yurigame!11〜青葉vひふみ5
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Yurigame11_aoba_hihumi5

 

*青葉とひふみが同棲してる設定のお話です*

 

【ひふみ】

 

 コウちゃんがいなくなってからはじめちゃんやゆんちゃんも色々と新しいことを

始めて。最初は目まぐるしく役割が変わっていくから戸惑っていた私もようやく

落ち着いてきた。新しいゲームを作ってる最中だけれど、まだ余裕がある時期だから

私は青葉ちゃんの様子を見に足音を立てずゆっくりと覗き込むと青葉ちゃんの席には

誰もいなくて周りを見てると青葉ちゃんが紅葉ちゃんに仕事を教えていた。

 

「これはこうした方がよくない?」

「でも…こうしても良いと思いませんか?」

「あぁ、なるほど…」

 

 ジッと見てると少しずつ紅葉ちゃんとの距離が少しずつ縮まっていき、やがて体が

密着して紅葉ちゃんが握るマウスの手の上に青葉ちゃんが手を重ねていた。

 

 仕事のことだってわかってはいるけれど、なんでだろう…もやもやする…。

 

「ん、あれ。ひふみ先輩?」

 

 私の強い視線に気づいたのか、青葉ちゃんが振り返って私を見ると私は慌てて

自分の席に戻っていった。まるでいけないものを見てしまった時みたいに心臓が

バクバクと激しく鳴っていた。

 

 その後、少しそのまま待っていたけど青葉ちゃんが来ることはなかった。

半分ホッとして、もう半分はモヤモヤ。

 こんなちょっとしたことで割り切れない自分が嫌だった。

 

 

**********

 

【青葉】

 

 紅葉ちゃんと新しいゲームのキャラ作りのことで白熱していたら背後からすごい気配を

感じて振り返るとひふみ先輩が顔を真っ赤にしてすごく驚いた表情をして逃げていった。

追いかけるべきか、でも自分の仕事もあまり進んでいないから仕事を進めたい気持ちも。

 

 先輩も私と紅葉ちゃんのやりとりを仕事をしていると思ってることを信じて

私は自分の席に座って遅れた分の仕事の続きを始めた。

 

 予定より遅れて仕事を終わらせると、私を待っていたひふみ先輩の元へ慌てて

向かっていった。

 

「ひふみ先輩!一緒に帰りましょう!」

「うん…」

 

 ひふみ先輩はちょっと顔を赤らめながらどこか困ってるような複雑な表情をしていた。

電車に乗るとひふみ先輩は視線をやや上を向けてボ〜ッとしていた。

いつもなら帰りの途中でも仕事の話をしたり、夜ごはん何にしようかとか。

そういう何気ない話で盛り上がるんだけど…様子がおかしい。

 

「ひふみ先輩、なんだか…疲れてます?」

「え、ううん。大丈夫…だよ」

 

 本人がそういうならこれ以上は聞けない。本当は心配してるんだけどな…。

そう思いながらひふみ先輩が食いつきそうな話題をそれとなく聞いてみるけど

どれもいつもの可愛い反応をするひふみ先輩の表情を見ることはできなかった。

 

 電車から降りて駅を出て、家まで歩く間も少しずつ沈黙が重くなって

ついに私からも話しかけることができなくなってしまった。せっかくの二人の時間だから

もっとお喋りしたかったんだけどな…。ちょっとしょんぼり。

 

 その後、すぐに家について私は中に入ると気まずさに耐えられずケージの中にいる

宗次郎に話しかける。それから上手く話しができないまま夕食の時間に。

二人で用意をして終わらせると静かに席に座ったひふみ先輩は一人晩酌を始めていた。

 

 いつも美味しそうにじっくり味わうひふみ先輩が、少し飲む進みが早い気がした。

そしてペースが乱れて酔ってきたのか少々顔が赤くなった辺りで…。

 

「青葉ちゃん…!」

「は、はい…!」

 

 私の名前を少し気持ち強めで呼ぶとひふみ先輩は涙目で私のことをジッと見ていた。

その目は会社で私を見ていた時に似ている気がした。

 

「私のこと…飽きちゃった…?」

「ええ!?」

 

 いきなり言われて私はびっくりしてつい大きめな声を出してしまった。

 

「だって…紅葉ちゃんとずっと一緒にいて…私に構ってくれなくて…」

 

 お酒が入ってるとはいえ、珍しい…というか初めてみるかもしれない。

ちょっとぐずりながら構って欲しがってるひふみ先輩の姿…かなり可愛いかも。

 

 一瞬、よからぬ考えをした私はすぐにその考えを振り払ってお酒を置いて空いた手を

握って顔を近づける。

 

「それは…紅葉ちゃんは可愛い後輩なんで…先輩ぶりたかっただけですよ…」

「本当…? 本当は紅葉ちゃん…のことが好き…なんじゃないの…?」

 

「はははっ、ないですよ。私のこの恋する気持ちはひふみ先輩だけです。

浮気なんてしませんよ」

 

 ジッと私はひふみ先輩の目を見つめながら力強く言った。すると少し強張っていた

ひふみ先輩の表情が緩んで、安心したような笑顔を私に向けてきた。

 

 きゅんっ

 

 漫画の効果音のような感覚が私の胸を震わせた。可愛い、可愛すぎる…。

手を握って顔を近づけている今、このままキスをしたくなる。

 

「青葉ちゃん…」

 

 ひふみ先輩のお酒の入ったちょっと熱っぽい声と表情が色っぽくて…。

私の胸は近づくほど強く鳴っていく。私は立ち上がってひふみ先輩の傍に近づき、

吸い込まれるようにひふみ先輩の唇に軽く触れそしてキスをした。

 お酒の匂いが混じってお酒に慣れていない私はクラクラして

いつもより強気に…ひふみ先輩の口の中に舌をいれると普段は怖がるところを

ひふみ先輩は私のことを受け入れてくれた。私を求めるように先輩の方も舌を

合わせてくれて絡ませあった。

 

 舌や唇が動くたびにいやらしい音が聞こえて、より興奮してくる。

とろけるような表情をして抱き合ってまるで溶けて一つになるような錯覚さえ感じていた。

 

 立ったまま二人でふらふらしながらキスをしていたら姿勢を崩して私がひふみ先輩を

押し倒すような形でソファに倒れる。顔を赤くして汗をかいて息が荒くなってる先輩。

私は少しの間、その先輩の様子を見つめて脳裏に焼き付けてから強く抱きしめた。

 

「不安にさせちゃってごめんなさい」

「青葉ちゃん…」

 

「今度から時間ができたらひふみ先輩のところに行きますね」

「うん…私の方も…ごめんなさい…」

 

 抱きしめてからしばらくして二人で立ち上がり、

私は台所までいくと水をコップに入れてひふみ先輩に飲ませた。

 

 部屋の隅でジト目で私たちの様子を見て呆れたような態度で巣に戻る宗次郎が見えた。

私はその姿を見て軽くクスッと笑った。ペットにも心配されるようじゃだめだなぁって、

そう思った。

 

 

**

 

「青葉…ちゃん。お昼一緒に…いかない?」

「あ、いいですね。行きましょう」

 

 次の日から自由のきく時間ができたら二人で行動することが増えてきた。

それと、ひふみ先輩の笑顔が前より多く見れるようになって嬉しい。

時間の使い方にも慣れてきたみたいでひふみ先輩以外にも効率よく接することが

できて特に問題なくやっていけている…。まぁ、仕事はちょっと遅れてるけど。

 

「そうだ…青葉ちゃん…もう少ししたらみんな泊まりになるかもしれないから…、

がんばろうね…」

 

「はい…!がんばります!」

 

 どんなに大変なことでも好きな仕事とひふみ先輩のその笑顔が見られれば

私はどんなことでも乗り越えられそうな気がした。

そして人のいないエレベーター内で私はそっとひふみ先輩の頬に口づけをした。

 

 一瞬びっくりした表情のひふみ先輩も口づけをした部分に軽く手を当てると

私を見て微笑んでいた。ずっとその顔を見ていたかったけれどエレベーターが

一番下に到着して扉が開いた。

 

「じゃあ、行きましょうか。ひふみ先輩」

「うん…」

 

 そう言って私は先輩の手を引いて歩きだした。

お互いの気持ちを確認して、また一つ前へと踏み出すのだ。

 

お終い

説明
最近青葉が紅葉と急接近してるのを目撃してもやもやして不安なひふみ先輩なお話。
(二人が同棲してることが前提のお話(yurigame1話参照))
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