ルチアさんの描いた絵を覗く唯

恐らくヒューマンであろう男女の二人がキスをしている絵がある

「今回はノーマル？」

「え？」

「え？」

「違うわよ、今回は◯◯よ」

「嘘！？」

「なんで嘘つかないといけないのよ」

「嘘ｫ。ねえルチアさん、これ写真撮って何人かに見せていいかしら？」

「んー、ノーマルと思われたってことは失敗だし、いいわよ。新しくかくから」

カシャっ！

「ありがとルチアさん」

とりあえず居酒屋「あい」に向かう唯

「茶トラぬい先生！魔法ちょうちんさん！」

「(なんだなんだ未成年が)」

「今更なによ」

「(何か用か？」

「ちょっと見て欲しい絵があるんだけどね、これこれ」

「(「(ん？)」)」ｼﾞｰｰ

「これ、何に見える？」

「(百合だろ)」

「(百合だな)」

「嘘っ！？」

「(嘘って、じゃあお前には何が見えるんだ)」

「どっからどう見てものノーマルでしょ！？ほら」

「(どっからどう見ても女の子同士がキスしてる絵だろ)」

「(いつからノーマルだと錯覚していた？)」

「酔っ払いに聞いた私がバカだったわ」

「(その絵、ルチアさんだろ？正解はなんだ？)」

「(ああ、確かにまだ唯の解釈しか聞いてないな)」

「実はこれ、◯◯らしいの」

「(………)」

「(………)」

「(「(全く見えん)」)」

「そうよね…(^^;)」

「(…イリーナのところに行きゃあ、わかる……だろ)」ｹﾞｯｿﾘ

「そっか、じゃあ行ってみよう」

アシモフ・ラボ

「やあ唯ちゃん。見て欲しい絵があると聞いたが、なんだい？」

「実は…これなんですけどぉ」

「ほうほう」

唯からスマホを受け取るイリーナ

「…どっからどう見てもオネショタものだね」ﾆﾔﾘ

「え？」

「違うのかい？」

「これ、◯◯らしいんですよ」

「まじか！？」

「ええ。でも、私にはどっからどう見てもノーマルだし、

茶トラぬい先生や魔法ちょうちんさんは酔っ払ってたとはいえ百合だって言うし…

イリーナ博士はオネショタに見えるんですよね？」

「うん」

「なんでだろう…」

「人によって見え方が違うというのは割といろんなものであるからね」

「へー」

「先入観や、塗ってある色を光と見るか、影と見るか、ベースと見るかでだいぶ変わる」

「あー確かに」

「でもこれはどっからどう見ても、先入観抜きにしてもヒューマンのオネショタ」

「…」

「あくまでボクの意見だから流してくれて結構だけど、やっぱりオネショタだよ」

「もういいや、私別の人に聞きに行ってくる」

「えー…」

フェルナンドの元へ向かう唯

「フェルさーん」

「どーも唯ちゃん。ルチアの絵で見てもらいたいものがあるんですってね」

「ええ、そうなの！この絵なんだけど…」

「どれどれ」ｼﾞｰｰ

「何に見える？」

「…ルチア……blにまで目をつけたのね」

「え！？」

「ん？合ってなかったのかしら？」

「正解も正解よ大正解！なんでわかったの？やっぱり同業者だから？」

「さあ？私にはむしろそれとしか思えないわ」

「すごい」

「なんでそんなに驚くの？

「だってこれ、いろんな人に見せて回っても、私はノーマル、茶トラぬい先生たちは百合、イリーナ博士はオネショタって言ったんだもの」

「…ありがとう」

「何が？」

「最高のネタを考えたわ！」

翌日

「(お！新作できてるできてる)」

「(今日の作者は…ルチアさんとフェルナンドさん二人かー)」

「(どれどれ…)」

「(げっ、ルチアさんの方blじゃねーか…)」

「(フェルナンドさんの方は…」

「(なんだろ、これ)」

新感覚！性別なしの純愛ストーリー

「(よ、よくわからんが…気になるなぁ…)」

「(買って見るか？)」

「(買ってみよう)」