こんとん物語 4 |
”ミステリーとはその人の人格性までも覗けるジャンルである。”
スマートフォンを弄る手を休め、クリスの方を見るこんとん。
クリスは特に何もしていなかったが、’まだ’という事を仕草でこんとんに知らせる。
電車で揺られながら、文章を連ねるこんとん。
その10分後、電車から降りる二人。次の行き先は警察署だ。
駅を出て、橋を渡り、警察署に着いたこんとんとクリス。
警察署では、受付をし、応接間を介し必要な情報を聞ける事になった。
しばらくすると、女警察官が応接間に入って来た。
((恭|うやうや))しく、お辞儀をしてから自己紹介をする。
結城「私が情報管理を任されております、結城と申します。どうぞ、よろしくお願いします。」
こんとん「どうも、探偵です。分百こんとんと言います。こちらこそ、お願いします。」
とこんとんも自己紹介とあいさつをする。次いで、名刺を渡す。
結「こちらにお座りください。」
クリスを仲介として、以下の情報が共有された。
一年前のシリル(依頼人コンスタンスの夫)失踪事件の概要と手詰まりの理由。
今回のコンスタンス失踪事件の概要。
クリスティーン「シリルについてですが・・・」
とクリスが切り出す。
結「こちらに既に用意してございます。」
と、結城は何枚かの書類をクリスに、クリスはこんとんにスルーする。
こんとんはその書類に目を通して、必要な情報が用意されている事を確認する。
結「確かに・・・必要事項を確認しました。」
と事務的に反応する。
ク「では、コン・・コンスタンスについてですが・・・・・」
再び、クリスが切り出す。
結「そちらも既に用意してございます。」
同じ様に、こんとんに書類が行き着く。
結「コンスタンスについても、確認しました。」
結城の機械的な対応にこんとんは違和感を覚えるが、’まあ優秀な警察官だな’という感想を持つ。
結「以上で・・・。」
三度、結城が発言し、警察との情報共有は終了する。
結「お疲れ様でした。では、お二方はお帰りになって下さい。」
と、やんわり応接間を追い出される。
「次は、カーチス夫妻の家のご近所の聞き込みですよね。」
と、警察署を出たこんとんに、クリスが確認する。
「そうね・・・いえ、そうですね、まあ、出来る限りの事はしましょう。」
とこんとんは返す。
その一時間後、カーチス夫妻の大きい家の前に、二人はいた。
聞き込みの結果、得られたのは、交友関係があまりにも少ない事だけだった。
こ「これからどうやって調査しましょう?」
と珍しく、こんとんから口を開く。
ク「・・・今日はこのくらいにしましょう。」
と消極的に、クリスは’ここまで’のサインを送る。
あいさつをして、二人は別れを告げる。
こんとんは二時間程、電車に揺られて、探偵事務所に帰って来た。
”小説の探偵とは、事実よりも奇なる感性と幸運を持っているようだ。”
と、日記とも異なる文章をさらに連ねる。
今日もまた一日が終わる。
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