連載小説19
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私は意気揚々と、続きを話し始めた。

 

 

「んでね、先生が言ったのね。『今月の月刊忘れ物大将には、次の課題、

モデルの刑を処す!』て」

「ほうほう。人物デッサンですかな?」

「〜〜〜〜っ! えりか、言わなくていいっ!」

 ふっふっふ。ここで止めようと、話の流れは伝わってるだろうに。キヒヒ

「今更無駄だと思うけどねぇ」

「くっ!」

 ふっふっふ。楓に一矢報いなきゃ、納得できないね!

「楓さん、モデルやらされたんでしょ?」

「そういう事。なんだけど、これがただの人物デッサンじゃなくてさ」

「〜〜っ!」

 こういう話は楽しいもんだ。私は話を続ける。

「なんていうか、シュールレアリズムのデッサンで」

「て事は…ピカソみたいな?」

 ピカソみたいか…木谷さんは察しがいい!

「ピカソでもいいし、他のでもいいし」

「くっくっく! ごめん、楓さん。笑いをこらえるのが…っ!」

「もういいよ。だけどさ…あれはひどいと思わない? 普通のデッサンなら」

 当時描かれた絵を思い出す。まぁ、爆笑だったのは言うまでもない。

「でも、変じゃないと罰ゲームにならないしねぇ」

 罰ゲーム…だららこそ笑える。もう、全てがおかしかった。

「とはいえ楓、なんであんなに忘れ物してたのさ。不自然なくらい」

「ん? 深い理由はないよ。だから厄介なんじゃん」

 何? それであれだけの忘れ物をしたのか。理由がないなんて…

「驚きだね」

「驚きもそうだけど楓さん、じゃあ高校でも忘れ物クイーンになるんじゃ?」

「実はそれを心配している」

 平然と言い放った楓には、かける言葉がなかった…

 

 

楓、またやらかすんじゃ…

 

 

〜つづく〜

説明
第19回
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