フランが発狂したのはつい最近の事 第一話「やはり騒動の発端は・・・・」
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私・彼女の妹=フランドール・スカーレット、彼女=レミリア・スカーレット

 

レミリアは語る。

「フランが発狂したのはつい最近の事。アレは十九年前の事だったかしら、まあいいわ。」

咲夜が適当にあいづちを打つ。

「そうですか。」

レミリアは話に奥行きを付けようとさらに語る。

「そう、あなたが生まれるより、二年程前の事よ。

あの時は大変だったわ。主に後片付けがね。」

パチン。レミリアが指を鳴らして、さらに奥深く語り出す。

 

・・・・・・熱い。

私は熱さで目を覚ます。(目覚めて当然の時間、夜間であった。)

日の燃える様な熱さでもなく、彼女の情熱的な熱さでもなく、ましてや物理的な熱さでもない。

それは突然やって来て、心に訴えかける熱さであった。

それは愛とは違う熱さ、愛でないのならば、狂気だろうと結論する。そう、彼女は狂気と闇に魅いられていたのである。

明かりもなく、彼女は歩き回る。ふと視線を落とすと、そこに割れた鏡があった。さっき踏んで割ってしまったものだろう。当然、破片が散っている。この体は硝子のごとき破片程度では傷つかないのである。狂った視界は狂った心をもたらす。

すなわち、そのかろうじて、彼女の妹を写し出すその視界によって、私は狂っていったのである。

じーっと見て、それから目を離す。

この時には手遅れな程にまで、彼女の妹の心の奥には狂気の火が灯っていったのである。

彼女はある物音で目を覚ます。壊滅的な破壊の破砕音によって、コンマ一秒で状況を把握する。この優れた西洋妖怪の知性は告げていた。ただ事ではないと。

それで彼女は寝間着を脱ぎ捨て、いつものドレスの様な主人の様な服を着た。一瞬で用意して見せた。

ただちに紅魔館の裏側から入る地下室に飛んで向かうと部屋に向かうまでの通路が惨状と化していた。地上部分までは届いていないまでも、地下室への階段がずたずたに裂けていて、とてもじゃないが、歩いて地下室まで行けない程だった。

飛んで地下室まで移動する。その間に第二派が来て、来る人間を怖じ気づかせるのだ。彼女は人間ではないので、その騒音をスルーして部屋に入る。

私はドアの音を耳にする。直感する。彼女だと。

「おねえさま。私、ひまでひまでしょうがないの。おあいてしてくださるかしら。」

彼女が応える。

「私は暇じゃないから。昼夜逆転生活も考えものね。夜に起きているんじゃあ、社会生活に困るわよ。」

彼女の妹が答える。

「そんなにむずかしいことじゃないの。かんたんなことだったのよ。蛇の道は蛇だってね。」

彼女は近くに来て応える。

「いやはや、何考えているのかしら。」

彼女の妹は文字通り破壊を司る悪魔である。

対して、彼女の属性は秩序。相容れるはずもない二人が交差する時。

 

「今日はここまでね。来週お楽しみに。」

「え?来週あるんですか?」

説明
フランドールとレミリアによる戦いの火ぶたが切って落とされる。
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