連載小説21
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「たっだいま〜」

 

 私は意気揚々帰宅する。

「お帰りー」

 いつも通り暢気な声のお母さん。ま、取り立ててどうってことはない。

 私は挨拶だけ済ませると、そのまま部屋に戻って着替えた。これもまぁ、

いつもの事だ。

 部活見学は明日だから、帰って来ても時間がある。さて、何しよう。

「ふむ…」

 とりあえず(入学祝いで買ってもらった)パソコンを立ち上げつつ、

ケータイでメールチェック。っとと…

「いかん、依存症だわ。ははは…」

 圏外にいたわけじゃないんだから、メールが来てなきゃチェックする意味、

ないっての。分かってても、昔の経験から、ついやっちゃうんだよな…

「昔は会社が違うだけで、平気で何時間も遅延してたからなぁ…」

 小学校高学年で初めてキッズケータイを買ってもらった時、あの頃はまだ、

友達からのメールを受信するのに、メール問い合わせが意味を持ってた。

「そう考えると、進歩したもんだ。私ももう高校生だしなぁ」

 っと、パソコンが立ち上がった。早いのか遅いのかは、よー分からん。

デザインと価格で選んだからなぁ…

「メールはっと。たはー、こっちでもメール依存症じゃん、私」

 パソコンに来るメールなんて、通販サイトのメルマガばっかりなんだけど、

来たらそれなりには嬉しい。だからって、そんなんしか来ない現状は、

ちと寂しいんだけど。

「ふむ、メルマガ二通か…」

 私はパソコンを閉じて、居間に行った。

 

「お菓子〜、お菓子を食べましょう〜♪」

 

〜つづく〜

説明
第21回
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女子高生 部活 文芸部 

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