【サイバ】魔法王国英雄記 吼えろ!サイラス(1)【交流】
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ある日の夜、魔法王国王城執務室。

 

コンコン。

 

サイラス「どうぞ」

『失礼します』

 

ガチャ。

 

一冊の帳簿を携えた老大臣が入ってくる。

 

老大臣「国王陛下、昨年度の各村の年貢の一覧が出来上がりました」

サイラス「ご苦労。ふむ…ふむ…ふむ…。国民が額に汗して納めた年貢、1((G|ゴールド))たりとも無駄にしてはならぬぞ」

老大臣「もちろんでございます」

サイラス「おや?」

老大臣「如何なさいました?」

サイラス「HT村─北の果てのこの村だけ、額が極端に少ないようだが?」

老大臣「お気付きになりましたか。実は私も気になっておりまして」

サイラス「何か年貢が納められない事情でもあったのか? 例えば農作物の不作とか」

老大臣「さあ、そのような話は聞いておりませぬが」

サイラス「ふむ。これは少々調べてみる必要がありそうだな」

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翌日昼、HT村。

 

サイエル「ここがHT村か。人は少ないようだが、作物も普通に実っているし、特に変わった様子はないようだが」

 

『きゃあーっ!!』

 

サイエル「!?」

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村娘「おやめ下さい! 勘弁して下さい!」

豚男「やかましいわ! 貴様の家な、納めるべき年貢が随分と溜まっているんだよ!」

 

酒臭い息をした一人の豚男が、二人の手下とともに一人の村娘を連れ去ろうとしていた。

 

サイエル「おい、貴様ら何をしている!」

豚男「あぁん、何だテメエ?」

サイエル「ただの旅の商人だよ。か弱い娘さんに大の男が三人がかりとは穏やかじゃないねえ」

豚男「やかましいわ、よそ者が! やれ!」

手下A&手下B「「はっ!」」

手下A「てめえ、この方がどなたか知ってのことか!」

手下B「目にもの見せてくれるわ!」

 

ドカッ!

 

手下A「ギャッ!」

 

ドコッ!

 

手下B「ギャアッ!」

 

サイエルの当身を食らい、二人の手下はうずくまってしまった。

豚男「クソッ、斬り捨ててくれるわ!」

 

ジャキン!

剣を抜く豚男。

 

村娘「きゃあーっ!!」

サイエル「ふ。やめとけ、暴力はいけないよ」

豚男「やかましいわ! 死ねえっ!!」

 

だが。

 

ガッ!

 

剣を持った豚男の腕を掴むサイエル。

 

豚男「!?」

 

そして、その腕を背中に回し思いっきり捩じ上げる!

あまりの痛さに、思わず剣を落としてしまう豚男。

 

豚男「ぎゃあーっ! イデデデデデ!!」

サイエル「だから言っただろ、暴力はいけないって」

豚男「わ、分った! 分ったから離してくれっ!! …ふう、痛かった。き、今日のところはこれぐらいにしておいてやる。だが次に会った時はこうはいかんぞ! 行くぞお前ら!」

手下A&手下B「「へ、へいっ!」」

 

豚男と二人の手下は、ほうほうの体で逃げていった。

 

村娘「助かりました。ありがとうございます」

サイエル「なあに、いいってことよ。それよりも少々喉が渇いた。水を一杯飲ませてはくれまいか?」

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村娘の家。

 

水の入ったコップを差し出す村娘。

村娘「こんなものしかお構いできませんが」

サイエル「いや、ありがとう」

 

くいーっ。

 

サイエル「ああ美味い。礼を言うよ娘さん」

村娘「どういたしまして。それにしてもお強うございますのね旅のお方。このような大きな剣も携えられて」

サイエル「こんな仕事をしていると何かと危ない目に遭うことも多いのでね。まあ、あのような小悪党には剣を使うまでもなかったが」

村娘「あ、よく見れば((柄|つか))に、長い布がぐるぐる巻に」

サイエル「ああ、この方が滑り止めになっていいのでね。おっと、自己紹介がまだだったな。私の名はサイエル、王国中を回っている旅の商人だ」

村娘「サイエル様でしたか。改めてお礼を申し上げます、サイエル様」

サイエル「だから礼には及ばぬ。ところで娘さん、最近この村で変わったことはないか?」

村娘「変わったこと?」

サイエル「例えば、急に農作物が獲れなくなったとか、疫病が流行りだしたとか」

村娘「……」

 

村娘の顔がにわかに曇った。

 

サイエル「どうしたんだい?」

村娘「実は、代官のゲ・ローロ様が昨年この村に赴任されてから、急に年貢が大幅に上がりまして…」

サイエル「ゲ・ローロ様?」

村娘「はい。先程私を連れ去ろうとしていた、あの豚の男性でございます」

サイエル「ああ、あの三人組で一番偉そうにしていた奴か。随分と酒臭い息を吹きかけていたようだが」

村娘「はい。聞く所によると、お酒が三度の食事よりも大好きで、毎日朝から呑んでおられるとか」

サイエル「なるほどな。朝から酒を浴びているとは碌な人間ではあるまい。しかし妙だな、年貢が上がったというのに、納められた額は他の村と比べて極端に少なかった」

村娘「はい?」

サイエル「あ、いやなんでもない;;;; こちらのことだ」

村娘「重くなった年貢に謎の連続失踪事件も重なって、村の生活は苦しくなるばかりで…」

サイエル「連続失踪事件?」

村娘「はい。働き手である村の若い者たちが、男も女も、次々と謎の失踪を遂げているのでございます。みんな一体どこへ消えてしまったのやら…」

サイエル「さっきのお前さんみたいに、年貢の代わりに連れ去られたというわけではないのか?」

村娘「いえ、どうやらそうでもないようなのでございます」

サイエル「なるほどな」

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深夜、誰もいない蔵の後ろで。

 

サイラス「ディア、ディアはおらぬか?」

 

シュッ!

 

ディア「はっ、ここに」

サイラス「来たか。気配も感じさせず一気に忍び寄る。相変わらず見事だ」

 

 

 

サイラス「というわけだ。一つ調べてみてくれ」

ディア「承知しました」

 

 

=To be continued=

 

 

 

説明
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 ディア https://www.tinami.com/view/1061923
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コメント
時代劇(じゃないけど)の王道・勧善懲悪! 今から続きをうpしますね。(Dr.N)
これは王道的な展開の予感!(古淵工機)
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