MOTHER2(マザー2)ifストーリー「未来からのともだち」
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「・・・ネス?あなたネスじゃない?」

「ポーラ?君がポーラだね、助けに来たよ!」

 僕は牢屋の中に居た赤いリボンを付けた女の子に声をかけた。

 

 僕の名前はネス、どこにでもいる普通の小学生だ、実は僕は地球を救う使命を

持った特別な少年・・・らしいんだ。

 なぜかって?それはある日、未来からやって来たブンブーンというかぶと虫から

伝えられたんだ、地球は「ギーグ」という侵略者に支配されようとしている、

それを止める事ができるのは四人の子供達だって、そのうちの一人が僕、「ネス」

なんだって、ブンブーンから使命を託され僕はついこのあいだ冒険の旅に

出ることになったんだ。

 その四人のうちの一人の仲間「ポーラ」が隣町のツーソンに居るということで

やってきたんだけど、なんと「ハッピーハッピー教」という教団がポーラを

連れ去ってしまったんだ、だからこうして助けに来たんだ。

 僕は牢屋の扉を開けようとしたけど、

「鍵がかかってる!」

 せっかくポーラと会えたのに牢屋がそれをジャマをした。

「今の私達じゃ開けられないわ、鍵はきっとカーペインターが持ってるはずよ。」

 カーペインターというのはハッピーハッピー教の教祖と呼ばれるいわゆる

一番偉い人だ。

「だったらそのカーペインターを倒してくるよ!」

「待って!カーペインターは雷を操る術を持っているの、これを持って行って。」

 そう言うとポーラはバッジを渡してくれた。

「これは?」

「フランクリンバッジ、前に子供達を連れて遠足に行った時に雷が落ちてきて、

 それを跳ね返したことがあったの、きっとこれを持っていれば役に立つわ。」

「よし、待っててねポーラ!すぐ戻るから。」

「気をつけてね!私あなたを信じてるから。」

 僕は村の中心にあるハッピーハッピー教団本部へと飛び込んだ、

とんでもない数の信者をかき分けカーペインターの居る部屋へと入った、

カーペインターは余裕のある態度でこう言った。

「ネスくん、君達が生きていると我らの神が困るのだよ!

 神の裁きを受けて消え失せろ!」

 そう言うとカーペインターは雷を放ってきた!でもポーラから貰ったバッジが

カーペインターの雷をはじき返した、戦いの後に正気に戻ったカーペインターは

人が変わったように大人しくなり牢屋の鍵を渡してくれた。

「私はみんなに幸せになって欲しかっただけなんだ・・・それがどうしてか・・・

みんなにすまなかった、教団も解散だ。」

 僕はカーペインターから鍵を受け取りポーラが待つ山小屋へ急いだ。

 

「ポーラ!・・・あれ、ポーラ!?」

 ポーラが閉じ込められている山小屋へ飛び込むとポーラがいつの間にか

いなくなっていた、どうして?牢屋の鍵が無いと出られないはずなのに・・・。

 僕が混乱していると後ろから突然ナイター球場のライトのような光が

出てきた、振り返ると見知らぬお兄さんが二人立っていた、

一人はメガネをかけたお兄さんともう一人はスキンヘッドに一カ所だけ

髪の毛をまとめて結んでいるお兄さんが、僕はますますわけが分からなくなった。

「ネス、君はネスだな?」

「ポーラは?しまった、やつらに先を越されたか!?」

 どういうわけかお兄さん達は僕とポーラを知ってるみたいだった。

「あの、お兄さん達はだれ?」

 僕が聞くとお兄さん達は苦しみだした。

「ぐっ時間移動の副作用か!」

「ジェフ、例のペンダントを!」

 お兄さん達はそう言うとペンダントを付けた、すると身体と服も一緒に縮んでいき

僕と同じくらいの年の男の子に変わってしまった。

「ふぅ・・・僕はジェフ、信じられないかもしれないけど僕達は

 未来からやってきたんだ。」

「俺はプー、俺達はお前と共に戦った仲間だ、そして近い将来この時代でも

 仲間になる選ばれた四人の子供だ。」

「え!?え!?」

 驚きの連続だ!突然現れたお兄さん達の身体が縮んだと思ったらブンブーンが

言っていた僕の仲間だと言うんだ、しかもブンブーンと同じく未来から

来ただなんて・・・、でもそれよりももっと大変な事を思い出した。

「そ、それよりポーラがいないんだ!!」

 突然姿を消してしまったポーラの事だ、ジェフとプーも牢屋の中を確認する。

「おそらくポーラは敵にさらわれてしまった。」

「俺達はポーラを助けるために未来から来たんだ、こいつに乗ってな。」

 プーが指さした先には見たこともない不思議な乗り物?があった、これも

さっきまでは外に無かったのに。

「ぷー。」

 僕が呆気に取られているとジェフとプーの後ろから肌色で鼻が大きく足が短い

猫のようなヒゲを生やして頭にリボンをつけている生き物が歩いてきた。

「はじめまして、じぶんはどせいさんというものです。」

「どせいさん?」

 喋った、どせいさんは言葉が通じるみたいだ。

「まずはポーラの居所を突きとめよう。」

「詳しいことはスペーストンネルの中で話そう、ネス一緒に来てくれ。」

 突然のことでどうしたらいいか分からなかった、初めて会ったばかりだし本当に

ポーラを助けられるのかも分からない、でも不思議とこの二人を信じていいと

思えたんだ。

「わかった、僕も行くよ。」

 僕らはスペーストンネル12号という乗り物に乗り込んだ、ジェフとどせいさんが

機械をいじっている。

「はっしゃします、ぽえーん。」

 色々聞きたいことがあるけど先にジェフが口を開いた。

「実は僕たちはすでにギーグを倒したんだ、倒したはずだった・・・。」

「え!ギーグを!?」

 それに続いてプーも話し始める。

「しかし人々が突然ギーグの復活を唱え始めた、初めは数少ない人達だったが

 やがて多くの人々がギーグの復活を唱え始めた、そして俺達が倒したはずの

 ギーグが甦ってしまったんだ。」

「復活したギーグは再び地球侵略を始めた、安心しきっていた人々や僕たちは

 為す術が無かった・・・。」

「それっていろんな人達がギーグが復活しますように、ってお祈りしたら

 それが叶っちゃったってこと?」

 思いついた疑問を口に出してみる。

「ああ、やつらはポーラの祈りの力を逆に利用したんだ。」

「ポーラの?ポーラにそんな力があったの?」

 知らなかった、確かにポーラは不思議な力を持っているって

噂されていたけど・・・。

「そういえば未来の僕とポーラは?」

 ジェフとプーが僕の仲間だと言うなら未来にも僕とポーラが居るはずだ。

「ポーラはまだギーグに操られていない人々の力を集めるために祈っている、

 ネスはそのポーラを守るために未来に残ったんだ。」

「だから僕たち二人とどせいさんで君の時代に来たんだ。」

 僕は二人の話をまだうまく整理できていなかった、そう考えていると。

 ピーッピーッ!

「ぽーらのはんのうをみつけましたです。」

 機械が音を出した、ジェフがテレビの画面みたいな物を確認する。

「反応は地底大陸から!?あの洞窟か。」

「ポーラはおそらくこの場所に捕まっているんだな。」

 どうやらポーラの居場所が分かったみたいだ、するとまもなく車のエンジンが

止まったみたいにスペーストンネルも動きが止まった。

「目的地に到着。」

「ネス、ここからは敵との戦いになるぞ。」

 そうか、ギーグの手下となれば敵は宇宙人だ、でも今の僕にそんな奴らと

戦う力があるのだろうか。

「これあげます。」

 僕が弱気になっているとどせいさんはペンダントを僕にくれた、首にかけると

なんだか力がわいてきた。

「それは未来のネスの力を込めたものだ、これで奴らと戦えるはずだ。」

 扉が開き僕たちはスペーストンネルの外に出た。

「ぼくはここでまってます、すぺーすとんねるも"おしのびもーど"にしてかくす、

 ぽえーん。」

「行こう!!」

 洞窟の中には真っ暗な空間の中に道ができていた、行く手には見たこともない

宇宙人達が待ち構えていた、

ジェフやプーは慣れた様子で敵の宇宙人達をバシバシと倒していく、

ジェフは光線銃や機械を使いプーは剣を振り回したり僕が使ったことの

無いようなPSI(サイ)を使って戦っていた、僕は恐かったけどポーラが待っている事を

思い浮かべ思いっきりバットを振った、すると敵もあっけなく倒れていった、

これならいけるぞ!

「あそこだ!」

 ジェフの指さした先には人が入れるくらいの隙間がある壁があった、

中に入るとポーラが居た!でも椅子に座らされて頭には料理に使うボウルのような

物をヘルメットみたいに被らされている、まわりには見たこともない機械が並んでいた。

「ポーラ!!」

 僕が声を上げると目の前に宇宙人が現れた。

「ワレワレのケイカクのジャマはさせんぞ。」

 こいつはブンブーンと戦った時の宇宙人とそっくりだった、でも頭や肩に

たくさんの棘がついていた。

「チエのリンゴはアラタなヨゲンをした、ショウジョのイノリがニンゲンドモの

 チカラをあつめギーグサマをタオスと。」

「ポーラをさらってどうするつもりだ!」

「このショウジョのイノリのチカラをキュウシュウしギーグサマにうつす、

 そうすればニンゲンドモがギーグサマのためにイノリ、

 ギーグサマはカンゼンなツヨサをてにいれるのだ!」

「そういうことだったのか、だったらここでお前を倒し。」

「ポーラを取り返す!」

「ワタシはSPスターマン、ホカのヤツラとチガイ ヨワクはナイぞ。」

 SPスターマンは強かった、ジェフの発明グッズやプーのPSIをくらっても

中々倒れない、でもここで負けるわけにはいかない、牢屋に捕まっていた時の

ポーラの寂しそうな顔を思い出す、まだポーラを助けるって約束を果たしていない、

ポーラの事を強く思うとペンダントが光り出した、

それを見たプーが声を上げた。

「ネス!今のお前なら使えるはずだ!」

「PKキアイΩ!!」

 僕が覚えた必殺PKが今までにない特大のパワーで放たれた!

「グワァァァ!!ギーグサマ・・・!」

「やったぞ!」

 SPスターマンを倒した僕たちはポーラを抱えスペーストンネルへ戻った。

「おかえりなさいです。」

「あの基地は壊しておこう、ペンシルロケット100!」

 ボガーン!!ジェフが鉛筆状のロケットを数え切れないくらい発射すると

大きな爆破音がして敵の基地は木っ端微塵になった、

そしてスペーストンネルは発進した。

「ポーラ、大丈夫!?」

「・・・。」

 反応は無いけど寝息をたてているようだ。

「ふむ、体に異常は無いようだな、どうやら間に合ったようだ。」

「プーってお医者さん?」

「いや、我がランマに伝わる治癒の神通力だ。」

 プーがポーラを看てくれているとジェフがテレビ画面に向かって

誰かと話している。

「父さん、ポーラは無事救出した、そっちは?・・・やった!ギーグや宇宙人達が

 消滅したんだね!」

「未来も大丈夫なの?」

「こんぐらっちゅれーしょん、です。」

 よかった、ジェフとプーの、それと僕たちの未来の地球も安心みたいだ。

 スペーストンネルのワープの後、僕たちはハッピーハッピー村のはずれの山小屋の

前に帰ってきた。

「せっかくならツーソンに送ってもらった方がよかったなぁ。」

 ポーラと一緒にスペーストンネルから降りてそんなものぐさな事を考える。

「なに言ってるんだ、お前達の冒険はここで再開するんだろ?」

「そしてこの時代の僕たちと仲間になるんだ、だから僕たちとはお別れだ。」

 せっかく会えたのに・・・、でもそうだよね、二人も帰らなきゃ

いけないんだよね。

「よくやったな、ネス。」

「ありがとう!ジェフ、プー。」

 寂しくなるけどお別れしなきゃ、そう思ってるとどせいさんが近づいて来た。

「ねす。」

「どせいさんも元気でね。」

「ぐんまけん」

 どせいさんがそう言って僕の頭に鼻を押し当てると急に眠気が襲ってきた・・・。

 

 ・・・目を覚ますと山小屋の中にいた、ポーラも僕の横に座っていた。

「あれ?いつの間に寝てたんだ。」

 カーペインターから牢屋の鍵を取り返して急いで山小屋に戻ってきた

・・・そこからなにも思い出せない。

「ううーん、私、いつの間に眠ってたのかしら?あ、ネス!」

 ポーラも目を覚ましたみたいだ。

「ネス!やっぱり私が信じたとおりの人だったのね!ありがとう!」

 ポーラの喜ぶ顔を見て僕も嬉しくなった。

「さあ、一緒にツーソンに帰りましょう、帰り道も危ないけど二人で力を

 合わせれば大丈夫よ。」

「そうだね、帰ろう!」

 

 そういえばポーラの誘拐に加わってたポーキーはどこに行ったんだろう?

誘拐なんてひどいことをするなんて・・・、僕はちょっとムカムカしてきた、

そこへー

「こらー!!商品を取ったら金を払えー!!」

 無人販売所を監視していたお兄さんにポーキーが追いかけられていた、

あいつは僕たちに気づくとべーっと舌を出して逃げてしまった、

まったくなんてやつだ!

 

 グレイトフルデッドの谷をポーラと一緒に歩く、意外と余裕で話をしながら

帰れた、パパやママに電話をしたらガールフレンドができたんじゃないかって

言われてちょっと照れくさかった。

 そんな中ふと、

「早くジェフとプーを仲間にして世界を救おう!」

 自然と知らない名前が出てきた。

「ジェフ?プー?ネスったら、どこで次の仲間の名前聞いたの?」

 ポーラも不思議そうに聞いてきた。

「あれ?なんでだろう?」

 まぁいいや、これからの冒険が楽しみだな!

 

 終

 

-本作品は任天堂から発売されているMOTHER2の二次創作物です、

原作のMOTHER2とは一切関係ありません。

説明
本作品は任天堂から発売されているMOTHER2の二次創作物です、
原作のMOTHER2とは一切関係ありません。
MOTHER2本編クリアまでのネタバレを含みます。
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