レッサーパンダパスカルくん!第3話「金島家暴風警報!」
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登場人物

 

〇パスカル・・・オレンジ色の毛並み。アライグマとレッサーパンダの間に生まれた無邪気な甘えん坊。鳴き声、ああ〜。ふにゃあ〜等 ふいに人間語(日本語)を話す時がある。

 

〇金島史郎(かなしましろう)・・・パスカルの新しい家族 高校2年生 お人よしな性格

 

〇金島香奈枝(かなしまかなえ)・・・史郎の姉 大学2年生 ショートの茶髪に両耳の白いピアスがチャームポイント スタイルも抜群 大の毛皮の動物嫌い 男みたいな性格

 

〇金島楓(かなしまかえで)・・・母親、旦那さんとは一年前に離婚。スーパーのレジや品出しのパートをしている。体系はぽっちゃりとして性格もおっとり系

 

〇N・・・ナレーション 突っ込み

 

第3話 「金島家、暴風警報!」

 

〇外はもう既に日の光りが家やビルの谷間にさえぎられ一番星が輝き始めている。

 

〇史郎の家 1階台所

(パスカル、お腹がはちきれんばかりに膨らんで満足そうな幸せな笑みで、両手でお腹をポンポンたたいている。)

 

史郎

「ハハ、お腹いっぱいだね。ちょっとチャーハンの量が多かったかな。つい君の幸せそうな顔見てたらつくり過ぎちゃった。」

パスカル

「あ〜。おにゃかいっぱぁ〜い。(●^o^●)」

史郎

「飲み物、麦茶でいいかな。お腹いっぱいだけど水分はちゃんと取っておかないとね。ごはんちょっとかたかったから、胃もたれするといけないからね。」

N、太鼓腹、破裂しねぇ〜か?(-_-)

〇その時玄関の方から、ガチャっとドアの開く音が聞こえて、女性(香奈枝)のはりのある声が・・・。)

(香奈枝、不満げに何か独り言のようにぶつぶつとつぶやいて靴をバコンバコン土間で脱ぎ捨てながら・・・。)

香奈枝

「ハア〜。疲れたあ〜。ったく裕司(ゆうじ)のやつ〜家まで送ってくれりゃ〜いいのに。自分だけ車でぬけぬけと帰りやがってぇ〜。あたしが夜道でおそわれたらどうすんだっつ〜の。」

N、なんかすげ〜のが帰ってきたぞ。不良娘か? 大丈夫かあいつら。?(◎_◎;)

香奈枝

「彼氏失格だなぁ〜あいつは〜。っておい何なのこの物体は、タイヤまでついて。」

(香奈枝、土間に置き去りにされてた折り畳みベッドに気づいて。)

香奈枝

「まさか卓球台?」

N、ちげぇ〜よ。(-_-)

(香奈枝、広間にどしどし向かいながら。)

香奈枝

「ちょっとお母さん。いくらお父さんと別れて寂しいからって、ストレス発散に卓球なんて。ぎっくり腰にでもなったらどうするのよ〜。自分の年考えてよ。」

N、的確に人の傷口に塩を練りこむタイプだな〜。この女は。

(香奈枝、大広間を覗いて。パスカルがはしゃいで散らかした光景に思わず驚いて・・・。)

香奈枝

「なんだ、これはぁ〜!Σ(゚Д゚)あたしの買ったオニュ〜のじゅうたんがぁ〜びっしょびしょじゃない。」

(史郎、台所でいすに座ってパスカルの口に麦茶の入ったコップをあてながら、大広間で驚いている姉の後ろ姿に気づいて。すました顔で・・・。)

史郎

「おかえりお姉ちゃん、お母さんまだ帰ってないみたいだよ。まだ入ったばかりの慣れない仕事で忙しいのかも・・。ちなみにあれ、卓球台じゃなくてベッドだから。」

N、世話好きやねぇ〜史郎は てかきょうだい、そろって男女性格あべこべとちゃうか?

(パスカル、ふわぁ〜っとねむそうに(ノД`)・゜・。目をこすりながら史郎達の声を心地よさげに聞いている。)

香奈枝

「あんたのしわざか!(# ゚Д゚)なにこんなにちらけて・・んっ?」

(香奈枝、振り返りざま、机の上の得たいのしれない物体に気づいて目をまんまるにすると(@_@;)ありったけの悲鳴で。)

香奈枝

「きゃあ〜〜〜!☆\(◎Д◎)/☆!」

N、ほんま、にぎやかなお嬢ちゃんやなぁ〜。\(^o^)/

(だがすぐに我にかえって今度は怒りムードに変わって。顔を真っ赤にして史郎達の方にせまってきながら。)

香奈枝

「なんなのよ、そいつは!」

(史郎、冷静にすました顔のまま、うつらうつら揺れているパスカルの頭をなでながら)

N、そろそろおやすみムードか?

史郎

「たぶんアライグマだと思う。ちょっと毛並みがオレンジっぽいからレッサーパンダかなって気がしたけど、でもレッサーって顔がどこか、ねこっぽいでしょ・・。この子はどっちかとゆうと顔がふっくらしてタヌキっぽいってゆうか?」

香奈枝

「そんな事聞いてんじゃないわよ。なんでそのタヌキがうちの台所の机の上でめし食ってんのよって話しよ?」

(香奈枝、いつの間にか手に持っていたスリッパで史郎の頭をスパ〜ンと。史郎もふいをつかれて、ついムッと返すように。)

史郎

「いった〜い。なにすんのさあ〜。(`○´)!僕のベッドお姉ちゃんが取っちゃったから、中古でちょうどいいベッド売っていたから貯めていたお小遣いで買っただけだよ。それでちょうどそこにいたこの子もベッドが気に入っちゃったみたいで・・・。」

香奈枝

「あたしのせいにするんじゃないわよ。(# ゚Д゚)だいたいベッドだとあんたのねぞうが悪くて夜中に何度も下に落ちて頭ぶつけて、今よりますますたわけになるかもって気いつかって、あたしがもらってあげたんでしょうが。その事は、お母さんだって了解済みでしょ。」

(史郎、負けずに言い返して)

史郎

「だいじょうぶだよ、これ以上バカになんかならないし床にはちゃんとマットもひくんだから(#^ω^)。」

N、バカだなんて自分で認めちゃだめっしょ〜。

香奈枝

「たわけが言い訳してんじゃないわよ。それでなんでこんなもんまで拾ってくんのよ え〜っ!

(# ゚Д゚)。」

(今度はのんきにねむそうに欠伸をしているパスカルの頭をスリッパでスパーンと。パスカル、状況が呑み込めず驚いて、\(◎o◎)/!)

パスカル

「ぎゃにゃあ〜〜!」

(史郎、ぶたれてぐすんぐすんと涙目になっているパスカルの頭をなでながら)

史郎

「やめてよ、かわいそうだよ。そのスリッパ外用でしょ。底が厚くてなぐられるとすごい頭に響くんだから。アラグマくん、泣いちゃったじゃないか!」

香奈枝

「おらあ〜〜〜っ!(# ゚Д゚)」

(瞬間、目を光らせた香奈枝によってパーンと天井に投げつけられたスリッパが床に落ちると同時にぽとりとゴキブリが一緒に落下してぴくぴくしている。その様子を一瞬時間が止まったようにあぜんと眺めている史郎とパスカル(゚○゚)!(゚□゚)!)

N、香奈枝姉ちゃん、ただものじゃね〜なこりゃ。(◎_◎;)

(香奈枝、何事もなかったように、今度は机の上に置いてあった求人誌をつかんで、)

香奈枝

「あたしがネコアレルギーだってこと知ってるわよね。大の動物嫌いだってことも。」

史郎

「アライグマはねこじゃないし綺麗好きだよ。(`^´)」

香奈枝

「めし食って、部屋散らかして、うんちすりゃ〜みんな一緒だっつ〜の!(#゚Д゚)」

N、めちゃくちゃ言ってんな〜。

(香奈枝の怒りのほこさきが、いつの間にかパスカルに向けられて。パスカルの後ろ頭を求人誌でつんつんこずきながら)

香奈枝

「あんたいつまで机に座ってんのよ。え〜っこらあ〜。(`ヘ´)どこほつき歩いたか分かんないばい菌だらけの身体で、きったならしいったら。(#゚Д゚)」

(いきなり求人誌でパスカルの背中をバシバシたたきはじめた。パスカル、とうとう火がついたように鳴きはじめて。)

パスカル

「あぎやぁ〜。いちゃあ〜い!(;´Д`)」

(香奈枝、かまわずバシンバシンと無抵抗のパスカルをさらに何度もたたきながら)

香奈枝

「なにが、いちゃあ〜いだ。もののけの分際で、しゃべるんならちゃんと日本語しゃべれっつうの。フグみたいな腹しやがってえ〜。その身体3倍に腫れ上がる前に出てった方が身の為だぞこの〜、この〜。(`○´)まったく彼氏には逃げられるし本当最悪だわ〜。(`〜´)」

N、八つ当たりかよ?

パスカル

「ああ〜ん!(≧○≦)いちゃい、\(☆Д☆)/!いちゃあ〜い。( ノД`)シクシク…」

(耐え切れなくなって、鳴きわめきながら家じゅう逃げ回るパスカル。でも食べたばかりの太鼓腹でそんなに早く走れない。部屋の奥に走ってゆきその後をなおも、たたきながら追いかけまわす香奈枝)

香奈枝

「おらおら〜出口はそっちじゃないだろ〜この〜。あたしの買ったじゅうたん、びたびたにしやがってこのアホが〜。あばれんなこら〜、毛じらみが家じゅうにとぶだろが〜(# ゚Д゚)。とっとと、出てけこのやろ〜!」

N、香奈枝ちゃん、なんだか楽しんでね〜か?(-_-)

(史郎も止めようと半分泣きながら一人と一匹の後をひたすら走るように追って・・・。ついにたたかれてるパスカルをかばうように身を乗り出して大声で)

史郎

「やめてってばあ〜〜。」

(香奈枝が振り上げた求人誌がすばやくかわしたパスカルの変わりに身を乗り出してきた史郎の顔面にバチ〜ンと見事に直撃した。香奈枝は気にもせず取りつかれたように2階へ必死で逃げていったパスカルを追いかけていった。)

(史郎、ひとりその場に取り残され鼻血をたらしながら。涙目で・・・。)

史郎

「いったあ〜い。(T_T)」

N、とんだピエロだったなぁ〜。でもおま〜はようやったわ。(^◇^)

(ちょうどその時、玄関の方から母「楓(かえで)」らしきどこかおっとりとした声が!)

「たっだいま〜。はあ〜あお腹すいちゃったわねぇ〜。今日でパート始めて3日経つけどレジ打ちってなかなか慣れないわねぇ〜、母さん今日も店長さんに小言いわれちゃったあ〜。またパート変えちゃうかも〜♪。ホホホッ。」

N、母ちゃんノー天気に鼻歌かよ?

(楓も玄関に置いてあるキャスター付きのベッドに気づいて。)

「あら?これって ひょっとして卓球台?」

N、だから、ちげぇ〜って。(ー_ー)!!

(楓、そそままルンルン笑顔で台所へ向かいながら。)

「ねえ〜誰が買ってくれたの〜♪(^^♪お母さん前から卓球がしたいって言ってたもんね〜?さっそくお風呂前にみんなで一緒にちょうどいい汗ながしましょ〜♪。」

(そんなうきうき気分の楓を素通りするかのように2階から香奈枝のかん高い罵声が・・・。)

香奈枝

「お母さあ〜ん!ほうきとちりとり持ってきてえ〜(# ゚Д゚)ついでに丈夫なゴミ袋も。」

(楓、わけが分からず・・・。)

「はい?(・_・)」

 

つづく

☆次回予告。

史郎の姉に無造作にたたかれ、いたぶられるパスカル。次回ではそんな動物嫌いになった香奈枝の秘密と過去があきらかに。パスカルは無事家族として金島家に認めてもらえるのでしょうか?

説明
ようやく新しい家族が見つかったパスカルくん!\(^o^)/
主人の金島史郎(かなしましろう)はパスカルにとてもよくしてくれています。だがそんな幸せの時間もつかの間、史郎の姉、金島香奈枝(かなしまかなえ)が帰ってきて・・・。とんだ暴風ハプニングに・・・。(◎_◎;)
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