英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
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アルトリザスに到着したリィン達はフィーの先導によってアパートの一室に到着し、部屋に到着後フィーは部屋に備え付けている端末を操作した。

 

〜遊撃士協会・アルトリザス仮設支部〜

 

「よっ、久しぶりだなリィン、セレーネ。それに”殲滅天使”のお姫さんも。元気してたか?」

フィーが端末を操作すると端末の映像に遊撃士の一人であるトヴァル・ランドナーの顔が映った。

「トヴァルさん……!お久しぶりです。」

「エレボニアに戻って来られたのですね……!」

「うふふ、たった1年半でB級に昇格し直した上エレボニアの支部に戻る事を”本部”に許可してもらえたなんて、オレドどころか色んな支部にも応援に行ってよっぽど頑張ったのかしら?」

トヴァルの登場にリィンが驚き、セレーネが微笑んでいる中レンは小悪魔な笑みを浮かべてトヴァルに問いかけた。

「ああ、”七日戦役”の”前科”があるから俺がエレボニアの支部に戻る事に”本部”の連中も相当渋っていたが、1ヵ月前にようやく認められてオレド支部の引継ぎもすんで戻ってこれた所だ。――――それよりも話には聞いていたがお前さん達も教官の方、頑張ってるみたいだな?」

「……ええ、おかげさまで。」

「ふふっ、まだまだ教官としてはわたくし達は未熟ですけどね。」

「うふふ、それにしても遊撃士協会は本当に運が良いわね♪”七日戦役”や”風の剣聖”のせいでゼムリア大陸の人々に対する遊撃士協会の信頼が落ちると思いきや、それを払拭するほどの活躍がエステル達がしてくれた上、史上初の”SSランク”の遊撃士が生まれたものね♪しかも、”西風の妖精(シルフィード)”まで遊撃士協会入りしたしねぇ?」

「ハハ、そうだな。実際、フィーが去年入ってくれた事は本当に助かったぜ。」

トヴァルの言葉にリィンとセレーネが頷いている中意味ありげな笑みを浮かべたレンの指摘にトヴァルは苦笑しながら同意した。

 

「フフ、それにしてもフィーが遊撃士になるとはわからぬものだ。」

「まあ、士官学生になる前の職業とは正反対の職業だしな。」

「フォ、フォルデ先輩。」

「ま、サラやトヴァルには相当サポートしてもらったけど。今回、わたしたちの合流にも色々と力を貸して貰ったし。」

ラウラはフィーに視線を向け、からかいの表情で答えたフォルデの言葉にステラは冷や汗をかき、たフィーは静かな表情で答え

「そうそう、トヴァルさん発案の”Zの輪(ROUND・OF・SEVEN)”が無かったらそもそも難しかっただろうしねぇ。」

「!じゃあ、あれはトヴァルさんが作ってくれたアプリなんですか!?」

エリオットの話を聞いて”Zの輪”の発案者がトヴァルである事を知って驚いたリィンはトヴァルに確認した。

「いやいや、アプリ開発は財団で俺はARCUSUの機能を利用した”裏技”を提案させてもらっただけさ。オリヴァルト殿下が隠し持っている”あらゆる場所と通信できる古代遺物”――――そいつの力を使わせてもらうことで中継器を介さない通信が可能になるような。」

「うふふ、そういうカラクリだった訳ね。という事はオリビエお兄さん、結局あの通信機はケビンお兄さんから取り上げられないように頑張ったみたいね♪」

トヴァルとレンの話を聞いたリィン達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

 

「な、何だかとんでもない事を聞いた気がするんだが……」

「そ、そうですね……しかも所々聞いてはいけない方がいいお話も知ってしまいましたし……」

「うん、技術的な事はサッパリだが相当な裏技である事は理解できる。」

「まあ、古代遺物(アーティファクト)頼りだからさすがに汎用性は無いんだけど。」

「それでも、ゼムリア大陸ならどんな場所でもZ組や特務部隊のみんなと通信が繋がるっていうのは奇蹟だよねぇ。」

「確かにな。導力通信ですら繋がる距離は限られているしな。」

「ふふ、古代遺物(アーティファクト)の力を借りていますから、言葉通り”奇蹟”ですわね。」

我に返ったリィンとステラは困った表情で呟き、ラウラとフィーは静かな表情で答え、エリオットとフォルデ、そしてセレーネは苦笑していた。

「ああ……本当に色々な人に助けてもらってるんだな、俺達は。―――トヴァルさん。改めて、本当にありがとうございました。」

「ハハ、いいってことさ。こっちも好きでやってるんでな。で、本当だが……”結社”がチョッカイをかけてきたんだって?」

「ええ……半年ぶりに。いや、エレボニア本土に限定すればあの内戦以来になりますね。数種類の人形兵器群―――鉄機隊の”神速”に加えて新たな執行者まで現れました。そこまでの戦力をこの地に投入する目的―――何か心当たりはありませんか?」

「………結社についてはギルドも警戒を強めてはいる。だが、詳しい動きは何もわかっていないのが現状だ。各地で暗躍しているいくつかの猟兵団も含めてな。」

リィンの問いかけに対してトヴァルは複雑そうな表情で答えた。

「そうですか……」

「ま、”赤い星座”の本隊がいないってわかっただけでも収穫だけど。」

「ああ、その辺は”かかし男(スケアクロウ)”に感謝するとして。結社については、現時点で一つだけ確実に言えることがある。――――”例の計画”ってのを何としても奪い返す事をきっかけにして、メンフィルによって大きく力を削がれた裏の世界での結社の力や名を復活させようとしてるってことだろう。」

「そ、それって確か、クロチルダさんが言っていた――――」

「―――”幻焔計画”、ね。一昨年の内戦の裏で進められ、最後には”鉄血宰相”に奪われたという。」

トヴァルの推測を聞いて仲間達と共に血相を変えたエリオットは真剣な表情をし、レンは意味ありげな笑みを浮かべた。

 

「ああ、計画の内容はいまだ不明だがリベールやクロスベルでの前例もある。奴等の行動のすべてが、何かしらの形でそれに繋がってるのは間違いないだろう。おそらく、現れた人形兵器ってのもそのために用意された”駒”の一つだ。」

「ありそうな話だね。問題は、人形兵器を持ち出して連中が何を狙っているかだけど。」

トヴァルの推測に頷いたフィーの言葉を切っ掛けにリィン達はその場で少しの間黙って考え込んだ。

「……昨日の様子を見る限りたとえばアルトリザスを攻撃しようとしている感じじゃないよね。そんな事をしたら、さすがに正規軍だって動かないわけには行かないだろうし。」

「うん、そうであろうな。そもそも第Uに釘を刺している時点で彼らは見極めているのであろう。政府と貴族勢力の力関係と正規軍が介入するギリギリの一線を。」

「……そうだな。いずれにせよ、最大の手掛かりはあの大量の人形兵器になるだろう。昨夜にしてもそうだが―――そもそも彼らは、あれだけの数をどこから持ってきたんだろうか?」

エリオットとラウラの推測に頷いたリィンは考え込みながら疑問を口にした。

「……確かに。」

「まさか全然別の場所から”転位”させたとか……?」

「もしくはメンフィル帝国のように転位装置があるのかもしれませんわね……」

「まあ、実際内戦でも結社の連中は”転位”を使っていたからその可能性は十分にありえるな。」

「それを考えると何らかの転位装置、もしくは古代遺物(アーティファクト)の類を使っているかもしれませんね。」

「いや、さすがに結社とはいえそこまでの技術は無いはずだ。かと言って、奴等が持っていた”方舟”は4年前の”リベールの異変”にてメンフィルに奪われている。」

リィンの疑問にフィーが頷いている中それぞれ推測をしたエリオットとセレーネ、フォルデとステラのそれぞれの推測をトヴァルは否定し

「……ならばどこかに何らかの彼らの”陣”があるのではないか?人形兵器という戦力を忍ばせ、必要に応じて繰り出せる”拠点”が。」

「”拠点”か……」

「―――いい目のつけ所じゃねか。」

ラウラの言葉を聞いたリィンが考え込んだその時アガットが部屋に入って来た。

 

「え………」

「あ、貴方は……!」

「うふふ、出たわね、ロリコン。」

「ロリ……ッ!このクソガキ……!」

アガットの登場にエリオットが呆け、リィンが驚いている中小悪魔な笑みを浮かべて呟いたレンの言葉にリィン達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中アガットは背中の大剣に手をかけかけたが、レンの挑発に乗れば更に悪循環になる事やレンの性格を熟知していた為、必死に耐えながら大剣から手を離して顔に青筋を立ててレンを睨みつけた。

「よう、お疲れさん。」

「遅かったね――――アガット。」

「へっ、ちょいと寄り道しちまってな。邪魔するぜ、”灰色の騎士”に”聖竜の姫君”―――いや、リィン・シュバルツァーにセレーネ・L・アルフヘイム。まさかこんな形で再会するとは思わなかったがな。」

「ハハ……俺達の方こそ。入学式の日に会った時も只者ではないと思っていましたが……なるほど、遊撃士だったんですね。」

「レン教官とアガットさんはお知り合いのようですけど……一体どちらで知り合ったのですか?」

アガットの言葉にリィンは苦笑しながら答え、セレーネは不思議そうな表情でアガットとレンを見比べた。

 

「”重剣”のアガット―――リベールの”A級”遊撃士さ。少し前からエレボニアギルドに助っ人に来てくれていてな。何かの助けになればとあらかじめ連絡しておいたのさ。」

「”A級”っていうとサラ教官と同じ……!?」

「まあ……という事は相当の使い手の方なのですね。」

「ん、かなりの凄腕。あの”リベールの異変”を解決した立役者の一人でもある。」

「4年前にあったという……そうだったんですか。」

「という事はその時にレン教官とアガットさんがお知り合いである理由はその件で……?」

「ええ。あ、そうそう。ちなみにアガットはあのレーヴェを”無謀”にも好敵手扱いしているのよ♪レーヴェの実力を知っているみんなからしたら、あのレーヴェの好敵手を名乗るなんて”無謀”なのがわかるでしょう?」

トヴァルとフィーの説明を聞いたエリオットとステラが驚いている中リィンは納得した様子で呟き、セレーネに視線を向けられたレンはからかいの表情で答え、レンの答えにリィン達は再び冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「え、えっと……」

「確かにアガットは凄腕だけど、レーヴェ相手だとさすがに分が悪いね。」

「うふふ、フィーはよくわかっているじゃない♪」

「クソガキ共が揃いも揃ってふざけた事を……!」

我に返ったエリオットは困った表情で答えを濁し、冷静な様子で推測を口にしたフィーの推測を聞いたレンはからかいの表情でアガットを見つめ、アガットは顔に青筋を立てて身体を震わせながらレンとフィーを睨んでいた。

 

「ふふ、風の噂で巨大な大剣を振るうA級遊撃士の渾名を聞いた事はあったが……お目にかかれて光栄だ、”重剣”殿。」

「ハッ、こちらこそだ、”光の剣匠”のお嬢さんよ。―――話を戻すが、結社の”拠点”がどこかにあるっていうのは同意見だ。シュバルツァー、アルフヘイム。どうやら昨日色々回ったみたいだが、何か心当たりはねぇのか?」

「それは………幾つか気になる場所があったのは確かです。ですが、どこも決め手となるような手掛かりがあったとはいえませんね。」

「そうですわよね………」

アガットの問いかけを聞いて昨日の特務活動で回った場所を思い返したリィンの言葉にセレーネは頷き

「そもそもサザ―ラント州ってのは手付かずの自然が多い土地だしなぁ。」

「怪しい場所をしらみ潰しにしたらキリがないと思う。」

「かと言って幾ら何でもアルトリザスに隣接しているからと言って、エレボニアよりも警戒が厳しいメンフィル帝国領(セントアーク)に潜伏しているとは思えないしなあ……」

「フン、そうか………テメェの方は何か心当たりはないのか?」

トヴァルとフィー、フォルデはそれぞれ意見を口にし、リィン達の話に頷いたアガットはレンに視線を向けて問いかけた。

 

「あら、そこでどうしてレンに話を振るのかしら?レンはリィンお兄さん達と違って、アルトリザス地方やパルム地方の様々な所を巡っていないわよ?」

「ハッ………テメェの事だから、大方サザ―ラントに限らずエレボニアの各地で情報収集をしているメンフィルの諜報部隊から様々な情報を手に入れているだろうが。テメェやシュバルツァー達の分校への派遣もメンフィルの思惑も間違いなく関係しているだろうしな。」

「……………」

「実際”アーベントタイム”の件をお姉様から知らされた時も、メンフィル帝国の諜報部隊による情報収集のお陰でしたものね……」

「リィンさん……セレーネさん……」

「確かにそうだね。英雄王と現メンフィル皇帝のリィンに対する”要請(オーダー)”が発動した早さも考えると、どう考えてもサザ―ラントにもメンフィルの諜報部隊がいる証拠だね。」

レンの問いかけに対して鼻を鳴らして答えたアガットの推測を聞いたリィンは目を伏せて静かな表情で黙り込み、セレーネが複雑そうな表情を浮かべている中、二人の様子をステラは心配そうな表情で見つめ、フィーは真剣な表情で答えてレンを見つめた。

「で、でも……どうしてメンフィルの諜報部隊がエレボニアに……内戦や”七日戦役”が終結して、既に1年半も経っているんだよ?」

「いや、むしろその逆であの件から”まだ1年半しか経っていない”。第一他国の情報を集める為に自国の諜報関係者を他国で情報収集に当たらせる事は国として当然の事だし、ましてやエレボニアは1年半前の件で衰退した”原因”の一つであるメンフィルに対して怨恨があり、その怨恨に対する”報復”をエレボニアが実行する可能性がある事をメンフィルが予想していない訳がないだろうしな。」

「それは………」

不安そうな表情で呟いたエリオットの話に複雑そうな表情で指摘したトヴァルの推測を聞いたラウラもトヴァル同様複雑そうな表情で浮かべてリィン達―――メンフィル帝国所属の人物達に視線を向け

「うふふ、その件については今はあまり関係ないから置いておくとして………―――話を戻すけど、結社の”拠点”の件については既に目星はつけているわよ。」

「ええっ!?」

「ハハ、さすがレン皇女殿下っすね。」

「……やっぱり、既に目星をつけていたか。だったら、どうして演習地から出る時に教えてくれなかったの?その時に答えてくれれば、ここに来る手間も省けたんだけど?」

レンの答えを聞き、リィン達と共に血相を変えたエリオットは驚きの声を上げ、フォルデは苦笑しながら感心し、フィーはジト目でレンに問いかけた。

「や〜ね、それを答えようと思った時に情報整理ができそうな場所をフィーが案内する雰囲気になっていたから、レンも”空気を読んで”、フィーに花を持たせて黙ってあげていたのよ♪」

「く、”空気を読んで”って………」

「というかレン教官はいつ、結社の”拠点”がアルトリザスのどこかにある事を推測して、その目星をつけたのですか?」

レンの答えを聞き、エリオット達と共に冷や汗をかいて脱力したリィンは疲れた表情で呟き、セレーネは疲れた表情でレンに訊ねた。

 

「うふふ、アルトリザスのどこかに”拠点”がある事は昨夜の襲撃の時点で既に予想していたわ。で、肝心の結社の”拠点”の目星についてだけど昨夜の襲撃の後片付けが終わった後に”Zの輪”でレーヴェに聞いてみたのよ。」

「!あの野郎か………」

「確かに結社出身の”剣帝”だったら、結社が”拠点”にしそうな場所の目星がつくかもしれねぇな。」

レンの説明を聞いて血相を変えたアガットは真剣な表情でレーヴェの顔を思い浮かべ、トヴァルは納得の表情で呟いた。

「それで、レーヴェ殿の予想では結社の”拠点”はどこなのですか?」

「それについてだけど………――――まずはリグバルド要塞に向かうわよ。そこの”責任者”からの許可がないと、その場所に向かう事ができないもの。レーヴェが目星をつけた結社の拠点については、リグバルド要塞の責任者と会った時に教えてあげるわ。」

「結社の拠点にしている場所に向かうにはリグバルド要塞――――正規軍の拠点の責任者の許可が必要……ですか?」

「………ま、何でこの場で答えないかの理由については聞きたいけど、どの道正規軍からも得られる情報があるかもしれないから、まずはそっちに行った方がよさそうだね?北西の”リグバルド要塞”に。」

ラウラの問いかけに答えたレンの答えにステラが不思議そうな表情をしている中フィーは静かな表情で今後の方針を口にした。

「待て待て。いきなり行ってどうする?軍なんざ普通、民間相手に融通を利かせたりはしねえだろ。ましてや、あのエレボニア軍……門前払いが関の山じゃねえか?」

するとその時様子を見守っていたアガットが指摘した。

 

「いや―――訊ねる価値はあるだろう。たしか今、リグバルド要塞はとある将軍が預かっているはずだ。”最強”と謳われる第四機甲師団長―――”紅毛”のオーラフ・クレイグが。」

トヴァルの話を聞いたリィン達はエリオットの父親――――エレボニア軍の第四機甲師団を率いるオーラフ・クレイグ将軍の顔を思い浮かべた。

「エリオットのお父さんが……!」

「成程、そうであったか……!」

「半年くらい前からだっけ?」

「……うん、実はそうなんだ。こっちでの巡業が終わったら現地で会う約束もしているから不在っていうこともないと思う。」

「そうか、だったら………」

「エリオットさんのお父様でしたら、事情を説明すれば融通を利かせて会ってくれそうですし、レン教官が仰る”許可”もくださる可能性も高いでしょうね。」

「ま、何せ”超”が付く子煩悩だしな♪」

エリオットの推測を聞いたリィンとセレーネはそれぞれ明るい表情を浮かべ、フォルデはからかいの表情で答え

「ハッ、さすがアイツが立ち上げたクラスというか……それにしてもあの野郎が目星につけた場所か………そう言えばあの野郎はサザ―ラントの出身で、しかもあの野郎やヨシュアの”故郷”の位置は………―――よし、だったらそっちの筋は任せたぜ。」

リィン達の様子を見守っていたアガットはある人物とレーヴェの顔を思い浮かべて小声で呟いた後気を取り直して口を開いた。

「アガットはどうするの?」

「俺は俺で足を使って調べてみる。レンの今の話を聞いて、俺も結社が拠点にしそうな場所に心当たりがある事に気づけたしな。―――そうだ、コイツを渡しておく。」

フィーに訊ねられたアガットは答えた後リィンにメモを渡し、メモの内容を確認するとメモには手配魔獣がいる場所について書かれていた。

 

「これは……魔獣の情報ですか?」

「ここに来るついでにまとめた、いわゆる”手配魔獣”の情報だ。そっちの行動範囲だから警戒しとけ。余裕があれば倒しちまっても構わねぇ。」

「ああ、それで遅れてたんだ。けっこうマメだね。」

「うふふ、ホントに見た目とは裏腹にマメよね〜。」

「遊撃士としてこのくらいは当然だっつの。気張れよ、シュバルツァー。お前らもな。」

フィーとレンの指摘に対して静かな表情で答えたアガットはリィン達に応援の言葉を送った。

「わかりました……!アガットさんもお気をつけて。」

「ま、折角だし第Uの演習地にも顔を出してきちゃどうだ?!大事なあの子も”さぞ喜ぶんじゃないか?」

「………」

トヴァルの指摘を聞いたアガットは冷や汗をかいて表情を引き攣らせ

「ああ、ひょっとして。」

「あ、さっき話したよ。聞いてた以上に可愛かった。」

「うふふ、ついでに言えば家族公認―――いえ、ティータのママを除けば家族全員からも”認められているのよ♪”」

「まあ……そうだったのですか。」

「クク、これはいいネタを聞いたな♪」

「フウ……そういう所も全然変わりませんね、フォルデ先輩は……」

トヴァルの話からティータの事を示している事を察したリィンは目を丸くし、フィーは口元に笑みを浮かべてアガットを見つめ、小悪魔な笑みを浮かべて答えたレンの答えにセレーネは微笑み、からかいの表情で呟いたフォルデの答えにステラは疲れた表情で溜息を吐いた。

 

「ったく………余計なお世話だっつの。そんじゃあな。何かわかったら連絡する。」

アガットは溜息を吐いた後部屋から出て行った。

「あ、逃げた。」

「フフ、よくわからぬが……」

「うーん、ちょっと怖そうだけど親しみやすそうな人だね。」

「ハハ、そうみたいだな。―――トヴァルさん、俺達も行動を開始します。」

「ああ、健闘を祈ってる。くれぐれも気をつけてくれ。フィー、ラウラお嬢さんもしっかりサポートしてやってくれ。」

「ん、任せて。」

「リグバルド要塞は北西にある街道の先でしたね。」

「そんじゃまあ、先程の手配魔獣の件も含めて用事をすませたら向かうとしますか。」

そしてリィン達も行動を開始し、アルトリザス市内での用事や手配魔獣の撃破を終えた後リグバルド要塞へと向かった―――――

 

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昨日ようやく閃Vクリアしました!クリアしてからの感想は……うん、攻略サイトである程度予め知っていたとはいえ、今までの軌跡シリーズの中で一番後味悪いかつ続きが滅茶苦茶気になる最後でしたね……後ファルコムさん。貴方達の方がエウシュリーさんよりもカオスルート作る才能あるんじゃないですかぁ!?と思ってしまいましたwwマジで今までのエウシュリー作品のカオスルートの上を行っているんじゃないかと本気で思いました、閃VED(汗)それと光と闇の軌跡のカオスルートは……うん、タイトルは既に変えたとはいえカオスルートの名前は今更ですが返上します。原作閃Vの終章以降の展開にはとても対抗できません(笑)そして閃Vクリアしたお陰で閃V篇を完全に把握できましたので、今後も閃V篇完結&閃W篇への布石の為の更新をがんばります!なお、現時点でアルベリヒ、ゲオルグ、オズボーン、そしてセドリックをエウシュリー陣営or空陣営の誰かによって絶望や屈辱を感じさせられた挙句内二人はむごい最後(それこそ光と闇の軌跡シリーズのブレアードやマリアベルのような最後)を遂げさせる事は既に決定していますので、その時を気長にお待ちください(黒笑)それと皆さんも既に予想していると思いますがこの物語は敵陣営はぶっ殺す事が当然になっていますが、閃Vの敵陣営の内5名は寝返るか生き残る事は確定しています。ちなみにシャロンは………下手したら……というか、ほぼ確実に終盤18禁展開になると思います(ぇ)……え?何でシャロンが終盤18禁展開になるかだって?それはまあ……ベルフェゴールが閃V篇でも当然の如く運命が改変されたシリーズのスカーレットやエーデルの時のように悪知恵(?)を誰かさんに吹き込み、しかもその悪知恵にアリサも巻き込みますので(もうこの時点で誰かさんについてはバレバレですがw)とりあえず現時点で言えることは…………困った時は性魔術で解決としか言いようがないですね!(オイッ!)

説明
第20話
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コメント
匿名希望様 まあ、他の作品始める理由の一つはスランプとかマンネリによるものなのですからねぇ……(sorano)
いつもの蹂躙・虐殺・上から目線描写を語る前に止めたままの連載をどうにかするのが先決なんじゃないでしょうか?このシリーズを拝見させていただいて色々思う所はありますが、一番思う所は連載読んでいていきなり他の作品を始めるのは読者の中でもそれなりに腹を立てている人が出始めているのではないでしょうか?長文失礼しました。(匿名希望)
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