江戸ラジオ
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「おつのと!」

「えんすうの!」

 

「「江戸ラジオ!」」

 

 

 

「パチパチパチー」

「はい、今日は年末の特別放送という事で、スペシャルなゲストを呼んであります。その名も」

「オガミちゃんでーす!」

 

「……どうも、オガミです。てか、何で俺ちゃん付けなんだよ。

ラジオの前の皆さん、こんばんは。あれ?今って晩だっけ?昼?……あーまぁいいや。

なんか唐突に中の人役を任されました。よろしくお願いします」

「オガミさん、今日はよろしくお願いします」

「メタな発言すると、俺が逆にこの二人を紙面に呼んだんですけどね」

「え?」

「ゴホン、なんでもないよ。続けたまえ」

 

「えーっと、まずはオガミさん、簡単に自己紹介してもらっていいですか?」

「オガミです。適当に小説書いてます、以上」

「うわ、自己紹介まで適当だよ」

「あんまり表舞台出たくないんすよ。俺引きこもりなんで」

「調べたところによると、オガミさんは今年で13本の作品を書いてらっしゃるようで」

「え?ちょっと待って何勝手に調査してんの。あれ、13本だっけ?これ加えたら14……いや15本……か?」

「これって?」

「ウオッホン、なんでもない。ところでお二人さん、もしかして俺の作品を……?」

 

「「全部読みました」」

 

「まじか……(頭抱え」

「あれ?読んじゃマズかったかな?」

「いやマズイというか、まぁ読んでもらう為に公開してるんだから本来は喜ぶべき所なんだけど

こう、ね、あれよ。色々と。うーん、その辺は察してくれ」

「あはは、大丈夫かな……?では続いて、オガミさんへの質問コーナーに移りたいと思います」

「ぐっ、精神的に揺らいだ俺にさらなる追い打ちとは……二人ともひど」

「それじゃまずは私からね」

「話を聞けよ、おつの」

 

「どうして小説を書こうと思ったんですか?」

 

「そうきたか。どうして、と言われても答えにくいなぁ。書きたくなったから書いた、としか。

一時期は別の作品を書いてた事もあって、まぁそれなりには慣れてたけどね。

式姫関連の知り合いから書いてみなよ、って背中押されたのが一番の原因かも」

「ふむふむ。前々から書いてみようという気はあったと?」

「それもそうだね。ゲームにちょっと飽きてきて、なんか別の事してみたいなーって気持ちはあった」

 

「初期の作品は主に真祖ちゃんとのやりとりが多いようだけど、真祖ちゃんの事は好き?」

「……こくり」

 

「「キャーッ!」」

 

「ええい、騒ぐな。こっちまで恥ずかしい。……はぁ、何で女の子ってコイバナ好きなんだろう」

「えー、いいじゃないコイバナ。ねー」

「やさふろちゃんみたいな事言うな。ちなみに、真祖以外にも好きな式姫はいるからな」

「例えば?」

「……えんすうちゃん」

「えっ?私?」

「超化した格好がね、エロくて――じゃなくて、色気があっていいんだよ」

 

「「…………」」

「おい、聞いておいて黙るな」

 

「じゃあ私は私は?」

「おつのちゃんは……うん、まぁ普通」

「ぶー!なんでよー?」

「キミはおしゃべりキャラとくらみゃーの通訳としてイメージが定着してるから愛着が湧かないんだよ」

「うぅ、オガミちゃんってばヒドイ」

「思ったとおりに言っただけだい」

「あはは、おつのちゃんドンマイ……」

 

「ほら、落ち込んでないで次、次」

「えーっと、では気を取り直して。自分の作品の中で、一番のお気に入りは?」

 

「うーん…………難しいな」

 

「あらら、さくっと答えが聞けるかと思いきや、随分悩んでいらっしゃるようで」

「特にこれが最高、って言うのはないかなぁ。言い換えると、どれもお気に入り。

大体衝動的に書く事が多いから、その時に全力で書いたのが作品になってる。

だから一番は決められない。オススメはどれ、と聞かれても全部ですとしか言えないかな」

「全部って言っても、中途半端に終わってるのも多いよね?」

「ぐっ……そこは見逃してくれ……」

「あらら、オガミちゃんまた頭抱えちゃったよ」

 

「今度は私ね。小説を書く時に気を付けている事とかあるの?」

「挙げていくとキリがないけど、いつも気を付けているのは分かりやすさ、かな」

「分かりやすさ?」

「小説は絵と違って明確なイメージがないからね。どんなにいいイメージが浮かんでも、

それを表現する言葉自体が難解なものだと読者に伝わりにくいからね。

一部のマニアックな人向けじゃなくて、誰にでも読みやすいような作品になるように心がけてます」

「ライトノベル風、ってやつ?」

「大体そんな感じかな。あと、長ったらしい文章もなるべく書かないようにしてる。

あまり重要でないような事柄や省略できそうな所は極力省くか、短くまとめる感じで。

長いお話はね、読者が惹きこまれるような魅力があるもの以外は読んでる人が疲れちゃうんだ」

「なるほど」

「魅力あるものが書けるようになると、いつか作風自体もガラッと変わるかもしれないね」

「え、じゃあ今まで書いてきたものには魅力がないって事?」

「魅力があるって断言できる自信はない。読んだ誰かがこれ魅力的だと思ってくれたんなら

それでいいんじゃない?」

 

「作品の価値を決めるのはオガミさんじゃなくて読者の方、だと」

 

「そういう事だね。作者は、自分の作品に対しては読者になれない。

だから、自分の作品についての出来不出来を唱えるのは馬鹿馬鹿しい事なんだ。

よく作品紹介の欄に下手くそですがとか付ける人がいるけど、ああいうのは正直要らないと思う」

「な、なんか饒舌になってきたね……」

「作品に込めた努力と時間は、読者から返ってくる評価の数と一致するとは限らない。

だから言い訳に聞こえるんだよね。思ったより評価が得られなかった時の為の。

これは下手な作品なんだ、だから全然評価されなくても仕方ないんだ、って自分を納得させてる。

そもそも評価ってのは、オマケみたいなもんなんだ。世の中評価されない作品だってごまんとある。

作品を書く目的はあくまで一種の自己表現であって、評価をもらう為に書くんじゃない。その辺を分かってない人が多い気がするね」

 

「…………」

 

「ん?どうした?」

「では最後に来年の目標について教えて下さい」

「うわ強引に進めやがった。来年は、んー……正直言うと、分かんない」

「ええっ!?」

「ほら、来年の事を言うと鬼が笑うって言うじゃん。

……って冗談はさておき、えっちなのを書いてみたいなーとは思う。漠然とだけど」

「ということは、いよいよ真祖ちゃんと……?」

「そこは伏せておこうか。さっきも言ったけど、衝動的に書いてるのが多いからぶっちゃけ自分でもどうなるか分からないんだよ。

だからアレ書きますコレやりますみたいな事はなるべく言いたくない」

「むー、気になるなぁ」

 

「さて、そろそろそろお別れの時間です。今年も残りわずか、体調に気を付けて良い正月を迎えたいねー」

「今回のゲストは、オガミちゃんでしたー!」

「だからちゃん付けはやめろって!」

説明
出演者は例の二人プラス一人。ちょっとしたオマケ的なお話です。
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式姫 えんすう おつの 

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