知流との絆語り
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風邪を引いてしまった。

起き上がれない程辛いというものではないが、頭がぼーっとする。

布団を被っていても全身がブルブルと震える。自分の内から冷気が発せられるような感覚。

後頭部の水枕が冷たいのかぬるくなっているのかすら、分からない。

「オガミさん、大丈夫?」

「ご主人様、早く良くなってねー」

かわるがわる式姫達が見舞いに来てくれるのが少し嬉しい。

だが、全員が俺の看病に回るとひと悶着起きそうな予感がしていたので、ぼんやりする頭を必死に働かせてどの式姫に看病を頼むか考えていた。

 

狗賓さんは家事で忙しそうだし、鈴鹿は喜んで看病してくれそうだが、ちょっと不安だな。

真祖は……逆にこっちが面倒見てやらないといけなくなりそう。

「うーむ、誰か適役は……」

暇を持て余していて、そこそこ気遣いが出来て、ほっとさせてくれそうな式姫。

――そうだ、咲耶ちゃんに頼んでみよう。いい匂いがするし。

ゴソゴソと布団から這いずり出ると、俺はふらついた足取りで部屋を出た。

 

 

 

「えーっと、咲耶ちゃんの部屋はどこだったかな……」

朧げな記憶を頼りに廊下を歩いていく。式姫が増えてくると、部屋をいちいち覚えるのも億劫だ。

咲耶の部屋の前に着き、声をかけようとすると

「さく――」

「おや、オガミじゃないか」

姉の声に遮られた。ちょうど廊下を曲がった所で俺の姿が目に入ったらしい。

「顔色が悪いね。大丈夫かい?」

「え、えぇ、まぁ……」

俺は力なく微笑んだ。半分はあんたの責任だよ、と心の中で毒づく。まずい事になったな……。

咲耶ちゃんに看病をお願いしに来たなんて言えば、この姉は何を言い出すか分からない。

あたいの妹に看病を頼むなんて、いい神経してるじゃないか。だけど諦めるんだね。

こう言われるのがオチだろう。かといって、他にうまく言い逃れる虚言なんてすぐには思いつかない。

体調不良に加えて挙動不審な主に対し、知流は怪訝な表情で先手を打ってきた。

「咲耶に看病でも頼みに来たんだろう?」

「えっ!?あぁ、はい、そうです……」

ズバリ言われては否定もできない。

俺が叱られた生徒のように委縮していると、知流先生は怒るどころかニヤリと笑って口を開いた。

だけど、諦めるんだね。きっとそう言うんだろう。

「あたいが看てやろうか」

「……はい?」

予想外の返答に、俺は思わず聞き返した。耳は正常である。

「なんだい、嫌なのかい?」

「いえいえいえいえそんな事ないです全然」

「それだけ元気があれば大丈夫だろう。じゃあ、後で部屋に行くからね」

ポンと肩を叩いて、知流はそのまま通りすぎて行った。

うーむ、予定が大きく狂ってしまったが……まぁいいか。

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部屋に戻って大人しく布団を被っていると、大小様々な荷物を抱えて知流がやって来た。

「……何ですか、その荷物は」

「香の道具と本さ。看病している間、暇になりそうだしねぇ」

「まぁ、いいですケド」

「すまないね」

全く悪びれた様子もなく、煙管を吹かしながらさっさと自分用のスペースを構築し始める知流。

俺はぼーっとしながら、部屋の約半分がの彼女の領域に置き換わっていくのを見つめていた。

面倒見が良いのか自分勝手なだけなのか、よく分からない。

 

「あのー、ご主人様。水枕の替えを持ってきました」

お、もう一人の臨時ナースさんがやって来たようだ。

作業中だった知流が手を止めて、スタスタと部屋の入口に向かう。開け放たれるとそこには、濡女子の姿があった。

「あ、あの、これを……」

「水枕か。これはあたいが替えておくよ、ありがとうね」

知流の肩越しに不安そうに俺を見つめる濡女子に対し、俺は親指をビッと立てた。

「ありがとう」

「何かあったら呼んで下さいね。では、また」

「こらこら、ちょっと待ちな」

立ち去ろうとする濡女子を引き止め、知流は俺の頭の方へ回りこむ。

「んじゃ、ちょっと失礼するよ。よい、しょっと…………はい、これ。すっかりぬるくなっちまってるね」

「あ、ありがとうございます。あの、ご主人様の事、よろしくお願いしますね」

「はいはい、あたいに任せておきな」

氷が大量に入っているらしく、頭を少し動かす度にガラガラという音と硬い感触を後頭部に感じる。

快眠には不向きだが、おかげで熱はしっかり取れそうだ。

 

「ところで、咲耶とは仲良くやってるかい?」

二人きりになると、知流が切り出してきた。

「まぁ、ぼちぼち……」

適当な返事でお茶を濁す。

普段からニコニコしており、誰とでも話せる朗らかな性格の咲耶。

俺が看病を頼んでも、恐らく彼女は断らないだろう。

たまに一般常識からかけ離れた事を言い出したりするのだが、まぁそこも可愛いさの一つ。

お嬢様の雰囲気を醸し出していながら、高嶺の花というのもどこか違う。

喩えるなら、個性的な式姫達の集う百花繚乱の庭に咲く、一輪の綺麗な花といったところか。

口に出すと恥ずかしいので、あえて言わなかったが……。

ただ、この姉さえいなければもっと積極的に仲良くしたいというのが俺の本音であった。

なんせ、この看護婦は可愛い妹の前以外では殆ど笑った事がない。

向こうが俺に対してどう思っているのかは分からないが、知流に対してはそういった怖い、というより近寄りがたい感情を抱いていた。

 

「知流さんって、優しいんですね」

とりあえず正攻法から攻めてみるか。

「ん?何だい急に」

振り返った知流に、弱弱しい笑みを向ける。

「…………ふん、まだ熱があるようだね」

お、誤魔化した。

無表情を装っているが、褒められて少しはまんざらでもないのかな。

「何か食べたいモノとかあります?」

「それは、あたいが尋ねるべき質問だと思うんだけどねぇ」

「いやまぁ、看護のお礼というか、なんとなく」

「気遣ってくれるのは嬉しいけどね。あんたはまず、自分の不調を治す事を第一に考えな。

看ると言い出したのはあたいの方さ、頼まれてやってるわけじゃないんだから余計な気を回さなくていい」

そう言われると元も子もない。

「だけど……ふむ、そうだねぇ。あたいは甘いモノは要らないよ、苦手でね」

「どうしてですか?」

「ん?好き嫌いを語るのに、いちいち理由がいるのかい?」

「あぁいや、そういうつもりじゃ……すみません」

うーむ、中々円滑な会話ができない。俺は一旦口を閉じて、煙管から立ち上る煙を眺めていた。

タバコの煙は嫌いだったが、この煙にはニコチンやタールといった成分は含まれていない。

眠りの効能がある事は熟知している。ただ、今はまだ眠くならなかった。

 

時々煙をくゆらせながら、知流は読書をしている。会話が途切れても、向こうから話かけてくる様子はない。

元々そういう性格なのか、病人の俺を気遣って静かにしているのか。あるいは、その両方かもしれない。

ただ一つ残念なのは、本に遮られて彼女の豊満な胸が見えない事。

もっとも、見つめていると余計熱が上がってきそうではあるが。

 

俺は知流に背を向けて、目を瞑った。

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しばらく目を瞑っていれば眠れるだろうと思いきや、これが何分経っても眠くならない。

聴覚が通常の何倍も研ぎ澄まされたようで、ページのめくれる音や知流の煙を吐くふーっという吐息がよく聞こえる。

……意識するなという方が無理だ。

悶々としたまままどろんでいると、再び濡女子が部屋を訪れてきた。

「お粥をお持ちしました。あの、オガミさんは……?」

「あぁ、今はぐっすり寝てるよ。これは枕元に置いておこうかね」

「じゃあよろしくお願いします、知流さん」

そういえば、他の式姫達はあれから来なくなったな。

まぁ知流の煙が立ち込めるこの部屋、進んでやってくる奴はまずいない。

正直、今は騒々しい事態はなるべく避けたいと願っていたのでありがたい事この上ない。

もしかして、これを見越して知流は看護役を買って出たのかな……?

「起きれるかい?」

「…………まぁ、なんとか。俺が起きてるの分かってたんですね」

「あぁ、眠っている奴とそうでない奴を見分けるのは慣れてるからね」

体を起こして、知流が椀に盛ってくれたお粥とレンゲを受け取る。

「なんかこれ、濡れてません?」

「あたいじゃないよ。文句ならあの子に言いな」

「……いただきます。ふーっ、ふーっ」

もぐもぐもぐもぐ。美味い。

「美味そうに食べるねぇ、あたいにはそんな顔は出来ないよ。もぐもぐ」

盆には、おにぎりを乗せた皿もあった。こちらは知流の為に用意されたものらしい。

「おにぎり、美味しくないですか?」

「いや美味いよ?」

「もうちょっと美味そうな顔出来ないんですかね」

「うるさいねぇ、どう食べようがあたいの勝手だろ」

「スンマセン……」

余程腹が減っていたのか、どんどんおにぎりが無くなっていく。外見からはイメージできないが、実は大食いなのかな。

俺がのんびりお粥を口に運んでいる間に、とうとう皿が空になってしまった。

「御馳走様」

「早っ!?……知流さん、俺の分は?」

「あんたはお粥で充分だろう」

「おにぎり……おにぎり……」

「むう、そんなに腹が減ってたのかい。じゃあもう一度あの子に頼んで――」

「知流さんのおにぎり」

「はぁ?」

 

「知流さんのおにぎりが食べたいです」

 

「寝言は寝てからいいな」

「おにぎりおにぎりおにぎりおにぎりおにぎりおにぎりおにぎりおにぎり――」

「あーもう、分かったよ!……ったく、しょうがないな。ただし、後でだ」

おにぎり妖怪の勢いに根負けした知流は、額を押さえて大きなため息をついた。

あたいはなんでこんな奴の看護なんかしてるんだろう。顔にそう書いてある。

 

自分でも変だなと思う。気心知れた仲ならともかく、知流に駄々をこねるなんて。

普通の俺なら絶対にしない、どうかしているとしか思えない。風邪の熱でいよいよ頭がやられたか。

 

そして知流も知流だ。

いくら相手が病人とはいえ、睨みを利かせて黙らせるとか断る方法はいくつもある。

実は面倒見がいいのか?それともただの気まぐれか。……まぁ後者だろうな。

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「随分、あの子の事を買っているようだね。どうしてだい?」

食事が済んで雰囲気が落ち着いてくると、知流が尋ねてきた。

「え?濡女子の事ですか?」

「そうさ。何故あの子を看護役に選んだのか、ちょっと気になってね」

「うーん、どうしてって言われても」

「癒しの力なら、あたいや咲耶の方が上だよ」

「それは分かってるんですが……」

「ああいう控えめな子が好みなのかい?」

俺は黙って首を横に振った。惹きつけられる、という程のものではない。恋愛感情とは微妙に違う。

例えるなら、かぶきりひめのお茶のようなものだろうか……どこかほっとするのだ。

「まさか、ふしだらな目で見てるんじゃないだろうね」

「違いますって」

「ははっ、冗談だよ。ちょっとからかってみただけさ」

 

「強いて言うなら、水だからかな」

「何だって?」

「水って、容れ物によって自在に形を変えるじゃないですか」

「水、ねぇ」

文句の一つも言わずに、水は四角く丸く自在に収まる。

潤いを与え、舟を運び、時には雨や池となって人や自然を助ける。

俺や式姫達から誰にも恨まれる事もなく、謙虚に行動し、自ら荒ぶる事もない。

濡女子の行動原理は身近にあって理解できる。自己犠牲を旨とする、おさきとは似て非なるもの。

まぁ洗濯物を濡らされたり、愛読していた古本を台無しにされた事もあったけれど。

「ううん、どう言えばいいのかなぁ……」

色々と思う事はあるが、熱を持った頭では上手く言葉にできない。

 

「上善は水の如し」

知流がポツリと呟いた。

「ん?」

「自然のままに誰にも縛られず、捉われない。あの子のような振る舞いは、なかなか真似出来る事じゃないよ」

感心したように頷く知流を俺は口を半分開けて眺めていた。まさか、妹以外の式姫を褒めるなんて。

「って、この前夜摩天が言ってたね」

「……ただの受け売りじゃないですか、それ」

「まぁそうだね。けれど、あの子ならあたいより多くの人を助ける事が出来るんじゃないかと思うよ」

「あれ?さっき癒しの力なら負けないって言ってたんじゃ」

「……ったく、いちいちうるさいねぇ。オガミ、覚えておきな。あたいに出来るのは目に見える傷を治す事だけだ」

「…………」

「あの子は見えない所まで癒せる。そういう事さ」

「心、とか」

「そうだね」

「それは、ないんじゃないですか」

「何?」

「自分の心を癒せるのは自分だけですよ」

 

周りに誰がいても、心はいつだって一人きりで。

誰にも悟られず招き入れる事もできない部屋には常に自分しかいないのだ。

故に、自分の心を救えるのは自分だけ。苦しくても壊れそうでも、心は誰にも伝わらない。

何度逢瀬を重ねても、体を交合う日々に明け暮れても。

 

辛い時に誰かに頼りたくなるのはごく自然な心の動きだが、誰かに依って心が救われる事などあり得ない。幻想だ。

家を出る前から、心はとっくに自立している。自分の心の世話を、他人に押し付けてどうする。

適当にくっちゃべって、愚痴をこぼして、心中のモヤモヤを共有した気になっているだけに過ぎない。

心が分かり合えたと勘違いして脳内物質が分泌され、仮初めの満足で誤魔化しているだけだ。

 

勿論、人は一人で生きているわけではない。

だからこそ、己の心の世話くらいは己の手で行うのだ。

 

……なんて、偉そうな事は言わなかったけど。

主の心中を察したのか、知流は苦虫を噛み潰したように露骨に厭な顔をした。

「はぁ。つくづく面倒くさい奴だねぇ」

「なんか変な事言いましたっけ?」

「あんたなら、人の厚意を蹴る事も躊躇しないんだろうね」

「……要らないモノなんかもらっても仕方ないでしょう。自分も、相手も」

不要と判断されたモノは例外なくゴミ箱に放り込まれる。

過ぎた厚意が生み出すのは感謝ではなく憎悪。ありがた迷惑というヤツだ。

この前も鈴鹿と話し合ったばかりじゃないか。美味しい桃を送れば、相手に喜んでもらえるとは限らない。

俺達は喜んでもらう事を前提に贈り物を用意するが、その結果が憎悪を招いたとしてもそれは不条理でもなんでもない。

喜んでくれるのは当たり前で、喜ばれなくても当たり前だ。

 

必要なモノは、時と場所と場合によって刻々と変化していく。

心がこもっていようがいまいが関係ない。無条件で相手が喜んでくれる贈り物など、この世のどこにも在りはしない。

 

「なら、一つ試してみるとするかねぇ」

そう呟くと、知流は煙管を置いてすっと立ち上がり、障子の方へ歩いて行った。

あ、怒らせちゃったかな。ごめんなさい知流さん、大人しくするから置いてかないでー。

「そんな捨てられた犬みたいな顔するんじゃないよ」

「くぅーん……」

「ちょっと台所へ行くだけだ、すぐに戻ってくるよ」

おっ、台所という事は……!

二転三転する俺の顔を見て、知流が小さくため息をついた。

「あたいの厚意は、無下にするんじゃないよ」

ピシャリ、とやや乱暴に障子が閉められる。

 

 

 

なんだかんだ言って、優しいんだなぁ知流さん。

説明
知流姉さんに看病してもらうお話です。

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