左利きの魔剣士66
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市場でマフィンとハムとレタスと卵とバターを買って帰りました。マフィンは横からナイフを入れて、ハムは薄切りにして、手でちぎったレタスと一緒に挟みます。ポーチドエッグを作って、黄色いバターのソースをかけました。

 

「はい、エッグベネディクト!」

 

「これこれ、もう一度食べたかったんだ」

 

「これって本当は朝ごはんに食べるものだと思うんだけど」

 

「これが食べたかったんだからしょうがないだろう?」

 

「別にあんたがそれで良いなら構わないんだけど」

 

食事が終わって寛ぎながら尋ねます。

 

「ルリはメリッサの記憶もあるって言ってたけど、やっぱりあの時の記憶もあるのか…」

 

「あの時ってあんたがメリッサを倒した時の記憶かしら?」

 

「あれはあまりルリには知られたくなかった」

 

「しょうがないでしょ?あんたもあの時はテンプテーションにかかってたようだったけど、メリッサはあんたの事を気に入ってたみたいね」

 

「俺はあれが初めてだったんだよ…。本当はルリが良かったんだけど…。でもあれはルリの体だから…。いや!違うのか?訳がわかんなくなって来た…」

 

「あんたとした時の記憶は残ってるけど…。それまでにした中では、一番良かったわよ」

 

「メリッサもそう言ってたな…」

 

「もう一度してみる?」

 

「えっ、してみるって?何を…」

 

「メリッサも可哀想な女だったの。自分の体を武器にして、好きでもない男に抱かれて、惚れた男に尽くして、愛されようと努力して、それでも利用されるだけで捨てられて、悪い魔女だと罵られて、そのうち誰も愛せなくなったの」

 

「ルリにはメリッサの気持ちがわかるのか?」

 

「ええ、私も似たようなところがあるから共感できるわ。メリッサはあんたを本気で愛していたのよ」

 

「そうなのか…。でも俺が好きなのはルリだけなんだぜ?」

 

…つづく

説明
処女作の復刻版、第66話です。オオカミ姫とは無関係のオリジナル小説ですが、これを掲載する前に書いていた、オオカミ姫の二次創作とかなり設定が酷似しています。
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