を全て結社が開発した人形兵器―――”神機”によって返り討ちにされたのだから、少なくても国内の状況が完全に落ち着くまでクロスベル侵攻なんて不可能でしょう?」

「結社が開発した人形兵器ですって!?」

「やはり、結社が関わっていましたか……」

「………なるほどね。遊撃士協会を通じてカルバードにメンフィルとクロスベル連合によるカルバード侵攻が伝わった所で、カルバードは何もできないし、そもそもカルバードもエレボニア同様国内が混乱状態だから共和国政府にも遊撃士協会からの情報が行き渡らない可能性もありえるから、メンフィルとクロスベルの同盟の件を隠す事なく答えたのね……」

レンの説明を聞いたサラは血相を変え、クレア大尉は厳しい表情で呟き、セリーヌは目を細めてレンを見つめた。

「そういう事♪例えメンフィル・クロスベル連合軍によるカルバード侵攻が始まる前にリベールや遊撃士協会、七耀教会が仲裁に入ろうとしても、そもそも現時点では”クロスベル帝国は建国されていない”のだから、仲裁のしようがないでしょう?」

「そ、それは………」

「……”クロスベル帝国”の件で一つ気になる事があるわ。話から推測するとヴァイスさん達―――”六銃士”は”クロスベル独立国”に対してクーデターを起こして、ディーター・クロイス政権を倒してクロスベル帝国を建国するのだと思うけど……そもそもヴァイスさん達は”クロスベル独立国”相手に勝てるのかしら?貴女も言っていたように、”クロスベル独立国”は二大国が派遣した軍を全て返り討ちにしたのよ?」

不敵な笑みを浮かべたレンに視線を向けられたアネラスは複雑そうな表情で答えを濁し、シェラザードは真剣な表情で問い返した。

 

「うふふ、”クロスベル独立国”の”切り札”である”神機”はメンフィルが対処する事にして、クロスベル独立国に対するクーデターはヴァイスお兄さん達が自分達で全部する予定になっているから、問題ないわよ。」

「メンフィルが”対処”するって、一体どんな”対処”をするつもりなの〜?そっちも知っての通り、クロスベルに派遣したエレボニアとカルバードの軍はみんな”クロスベル独立国”が所有している結社が作った人形兵器のせいで、殲滅されたんだよ〜?」

レンの答えを聞いたミリアムは興味ありな様子でレンに訊ねた。

「クスクス……”神機如き”パパ達が”本気”になれば、簡単に破壊できるわよ♪しかも今のメンフィル軍にはかつてメンフィルにとって最大の敵であったエクリアお姉さんまでいるのよ?」

「ハハ……リウイ陛下達に加えてあのエクリアさんまで加わったら、二大国の軍を返り討ちにした結社の新兵器も簡単に破壊されるだろうね……」

「た、確かにリウイ陛下達の反則過ぎる強さをその目で見てきた私達からすれば納得の答えですね……」

レンの説明を聞いたオリヴァルト皇子とアネラスは苦笑し、オリヴァルト皇子とアネラスの言葉を聞いたアリサ達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせ

「生身の”人”がそんな兵器を簡単に破壊できるなんて、リウイ皇帝陛下達って、一体どんな非常識な存在なんだ……?」

「……間違いなく私達”人”では決して敵う事ができない凄まじい存在なのであろうな。」

マキアスは疲れた表情で呟き、アルゼイド子爵は静かな表情で呟いた。

 

「そう言う訳だから、ラマール州とルーレを含めたノルティア州の一部は将来”クロスベル帝国領”になるから”ラインフォルトグループ”は今の内にクロスベル帝国による”ラインフォルトグループ”に対する”制裁”の対処方法を考えた方がいいと思うわよ?」

「え……ど、どういう事ですか!?」

「何故”クロスベル帝国”が”ラインフォルトグループ”に対して何らかの”制裁”をすると、レン皇女殿下は推測されたのでしょうか?」

レンの忠告を聞いたアリサは血相を変え、シャロンは真剣な表情でレンに訊ねた。

「またまた、とぼけちゃって♪”ラインフォルトグループ”はクロスベルの民達の命を脅かす兵器を開発してエレボニア帝国に売却したのだから、”ラインフォルトグループ”はクロスベルの民達の怒りや恨みを買っていてもおかしくないでしょう?」

「!!…………」

「ク、”クロスベルの民達の命を脅かす兵器”って、まさか……!?」

「間違いなく”列車砲”だね。」

「チッ、そこで”列車砲”の件を持ってくるのかよ!?」

レンの言葉を聞いてある事に気付いたシャロンは目を見開いた後真剣な表情で考え込み、トワは表情を青褪めさせ、フィーは真剣な表情で呟き、舌打ちをしたトヴァルは厳しい表情をし

「……………………」

「アリサさん………」

「……レン皇女殿下。ギュランドロスさん達はアリサの実家―――”ラインフォルトグループ”に何らかの”制裁”をするような事を本当に口にしていたのだろうか?」

複雑そうな表情で黙り込んでいるアリサをエマは辛そうな表情で見つめ、ガイウスはアリサの様子を気にしながらレンに訊ねた。

「うふふ、ラインフォルトグループに対してあからさまな制裁をするような事は口にしていなかったそうだけど………”列車砲”の件を持ち出して、”ラインフォルトグループ”が”クロスベル帝国”に対する忠誠の証を示させる為にクロスベル帝国にとって有利な条件の取引を考えているような事は言っていたそうよ?」

「”クロスベル帝国にとって有利な取引条件”という事は、”ラインフォルトグループにとっては不利な取引条件”になる可能性があるだろうね……」

「”ラインフォルトグループ”の価値を考えたら、さすがに”ラインフォルトグループ”を倒産させるような事はしないでしょうけど、恐らく”生かさず殺さず”みたいな形で”ラインフォルトグループ”を利用し続けるのでしょうね………」

「そ、そんな……わたくしのせいで”ラインフォルトグループ”まで……」

レンの話を聞いてそれぞれ推測したジョルジュとサラの推測を聞いたアルフィン皇女は辛そうな表情でアリサに視線を向けた。

 

「ま、実際どうなるかはレンもわからないけど…………クロスベル帝国に対する簡単な対策が一つだけあるわよ♪」

「ええっ!?対策があるんですか!?」

「その対策とは一体どんな方法なんだい?」

レンの答えを聞いたエリオットが驚いている中オリヴァルト皇子は目を丸くしてレンに訊ねた。

「それはね………―――アリサお姉さんがアルフィン皇女みたいにリィンお兄さんと政略結婚して、リィンお兄さんの妻の一人になる事よ♪」

「…………え”。」

「ええっ!?アリサさんがリィンさんと!?」

「ブッ!?レン皇女殿下!恐れながら意見をさせて頂きますが、何故そこで”ラインフォルトグループ”とは何の関係もない俺の名前が挙がるんですか!?」

小悪魔な笑みを浮かべて答えたレンの答えを聞いたその場にいる多くの者達が冷や汗をかいている中アリサは一瞬石化したかのように固まった後表情を引き攣らせてリィンに視線を向け、エマは驚きの声を上げ、リィンは噴きだした後疲れた表情でレンに訊ねた。

「あら、リィンお兄さんは今までの功績や今回のメンフィル・エレボニア戦争でメンフィルの新たな”英雄”となった事で、将来クロイツェン州の統括領主を任せられる事になった上”公爵”にもなる事も決まっているし、”シュバルツァー家”はリィンお兄さんとエリゼお姉さんの働きによってレン達メンフィル皇家に加えてメンフィルの貴族や軍・政府関係者達からも多くの信頼を寄せられているのだから、アリサお姉さんがシュバルツァー家の当主になったリィンお兄さんに嫁げばクロスベル帝国の建国や二大国との戦争の件でメンフィルにお世話になったクロスベルもアリサお姉さんの実家であるラインフォルトグループに対して惨い仕打ちはできないでしょう?」

「加えてリィンの婚約者の一人であるメサイア殿は将来クロスベル帝国政府でも重大な立場に就く”六銃士”の一人であるヴァイスハイト殿の養子でもありますから、クロスベル帝国はリィンを通して”六銃士”の一人がラインフォルトグループとも縁戚関係になる為、その事実をラインフォルトグループのクロスベル帝国に対する”忠誠の証”として認める可能性は高いかと。」

(あらあら♪これはもしかして、更に一人増える予兆かしら♪)

(ふふふ、ご主人様の事ですから、彼女との関係は私達の期待を裏切らない展開へと発展するでしょうね。)

(リィンだものね………)

レンはリィン達の様子を面白そうに見守りながら説明し、セシリアは苦笑しながらレンの説明を補足し、その様子をベルフェゴールとリザイラが興味深そうな様子で見守っている中アイドスは苦笑していた。

 

「………確かに一理あるな。」

「そ、そうですね。”黄金の戦王”がクロスベル帝国政府でどのような立場になるかわかりませんが、少なくてもトップクラスの地位に就く可能性は非常に高いと思われますし……」

「ハハハハハハハッ!本物の皇女の次は大企業の会長の一人娘とか、間違いなくお前みたいなスゲェ女運を持っている奴は双界を探してもいねぇと思うぜ♪」

「フォ、フォルデ先輩。あくまでレン皇女殿下が考えた対策で、アリサさんとリィンさんはエリゼさん達と違って婚約関係ではないのですから、そういう事はせめてアリサさんのいない所で言うべきですよ。」

「……やはり、情報通り”黄金の戦王”と並ぶ相当な好色家ですね、マスターは。という事はやはりわたしを将来マスターの側室、もしくは愛人にする為にわたしを引き取ったのでしょうか?」

「ちょっ!?”やはり”ってどういう意味だよ!俺はそんなつもりで君を引き取っていないし、そもそも何なんだ、その俺に対する悪意が混じった滅茶苦茶な情報は!誤解だ!」

二人の説明を聞いたユーシスは静かな表情で呟き、クレア大尉は冷や汗をかいて苦笑しながらアリサに視線を向け、腹を抱えて笑っているフォルデにステラはアリサを気にしながら注意し、ジト目で見つめてきたアルティナの言葉を聞いたリィンは慌てた様子で反論した後疲れた表情で声を上げた。

「リ、リィン様………今のリィン様の状況では、リィン様が好色家である事は反論できませんわよ……」

「実際お兄様にはわたくし達を含めて、7人の婚約者がいますものね……」

「………レン皇女殿下?ただでさえ兄様には”致命的な悪い癖”があり、その癖によってまだ増える可能性は十分に考えられますのに、それ以外の理由で増える要因を作るような事は止めて頂けませんか?」

「ヒッ!?ガタガタブルブル……!お願いだから、エヴリーヌのいない所でエリゼを怒らせてよ、リィン……!」

「フッ、さすがはあのリフィア皇女のお目付け役と言った所か。」

「うわあ……あのエヴリーヌちゃんをあそこまで怖がらせるなんて、ある意味凄いですね、エリゼちゃんって。」

「あんたね……今の状況で一番気になる事がそんな事なの?」

リィンの反論を聞いたメサイアとセレーネは疲れた表情で呟き、膨大な威圧を纏って微笑みを浮かべたエリゼはレンを見つめて指摘し、エリゼからさらけ出される威圧の余波を受けて悲鳴を上げた後怖がっている様子のエヴリーヌをレーヴェが静かな笑みを浮かべて見つめている中興味ありげな様子でエヴリーヌを見ているアネラスの言葉を聞いたシェラザードは呆れた表情で呟き、その様子を見守っていた多くの者達は冷や汗をかいた。

 

「うふふ、ごめんなさいね、エリゼお姉さん♪――ま、そう言う訳だから今のレンのラインフォルトグループに対する意見はレンの”戯言”だと思って、忘れてね♪」

「いえいえ、レン皇女殿下の貴重なご意見、今後のクロスベル帝国とのお付き合いの参考にさせて頂きますわ♪」

「ちょっと、シャロン!?まさか本気で私とあの人――――リィンとの政略結婚を考えていないでしょうね!?」

笑顔を浮かべて答えたレンに続くようにからかいの表情で答えたシャロンの様子を見たアリサは驚いた後シャロンを睨んだが

「その……アリサさん。先程レン皇女殿下が口にされたクロスベルへの対策を考えているのでしたら、わたくしも可能な限り御力になりますので、その時は遠慮なく相談してください。」

「ええっ!?お、お願いしますから、皇女殿下まで本気にしないでください〜!」

アルフィン皇女の申し出を聞くと驚きの声を上げた後疲れた表情でアルフィン皇女に指摘した。

「ううっ……4人の中で一番マシなメサイアでこれ程の混乱が起きたんだから、後の3人の場合だと、どうなるんだ……?」

「ア、アハハ……」

「レンさん………リィンさんが契約している異種族達はただでさえその場に混乱が起きる可能性がある人達が多いのに、更にその混乱が酷くなるような事をしないでくださいよ………」

一方疲れた表情で頭を抱え込んでいるリィンの様子を見たセレーネは苦笑し、ツーヤは呆れた表情でレンに指摘した。

「や〜ね、あえてその場をかき乱す事でアリサお姉さん達のリィンお兄さん達に対する遠慮を無くす為にレンは特務部隊の”参謀”として、積極的にリィンお兄さん達とアリサお姉さん達の関係を解しているのよ?」

「例えそれが本当だとしても、限度というものがあるでしょう……」

「というかぶっちゃけ、その目的は”ついで”で本当の目的は自分が楽しむ為なんじゃないの?」

レンの答えにその場にいる多くの者達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中サフィナは呆れた表情で指摘し、フィーはジト目でレンを見つめて問いかけた。

 

「クスクス、それはご想像にお任せするわ♪―――という訳でリィンお兄さん、次はベルフェゴールお姉さんの番よ♪」

「う”っ……わかりました。一端戻ってくれ、メサイア。――――ベルフェゴール。」

レンに促されたリィンは疲れた表情で唸り声を上げた後メサイアを自分の体に戻した後ベルフェゴールの名前を呼んだ。するとベルフェゴールがリィンの傍に現れた――――

 

 

 

説明
第59話
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コメント
本郷 刃様 間違っていないからホント洒落にならないw(sorano)
実際のところリィンが相手とかはともかく、メンフィルかヴァイス側の関係者との政略結婚は手段としては間違っていないというねww(本郷 刃)
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