血塗りの阿修羅像!(版画、落書き!)
説明
昨日に続いて「ダイビング!」のホラー小説のあきらです。
期末試験習慣で学校も早く帰れるのだが、不良ぐせのあるあきらは、勉強もほとんどせずふらふら遊び歩いています。この日は、ゲームセンターで夢中ですっかり遅くなっておまけに夕立の激しい雷や雨に襲われ、ふいに飛び込んだお寺のような小屋には、薄暗く陶器のような骨董品が沢山あった。奥には仏像のような巨大な人形も、陶器も含めお札のようなものが張られていた。
あきらは気にせずいたまに土足で座り込むとすぐに持っていたスマホゲームに夢中になり、雨が止むのを待っていたが、時より、「う〜っ」と低いうめき声が耳に入ってきた。だが、スマホ中毒のようにゲームに夢中になり過ぎていたこともあり、その声を確かめようともしなかった。
ゲーム機の怪物に、「しぶてえなあ、まだ死なないのか!」と何度も、しね、しねと連破して舌打ちをしていたらふいに殺気を感じ、ふりむくと恐ろしい顔をした、3つの顔の仏像が今にもあきらに襲い掛かるような眼差しでするどい爪のある数本の手で頭をおもいっきりつかんできた。仏像は、恐ろしく低い声で、
「おまえも、死にてえかあああ〜〜〜!」

あきら
「ぎゃああああ〜〜〜〜!」

あきらは持っていたスマホを仏像の顔をめがけてなげつけると、力まかせに仏像の手を振りほどいてどしゃぶりで雷のなかを飛び出すようにへっぴり腰で逃げていった。

このお寺は、お客様から、頼まれたわけありの人形や品物などを供養する所で、あの仏像は、ある精神錯乱者の物好きの所有物だったらしく、家に誘拐して連れ込んだ人達を仏像の前で殺しては楽しんでいた大量殺人鬼のようだ。ようやく逮捕されたらしいが、おびただしい沢山の人の血しぶきが仏像にかかり、亡くなった者たちの怨念が染み込んでいるかもとここのお寺に供養を求めたらしい。

なぜ、あきらの前でお札がはがれたのかは謎である。

ひょっとしたら、ゲームで遊んでいる時の表情や声が持ち主の声と似ていたのかもしれない!
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