こんとん物語 15 |
「次の取材はいつですか?」
情報屋アニスに帰って来て、こんとんが質問する。
「来週の予定ですよ。」
「そうですか。」
こんとんにしては端的な言動で返す。
「では、((彼子|かのこ))への質問を考えておきましょうか。」
「さようなら。」
かみ合わない会話の後、こんとんとクリスは別れる。
アニスに残ったクリスは事務仕事を続けるのだった。
こんとんは思い出を思い返していた。電車の中でである。
家の中には誰も居なかった。なぜなら、こんとんは一人で暮らしていたからである。
仕事は全てこんとん一人で行った。そして、成人した。
探偵業は仕事仲間の((新井刹那|あらいせつな))のつてを頼って、成人後、探偵となった。
探偵業をこなせばこなすほど、生活は楽になったが、生活に余裕が出過ぎた。
次第に、こんとんは刺激を求めるようになった。((失踪|しっそう))事件の依頼を求めたのだ。
こんとんは、唐突に思い出に更けるのを止めた。
電車が目的の駅に着いたからである。
実家である。
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