連載小説22
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「お菓子ない〜?」

 

リビングに下りた私は、お母さんに尋ねた。

 

「ん? お菓子? あぁ、台所適当に漁れば出てくるんじゃない?」

「ちょ…そんな…」

 私に漁れというのか。んじゃ、漁るか…

「えーっと?」

 まずは冷蔵庫。うーん、ゼリーがあるじゃん。お、しかも0カロリー。

「ほうほう。んじゃ、冷蔵庫は?」

 うちは季節を問わずアイスが常備してある。何かあるはずだ。

「えーと、おお? これは!」

 オレンジシャーベット! 晩ご飯が控えてるから、バニラ系のはちと重い。

そこへ行くと、シャーベットの方がさわやかでお腹に軽そうだ。

「よーし、これに決まりだ」

 私はオレンジシャーベットを手に、居間に戻った。

「あんた、まだ寒いのにそんなの食べるの? 変わってるねぇ」

「って言っても、いつも常備してあるじゃん、うち」

 ま、お父さんがアイス好きだからなんだけど。

「あんたはうちの子だもんね」

「まぎれもなく」

 シャーベットを食べる時は、シャクッていう食感が好きだ。

「やっぱ、食前にはシャーベットだよねぇ」

 

私は一人、シャーベットタイムを満喫していた。

 

 

〜つづく〜

説明
第22回
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