恋姫†夢想×三極姫 〜選ばれし英雄達〜
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「お前が董卓を討つ意味はなんだ?」

 

曹操の質問に銀河はこう答える。

 

「俺は董卓の政治を認めない。その理由では駄目か?」

 

「ふぅ・・・」

 

その返答にため息をつく曹操に銀河はむっとした。

 

「なら、アンタは董卓を認めるというのか?」

 

「いいや、認めないし討つことに否定はしない」

 

ならばそのため息の意味はなんだろか、銀河は予想がつかない。

 

「董卓を討って、そのあとはどうなる?」

 

「・・・あ」

 

曹操の一言に銀河は思い返す。

董卓を討っても終わりはしないのだ『世界』は。

 

「・・・つまり、董卓討伐後の実権をアンタは目論んでいるのか?」

 

「そうだ、私なら皇帝陛下をお守りし民も平穏な生活が送れる世界を作る」

 

曹操は断言する、自分なら作れると・・・。

しかし、口だけなら誰にでも言える。もちろん銀河でも『宣言』は出来る。

 

「だが、そこに至るまでに沢山の犠牲がでるぞ」

 

「犠牲なくして、世など変わらない。それは歴史が証明している」

 

現実的な回答であり、一番単純で明確な答えでもあった。

 

「そして、そう決めたら絶対に曲げてはいけない。たとえ、なにがあってもだ」

 

曹操の目は真剣に語り、真っ直ぐに銀河を見つめていた。

その姿に銀河は動揺が隠すことが出来ないし、自身が掲げた目的もぐらつき始める。

曹操や劉備を討ち、自身が世の中を変えるという方針に。

 

「(・・・やはり、理想と現実は全然違う)」

 

高い思想を抱いた彼女でさえ、最終的には目的を達することもなく死ぬ運命を秘めている現実。

その現実を変えようとする銀河。

物事はやはりそう簡単ではないようだ。

 

「銀河」

 

曹操は銀河に手を差し出した。

 

「だが、董卓を討つという意味では利害が一致している」

 

「・・・曹操」

 

銀河は差し伸べられた手を握り、曹操と握手を交わした。

 

「今日から私とお前は董卓と打倒する同士だ」

 

曹操はにこやかに笑うのだった。

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反董卓連合編 五話 『変えられる歴史達』

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洛陽。

 

玉座の間には董卓と呂布、そして白装束を着た男がそこにいた。

 

「私達に会わせたい女がいると?」

 

「はい」

 

男は一礼しつつ、返事をすると顔を横に向ける。

それを合図に一人の女性が現れた。

 

「・・・こいつは」

 

董卓はその女性の正体につぶやき、呂布は無言を通す。

 

「ご紹介します、彼女の名は貂蝉。二人の『お知り合い』の方です」

 

その瞬間、董卓は懐から剣を抜き出して白装束の男の方へと剣を投げつけた。

 

「・・・」

 

剣は男の目の前で突き刺さるが、表情一つ変えずに会話を続ける。

 

「どうかしましたか董卓様?」

 

「俺は貴様が知っている『董卓』ではない」

 

「ええ、存じております。貴方が求める『貂蝉』が誰なのか・・・」

 

董卓自身は彼に憤怒を感じつつも、呂布を見ると彼は震えていることに気づく。

 

「・・・呂布?」

 

呂布はゆっくりと『貂蝉』と名乗る女性に近づき。

 

「貂蝉!!」

 

彼は彼女を抱き寄せた。

その光景に董卓は眉を潜めて男の方ににらみつけた。

 

「貴様・・・呂布に何をした?」

 

男は微笑みながらこう言った。

 

「何も。俺はただ『貂蝉』を紹介しただけですよ?」

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それから数日。

 

銀河は曹操と一緒に許昌まで旅をした。むろんその間『何も』なかったわけではない。

旅の道中で、彼女は知人である呂伯奢やその家族を殺害しようとした。

 

理由は正当防衛。

 

本当は呂伯奢らは曹操を出迎えるために、食事の用意をしていたのだが、それを曹操は暗殺の用意と勘違いし、殺害しようと剣を構えていた。

たが、それを銀河が阻止。

 

それは事前に一刀から聞いた曹操話においての有名な出来事だったために防げたことであり、本来なら呂伯奢やその家族は曹操に殺害される運命。しかし、運命は変わり呂伯奢らは生存し、笑顔で旅を見送ってくれた。

 

その歴史が変わったことの影響か、曹操は銀河に対して信頼を持つようになった。

銀河も歴史の改変は望んでいたため、その副作用としての影響は嬉しかった。

 

許昌到着後は、曹操は自身の財産を全て払い、董卓討伐へと軍を編成する。

銀河は曹操の客将とし、討伐軍では側近の夏侯惇達と同じ立場として曹操に一時的に仕えることなった。

 

「それで、どこに行くんだ?」

 

銀河の質問に曹操は答える。

 

「袁紹殿の所だ。そこに、董卓を討伐するための各諸侯達が集結している」

 

「・・・反董卓連合か」

 

銀河は思う。

いよいよ本当の闘いが始まるのか、と。

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