〜少年が望んだ世界と力〜
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前書き

 

 

 

ARXー7アーバレスト「お待たせです!最新話どうぞ!!」

 

 

 

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戦闘を終えた俺はアリアとロッテを地下のゲストルームに連れていき、グレアム提督を待っている。

地下を選んだのはここに転送用のポートがあるのと万が一フェイト達と会わないようにする為だ。

 

「・・・・・あのさぁ」

 

「なんだ?」

 

「あんた、一体何やってんの?」

 

「何ってお前達の治療だが?」

 

「そりゃ見ればわかるけど」

 

「貴方、どうして敵で私達に治療を?それに捕虜である私達を拘束もせずに」

 

「もう戦闘は終わってる。あんた達だって降伏した。だったらこれ以上戦う必要はない。相手にもよるが敵であっても怪我をしているなら俺は治療する。拘束なんてしたら治療しにくいだろう」

 

「変わってるね。あんた」

 

「そりゃあどうも」

 

ゲストルームで俺はアリアとロッテの手当てをしている。

手当てをしている俺に敵である自分達に何故拘束もせずに手当てをするのか尋ねてくるアリアとロッテに俺は理由と答える。

理由を答えるとロッテは少し笑って俺に変わってると言う。

それに対して俺はとりあえずお礼を言って返し治療を続ける。

 

 

 

 

「くっ!」

 

「諦めな。あんたに勝ち目はないよ」

 

「まだまだ。勝負は決まってないさ」

 

状況は最悪だ。

まさかロッテがここまでやるとは。

俺を追い詰めてロッテは勝利を確信している。

 

「ダメよロッテ。油断しないで」

 

「大丈夫だよアリア。絶対勝てるから!さあ、これで終わりだよ!」

 

油断しないようアリアが言うが余裕のロッテが攻撃宣言をする。

かかったな。

 

「ふ」

 

「あ!駄目よロッテ!」

 

俺が小さく笑うとアリアは気付いてロッテに駄目だと言うがもう遅い。

 

「トラップ発動!」

 

「え!?」

 

ロッテが攻撃宣言して俺は伏せてあったカードを裏返す。

 

「『聖なるバリア -ミラーフォース-』!!」

 

「と、トラップカード!?」

 

「これでロッテの攻撃表示のモンスターを全て破壊する!」

 

「ああああ!!私のレッドアイズがああああああ!!」

 

「だから言ったのに・・・。相手の魔法、罠ゾーンにカードが伏せてあるのに警戒しないから」

 

「くう。ターンエンド・・・」

 

治療も終わってグレアム提督が来るまでまだ時間があったから俺は2人にルールを教えて「遊戯王デュエルモンスターズ」で対戦している。

何故これで遊んでいるのかと言うと、部屋にあったから!

アリアともさっき戦ったが中々いい勝負だった。

んで、今ロッテと対戦してるんだが俺のライフ残り2000のフィールドにモンスター無し、伏せカード2枚の状態だった。

対するロッテはフィールドにモンスターが3体、その中の攻撃力2400、守備力2000の「真紅眼の黒竜『レッドアイズ・ブラックドラゴン』」がロッテは気に入ったようでレッドアイズでトドメをさしたかったようだけど、罠トラップカード「聖なるバリア-ミラーフォース-」の効果で相手の攻撃表示の全モンスターを破壊されて頭を抱えて絶叫する。

それを見てアリアは考えもなしに攻撃したことに呆れている。

ロッテは追加でカードを伏せずにターンを終了する。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

俺のターンになりデッキからカードをドローする。

今の俺の手札には上級モンスターが1枚と魔法(マジック)カードが3枚ある。

ロッテのライフポイントはまだ3500あるから正直このままだと勝てない。

出来ことならドロー系のカードを引きたい。

引いたカードを確認すると、そのカードは望んでいたドロー系カードだった。

 

 

 

「俺は手札から魔法カード『天使の施し』を発動!カードを3枚ドロー。その後、手札からカードを2枚選んで墓地へ送る」

 

俺が引いたのは魔法カード「天使の施し」。

その効果でデッキから新たに3枚のカードをドローする。

引いたのはモンスターカード2枚とトラップカードだ。

しかもモンスターカードは俺が来て欲しかったカード、これで勝てる!

7枚の手札を確認して、俺は引いた2枚のモンスターカードを墓地へと送る。

準備は整った。

 

「魔法カード『ミラクルコンタクト』を発動!手札の『E・HEROエレメンタルヒーロー ネオス』と墓地の『Nネオスペーシアンフレア・スカラベ』『Nグラン・モール』の3枚をデッキに戻し、トリプルコンタクト融合!」

 

手札から更に魔法カードの「ミラクルコンタクト」を発動させる。

ミラクルコンタクトは自分の手札、フィールド、墓地から融合モンスターによって定められた素材モンスターを持ち主のデッキに戻し、ネオスを融合素材とするE・HERO融合モンスターを召喚条件を無視してEXデッキから特殊召喚するカード。

俺は融合素材となる手札のネオスと墓地のフレア・スカラベとグラン・モールの3枚をデッキに戻し、シャッフルする。

 

「『E-HERO マグマ・ネオス』を特殊召喚!」

 

シャッフルを終え、EXデッキから攻撃力3000、守備力2500の融合モンスター「E・HERO マグマ・ネオス」をフィールドに特殊召喚する。

 

「うわ!攻撃力3000!?でも、これならまだギリギリ耐えられる」

 

「いいや、このターンで終わりだロッテ。フィールド魔法、『ネオスペース』を発動。ネオスペースはネオスと名のつくモンスターの攻撃力を500ポイントUPさせる。更にマグマ・ネオスのモンスター効果!フィールドのカード1枚に付き、攻撃力と守備力を400ポイントUP!」

 

「今フィールドにはマグマ・ネオスも含めて2枚のカードがあるから800ポイントアップするわね。そしてネオスペースの効果で500ポイントアップだから、攻撃力4300ね」

 

「こ、攻撃力4300!?」

 

アリアが冷静に現状のフィールドのカードの数、カード効果から計算してマグマ・ネオスの攻撃力を言うとそれを聞いたロッテが驚く。

ライフポイントを超えたからな。

 

「これで終わりだ!マグマ・ネオスでプレイヤーにダイレクトアタック!スーパーヒートメテオ!!」

 

「ダイレクトアタックが通ってロッテのライフポイント0。健悟の勝ち」

 

「だああああ!!負けたあああああ!!」

 

マグマ・ネオスでロッテにダイレクトアタック。

無論これを防ぐ手段はロッテにはなくライフポイント0、俺の勝利をアリアが告げるとロッテは悔しがる。

 

「悪いなぁロッテ」

 

「くっそぉぉ」

 

俺がニヤニヤしながらロッテに言うとロッテは悔しそうに軽く俺を睨み、互いにデッキを片付ける。

 

「マスター。転送ポートに反応を感知。いらっしゃったようです」

 

「そうか」

 

デッキを片付けるとアポロンが転送ポートに反応があると知らせてくれる。

グレアム提督が来たようだ。

俺は転送ポート前に移動し、ロッテとアリアも後ろからついてくる。

 

「お待ちしてました。ようこそ、ギル・グレアム提督」

 

「初めてまして、野田健悟君」

 

転送ポートからグレアム提督が現れると俺は敬礼をしてグレアム提督を出迎える。

俺が敬礼をするとグレアム提督も敬礼を返してくれる。

 

「父さま!」

 

「ロッテ、待ちなさい」

 

グレアム提督が到着するとロッテが駆け寄ろうとするがアリアが止める。

 

「ん?ああ、そういえばそうか。ギル・グレアム提督。お約束通り、お預かりしておりましたリーゼアリア並びにリーゼロッテ2名の身柄をお返しします。尚、両名共に戦闘で軽傷をしていましたのでこちらで治療をさせていただきました」

 

「そうか。ありがとう、感謝するよ」

 

「もういいぞ」

 

一瞬何故アリアがロッテを止めたのか分からなかったがすぐに理解出来た。

2人は現状、俺の捕虜という扱いだ。

捕虜が勝手なことをすることは許されないことだもんな。

俺はグレアム提督に2人の返還と治療したことを告げる。

治療したことにグレアム提督はお礼を言ってくれる。

俺がいいと言うと2人はグレアム提督に駆け寄る。

2人がグレアム提督に抱き付くとグレアム提督は何も言わずに2人を抱きしめる。

 

「グレアム提督、こちらへどうぞ」

 

3人をソファーへ先導する。

 

「どうぞ、お掛け下さい」

 

「ありがとう。失礼するよ」

 

「何かお飲み物は如何でしょうか?緑茶、コーヒー、紅茶、他にもジュースなどありますが」

 

「では、紅茶をお願いしようかな」

 

「種類は自分が選んでも?」

 

「お任せするよ」

 

「分かりました。あ、悪いけど2人の内どっちかでいいから少し手伝ってくれないか?」

 

「私が手伝います」

 

俺が勧めるとグレアム提督はソファーに座る。

俺は飲み物を尋ね、幾つかの候補の中からグレアム提督は紅茶を選んだ。

茶葉の方は俺が選んでいいか確認をとってアリアかロッテのどちらかに用意するのを手伝ってほしいと頼むとすぐにアリアが手伝いにきてくれる。

 

「何を手伝えば?」

 

「人数分のカップを用意してくれ。あそこに入ってる」

 

「分かりました」

 

何をすればいいか尋ねるアリアにカップの用意を頼む。

アリアにカップの用意をしてもらっている間に俺はお湯とポット、茶葉の用意をしていく。

アリアが用意してくれたカップにお湯を注いでカップを温める間にクッキー等の用意もしておく。

色々な準備を終えて、温めたカップの中のお湯を捨てて、紅茶を注ぐ。

 

「お待たせしました。どうぞ」

 

「ありがとう」

 

紅茶とお菓子をトレーに乗せて運び、人数分のカップをテーブルに置いていく。

最初にグレアム提督がカップを選んで取ると次にロッテ、アリアの順番でカップを取り、最後に残ったのを俺がもらう。

全員に紅茶が行き渡ると俺はソファーに座ってすぐに紅茶を飲む。

俺が飲むことで紅茶に毒などが入っていないことを証明するためだ。

俺が飲むとグレアム提督がカップを取り、口に近づける。

 

「ん?」

 

口に付ける前にグレアム提督はあることに気づく。

カップを鼻に近づけて、ゆっくりと匂いを嗅ぐ。

 

「うん。いい香りだ。・・・おお、これは美味い」

 

「ありがとうございます。最近いい茶葉を購入したんです」

 

「君自身も紅茶を入れるのがとても上手い。いい茶葉を使ったとしても人の淹れ方が悪ければこれ程良い香りを出さないし、美味くもならない」

 

「恐縮です」

 

紅茶の香りを嗅いだ後にグレアム提督が紅茶を飲む。

美味いと言ってくれたグレアム提督に俺はお礼をいい、いい茶葉が手に入ったことを伝える。

それでも茶葉だけでなく俺自身の紅茶の淹れ方も褒めてもらえた。

イギリス人であるグレアム提督に褒めてもらえるのは嬉しいことだ。

 

「さて健悟君、本題の前に尋ねたいことがある。君が戦闘の際の姿、仮面ライダーとは一体なんだね?」

 

「説明するのは構いませんが。これから説明することは内密にして頂きたいのです」

 

「勿論だ。約束しよう」

 

「ありがとうございます。グレアム提督は並行世界というのをご存知ですか?」

 

「異なる次元に並行して存在する別の世界のことだね?」

 

「はい。仮面ライダーとはその並行世界の地球に存在し、各々の世界で怪物から人々を守る為に戦う戦士です。残念ながらその中には悪の道に進んでしまう者もいますが。仮面ライダー以外にも数多くの地球の並行世界があり、戦士達や他の力を借りています」

 

「それが戦いの時に姿が変わっていた理由か」

 

「そうです。自分が変身する仮面ライダーフェニックスは姿を変えることでそれと同じ能力を使うことが出来、時には召喚して共に戦ってもらっています」

 

早速グレアム提督から仮面ライダーについての質問をされる。

まあ予想の範囲だな。

説明する代わりに内容は機密にしてもらう約束をしてもらう。

口約束だから破られる可能性もあるけど、グレアム提督なら大丈夫だと思う。

俺はフェニックスの能力と仮面ライダーのことを軽く説明する。

 

「成程。実に興味深いな。しかし何故君は仮面ライダーの力を持っている?何処でそれを入手したんだね?それに君は我々時空管理局でも発見出来ていない並行世界についても色々知っている」

 

「申し訳ありませんがグレアム提督、俺がこのフェニックスドライバーを入手した経緯と並行世界に関する知識についての質問はお答えできません。これはどんなことがあっても秘密にしなければならないのです」

 

「そうか。分かった。君にも色々と事情があるようだね」

 

「感謝します」

 

「ついでに君に尋ねたいことがある」

 

説明を聴いたグレアム提督は仮面ライダーとフェニックスに興味を持ったようだ。

だが同時に何故俺がフェニックスドライバーと並行世界の知識を持ち、フェニックスドライバーをどの様にして入手したのかと疑問を持ったようで尋ねてくる。

勿論これも予想通りの質問だ。

これに関しては説明することは出来ないと伝えると意外とあっさり引いてくれた。

俺はお礼を言うとグレアム提督は上着のポケットから小さな端末を取り出す。

 

「並行世界を知っている君なら、これに写っているのがなんなのか分かるかね?」

 

グレアム提督が端末を操作して空中に画像が写しだされる。

画像に写っていたのはキャプテンや劉備達だ。

 

「ええ。彼らもまた、この世界とは異なる世界の住人です。彼らにもそれぞれの名前がありますが1つ目以外の人型を1つに纏めた言い方として自分は彼らをガンダムと呼んでいます」

 

「ガンダム・・・」

 

「はい」

 

「何故そのような呼び方を?」

 

「その写真に写っているのは人と同じ大きさですが、他の並行世界にもガンダムと呼ばれるロボットが存在しています。しかしそれらは大きさが大体の平均的な大きさが18m、人が乗り込んで操縦して戦う軍事兵器です」

 

「軍事・・・兵器」

 

キャプテン達のことを聞かれて俺は最低限のことだけをグレアム提督に教える。

ガンダムが軍事兵器だと知るとグレアム提督の表情が少し強張る。

 

「多く存在するガンダムの世界の中でも彼らはかなり特殊な方ですけど、危険ではありません。ご安心ください」

 

「分かった。君の言葉を信じよう。では本題に入ろう。健悟君は今回の闇の書についてはどのくらいまで把握しているのかな?」

 

「大体のことは、ですかね。本来の使い道、機能、闇の書に纏わる過去の事件、そしてリンディさんの旦那さんであるクライド・ハラオウンさんのことも最近リンディさんから聞きました」

 

「そうか」

 

キャプテン達が安全であること伝えるとグレアム提督は俺の言葉を信じてくれた。

正直、ザッパーザク達元ダークアクシズと呂布は微妙なところだけど。

話が本題である闇の書について変わるとグレアム提督に闇の書についてどれぐらい把握しているのか尋ねられる。

闇の書についてはリンディさんに聞いて大体把握していると答える。

 

「そしてグレアム提督達のプランも大体の予想はついています。デュランダルを使っての永久凍結。闇の書が主を失うことで離れるのであるならその主を殺さずに主ごと凍結魔法で凍結させ、その後は次元の狭間もしくは氷結世界に閉じ込めておく。っといったところでしょうか?」

 

「!?・・・その通りだ」

 

「そこまで私達の計画を解かってたの?」

 

「デュランダルの性能と貴方達時空管理局の活動が解っていれば簡単に推理出来るよ」

 

俺がグレアム提督達の考えているプランを言い当てるとグレアム提督は驚いている。

ロッテも自分達のプランを把握していたことに驚いて俺に尋ねてくる。

流石にここは正直に話すことは出来ないからそれっぽい理由をつけて答える。

 

「両親を亡くし、体の不自由なあの子を見て心が痛んだが、運命だとも思った。孤独な子であれば、それだけ悲しむ人は少なくなる。私はあの子の父親の友人を騙り、援助をした。せめて永遠の眠りにつく前ぐらい、幸せにしてやりたかった。・・・偽善だがね」

 

「失礼な発言をすると思いますが、よろしいでしょうか?」

 

「何かな?」

 

「確かに闇の書のシステム上、主を殺さずに共に封印するという判断は理にかなっています。現状では最も効果的な解決策と自分も思います」

 

劇中でグレアム提督がクロノに説明したのと同じ内容を聞いて一言言ってからグレアム提督のプランは現状では間違いないと伝え、カップを取って紅茶を一口飲んで喉を潤す。

再びカップをテーブルに置いて軽く息を吐いてからグレアム提督を見る。

 

「正し、今は・・・ですけど」

 

「どういう意味かね?」

 

「グレアム提督のプランでは最終的に次元の狭間、氷結世界に閉じ込めるとなっています。が、その方法は飽く迄今この時の対処であってその先、未来への対処はされていません」

 

「未来?」

 

「そうです。その方法ではいずれ闇の書の恐ろしさを知る者がいなくなった未来でその存在を知った興味本位の者、悪意ある者、力を求める者が闇の書を探す人間が出てきます。誰かが見つけ出した場合、氷による封印など簡単に解かれる。そしてまた闇の書は活動します。我々の知らない未来の世界で。また悲しむ人々を増やすだけです。貴方のプランでは問題を先送りにしているだけで根本的な解決にはなっていません」

 

グレアム提督達のプランにはいくつかの欠点があることを指摘する。

その欠点の1つは劇中でクロノも言っていた封印の解除だ。

凍結での封印なんてそんなに難しいもんじゃないだろう。

2つ目はグレアム提督達のプランでは解決出来るのは今この時だけであってその先、未来まで考えられていない。

人と言うのは好奇心や探求心等、一言で言えば欲望がある。

隠されているのがどんな物なのか、どんな力を秘めているのかを知りたがる。

それの恐ろしさを知っている人がいるなら止めることは出来るが未来ではいなくなっている。

そうなると恐ろしさを知らない奴が探し、見つけてしまって悪用されてしまう。

結局のところ、未来で同じことを繰り返してしまう可能性が高い。

 

「それに、はやてのこともです。孤独な子?悲しむ人が少なくなる?運命?そんな理由だけで、はやてを凍結させようとしたんですか?永遠の眠りにつく前くらい幸せにしてやりたかった?本当に偽善ですね。悲しむの人の多い少ないの問題ではありません。それにはやては孤独じゃない。今のはやてには家族がいる。俺も含めた友達がいる。俺は友人としてこれからもはやてに生きていてほしいと思っている。運命なんてもので片付けないで頂きたい。はやての人生を、未来を決めるのは運命ではありません。はやて自身です。永遠の眠りなんて身勝手な。貴方達に、はやての未来を奪う権利なんてない!」

 

「でも!これまでの闇の書の主だって管理局のアルカンシェルで蒸発させてるんだ!それとなんも変わりない!」

 

「今までと同じようなことをしているから許されるのか?そんな理由で納得なんて出来るか。これまでの闇の書の主は闇の書の力を使い、罪を犯した者達だろ?はやてはどうなんだ?主であるはやて自身は闇の書の力を一度も使っていない。罪のない民間人を裁くことなど許されるはずがない違法行為だ。それとも時空管理局というのは、違法行為であろうと民間人に手を出すのが当たり前な組織なのか?」

 

「それは!」

 

「ロッテ、やめなさい」

 

「父さま」

 

俺は続けてグレアム提督に俺の思っていることも言っていく。

グレアム提督達の考えも思いも理解出来ない訳じゃないけど、俺がはやての立場なら自分の人生を他人の都合で奪われるなんて嫌だからな。

それにはやては俺にとっても大事な友達になった。

友達の命を奪われてたまるか。

俺がグレアム提督に思っていることをぶつけるとロッテが割って入ってくる。

劇中でクロノに言っていたことをそのまま俺に言い返してきた。

対して俺も劇中でのクロノの言葉を少し借りてロッテに言い返す。

反論されてもまだ言い返そうとするロッテをグレアム提督が止める。

 

「ロッテ、彼の言う通りだ。私達は彼に言われ、思われて当然の行いをしている。責められても仕方ない。だが、健悟君。逆に君に聞きたい。我々の考えたプラン以外に闇の書を止める方法はあると思うかね?」

 

「・・・はい。あります」

 

「「「!?」」」

 

自分達の行いを認め、自分達が考える以外の方法があるのか尋ねてくるグレアム提督に俺は方法があると頷くとグレアム提督達は驚いた表情をする。

俺はグレアム提督達に俺が考える闇の書の解決策の説明を始める。

 

 

 

 

 

「-----以上が自分が考えている闇の書に対するプランです」

 

「「「・・・・・」」」

 

「如何でしょうか?」

 

俺の考えている闇の書に対する策を説明するとグレアム提督達は驚いているのか固まってしまっている。

固まったしまっているグレアム提督達に俺の考えているプランはどうか尋ねる。

 

「なんと言ったらいいか。驚きものだ。確かに闇の書は元々人の手によって生み出された物だ。この方法ならば、はやて君を永久凍結させる必要もない。それに未来に影響を及ぼすこともなくなる。が、闇の書は過去に何度も改変され、修復は不可能だ」

 

「実際に成功出来るかは今の段階では何とも言えませんが、グレアム提督もおっしゃったように闇の書は元々人の手によって生み出された物。ならば可能性は0ではありません。不可能だと分かっていても少なくとも自分はこのプランに賭けています」

 

「しかし、それが失敗したら?」

 

「まだもう1つの希望があります」

 

「クロノ達か」

 

「はい。それでも駄目だった場合は最悪の手段を取ることもあるでしょうが、そうならないように自分も全力で挑みます」

 

グレアム提督は俺のプランは、はやてと未来の両方を救えると言ってくれたが、これまでの闇の書の主達によって改変されたせいで俺のプランは不可能だと答える。

無論そのことは俺も把握している。

正直なところ100%成功する保証もない。

でも、この方法がはやてと闇の書、・・・いや、彼女を救う手段だと俺は信じている。

その為の人選もバックアップを含めて準備はしてある。

俺のプランが失敗した場合をグレアム提督に問われる。

そうなった場合は原作と同じ方法を取るしかない。

クロノ達が駄目だった場合はないにしても、俺は全力で挑むつもりだ。

 

「・・・分かった。君のプランに全てを託そう」

 

「父さま・・・」

 

「いいの父さま!?」

 

「いいんだアリア、ロッテ。私達の計画に問題があるのは事実だ。だが彼の計画なら根本的な解決になる。成功するかは分からないが彼の言う通り0ではない。やってみる価値は十分にある」

 

少しの沈黙の後、グレアム提督は俺のプランを受け入れてくれた。

落ち着いているアリアに対してロッテは驚きの声を出し、グレアム提督にいいのかと尋ねれれるがグレアム提督は頷く。

 

「何より、あの子が犠牲になることはない。健悟君。今更だが、また偽善だと思われるかもしれないが君に頼みたい。八神はやて君を、あの子の将来と家族、そして未来を守ってくれ」

 

「了解しました。ベストを尽くします」

 

「ありがとう」

 

グレアム提督がはやて達と未来を守ってくれと俺に頭を下げる。

本当にグレアム提督も悩んでいたのだと思う。

この人もリンディさんやエイミィさん、ついでにクロノと同じ優しい人だ。

はやてや今はやてと幸せな生活を過ごしているヴォルケンリッター達を犠牲にすることをこの人達は望んでいるはずはない。

仕方がないことだと諦めることしか出来なかったんだと思う。

でなければ、今こうやって頭を下げて俺に頼むはずがない。

俺はベストを尽くすと答えるとグレアム提督は頭を上げてお礼を言う。

 

「では、私達は失礼させてもらうよ。行こうかアリア、ロッテ」

 

「はい」

 

「・・・はい」

 

話し合いが終わるとグレアム提督は管理局に戻る為ソファーから立ち上がる。

アリアとロッテにも声を掛け、アリアは普通に返事を返すがロッテはまだ少し不満気味な声で返事をする。

俺は転送ポートまで3人を見送る。

 

「リンディさん達に仮面の男についての説明はどうしましょうか?このまま隠しますか?それとも自分から報告を」

 

「いや、まだアースラのことで管理局にいるだろう。これから彼らに全てを話そうと思う」

 

「そうですか」

 

「この事件が片付いたらまた君の淹れた紅茶を飲みたいのだが、いいかな?」

 

「勿論です。いつでもいらして下さい。お待ちしております」

 

「ああ、楽しみにしているよ」

 

仮面の男についての報告をどうするか尋ねるがどうやらグレアム提督自身からリンディさん達に報告するようだ。

それ俺は特に異論はないから従う。

グレアム提督は俺の淹れた紅茶を気に入ってくれたようで事件解決後にまた飲みたいと言ってくれたので俺はいつでも待っていると返事を返す。

喜んでもらえて良かった。

ロッテの方を少し見るとまだ少し拗ねた表情をしている。

ふむ、少し元気つけてやるか。

 

「ロッテ」

 

「な、何?」

 

俺が声を掛けるとロッテは驚いたようで体を僅かにビクッとさせて俺を見る。

 

「またデュエルやろう。まぁ次も俺が勝つだろけどな」

 

「つ、次は私が勝つ!・・・あ」

 

また次の機会にデュエルの再戦と次も俺が勝つと告げるとデュエルで負けた悔しさと対抗心でロッテが反応する。

そこそこムキになっている。

俺の言葉に乗ってしまったことに気づいてロッテは顔が真っ赤になる。

 

「アリアも。アリアにはそこそこ追い詰められたからな。次は大差をつけて勝ってみせる」

 

「クスっ。残念だけど簡単には負けないわ」

 

ロッテに続いてアリアにも言うとアリアは笑顔で言う。

 

「はは、私が来るまでの間に2人とも健悟君と仲良くなったようだね」

 

「はい」

 

「ま、まあ」

 

俺達のやり取りを見てグレアム提督が笑う。

アリアは笑顔で返事し、ロッテは照れくさそうに頷く。

 

「健悟君。最後に1つだけ聞きたい。君は一体何者なんだね?」

 

「そうですね。・・・強いて言えば、自分は、通りすがりの仮面ライダーです」

 

「ははは。そうか」

 

最後に俺が何者なのかと尋ねるグレアム提督になんと答えたらいいのか考えた結果、とりあえず通りすがりの仮面ライダーだと答える。

これで納得してくれるか不安だったけど、グレアム提督は笑いながら納得してくれた。

あれでいいのか。

 

「健闘を祈るよ」

 

「はい」

 

最後は真剣な表情と声で俺に敬礼をしてくれると俺も敬礼を返し、グレアム提督とアリア、ロッテは転送ポートで管理局へと帰っていった。

 

 

 

 

-3ページ-

 

 

後書き

 

 

 

ARXー7アーバレスト「さあさあ!六十六話投稿でっす!」

 

 

 

健悟「なんだよ。無駄にテンション高いな」

 

 

 

アポロン「ついに可笑しくなりましたか?」

 

 

 

ARXー7アーバレスト「その言い方酷くない!?夏で暑さに負けそうだからテンション上げてるんだよ!」

 

 

 

健悟「まあ気持ちは分からんでもないな」

 

 

 

ARXー7アーバレスト「でしょ?仕事の関係上肉体労働でこの時期は本当に辛い。エアコンの効いた部屋に毎日引きこもりたい。今日のお盆休みのように」

 

 

 

アポロン「駄目な思考してますね」

 

 

 

ARXー7アーバレスト「しかし!気持ちは切り替えていかねば!さあ、本文の話をしよう!!」

 

 

 

健悟「そうだな。にしても今回は普段と比べると比較的短いな」

 

 

 

ARXー7アーバレスト「話し合いのシーンだからね。戦闘描写程書くことはそんなにないよ」

 

 

 

健悟「それなのに投稿が遅いのは何故なんだ?」

 

 

 

ARXー7アーバレスト「主な原因はガンプラと艦これだね。今回のイベントのE-2海域で念願の『大和』!!をドロップすることが出来た〜。あとはガングートとサラトガが出たら個人的は嬉しい!」

 

 

 

健悟「そ、そうか」

 

 

 

アポロン「私が気になったのはリーゼ姉妹と遊ぶ描写で何故『遊戯王デュエルモンスターズ』を出したのですか?」

 

 

 

ARXー7アーバレスト「最近PS vitaでゲームした影響なんだよ。久しぶりにやると楽しいね!個人的には遊戯王はGXまでが面白かったと思う。最近のはルールが分からん!!召喚方法が色々ありすぎて。シンクロ召喚までがギリギリ分かるライン!昔の遊戯王しか知らなくて、離れて全く触らんかった人間には今の遊戯王分からん!!」

 

 

 

健悟「お、おう。そうだな」

 

 

 

アポロン「ではあのネオスを出したのはGXが好きだからですか?」

 

 

 

ARXー7アーバレスト「そう。エレメンタルヒーローはカッコイイ!ゲームのデッキでもエレメンタルヒーローデッキ出し。あ、因みにロッテがレッドアイズ使ってたのはこれも俺が好きだから!」

 

 

 

健悟「まあいつも通りの趣味全開ってことね」

 

 

 

ARXー7アーバレスト「まあそれも理由の1つなんだけどねぇ。さてそろそろ次回予告行ってみようか!」

 

 

 

健悟「今回はどんなのだ?」

 

 

 

アポロン「BGMスタート」

 

 

 

BGM『特攻野郎?』

 

 

 

健悟「あれ?これ前には使ったよな?」

 

 

 

ARXー7アーバレスト「そうだけど次回の予告的にこれが一番いいんだよ」

 

 

 

健悟「・・・本音は?」

 

 

 

ARXー7アーバレスト「考えてなかった!今思いついた!」

 

 

 

健悟「こいつはぁ・・・」

 

 

 

アポロン「気にしては駄目です。マスター」

 

 

 

ARXー7アーバレスト「そういうこと」

 

 

 

健悟「やれやれ。んん!家族や友人、愛するもの達が集う一年に一度の聖夜が訪れる。だがそれは悲しみの過去の悲劇の始まりでもあった。次回、少年が望んだ世界と力、第六十七話『再来するナイトメア・クリスマス・イブ』また、悪夢が始まる」

 

 

 

ARXー7アーバレスト「はい!OK!」

 

 

 

健悟「こんな感じよかったのか?なんか物足りなさがあるんだが」

 

 

 

ARXー7アーバレスト「多分大丈夫だと」

 

 

 

健悟「適当だなおい」

 

 

 

ARXー7アーバレスト「まあまあ、ではでは次回もお楽しみに!」

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第六十六話 会談
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