真・恋姫†無双 天の御遣いと紅き武者 第十五話「雨流れる夜 少女は泣いて・・・」
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 どうも、FULIRUです

 

 少しチンタラやり過ぎた所為か、前々回の作品に比べて前回の支援数が急落下・・・。

 一週間に一度というゆとりペースに成ったので原稿を書く時間が大幅に増えました。

 と、いうわけで一話のページ数を若干多めにしようかと思います。

 

 どうせ、物語を細かく書くように設定してあるので、丁度良いかと・・・。(汗)

 物語中の進行速度も若干速めないと面白くないと思いますので・・・

 今回は一気に水関を突破しようかな・・・と。

 

 ではでは、どうぞ・・・。

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 「雪蓮! 雪蓮! しっかりしろ!!」

 

 医務室の中--

 周喩の声だけが部屋の壁にぶつかり、反響する。

 

 孫策の息は有る

 そう解っていても、心は焦り 彼女の声を求めて、喉から湧き上がる声を只管に上げる。

しかし、彼女が目を覚ます様子は無い。

 

 焦りと怒りが入り混じる。 『何故、こうなった』と。

 自分に問いだす・・・が、彼女の中から返ってくる答えは自然と決まっている。

 

 「もう・・・帰らないのだな。 ----華雄!!」

 

 違う、違う、違う。

 彼女は帰ってくる、と。 そう信じて孫策を華雄の元へと行かせた。

 だけど、返ってきたのは傷ついた孫策と華雄によって向けられた矛先だけだった。

 

 孫策は最後まで華雄を信じ、最後の一撃を敢えて逸らした。

 心臓を穿つ事は容易かった。 だけど、彼女は信じていた。

しかし、来た答えは『否』という答えのみ。

 

 三年前?。 孫策が唯一背中を預けられた人・・・華雄。

 そこまで信頼し合っていたはずなのに・・・・はずなのに。

 

 「華雄がそう決めたなら・・・もう、容赦はできない。 赦せ、雪蓮」

 

 起きる気配が無い孫策の額にそっと、優しく手を置いて、周喩はこう頷いた。

 孫策から安らかな寝息が聞こえた所為か、フッと気が緩んだ周喩は笑顔を溢した。

 

 一度、大きく息を吸い込んだ彼女は、今までに無い程に目を鋭くさせ、医務室を出て行った――――。

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 「まったく・・・。 此処まで無茶するアンタ見たのは久しぶりやで? 華雄」

 

 仮設された天幕の中で、大きく溜息を着く張遼と包帯をグルグルに巻かれた華雄が体を横にして寝ていた。

 

 「頼むからそれ以上は言うな。 色々とあるのだ、此方にも」

 

 目を閉じながら、天井に向かい声を出す華雄。

 天井から返ってくる声には、不思議と他人が出した声だと感じてしまう。

 

 「それにしても・・・。 少し大げさではないか? 是は」

 「・・・・・・・・」

 

 微妙、と言いたげな張遼の目に映った華雄の姿。

 そう、華雄の手当てをしたのは張遼本人だ。 始めは『ウチに任せとき!』と胸を張って自身ありげに包帯を巻いていた。 その結果・・・華雄の、俗に言う『ミイラ巻き』が完成した。

 おかげさまで、手どころか首すら満足に動かせない有様だった。

 

 「いやな・・・人にはやっぱり苦手なものが有って――」

 「というより、途中から面倒になって適当に巻くのが苦手と言うのか?」

 「・・・あぁぁぁ!! ゴチャゴチャ言わんと、寝とき!!」

 「――ッ!! 張遼! 叩くな! もう少し、丁寧に扱ってくれ。

  こう見えて、私は繊細なのだ!」

 「その『繊細』な人間が、あんな派手な戦闘するかい!?」

 「だから、其れには色々と――!!」

 

 二人が居る天幕を通り過ぎる兵の殆どが、巨大な芋虫・・・華雄を見ては、込上げてくる笑いを必死に殺していた―――。

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 二人の決着が着いたあの時。

 両軍の兵士は既に、戦闘を終わらせていた。

 

 関羽が率いる隊は、諸葛亮の指示により一時撤退。

 残された華雄・孫策軍は、大将の相打ちにより混乱状態だった。

 

 「おのれ孫策! よくも華雄将軍を・・・。

  華雄将軍をお助けしろ! 弓隊! 援護射撃! 放て!!」

 

 城壁の上から一人の小隊長が下に居た兵士に命令を下すと、城壁上に待機していた弓兵に指示した。

 『放て』という号令の元、無数の矢が孫策と兵士達に降り注ぐ。

しかし、矢の殆どは雨に打ち落とされる。 それでも、兵士の接近を防ぐには充分だった。

 

 「ック! 孫策様をお守りしろ!! 一時撤退!!」

 

 孫策軍の小隊長の号令。

 兵士全員が小さく頷き、降り注ぐ矢に躊躇せず突き進む。

 

 ある兵士は、孫策を助ける為に。 ある兵士は、退路を確保する為に。

 そして、またある兵は、盾を持ち、自軍の同胞・・・家族を守る為に。

 

 しかし、華雄を打ち倒した孫策は華雄軍にとっては最大な敵。

 集中して矢が降り注ぐのは当然だった。

 

 そんな中、一人の兵士が孫策を助けに行った。

 彼は、自分に矢が当たる事も気にせず、唯・・・唯、真っ直ぐに孫策の元へ。

 

 矢が降り注ぐ

 自分を盾にしながら、彼は孫策の身を第一と考えて行動していた。

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 ――――――結局、孫策・劉備軍は大敗。

 

 多くの損害を出して、おめおめと連合軍本部に戻ってきた。

 

 孫策は気を失い、劉備は自分の無力に絶望していた。

 劉備の頭の中では、夜行の言葉が次々と流れては反響していた。

 

 孫策を守った兵士は、医師により治療されたが・・・撤退中に既に死亡。

 気力と、主を守るという執念だけで冷たく、棒のようなった手足を動かしていた。

 

 其れを知らずに、周喩は其の兵士に『よくやってくれた』という言葉を掛けた。

 其の時には、死んでいたはずだった――――はずだったが、其の兵士が倒れる際に――笑った・・・ように見えた・・・。

 

 

 後に、この兵士の慰霊碑が建てられたのは、また別の話である。

 

〜回想 了〜

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 Side/連合軍本部

 

 「さて、次に水関を攻める話だけど―――」

 「んじゃ、アタシらが行くよ」

 

 立候補したのは馬騰だった

 あまりに軽く、何処か安心できるこの発言に華琳は呆然としていた

 

 「そ、、そう。 解ったわ。 では、次に攻めるのは馬騰軍で異論は無いわね?」

 

 特に反論が無い

 でも、何か可笑しい。

 

 

 この軍議には、曹操軍 馬騰軍 袁紹軍 袁術軍 公孫賛軍が参加していた

 劉備軍と孫策軍は大敗した所為か、今後の戦闘に参加出来ない状態だった。

 

 この軍議に参加している一刀は違和感を先程から覚えていた。

 

 何だ、この胸騒ぎ。

 

 何だ、この嫌な予感。

 

 何だ、この焦りは・・・。

 

 次に水関を攻めるのは馬騰。 是は良い、特に問題は無い。

 だけど、さっきから自分は無性に焦っている。 原因は解らない。

 

 隣に居る夜行はさっきから目を瞑っている。だけど、少しだけ・・・近くに居ないと解らない程、小さく――――笑っていた。

 その笑みは・・・少し、黒い何かを感じさせた・・・。

 

 

 そして・・・。 物語は刻む。 時計の針が時間を刻むが如く・・・深く、短く。

 

 

 「で、伝令!! 伝令!!」

 

 一人の兵士が部屋に飛び込んできた。

 

 「何ですの!? 軍議の最中ですのよ?!」

 「た、大変です! 袁紹様!! し・・・水関が!!」

 

 可笑しい。 何が? 否、何もかもが可笑しい。

 兵士の様子も、今、この瞬間も。  ・・・そして、事態はあらぬ方向へと進む。

 

 

 『―――――――水関が、激しく炎上しています!!』

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 『―――――――水関が、激しく炎上しています!!』

 

 予期も出来ぬ知らせに目眩がした。

 

 

 知らない  知らない  知らない  知らない

 

 俺は知らない。 《俺が知っている歴史じゃない》

 何が?! 何が起きた?!

 

 混乱している一刀を置いて、物語は進む

 

 「な!何ですって?! 一体何が!!」

 

 袁紹が・・・否、此処に居る誰もが状況が読めずに混乱する

 

 「ッチ! 詮索は後だよ! 外に出て状況を確認しな!!」

 

 その中で、最も思考が柔軟な馬騰が外へと出て行く。

 彼女の言葉を聴いた全員が、頷き・・・外を出て行く。

 

 そんな中、部屋に残された影が一つ・・・。

 唯独りの影・・・夜行。  その顔には、暗く、深く笑みが浮かんでいた・・・。

 

 

 「「「な・・・何なのよ・・・コレ」」」

 

 連合軍全員が見たもの・・・其れは『炎に沈んだ鉄壁の要塞――【水関】 』だった。

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 「・・・酷い有様ね」

 「「「・・・・・・・・」」」

 

 昨夜炎上した水関

 火の手が消えるのを待っていたら思いの外時間が掛かり、消えた時にはもう夜は明けていた。

 行軍の準備を終えた連合軍は、陽が高く昇った昼時に水関へと進んだ。

 水関内部は、言葉で表すには余りにも酷かった。

 

 在るのは、黒く焼き上がった『ヒト』だったものと焼けてしまった器材の山。

 恐らく、水関に居た兵士が全滅したと考えられた。

 

 「誰がこんな事を・・・」

 

 呟く一刀。 しかし、答えられる人は此処には居なかった。

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 水関を通過して四日が経った。

 未だに脳裏に焼き付いた『あの』光景が、瞼を閉じると見えてくる。

 時々襲い掛かる酷い吐き気。 気持ち悪い。

 

 行軍の途中で幾人の兵士が気を失ったり、嘔吐したりしていた。

 

 「こんなので持つのかよ・・・。 この連合は」

 

 一刀自身。 自分でも気が気じゃない事を口に出してしまう程、気分が悪かった。

 この連合内にあれ程の事をしてしまう奴が居る。 そう考えるだけで反吐が出そうだった。

 

 行軍から六日。

 ようやく森を抜けた。

 其処には、大きな建造物―――【虎牢関】が聳え立っていた―――――――― 

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 ――――――――――――――――――――刹那。

 

 体内に広がった悪寒。

 

 自分に掛かる重力が何倍にも増えたような錯覚。

 

 禍々しく、熱く衝撃波の如く広がる真紅の空気。

 

 是は・・・殺気? 否。 そんな生易しいモノじゃない。

 

 怒涛 激昂 殺意 憎悪――――。 そんな負の思念が一つの渦のように入り混じり、混じる思念に摩擦が掛かり、熱を帯びて一つの気のようなものに成った集合体。

 

 こんなにも禍々しい熱を持った気をここまで具現化出来る人間・・・。

 そんなのは、何れと一人に限定されてくる。

 

 虎の門に一人の影。

 

 立ちはだかる者――――――呂布。

 

 その背景に門が在る・・・はずなのに、見えない。

 そう、彼女の背後には、在るはずの無い存在―――まさに、『鬼』が此方を睨んでいた。

 

 『鬼神』・・・今の彼女には、まさしく其の異名こそが相応しい。

 気のみで、存在するはずのない存在『鬼』を生み出した一人の少女。

 彼女の周りは、気により大気が焼けるように熱く、炎を連想させた・・・。

 

 なんという不運だろうか。 その火は、六日前の水関を連想させる程熱く、現実味が有って、触れれば自分が燃え尽きてしまいそうな―――――錯覚。

 

 そんな緊迫した空気に、城壁から此方を見下す少女達の姿が見えた。

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 「ようこそ。 名声と権威に心奪われた哀れな連合の犬共。

  我が名は 李儒 董卓様に仕える軍師である」

 

 城壁から次々に、淡々と流れる侮辱の言葉を口ずさむ軍師 李儒。 そして・・・。

 

 「歓迎するわ。 そして、此処で散ってしまう己の身を精々呪う事ね。

  我が名は 賈? 字を文和 董卓軍 軍師」

 

 死の宣告を冷ややかな目で行う。 軍師 賈? 

 

 「初めまして。 そして・・・我、董卓の名の元。 今一度問います。

  汝等が信じる正義 この争いにおいて、何処に在る?!」

 

 真っ直ぐな瞳で問いだす。 心優しき王 董卓

 

 「と、突然現れては・・・一体何が言いたいのです?! 董卓さん!」

 

 董卓の問いを無視する袁紹。

 

 「黙りなさい袁紹! 何も知らない貴女が権威欲しさに起こした戦争でしょう?!」

 

 激昂を飛ばす李儒。

 確かに、袁紹は董卓が囚われの身に在るという事を知らない。

 しかし、当の本人である董卓が虎牢関の城壁に立たされている以上は真実を理解する者など、居なかった。

 

 「何を言いますか!? 貴女達が布いている悪政に民達が苦しんでいるのを知らない袁本初でなくてよ? だからこそ、私は貴女達を倒さなければならないてよ!?」

 「なら、水関で行った虐殺行為・・・あれは貴女が言う『正義』なのですか!?」

 「グッ・・・!!」

 

 袁紹も馬鹿じゃない。

 自分達が、幾ら水関を突破しようとしたとしても、虐殺という最悪の選択肢を選んだ事は理解していた。

 仮に袁紹自身の命令で無くても、連合の内の『誰か』が行った事に変わりは無い。

 そして、其れを未然に防げなかったのは、総大将の袁紹の責任であり、連合に参加している全員の連帯責任でもあった。

 

 「民を救うとはいえ、虐殺しか行えないなんて・・・貴女達の器の底が見えるわ!!」

 

 すき放題に激昂を飛ばす李儒。

 当然である。 自分達の仲間が、あんなにも無残に殺されて黙っている訳が無い。

 

 常識である。 当たり前である。

 仲間が殺されて、気分が良いはずがない。

 其れを理解しているからこそ、連合軍全員は反論が出来なかった―――。

 

 しかし、一人だけ・・・例外が居るとしたら・・・【彼】だけは、違った―――

 

 『――――――――――――笑止――愚か成り―――――――』

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 『――――――――――――笑止――愚か成り―――――――』

 

 不意に、そんな言葉が森に・・・虎牢関に響いた。

 

 「何奴!!」

 

 賈?が連合に向けて、叫ぶ。

 自分達の怒りを、『笑止』の一言で切り捨てられ、『愚か』という一言で侮辱された。

 

 しかし、聞いたのが運の尽き・・・。

 『不幸軍師』と、ある意味の異名を持つ 賈文和。

 彼女の持つ常識と、思考では・・・否。 彼女という存在が持っているからこそ、【彼】の持つ思考には勝てない・・・。

 

 「曹操軍 軍師 我が名は紅葉 字は無い」

 「「「!!!!!??」」」

 

 驚愕の顔を隠す事さえ忘れていた彼女達は呆然とする他無かった。

 

 「な、なんで・・・アンタが・・・」

 

 驚きを隠せない賈?

 厄介だ・・・と、焦る李儒

 覚悟はしていたような素振りを見せる董卓

 

 「最初に言ったはずだ。 見極めると」

 「・・・其れが、貴方の答え・・・なのね?」

 

 肩が震える賈?

 彼になら・・・彼だけは、味方で居て欲しかった。 だからこそ、真実を話した。

 理解してもらえると。 でも、裏切られた。 哀しみと悔しさが怒りを呼び起こす。

 

 「・・・。 先程の問いに答えよう・・・李儒」

 

 賈?の問いを無視し、李儒へと矛先を向ける夜行

 少し、立ち退く彼女の瞳には・・・暗く笑う夜行の姿だけが在った。

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 「それで、貴方の答えとは? 紅葉殿」

 「その前に、貴様等は一つ、勘違いをしている」

 「・・・何ですって?」

 

 李儒の眉間が寄せられる。

 少しでも油断すれば、この舌戦で負ける。 そんな事になれば、この戦いに勝ち目は無くなる。

 そう、解っているのだ。 彼女は。

 

 「俺達は『戦争』をしに此処まで来た。 お遊戯の『英雄ごっこ』とは違う!」

 「な、何を・・・」

 

 困惑する李儒。

 連合内部でも、彼の言葉を理解する者は少なかった。

 

 「なら、簡単に言ってやる。 俺達は、人を殺しに・・・『戦争』をしに此処まで来た!

  理想に正義を乗せる『英雄ごっこ』をしにこんな所に来た覚えはない!!」

 「「「なっ!!」」」

 

 そう、【彼】に彼女達の常識は通用しない。

 ましてや、思考以前に物事に対して考える範囲が格段に違うのだ。

 だからこそ、常人には思いつかない舌戦を行う事も出来る。

 

 「虐殺? それがどうした?! まさか、正当化された戦闘に正義を感じるなんて馬鹿げた話をするなよ?! 戦争なんて殺したら勝ち! 死んだら負けの二つしか存在しない! そうなれば、死んだ奴には当然、悪が着せられ殺した奴に正義が掲げられる!」

 

 「自分達の力の無さを棚に上げて、道理が成ってない殺戮に正義が無いなんて言葉は言う権利すら無い! だからこそ、貴様等は負けるのだ! この戦争にも! 時代にも!」

 

 そう。 真実を知っている夜行だからこそ言える言葉。

 厳しい言動だが、こうでもしなければ彼女達はこの時代の渦に呑まれ・・・消え行くしか無い。 だからこそ、強く在って欲しいという願いを込めて・・・戦争の本当の意味を教えなければならない。

 

 しかし、現実とは・・・思いの外、上手く成らないのが常である。

 

 「そうね。 でも、董卓様が聞きたいのはその『正義』じゃない!

  貴方達が何を想い、此処に来たのか。 その『正義』を知りたいの!!」

 

 戦争以前に、何故・・・其の連合に参加したのか・・・。

 其処に『正義』は在るのか? そういう事だ。

 しかし、小細工を掛けても・・・【彼】には意味は無い。

 

 「それこそ簡単だ! 俺達は、『信念』に従い、此処まで来た!!

  其の『信念』の中こそに我等の正義が在る!!」

 

 誰もが持つ個々の信じるべき『モノ』

 道理なんてどうでもいい。 理屈なんて関係ない。

 自分が自分であるために信じる『何か』

 それこそが、人それぞれが持つ『正義』

 ならば・・・彼女『李儒』が取るべき行動は一つ。

 

 「そう、ならば・・・。 貴方の言葉に乗っ取り

  『自分達の信じるものが正義であり、この戦争の勝者が正義』

  ならば・・・。 私達は戦うまでよ!!」

 

 そう言い放つと、城壁から消える李儒の姿

 それに続くように賈?と董卓が城壁から去って行く

 別れ際に、賈?は哀しみに浸る瞳を夜行に向け・・・去って行った―――――。

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 そして、城門に立ち塞がる呂布が此方を再び・・・鋭く睨む。

 ッヒ! と、怯える兵士達。

 そんな連合に対し・・・呂布は。

 

 『大丈夫。 皆一人残らず・・・殺してあげる。 だから、寂しくない』

 

 淡々とした口調で虐殺宣言。 しかも、笑顔ときた・・・。

 

 連合が自分達にした行為を、彼女は一人で再現するのだ・・・。

 しかも、今度の立場は・・・全くの逆である。

 

 そして、虎牢関内部へと去った・・・。

 

 やってくれる・・・。 と、言わんばかりに夜行は汗を流しながら苦笑する。

 其の笑みは、決して明るいものでも無く、暗いものでもなかった。

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 Side/虎牢関内部

 

 月明かり。 一つの部屋が照らされる。

 月・・・・。 それが彼女の真なる名前。

 優しい響き。 しかし、冷たき名前でもある。

 

 「紅葉さん・・・。 これで、本当に・・・良かった・・・んですよね?」

 

 彼女もまた、雨に打たれた一人である。

 雨は彼女に何を齎したかのだろうか・・・。

 

 困惑か? 決意か? 迷いか? 哀しみか?

 

 もう、後悔する時間すら残されていない。

 

 『物語は刻む。 時計の針が時間を刻むが如く・・・深く、短く』

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 あとがき

 

 どうも、FULIRUです。

 

 まさか、少しページを増量しただけでここまで疲れるとは・・・。

 しかも、ギリギリの投稿ときました・・・。

 疲労感が半端ないです(汗)

 

 正直、先程までスパルタで原稿書いたのでわけが解らない程に展開が速くなっているかもしれません。 そういった不安もあるため、読者の皆様のコメントが非常に欲しいです。

 

 そして、ギリギリ投稿なので、誤字等が有りましたら教えて頂けると嬉しいです。

 

 そしてそして、少し種明かし・・・(?)

 

 『虎と華 散り行くも・・・。 絶える事の無い命の篝火、その火は輝く。

  雨流れる夜 少女は泣いて・・・。 決意の灯火は、儚く、切なげに揺れ踊る』

 

 さて・・・。 謎めいた文章だこと・・・ww

 

 

 それでは。 さよ〜なら〜。

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 数多の命が枯れてゆく

 

 哀しみに、怒り酔う独りの鬼神

 

 影を司る黒き御遣いも、その身を枯らす

 

 その果てに、影は何を見ゆるか・・・

 

 

 そして・・・白き御遣いは目覚める・・・

 

 次回 真・恋姫†無双 天の御遣いと紅き武者 第十六話

 

         『純白の御遣い 『暴走』という名の【変革】』

説明
真・恋姫†無双 天の御遣いと紅き武者 第十五話 です。

ギリギリの投稿の為、誤字等が有りましたら教えて頂けると嬉しいです。
そして、かなりスパルタで原稿を書き上げたうえに、ページが何時もより増えています。展開が読めないとか、早いかもしれないという不安が有ります。ですからコメントして頂ければ作者は安心します。 コメントお願い致します。
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コメント
・・・あれ?続きは?(レヴィアタン)
続きは、いずこに・・・(ミクボン)
どういうことだ。今回の次回予告では次の予想が全く追いつかないだ、と(VVV計画の被験者)
リョウ流様>コメント有難う御座います。 一応、応援(?)として受けておきます。(FULIRU)
ねこじゃらし様>コメント有難う御座います。 舌戦の内容には、かなり苦労しました。 カッコイイと、褒めて頂き有難う御座います!(FULIRU)
更新お疲れ様です。舌戦格好良い!(ねこじゃらし)
弐異吐様>コメント有難う御座います。 恋は優しい子なんです。 ただ、今は凄く怒っているだけなんですww(FULIRU)
邪眼の魔王様>コメント有難う御座います。 まだどう繋げるかは決まってませんが、ご期待に副えるよう奮起します。(FULIRU)
呂布の笑顔が怖い(弐異吐)
更新おつです^^次の虎牢関では、呂布対夜行ですかね?楽しみにしていますw(邪眼の魔王)
宗茂様>コメント有難う御座います。 感想頂き、嬉しい限りです! しかも、褒めて頂けるとは・・・。 これからも、ご期待に応えれるよう頑張ります!(FULIRU)
舌戦のときの夜行がすごくかっこよく感じました(宗茂)
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