英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
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〜古戦場〜

 

「喰らえっ!!」

ジークフリードは先制攻撃に二丁拳銃の掃射によって広範囲を攻撃するクラフト――――――クイックバーストで先制攻撃を仕掛け

「散開して回避!」

ジークフリードの攻撃を見たリィンは仲間達に指示をし、リィン達はそれぞれ散開して襲い掛かる銃弾を回避した。

「グラムキャノン照射!」

「――――――!!」

そこにゲオルグの指示によってナグルファルがセレーネとメサイアにレーザーを放った。

 

「吹雪よ、吹き荒れなさい――――ハリケーンブリザード!!」

自分達に襲い掛かるレーザーに対してセレーネは前に出て自分の周囲に猛吹雪の結界を展開して襲い掛かるレーザーを防ぎ

「刃よ、走れ――――――虎口一閃!!」

「ぐっ!?」

「!?」

「落ちよ、裁きの雷――――――救世の聖雷!!」

「ぐあっ!?」

メサイアは反撃に剣の一閃によって一瞬で複数の斬撃を放つ剣技でゲオルグとナグルファルをそれぞれ攻撃して怯ませ、エリゼは浄化の光による雷を落とす神聖魔術をジークフリードに放ち、”不死者”の為神聖属性が弱点であるジークフリードはエリゼの魔術を受けると怯んだ。

「崩しましたわ!」

「私も続きますわ――――――そこっ!!」

「巻き起これ、風の刃!!」

ゲオルグが怯むとメサイアと戦術リンクを結んでいるセレーネがゲオルグに詰め寄って追撃し、フォルデは槍の突きによる烈風を巻き起こし、風の刃で切り刻むクラフト――――――シルフィードキスでジークフリードにダメージを与えた。

 

「二の型――――――疾風!!」

「行きますわよ――――――ハアッ!!」

「ガッ!?」

セレーネ達の反撃が終わるとリィンは電光石火の速さで広範囲を攻撃するクラフトで二人に攻撃を叩き込み、デュバリィは神速の速さで襲い掛かるクラフト――――――神速ノ太刀をジークフリードに叩き続けてジークフリードを怯ませ

「今ですわ!」

「もらった!」

ジークフリードが怯むとデュバリィとリンクを結んでいるリィンがジークフリードに追撃を叩き込んだ。

 

「裁きを受けろ!!」

ジークフリードは反撃に悪夢と混乱の効果が込められた特殊な弾丸を放つクラフト――――――ネメシスバレットをリィンとデュバリィ目掛けて放ち

「カラドボルグ発動――――――これで終わりだよ!」

ゲオルグはドリルハンマーに変形させたナグルファルを持ってエリゼとフォルデに襲い掛かった。

「「!!」」

「ハッ!」

「おっと!」

リィン達はそれぞれに放たれた攻撃を左右に散開して回避し

「聖なる雷よ、我が右腕に宿れ――――――サンダーストライク!!」

「エニグマ駆動――――――ラストディザスター!!」

「”エニグマ”だって…………?――――――まあいい。ナグルファル、前に出て障壁展開。」

「――――――」

セレーネとメサイアはそれぞれ”不死者”にとって弱点である光の魔法で一か所に集まっているゲオルグとジークフリード目掛けて放ち、放たれた魔法に対してゲオルグは一瞬眉を顰めた後すぐに気を取り直して自分達の前にナグルファルを前に出させて障壁を展開し、二人が放った魔法を防いだ。

 

「後ろががら空きだぜ――――――そらああああっ!!」

「秘技――――――裏疾風!斬!!」

「ぐうっ!?」

「ガッ!?」

しかしそこにフォルデが背後からクラフト――――――スラストレインで襲い掛かり、エリゼも続くように電光石火の二連続攻撃をゲオルグの側面から仕掛け、二人の奇襲攻撃を受けたゲオルグとジークフリードは怯んだ。

「さあ、行きますわよ! おおおおおっ!」

「無明を切り裂く閃火の一刀――――――はあああ…………はっ!せい!たあ!おおおお……………っ!」

二人の様子を見て好機と判断したデュバリィは分け身と共に二人の周囲を縦横無尽に駆けながら無数の斬撃を叩き込み、リィンは太刀に闘気による炎を宿らせて二人に何度も斬撃を叩き込んだ。

「プリズム――――――キャリバー!!」

「終ノ太刀・暁!!」

そしてデュバリィは止めに光の剣と化した剣による薙ぎ払い攻撃で、リィンは戦場を暁に染める程の爆発を起こす斬撃を叩き込み

「ぐあああああっ!?やるな…………」

「があああああっ!?まさか僕達が負けるなんて…………」

二人のSクラフトによって戦闘不能になったジークフリードとゲオルグはそれぞれ地面に膝をついた!

 

「ハアッ!喰らいやがれっ!!」

リィン達とジークフリード達が戦っている一方、ジェダル達との戦闘を開始したルトガーは先制攻撃に跳躍して雷を宿したバスターグレイブで雷と共に強烈な一撃を叩き込むクラフト――――――ラグナドライバーで襲い掛かったが

「させません!」

「ハッ、これを真正面から受け止めるなんて、さすがは”聖女”だなぁ!?」

リアンヌが真正面からルトガーのクラフトを槍で受け止め、クラフトを受け止められたルトガーは不敵な笑みを浮かべて武器を退いてリアンヌから距離を取った。

 

「天の光よ、あらゆる穢れを浄化せよ――――――天界光!!」

「おっと!ハハッ、掠っただけでこの威力とは、恐れ入ったねぇ。」

そこにフェミリンスが最高位の神聖魔術でルトガーに攻撃したが、頭上から襲い掛かる浄化の光に気づいたルトガーは側面に跳躍して回避したが、回避する際に浄化の光が左腕の一部を掠り、掠った部分から煙を上げている所を見たルトガーは暢気に笑っていた。

「――――――ユリーシャ達の言っていたように、お前は正真正銘”不死者”のようだから、やはり光の魔法が弱点のよう…………だなっ!」

「っと!若ぇのに、俺に挑むとは随分と命知らずだねぇ!そらそらぁっ!」

「……………………」

後ろからの跳躍によるジェダルの奇襲攻撃にすぐに気づいたルトガーはジェダルの攻撃を受け止めて不敵に笑った後ジェダル目掛けて反撃を繰り出す為に身の丈程あるバスターグレイブを軽々と振るってジェダルに反撃をし、対するジェダルは冷静にルトガーが繰り出す剣撃を見極めて大剣を振るってルトガーの攻撃を受け流していた。

 

「ハハッ、若ぇのにやるじゃないか!だったらこいつはどうだい?よっこいしょっと…………!」

「!!」

次々と繰り出す剣撃を防ぐジェダルの力量に感心したルトガーはバスターグレイブを銃を撃つような構えをし、それを見たジェダルはすぐに大きく側面に跳躍し

「そらああああっ!!」

ジェダルが跳躍した瞬間ルトガーはバスターグレイブの銃口から怒涛の銃弾を放つクラフト――――――ブラストストームを放ち、ジェダルに攻撃を回避されたルトガーはそれぞれ魔術の詠唱をしていたフェミリンスとリアンヌに銃口を傾けて詠唱を妨害しようとし、襲い掛かる銃弾に気づいた二人は詠唱を中断して回避に専念した。

「ふふっ、不死者の癖にやるじゃない。」

そこにフルーレティが凶悪な笑みを浮かべてルトガーの背後に転移魔術に現れ

「!?」

フルーレティの奇襲に驚いたルトガーはすぐに銃撃を中断してフルーレティの奇襲攻撃を回避する為に側面に跳躍したが

「ハッ!それっ!!」

「グッ…………!?ったく、毎回思うが”転移”は反則過ぎじゃねぇか…………!?」

フルーレティが放った攻撃範囲内の敵達を二連続で攻撃するクラフト――――――ダブルウィップの一撃目が命中してしまった為ダメージを受けた。

 

「ふふっ、これはどう?――――――空間歪曲!!」

「ガハッ!?ハハッ…………一瞬で空間まで歪ませるとか、とんでもない嬢ちゃんだな…………」

更にフルーレティは瘴気を操って空間を歪ませて対象を断裂させる魔術――――――空間歪曲を発動させ、フルーレティの魔術によって腹の部分が切り裂かれたルトガーは切り裂かれた場所から血を流しながらも不敵に笑っていた。

「光よ!!」

「!!――――――返すぜぇっ!」

そこにフェミリンスが片手から無数の光弾を放つ魔術でルトガーに追撃し、襲い掛かる無数の光弾に気づいたルトガーは後ろに跳躍して回避した後反撃にクラフト――――――ラグナドライバーでフェミリンスに襲い掛かろうとしたが

「裁きの雷よ――――――今、戦場に来たれっ!!」

「しまっ――――――があああああっ!?」

リアンヌが放ったクラフト――――――アングリアハンマーによる雷をまともに受けてしまった。

「止めだ――――――天破虎爪烈斬!!」

そして反撃が中断されて落下してくるルトガーにジェダルがどんな防御も崩す超威力の斬撃で追撃し

「…………!」

ジェダルが放ったクラフトに対してルトガーは落下しながらも体制を整えて自身の得物であるバスターグレイブで防御態勢に入った。しかし――――――

「な――――――ぐあッ!?ハハッ…………読み違えちまったな…………こんな事になるなら最初から本気を出しとくべきだったぜ…………」

ジェダルが放った超威力の斬撃の前には防御も意味を為さず、ルトガーのバスターグレイブは真っ二つに割られ、更にルトガー自身もジェダルの斬撃を受けてしまい、ジェダルの斬撃を受けた部分から大量の出血をしてしまい、その出来事と今までの戦闘のダメージによって戦闘不能になったルトガーは地面に跪いた!

 

「団長!?まさか団長が敗北するとは…………!」

「クソッタレ…………!幾ら俺達が相当な使い手とは言え、こんな少人数にそんな大人数でタコ殴りにするとか、いくら何でも卑怯やないか!?」

「アルスターの人達を虐殺しようとするアンタ達にだけは”卑怯”呼ばわりされる筋合いはないわよ!」

ルトガーの敗北に気づいたレオニダスは驚き、ゼノは劣勢になっている自分達の状況で悪態をついた後思わずエステル達に文句を口にし、ゼノの文句に対してエステルが怒りの表情で反論した。

「アハハ…………さすがに不味くなってきたね…………!」

「くっ…………特務支援課が手強い事はわかっていたが、まさか女ばかりで編成されているメンフィルの連中にもこれ程手強いとは…………!」

「ふふっ、わたくしやエリスが”執行者”ともまともにやり合えたのも”ご主人様”のお陰ですわね♪」

「姫様…………時と場所を考えて発言してください…………」

「…………意味はよくわかりませんが、リィン少佐の不埒が関係していると想定しました。」

「――――――」

ルトガー達同様ロイド達との戦いによって劣勢に陥っているシャーリィは傷つき、疲弊した様子を見せながらも好戦的な笑みを浮かべ、ガレスは唇を噛み締め、ガレスの言葉を聞いて思わず呟いたアルフィンの発言にエリスは脱力し、アルティナはジト目になり、アルティナに続くようにクラウ=ソラスも機械音を出してロイド達に冷や汗をかいて脱力させた。

 

「ハア、ハア…………でもこんな大人数を相手にして、まだ立っていられるなんて…………」

「そいつらは腐っても二大猟兵団の隊長クラスだからな…………ユウ坊にはいい経験になっただろう?」

一方シャーリィ達との戦いで疲弊していた様子を見せているユウナに答えたランディは苦笑しながら指摘し

「というか普通に考えたら警察学校も卒業していないユウナちゃんが経験するにはあまりにも早すぎる相手だったんですけどね…………」

「ユウナが彼ら相手に渡り合えたのは、赤い星座の隊長クラス二人相手に互角にやり合える私達味方の人数が多かった事もそうですけど、この戦いの前に武器や防具を新調した事も影響しているでしょうね。」

「…………そうですね。ある意味ユウナさんは”影の国”に巻き込まれた当時のわたしと同じ状況でしたよ、今の相手は。」

それぞれ苦笑しながら答えたノエルとセティの指摘にティオは静かな表情で同意した。

 

「…………”北の猟兵”達や結社、それに黒の工房の関係者がメンフィル・クロスベル連合軍に制圧されるのも時間の問題だ。そしてあんた達が満身創痍の状況に対して俺達はまだルファ姉達――――――”予備戦力”を残している。諦めて投降するのがあんた達の身の為なんじゃないのか!?」

「ハハッ…………確かにそっちの若いのの言う通り、今の俺達には”依頼”を達成するどころか、自分達の身を護る事すらも危うい状況だが…………”予備戦力”なら俺にもいるぜ!――――――ゼクトール!!」

ロイドに投降を促されたルトガーは苦笑しながら答えた後立ち上がって声を上げた。

「応!!」

するとどこからともなく声が聞こえた後ルトガーの背後に紫の機体が突如現れた!

 

「えええええええっ!?な、何なのあれ〜〜〜〜!?」

「アルスターで戦った”機甲兵”とやらでしょうか…………?」

「まさかその機体はリィンさんのヴァリマールと同じ…………」

「”騎神”…………」

突如現れた機体――――――”紫の騎神”ゼクトールにフィアは思わず驚きの声を上げ、ユリーシャは真剣な表情で機体を睨み、ある事に気づいたステラは驚きの表情を浮かべ、アルティナは呆けた表情で呟いた。そしてルトガーはリィンのように光に包まれてゼクトールの中に入った。

「ゼクトール、”精霊の道”をすぐに起動だ!”星座”の二人も、今回の依頼は諦めろ!その代わりお前達もついでにここから逃がしてやるよ!」

「了解した。」

「ま、しょうがないか〜。」

「くっ…………シグムント様達の無念を晴らせないどころかまたしても、クロスベルに依頼を失敗させられるとは…………!」

ゼクトールの中に入ったルトガーの指示に同意したシャーリィとガレスはゼノやレオニダスのように”精霊の道”を起動したゼクトールの傍に跳躍した。

 

「せ、”精霊の道”…………?一体何なの…………?」

「霊力が彼らの周りに…………それに”逃がしてやる”という事はまさか…………”転移”!?」

「て、”転移”って事はあの機体は”転移魔術”までできるんですか!?」

一方”精霊の道”の意味がわからなかったエリィは戸惑い、周囲の状況やルトガーの発言からある事に気づいたティオは真剣な表情で声を上げ、ティオの言葉を聞いたリリカは驚きの声を上げた。

「”西風”と”星座”は今後アルスターの連中に手出ししない事を約束するから、今回の戦いはこれで”手打ち”にしといてくれ。」

「団長…………ま、そういう訳やから俺達は今後アルスターの連中を襲撃するような事はせえへんから安心してええで。」

「次に相対する時は今回の依頼の失敗による”借り”も返させてもらう。――――――それまでに俺達以外の何物かに屈するような事はしてくれるなよ、特務支援課に遊撃士協会。」

そして西風の旅団と赤い星座はゼクトールの”精霊の道”によってその場から転移した。

 

「逃がしてよかったの、ジェダル?」

「今回の目的はアルスターの民達を乗せたバスの護衛だ。護衛しているにも関わらず手負いの獣相手に深追いは禁物だ。」

ゼクトール達が消えた後訊ねたフルーレティの疑問にジェダルは静かな表情で答え

「!…………どうやらデュバリィ達の方も終えたようですね。」

「あ……………………」

周囲の状況を見回してそれぞれが相手をしていた敵達を制圧した様子のセリカ達やリィン達、リフィア達に気づいたリアンヌは静かな表情で呟き、リアンヌの言葉を聞いて周囲の状況を見たエリィは呆けた声を出した。

 

「「飛燕無双演舞剣!!」」

「ガフッ!?ハハッ!いいねぇ!もっとだ…………もっとアツくさせろや、”嵐の剣神”!!」

セリカとサティアの協力技(コンビクラフト)を受けて全身から大量の血を出血させ、更に口からも血を吐いたマクバーンは満身創痍の状態でありながらもなお闘志を燃やし続けていた。

「いや、そんな事を言っているけど、実際はボロボロじゃない『マーズテリアよ、悪しき者を貫く槍を――――――神槍の流星!!』っと!ハア…………クロスベルで仕掛けると聞いた時から嫌な予感はしていたけどこんなことになるなんて、想定外だよ…………」

一方マクバーンの様子に気づいて呆れた表情で指摘しかけたカンパネルラだったがロカが放った魔術を慌てて”転移”で回避して疲れた表情で溜息を吐いた後指を鳴らした。するとカンパネルラとマクバーンは幻の炎に包まれ始めた。

「あの炎はもしかして…………」

「”転移”の類の炎か!?」

二人に纏っている炎を見てある事を悟ったシュリは静かな表情で呟き、レシェンテは真剣な表情で声を上げた。

「カンパネルラ!?何勝手な事をしていやがる!?」

「悪いけどこんな所で君を失う訳にはいかなくてね。――――――そういう訳だから僕達はこれで失礼するよ。」

マクバーンの文句を軽く流して答えたカンパネルラはマクバーンと共に転移によってその場から消えようとしたが

「逃がすか!雷光――――――紅燐剣!!」

「ちょっ、また…………!?うわあっ!?」

「ガアッ!?」

転移によって消える直前に放たれたセリカの雷が宿った高速剣の斬撃波によってマクバーンと共に全身を切り裂かれ、体の様々な場所から出血させた状態で消えた。

 

「月閃光!――――――今ですわ!」

「ああっ!我が剣は我が皇の刃!闢――――魔神王剣!!成敗!!」

「――――――!!??」

同じ頃シグルーンのクラフトによって態勢が崩れたゾア=バロールをゼルギウスが自身の奥義(Sクラフト)で一刀両断して無力化し

「なあ………!?人如きにゾア=バロールが敗れるだと…………っ!?」

その様子を見たアルベリヒは信じられない表情で声を上げた。

「余が最も信頼する騎士達にとってそのような鉄屑等容易い相手じゃ、愚か者め!――――――贖罪の聖炎!!」

「グギャアアアアアアアアア…………ッ!?お、おのれ…………想定外(イレギュラー)共が…………っ!」

そこにリフィアが最高位神聖魔術の内の一つを発動し、”不死者”である為神聖魔術が弱点であるアルベリヒは大ダメージを受けると共に悲鳴を上げ、リフィアの魔術が終わるとアルベリヒは全身から煙を上げた状態で地面に膝をついた。

 

「…………まさかアルベリヒまで敗れるなんて…………どうやら僕達は君達メンフィルの事を過少評価をしていたようだね…………」

それぞれの戦闘が終わり、アルベリヒの敗北を見たゲオルグは信じられない表情をした後表情を歪めてリィン達を見つめ

「メンフィル・クロスベル連合軍を敵に回したエレボニアのように”相手が悪すぎた”―――それだけの話です。さあ、洗いざらい話してもらいますよ――――――貴方達”黒の工房”について!」

「兄様…………」

「シュバルツァー…………」

ゲオルグの言葉に対して静かな表情で答えた後ゲオルグを睨むリィンの様子をエリゼは心配そうな表情で、デュバリィは複雑そうな表情で見守っていた。

 

「…………まさか僕達が絶体絶命の状況に陥るなんてね…………どうする、アルベリヒ?」

「…………忌々しい話だが、”アルスター”は諦める。――――――ジークフリード、撤退の時間を稼げ!”蒼”の使用も許可する!」

「了解した。――――――来い、”蒼の騎神(オルディーネ)”!!」

「な――――――」

ゲオルグに判断を委ねられたアルベリヒは憎悪の表情でリィン達を睨んだ後ジークフリードに指示をし、指示をされたジークフリードはリィン達にとって驚愕の名前を口にし、それを聞いたリィンは絶句した。すると亡きクロウが操っていたはずの”蒼の騎神”――――――オルディーネがジークフリードの背後に現れた!

「あの蒼の機体は…………!」

「あ、蒼の騎神――――――オルディーネ…………」

オルディーネの登場に仲間達と共に血相を変えたデュバリィは驚きの表情を浮かべ、セレーネは信じられない表情で呟いた。そしてジークフリードがオルディーネの操縦席へと入ると、オルディーネは双刃剣(ダブルセイバー)を構えた!

 

「くっ…………――――――来い、”灰の騎神”ヴァリマール!!」

一方唇を噛み締めてオルディーネを見つめたリィンだったがすぐにヴァリマールの名を呼んで、ヴァリマールを戦場に呼び寄せようとしたが

「フッ、”時間切れだ”。」

既にアルベリヒが転移魔術を発動していた事によってアルベリヒ達は転移しようとしていた為オルディーネからジークフリードの嘲笑する声が聞こえた。

「転移魔術を発動したからと言って簡単に逃げられると思ったら大間違いじゃ!――――――レイ=ルーン!!」

「な――――――ぐあああああっ!?」

「アルベリヒ!?」

そしてアルベリヒ達が消える直前に放ったリフィアの純粋魔力による集束エネルギーがアルベリヒの右腕を一瞬で焼き尽くして消失させ、それを見たゲオルグが驚きの声を上げた瞬間アルベリヒ達は転移魔術によってその場から消え、同時にヴァリマールがリィンの背後に現れた!

 

「逃がしてしまった…………くっ、さっきの戦いでジークフリードを気絶まで追い込んでおけば転移魔術を発動させる隙も与えなかったのに…………っ!」

「お兄様…………」

アルベリヒ達が撤退した後、悔しがっているリィンをセレーネは辛そうな表情で見つめた。

「ま、俺達の目的は果たしている上あの様子だとエレボニアと戦っていたらその内自分達からまた姿を現すだろうから、その時にリベンジすればいいじゃねぇか。だからそんなに気にすんな。そもそも俺達の今回の目的はアルスターの民達の護衛と北の猟兵達の殲滅だぜ?」

「フォルデ先輩…………そうですね。――――――お蔭様で頭が冷えました。ありがとうございます。」

フォルデに慰められたリィンは少しの間黙り込んだ後冷静になってフォルデに感謝の言葉を送り

「クク、熱くなりがちな後輩を諫めるのも先輩の仕事なんだから、気にすんなって。」

(…………セシリアの助言を聞いてフォルデ達をリィンにつけた事はやはりあらゆる意味で正解だったようだな。)

(ええ…………さすがリィンの”担当教官”だった方ですわね。)

リィンに感謝されたフォルデは親し気な笑みを浮かべて答え、その様子をゼルギウスとシグルーンは微笑ましそうに見守っていた。

 

(兄様…………私にも姉様やセレーネのような”力”があれば…………)

一方リィン達の様子を遠目で見守っていたエリスが辛そうな表情を浮かべたその時

 

新”起動者”候補ノ波形ヲ100アージュ以内ニ確認。コレヨリ”試シノ場”ヲ展開スル――――――

 

「え…………」

突如頭の中に謎の声が響き渡り、それを聞いたエリスは困惑の表情で周囲を見回し

「?どうしたのエリス?」

「いえ…………今声が聞こえた気がしたのですが…………多分気のせいだと思います。」

自分の様子を不思議に思ったアルフィンに声をかけられると答えを誤魔化した。

 

その後――――――北の猟兵達はメンフィル・クロスベル連合軍によって”殲滅”され、メンフィル・クロスベル連合軍が戦後処理をしている中その様子をバスの傍でジェダル達が見守っているとリセル達と共にジェダル達に近づいたヴァイスがジェダル達に声をかけた――――――

 

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次回は原作でも実現して欲しかったと思われる魔導巧殻陣営であるヴァイス達とグラセスタ陣営であるジェダル達の邂逅、更にリィン達とエステル達、ジェダル達の邂逅に加えて、アルベリヒ達にとっては”泣きっ面に蜂”と言ってもおかしくないまさかの展開の話の予定です(大爆笑)まあ、その展開については今回の話の最後で大体”察する”事ができたと思いますがww

 

説明
外伝〜英雄無双〜

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